知らなかった、新潟市北区の魅力を満喫/新潟市


2024年04月18日 752ビュー
先日開催された「北区魅力体験モニターツアー〈福島潟探求編〉」に参加してきました。

優しい雰囲気が漂う、2と7の日の市

まず訪れたのは、松浜市。毎月2と7のつく日に開催される松浜市は、松浜二・七の市として知られ、四季を通じて、衣料品・海産物・青果物・切花などが並び、地域の台所として親しまれています。60軒ほどの露店が並びます。
松浜漁港が近くにあり、鮮魚や海産物が多いことや、旬の野菜や果物など近郷の農家の方々が出店していることが松浜市の特徴ということで、そういった露店を中心にお話を伺いました。
松浜市で鮮魚を販売している三店舗のうちの一軒にいたお母さんは、市に立ち続けて約50年。「8時30分ごろから店が開き始めて、11時ごろになったら大体のお店が店じまいになるんだよ。早いうちに来ていいものをバババって買っていくのがおすすめ」と話してくれました。
和菓子を販売していたお店のお父さんは「ほら、もう少しで合格発表だろ。縁起のいいお菓子があるから写真撮るならそっちを撮りなよ」と元気な声で声をかけてくれました。
普段は農家をしていて、自分で育てた野菜を売りに来たというお母さんは「写真は……顔が見えないように撮るならいいよ」と恥ずかしがりながらも話を聞かせてくれました。「私も50年くらいになるかな。吹雪いてテントが飛びそうなとき以外、市はあるんだよ。あったかいといいんだけど、寒いとなかなか大変なんだ。でも、体が続くうちはまだまだ市に来るよ」。
デジタル、デジタルな今の世の中で、なんとも昭和で優しい雰囲気が漂う松浜市。「今の時間ならもう半額でいいよ」なんていう、交渉も楽しみながらあっという間に時間が過ぎていきました。

松浜市

新潟市北区松浜本町4(新屋敷市場通り)
025-387-1356(新潟市北区産業振興課商工観光グループ)
毎月2日、7日、12日、17日、22日、27日の午前8時から午前12時ごろまで
※天候等によって、早めに店じまいするところもございます。

自然豊かな福島潟について楽しく学べる

続いてやってきたのは、ビュー福島潟。こちらでは、福島潟に生息する動植物の生態などを学ぶことができます。
この日は、福島潟のことをよく知るレンジャーさんがガイドとして館内の有料ゾーンを中心に案内してくれました。
ガイドしていただいた中でもやはり中心となったのは、オニバスとオオヒシクイ。193haのうち163haが「国指定鳥獣保護区」に指定されている福島潟は、ヒシが多く取れる場所としても有名で、これを求めて、秋から冬になると、オオヒシクイがやってくるのだそうです。一方で福島潟は、葉の直径が2mを超える水生植物オニバスの日本北限の自生地としても有名だそうで、470種類もの植物が確認されている自然の宝庫として全国から注目を浴びているのだとか。
そんな話を聞きながら、目指すのは6階の上、屋上展望台です。
屋上展望台からの眺めはこんな感じ。福島潟の入り組んだ形状は上から見ることでよりよく分かります。しかし、あまりにも福島潟は広大なので、いったいどこまで潟が続いているのかは分かりませんでした。
今度は連絡通路を通って、福島潟を目指します。
福島潟を中心とした自然学習園の入口にある全体マップがお出迎え。福島潟を一周するには徒歩で2時間以上もかかるのだとか。本当に広大です。
早くも咲き始めている菜の花に遭遇。思わずパシャリと写真を撮りました。
冬に訪れた渡り鳥たちは暖冬もあって早くも福島潟をあとにしたと聞きましたが、訪れたこの日、まだ数羽の鳥が気持ちよさそうな姿を見せてくれました。

ビュー福島潟

新潟市北区前新田乙493
025-387-1491
9時〜17時
月曜休館(祝日の場合、翌日)

2021年に誕生したばかりの新しい酒蔵で一杯

さて次に目指すのは、2021年に誕生した酒蔵「LAGOON BREWERY(ラグーンブリュワリー)」。日本家屋をリノベーションした小さな酒蔵にはショップとカフェを併設。福島潟の景色を眺めながらの試飲もできちゃうスポットです。
この日は代表の田中洋介さんが出迎えてくれました。海外向けに「清酒」を、国内向けに「クラフトSAKE(その他の醸造酒※)」を製造・販売しているこの蔵の銘柄の中から人気の10銘柄を用意していただきました。

