旅するガストロノミー新潟へ
ガストロノミーとは「美食学」を指す言葉。食を通じて地域を知り、歴史を紐解きながら食を味わう…地域の魅力を丸ごと味わえる新たな旅の視点です。新潟県・庄内エリアでも、積極的にガストロノミーに取り組む動きが各地で活発になっています。
こちらではポスターに掲載されている料理の店舗をご紹介します。
里山十帖
新潟県魚沼地方は、冬に3mもの雪が降り積もる豪雪地帯。古くからこの地に住む人々は、長く厳しい冬を乗り切るために、一年を通して野山の幸を保存食に加工してきた。
ここ里山十帖では雪国の知恵というべき保存食を、一皿の上で春夏秋冬を味わえるよう提供している。今回料理するのは里山十帖のフードディレクター兼シェフの桑木野恵子さん。埼玉出身の彼女は若い時から世界各地を回り"人が豊かになるのはその土地の食や文化が根底にある"と感じ、里山十帖オープンに合わせて当地に移住した。
「最初は雪に覆われて何もないところだと思っていました。しかし、地元の方に真冬に食事をご馳走になったのですが、出される料理の豊富さにびっくりしました。その方は春採れる山菜や秋採れるキノコを塩漬けや乾燥させ、保存食として1年中食べていたんです。」"これを作れるまでは都会へ帰りたくない"と思った桑木野さんが作ったのが里山十帖の半地下にある「発酵部屋」。味噌や塩麹などの調味料、漬物や山菜といった定番はもちろん、様々な保存食が仕込まれている。
「地域の風土、文化、歴史を皿の上に表現したい」という桑木野シェフ。「ここ魚沼は春はもちろん、どの季節に来ても風やにおいが違います。その地域が1年に1回だけ見せる一瞬のきらめきがあり、毎年毎日新しい発見があります。ここに来たらふっと肩の力がぬける自然のやさしさに身を任せ、五感を解き放ってもらいたいと思います。」
里山十帖
- 新潟県南魚沼市大沢1209-6
- TEL 025-783-6777
- http://www.satoyama-jujo.com/