新潟県の渓流フライフィッシング  下越地域で楽しむ里川ドライフライ
「釣りは、自然のごちそうだ。」

2026 09.29更新

新潟の川には、釣りだけでは終わらない楽しみがあります。

水の流れを眺め、季節の変化を感じ、魚の気配を探しながら川を歩く。ときにはキャンプやサイクリングなど、自然の中で過ごす時間と組み合わせることで、川を訪れることそのものが一つの旅になります。


私たちは「釣りは、自然のごちそうだ。」を合言葉に、釣りをきっかけとして新潟の豊かな自然や地域の魅力を知ってもらい、そこに足を運び、何度も訪れたくなるような関係を育んでいきたいと考えています。

今回ご紹介するのは、新潟県の渓流で楽しむフライフィッシング。魚がどこにいるのか、季節や水温、水量によってどう変わるのか。川の表情を読みながら魚との出会いを探すのも、渓流釣りの大きな魅力です。


さあ、新潟の川へ。

釣りを入り口に、まだ知らない自然の魅力を探しに出かけてみませんか。

新潟県の渓流フライフィッシング  下越地域で楽しむ里川ドライフライ「釣りは、自然のごちそうだ。」

新谷川

新潟県東蒲原郡阿賀町を流れる、阿賀野川の支流。

国道14号線にかかる新谷橋付近から入渓しやすく、ドライフライに適した渓相となってくる。

川が道路に沿って流れているため、入渓・退渓点もわかりやすく、初心者や県外からの釣り人にもよく案内している川だ。

私自身、この川に釣りに訪れたのは実に十数年ぶり。

本来は5月中旬から6月下旬ごろになると水量も落ち着き、おすすめの入渓時期となるが、今回訪れた7月上旬は少し時期が遅い。渇水の心配もしつつ入渓してみる。

入渓して早々、ヤマメがヒット!

三川オートキャンプ場より下流の区間から入渓すると、すぐに小型のヤマメが果敢にドライフライにアタックしてきた。

数日前の雨のおかげで、水温・水量ともにちょうどよく、魚の活性が高い! 

夏が近づき、一度減水した川でも、水量が回復すれば魚たちも戻ってくる。

雨の後、数日間続く増水の引き際は見逃せない。

夏の気配が近づく渓流で、ヤマメたちとの駆け引きを楽しみながら、釣り上がっていく。


バックに障害物のない開けた渓相なので、気持ちよくキャスティングを楽しめる。

ついついラインを長く出して、遠くに投げたくなるが……。


同行した友人とダブルヒット


川幅の広い区間であれば、川の両サイドに分かれて、二人で同時に釣り上がることもできる。

渓相もヤマメ向きの長めの瀬が多く、短い区間でも好ポイントが現れる。

昔は上流にあったフィッシングパークでニジマスがよく釣れた記憶がある。「今はどうかな?」と思いつつ訪れてみた新谷川。実に十数年ぶりの釣行だったが、今も元気なヤマメたちがたくさんいた。

久しぶりに訪れた川で、変わらない渓流の魅力と、確かに受け継がれている魚たちの姿を感じることができた。


女川

新潟県岩船郡関川村周辺を流れる、荒川の支流。

国道290号で女川橋を渡り、上流に向かって川沿いに車を走らせると、次第にドライフライの釣りにちょうどよい渓相になってくる。

ドライフライで楽しむなら、フライに適した入渓時期は5月下旬ごろからがおすすめ。ただし、7月1日の鮎釣り解禁後は入渓者も多くなるため、うまくポイントを譲り合いながら、マナーを守って釣りを楽しみたい。