※醸造酒類のうち清酒・果実酒・ビールなどを除いた酒。どぶろくや、米以外の副原料を用いるものが該当。
副原料に北区産のトマトを使用したものやル レクチエを使用したもの、ぶどうを加えたものなど、ほかの蔵元では味わえない、ジューシーでフルーティーなお酒が並びました。
横に目をやれば、造りの現場も見ることができ、非日常な体験も可能です。
またこの日は大吟醸クラスの酒粕が無料で持ち帰れるサービスも。こちらは今回参加したツアーに限らず、運がよければ出会える代物だそうです。
ほろ酔いでいい気分になったところでお待ちかねのランチタイム。再び福島潟へ向かいます。

LAGOON BREWERY

新潟市北区前新田乙576-1
025-250-0069
10時〜17時
月曜定休(祝日の場合、翌日)
※詳細はHP参照

無料の休憩所で特別にいただいた潟食材のランチ

やってきたのはヨシ葺き屋根の休憩交流施設「潟来亭」。管理人の鈴木さんが出迎えてくれました。
ここでいただくのは、今後一般でも食べられるようになるという、福島潟でとれた食材で作るスペシャルランチ。
和え物「七草白和え」。
酢の物「菜の花 フナ」。
小鉢「小鮒(ざっこ)煮」。
蒸し物「川がに」。
煮物「鯉の甘露煮」。
揚げ物「ナマズ 蕗の薹(ふきのとう)の天ぷら」。
焼き物「ふなつけ焼き 潟舟焼き 蓮の実 菱の実」。
ここに蓮の実おこわとお味噌汁がつくという大ボリューム。
調理を担当した「割烹・仕出し ふぐ 松潟屋」のご主人が一品一品丁寧に説明をしてくださいました。この内容を今後ブラッシュアップして、観光客を対象に楽しめるようにしていくのだとか。
食事の後は隣の部屋にある囲炉裏で暖を取り、管理人の鈴木さんと会話。
「ここの施設は無料でどなたでも立ち寄れるからぜひもっと多くの方に来てもらいたいね」と管理人の鈴木さんはおっしゃっていました。

潟来亭

新潟市北区新鼻福島潟乙11
025-387-1491
9時〜17時
月曜休館(祝日の場合、翌日)

予約争奪戦の季節もある、福島潟に一番近い宿

今回のツアーの立ち寄りスポットもいよいよ大詰め。まずは宿泊施設の「蔵の宿 菱風荘(りょうふうそう)」にお邪魔します。こちらは、福島潟の豊かな自然や野鳥の観察・自然体験・写真撮影・観光などに訪れる拠点として安価に使用できるセルフ式の宿泊施設。
大浴場を完備した本館には、洋室のほか、最大20名まで泊まれる和室広間もあります。
広い施設の中には一棟ずつ独立した計7つのコテージ。
冷暖房に音響設備、プロジェクターまで完備した体験棟。
グループでバーベキューを楽しめるバーベキュー広場まであります。
会社の研修や子どもたちのお泊り会などで利用されることが多いというこちらの施設、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などは特に需要が高く、予約も争奪戦とのこと。気になる人は早めの予約がおすすめです。

蔵の宿 菱風荘

新潟市北区前新田乙364-1
025-388-5314
チェックイン15時、チェックアウト10時

貴重な経験を後世へと語り継ぐ

最後に訪れたのが「環境と人間のふれあい館―新潟水俣病資料館―」。こちらは1995年に新潟水俣病被害者の会・共闘会議と昭和電工との解決協定締結を契機に、2001年に建設された施設。水俣病のような悲惨な公害を繰り返さないようにと、新潟水俣病の経験と教訓を後世に伝えるとともに、水の視点から環境を大切にする意識を育むことを目的としています。
まずは20分ほど水俣病のあらましを映像で学習します。
一階は「水辺のいきものと阿賀野川のくらし」と題され、川の中をイメージした空間になっています。水辺に住む生き物たちとその宝庫となっている阿賀野川の風景や歴史を学べます。
二階には一階に引き続き「水辺のいきものと阿賀野川のくらし」がテーマの空間のほか、「水とわたしたちの生活」と題して、生活や環境の視点から水の大切さを学べる空間があります。
さらにパネル展示や映像など、膨大な資料で新潟水俣病を学べる「新潟水俣病」というスペースもあります。ガイドの方の話を聞きながら、学びを深めることができた1時間でした。

環境と人間のふれあい館―新潟水俣病資料館―

新潟市北区前新田乙364-7
025-387-1450
9時30分〜16時30分
月曜休館(祝日の場合、翌日)

新しい発見ばかりの一日でした。みなさんも魅力あふれる北区で街散策を楽しんでみませんか?
この記事を書いた人
コジマタケヒロ

暮らした場所は、東京→新潟→京都→新潟。エリア情報誌の元編集長。
日本酒、サッカー、おいしいもの大好きのフリーライター。

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