「新潟県・庄内エリア アフターデスティネーションキャンペーン」
2020.10.1〜12.31新潟県・庄内エリアの観光情報は「にいがた観光ナビ」、「やまがた庄内観光サイト」をご覧ください。

特 集

金属加工の産地で進化する料理人燕三条地域の稀有な歴史と、職人を支えた食文化。

 燕三条地域の金属産業が始まったきっかけは、日本一の大河・信濃川の「洪水」。江戸時代の文献には、3年に一度は洪水が起きていたと記録されています。度重なる自然災害によって農作物の収穫ができず困窮するなか、代官所奉行として三条に在城した大谷清兵衛が、農民の副業として和釘造りを奨励。農具を造る野鍛治が盛んな地域だったこともあり、越後一の金属加工生産地へと成長しました。200年以上前に始まった「鎚起銅器」の製造は燕を代表する産業の一つ。一枚の銅板を鎚(つち)で叩きながら縮め、継ぎ目のない製品を造る技術を有する産地は、今ではここにしか残っていません。
 明治期に和釘の需要が低迷し、三条は大工道具や包丁などの刃物鍛治を、燕は伝統技術を組み合わせた洋食器製造を開始。現在も伝統技術と最新技術を融合させて、高品質な製品を生み出しています。
 金属産業の発展を背景に、地域に根付いた食文化の一つがラーメンです。三条では、多忙を極めた社長や職人の残業中の食事として、カレーラーメンの出前が人気に。燕では、忙しく働く職工の要望を受け、腹持ちの良い太麺に濃い味つけ、味を整え、冷めるのを防ぐ背脂入りのラーメンが誕生。今もそれぞれの特徴を持つラーメンが多くの店舗で提供されています。
 日本一旦那衆が多い、つまり「社長様」が多いと言われている燕三条地域。地場産業を支え、県外からのお客様をもてなす機会の多い旦那衆の存在があったからこそ、地域の食文化も金属加工業とともに発展しました。今日、この地で新たな挑戦をしている若い料理人が増えているのも、旦那衆が育んできた燕三条地域の地域性が下地になっているのかもしれません。地域を愛しつつ、己の目指すところに狙いを定めて、進化し続ける料理人たちに、ぜひ会いに来てください。

燕市・三条市・新潟市職人の町を訪ねて

Restaurant UOZEN
メニューはシェフのおまかせコースのみ。シェフ自らが狩猟や採集、釣りに出かけ、野菜を育てて食材を調達。好きだと思うもの、作りたいものを追求しながら、新潟の食のレベルを上げるための取り組みに力を入れている。
三条市東大崎1-10-69-8
TEL 0256-38-4179
懐石 秀石菴(しゅうせきあん)
東京の一流店で修行を積んだ兄弟が、地方の食文化を高めるために開いた店。新潟の奥座敷・岩室にありながら、県内外から常連客が訪れる。新潟ならではの食材を使って、日本料理の奥深さを感じられる料理を提供する。
新潟市西蒲区岩室温泉617
TEL 0256-82-2009
玉川堂(ぎょくせんどう)
江戸時代から変わらない製法で銅器づくりを続けている老舗。何百種類もある金鎚を使い分け、何万回、何十万回と叩くことで器を作る。中でも、一枚の銅板から注ぎ口まで打ち出す口打出(くちうちだし)は200年の伝統の真骨頂。
燕市中央通2-2-21
TEL 0256-62-2015
燕三条地域のご当地ラーメン
燕市・背脂ラーメンと三条市・カレーラーメンは、職人の町ならではのご当地ラーメン。70年の歴史の中で進化を遂げ、今では味やこだわりも千差万別の燕三条系ラーメン店が立ち並ぶ。
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