どうしても混み合うようなら、釣り人が少なくなる夕方を狙って短時間で楽しむのもおすすめだ。


藤沢川との合流より上流、小和田集落近辺の流れ。

この周辺は入渓しやすく、川沿いを走る道路や橋の上から、水量や川の状況も確認しやすいのも魅力だ。


川幅は広いが、近距離でも良い流れ筋を見つけられれば、十分釣りを楽しめる。

6月下旬、この日は午後からの入渓だったためか、肩やヒラキのポイントから元気よくヤマメが飛び出してきた。


時間帯とポイントの読み方

新谷川と女川での実釣を通して見えてきた、里川でのポイント選びとアプローチについてまとめてみたい。

どこに立ち、どこに投げるか

平坦で、全体的に流れの速い里川では、魚が居着きやすいポイントを見極めることが重要だ。狙い目となるのは、次のような場所。


・平均より少しだけ深く、流速が緩んでいる場所

・大きい石の前の肩

・速い流心の下。流心のすぐ脇にある緩い流れ

・黒っぽく、拳より大きいくらいの底石が沈んでいるヒラキ

・上記の条件を満たし、さらにできるだけ直線的に流れている場所

などが挙げられる。


よさそうなポイントを見つけたら、魚に気づかれないよう、そっと近づき、できるだけクロス(流れに対して直角)の角度で投げるよう心がける。

開けた川だからといってロングキャストしてしまうと、肝心の魚がいるポイントでドラグがかかってしまう。

10m前後まで静かに近づき、確実にナチュラルドリフトできるポジションからキャストする。


「遠くへ投げる」よりも、「自然に流せる場所に立つ」。

里川のドライフライでは、この意識が釣果を左右するポイントになる


一見どこにでも魚がいそうな良い流れだが、居着く場所は決まっており、さらにドライフライに出るポイントは限られる。

この場面では、川の中央にある大きな石の手前の緩流から反応があった。

ヤマメは、フラットな流れの中でも、少し緩く、直線的な流れで捕食することが多い。


堰堤の周辺も、安定した魚影が期待できるポイントだ。

意外と魚は近くにいる。最初から奥のポイントを狙わず、プール手前のかけ上がりから丁寧に流す。続いて泡の切れ目、そして両サイドの巻き返しの順に流していく。


時間帯で変わる魚の居場所

小さな川の流れの中にも、渓流魚が好むさまざまなポイントがある。

そして季節や時間帯、水温によって、魚が定位する場所や捕食する流れが変化する。

午前中の早い時間帯に狙いたいポイント

・流心脇の流れ

・巻き返し

・ヒラキの前半


春先の水温が低い時期にも、この傾向は強くみられる。

餌となる流下物が少ないときは、魚は警戒を優先する。捕食よりも、流れの中で身を隠したり体力を温存したりすることを優先していると考えられる。

午後から夕方にかけて狙いたいポイント

・流心脇の流れ

・巻き返し

・ヒラキの前半


春先の水温が低い時期にも、この傾向は強くみられる。

餌となる流下物が少ないときは、魚は警戒を優先する。捕食よりも、流れの中で身を隠したり体力を温存したりすることを優先していると考えられる。


条件を読み、狙うポイントを絞る

石にぶつかり、盛り上がるように流れる「肩」から飛び出たヤマメ。

魚影が濃く、水温・水量ともに適度で、さらに先行者もいない。そのような好条件が揃えば、これまで紹介してきたさまざまなポイントから反応が得られる。

ただし、実際にはすべての条件が揃うことは稀だ。水量・水温・時間帯などから魚の動きを予測し、条件に当てはまるポイントを重点的に狙っていく。

こうしたポイント選びが、限られた時間の中での好釣果につながっていく。


活性の高まる時間帯を狙って

同行の友人もヤマメをキャッチ!

魚の活性が高まる時間帯を読み、ポイントを絞ってアプローチしたことが功を奏し、短時間の釣行ながら、良型のヤマメを連続して釣ることができた。


おすすめフライ4選

今回のような里川のドライフライで使いやすい、4つのパターンをご紹介します。

アダムスパラシュート

  • フック=がまかつ S10-2S #12~14
  • スレッド=センパーフライ クラシックワックスドスレッド 12/0 タン
  • テイル=コックデレオン
  • ポスト=TMC ハイビズドライウイング FLオレンジ
  • ボディ=スーパーファインダブ アダムスグレー
  • ハックル=Whiting クリー(もしくはグリズリー&コーチマンブラウン)


