ホーム > にいがたで出会う 満天の星空と原風景 / 星空の原風景

ここから本文です。

にいがたで出会う 満天の星空と原風景

  • 星空の原風景
  • 星空ドライブへ
  • 県内の星空名所

ずっと心に残る天と地の星空を新潟で見つけました。:田んぼとともに眺めたり、林の中から見上げたり。原風景ともいえる新潟らしい景色の中で、そっと見上げる星の美しさは格別だ。夏の新潟。その星空の魅力とは。世界の沼澤に聞きました。

天体写真家・天文イラストレーター 沼澤茂美

1958年生まれ。村上市(旧神林村)出身、在住。1984年、JPL日本プラネタリウムラボラトリーを創設。天文宇宙関係のイラストや天体写真を中心に手がけ、世界で発行されている天文雑誌、書籍の執筆、NHK天文宇宙関連番組の制作・監修、プラネタリウム番組の制作、アメリカ映画「スタートレックDeep Space9」のポスター制作などを行う。2004年環境大臣賞受賞。

※星空撮影/長岡市山古志虫亀付近の棚田にて

新潟の夏の空。その醍醐味を沼澤さんは「なんといっても天の川です」と言う。「銀山平(ぎんざんだいら・魚沼市)に向かう枝折峠(しおりとうげ)や村上市の天蓋高原(てんがいこうげん)など、きれいに見えるスポットはいくつかありますが、新潟市の市街地から車で30分走れば肉眼で見えるはずですよ」。
水田とともに、稜線(りょうせん)とともに、山古志(やまこし・長岡市)では夜空を映す溜め池とともに。沼澤さんの天の川の写真は、しんと静まった空気や涼やかな風など、周囲の全てを取り込むようにしてそこにある。「日時や場所、見るシチュエーションによって星の感じ方は驚くほど変わります」。そのことを教えてくれる好例がある。松尾芭蕉の「荒海や佐渡に横たふ天河」という、あの名句だ。

松尾芭蕉は確かに見ていた、
佐渡に横たわる天の川

松尾芭蕉は「おくのほそ道」の中で、海に面した出雲崎(いずもざき・出雲崎町)を訪れた際、日本海に浮かぶ佐渡の島を望んで句を詠んでいる。

棚田の風景(長岡市山古志虫亀付近):新潟の原風景として親しまれている山古志の棚田。この地域の特徴として、稲作と合わせて錦鯉の養殖を行っている。夏の夜には、満天の星空が池に映り、天と地の星空を体験できることも。/銀山平(ぎんざんだいら)(魚沼市上折立付近〈枝折峠〉):美しい星空が広がるスポットとして日本有数。周囲の明かりが少なく、雲の無い晴れた日には、天の川が横たわる。(星空撮影:沼澤茂美)

夏の新潟で天の川を見よう!:天蓋高原(てんがいこうげん・村上市高根付近)ありのままの自然が残る、高根集落近くの高原。星空スポットとして人気があり、写真撮影のアマチュアも数多く訪れる。夏はひまわり畑も見ることができる。(撮影:沼澤茂美)

専門家は芭蕉の才能を讃えながらも「天の川が佐渡に横たわるなんて」と、その現実感を疑問視した。それはきっと心眼だと。でも沼澤さんは実証する。
「紀行文の内容をたよりに、その日時をコンピューターで再現すると、記述された通りの星空が現れたんです。実に劇的な瞬間でした」。
時は、日が沈み薄明が終わるころ。西の地平線近くには細い三日月があり、天の川は半天に輝いていた。「三日月なら天の川は問題なく見えます。また、月があったからこそ佐渡の輪郭が良く見えたとも言えます。おそらく、その日は悪天候を経てクリアな空が広がっていた。月もすぐ沈み、際立った明るさの天の川が輝いていたことでしょう」。
出雲崎と佐渡の間の海峡は、まるで大河のようにも見える。それを空を二分する天の川に投影してみれば、会うに会われぬ牽牛織女(けんぎゅうしょくじょ)(※)の伝説が、当時佐渡に追放された人々の心情と重なったのかも知れない。「それが荒海という表現をもたらした可能性もある」と沼澤さん。星に語り語られ思いをはせる、星空の魅力がそこにある。

星の営みは不変の物差し。まずは夜空を眺めてみよう

今も芭蕉と同じ星空を望めるかというと、人工の光が増えたことによって難しくなった。
「空の営みは有史以前からほとんど変わっていません。でも星の見え方やとらえ方が変わるのは、僕ら人間の営みが変化しているから。星空が不変のものとしてそこにあるからこそ、変化したものがよく分かる。星や太陽や月は言わば物差しです」。
まずは、夏の空を眺めてみよう。ぜひ新潟らしい地上の風景とともに。「星の楽しみ方に決まり事はありません。難しいことを考えずに出かけてみれば、星空のほうから訴えてくるものが、きっとありますよ」。
※中国に古くから伝わる七夕の伝説。日本では「織姫」「彦星」として知られる。

芭蕉の見た空:当時の星空を出雲崎(いずもざき)の地形と共に再現した図。西の空には沈みかけた三日月状の月が輝き、半天(頭の真上付近)には夏の天の川が天を二分するように輝いている。その状況は天の川の句と共に書かれた紀行文の一節と一致する。(コンピューターで再現した画像)

ページの先頭へ戻る

  • サイトマップ
  • お問合せ
  • 資料請求
  • サイトポリシー