水生昆虫を捕食する魚に対応し、ドライフライシーズンの里川でメインに使える万能パターン。浮力と視認性のバランスがよく、使いやすい。


パラビートル

  • フック=がまかつ S10-2S #10~12
  • スレッド=センパーフライ クラシックワックスドスレッド 12/0 ブラック
  • テイル=ディアヘア ブラック
  • ポスト=TMC エアロドライウイング FLグリーン
  • アブドメン/ソラックス=ピーコックハール
  • ケース=ディアヘア ブラック
  • ハックル=Whiting ブラック


初夏から秋にかけて、陸生昆虫が捕食のメインとなるシーズンに活躍する、テレストリアルの代表的なパターン。


エルクヘアカディス

  • フック=がまかつ S10-2S #10~14
  • スレッド=センパーフライ クラシックワックスドスレッド 12/0 ブラウン
  • ボディ=ファインナチュラルダビング グレー
  • ウィング=カウエルク ナチュラル
  • ハックル=Whiting グリズリー


アピール度が高く、増水時など、少し流れが速く水深が深い状況で効果を発揮するパターン。


ブラウンアントパラシュート

  • フック=JDAI10656 #16~18
  • スレッド=センパーフライ クラシックワックスドスレッド 8/0 ブラウン
  • ポスト=TMC ハイビズドライウイング FLオレンジ
  • アブドメン/ソラックス=スレッドを厚く巻いて成形
  • ハックル=Whiting コーチマンブラウン


夏場の人気河川で、大きなフライに魚がスレている状況で活躍する。スレた魚には、ボディをスレッドで作った細身のシルエットが効果的。


使用タックル

  • ロッド=インファンテ 813-6NSF
  • リール=ABEL TR1
  • ライン=SA ロングドリフトライン(LDL)DT-3F
  • リーダー=VARIVAS スーパーヤマメ フラットバット 15ft 4X
  • ティペット=トラウトハンター EVO ナイロン・ティペット 4.5~6X、5~6ft


今回は8フィート1インチ、3番のロッドに、リーダー・ティペットを合わせて全長20~21フィートとなるシステムで釣りをしました。今回のような開けた渓相では、長めのロッドに長めのリーダー・ティペットを組み合わせるシステムが効果的でした。


遊漁・安全・マナー

新潟の渓流を長く楽しむためには、釣果だけでなく、川や地域、ほかの釣り人への配慮も欠かせません。

釣行前に、次の点を確認しておきましょう。


  • 遊漁券を購入し、各河川の遊漁規則、解禁期間・禁漁期間、禁漁区などを確認する。
  • 駐車場所や入退渓点では、私有地や農地への無断立ち入りを避け、地域の生活や農作業の妨げにならないよう配慮する。
  • 先行者や鮎釣りなど、ほかの釣り人がいる場合は十分な距離を取り、ポイントを譲り合って楽しむ。
  • 雨の後や増水時、雷など天候が不安定なときは無理に入渓しない。水位や濁りの変化にも十分注意する。
  • ウェーディング時は滑りや転倒に注意し、状況に応じて安全装備を活用する。
  • ゴミや釣り糸、フックなどは持ち帰り、魚の取り扱いにも配慮する。


※河川の状況や遊漁規則は変更される場合があります。釣行前に、該当する漁業協同組合などの最新情報をご確認ください。


釣りは、自然のごちそうだ。

ウェットウェーディングで体を濡らしながら、初夏の田園地帯を流れる川でヤマメ釣り。

新潟市から少し足を伸ばすだけで、こんなにも身近に、渓流釣りを楽しめるフィールドがある。

清らかな流れ、緑豊かな川辺、そして元気に飛び出してくるヤマメ。

魚を釣るだけではなく、その川を流れる水や周囲の自然、そこに暮らす人々の営みまで含めて楽しむ。

そんな時間を過ごしていると、あらためて思う。

「釣りは、自然のごちそうだ。」

そんなことを実感できる、初夏の一日でした。


[記事作成]一般社団法人 新潟県アウトドア協会

[取材協力]ウエストプロダクツウエスト新潟店・加藤俊

[実施団体]新潟県内水面漁業協同組合連合会(https://www.niinaisuimen.com/)

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