百名山と日本秘湯を守る会!山と温泉と静けさに飾られた山荘「雨飾山荘」/糸魚川市
2026 09.30
新潟県は全国的に比較しても多くの温泉地があり、山も低い山から高い山まで多くの山がある県です。
そんな温泉と山がたくさんある新潟の中で「日本秘湯を守る会」の秘湯があり、「日本百名山」の雨飾山の登山口にある糸魚川市の「雨飾山荘」を訪ねて、宿泊してみました。
- まきたろう

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訪ねたのは北陸自動車道糸魚川インターから約20キロほどの、明治時代のはじめ1880年創業の「雨飾温泉 雨飾山荘」です。
冬は大雪に埋もれる標高約900メートルの山荘へと続く山道は舗装されていますが、後半は対向車とのすれ違いが難しい場所もあるので、明るいうちの到着をおすすめします。
実は山荘へ車で行けるようになったのは1999年からで、それまではバス停から2時間歩いてしか辿り着くことのできない秘湯でした。1999年なんてつい最近、え、ノストラダムスの大予言からもう四半世紀たっているんですか!?
露天も内湯も素晴らしい秘湯を堪能
到着後はまず温泉へ。
こちらの山荘は、日本の古き良き温泉文化や自然環境を守ることを目的にした全国の山間部や僻地などにある温泉旅館の組織「日本秘湯を守る会」に登録しています。
建物の外にある露天風呂の名は「都忘れの湯」。
脱衣場からは駒ヶ岳などの周辺の山々を眺めることができます。
山荘から400メートルほど離れた岩の隙間から自然に湧き出ているお湯を引き入れたこちらの温泉は、加水加温なしの源泉かけ流しの「ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物泉」です。
効能は肌荒れなどに効く美肌の湯とされ、飲用もできて飲むと胃腸などに効果があるとされます。
生け垣に囲まれた湯舟の中に入ると森の中に湧き出た泉にでも入っているかのような気分になります。
野趣あふれる風情でまさに都(みやこ)のことを忘れてしまいそうです!
また露天風呂は混浴ですが「貸切使用中」の看板を借りることもできます。
つづいて男女別の内湯は豪雪に耐えるための特徴的な三角屋根の建物の中に。
シャワーのない昔ながらの湯舟は耐雪のためか側面を大きな岩に囲まれていて、室内なのに岩風呂のようです。
ほの暗い静かな雰囲気で秘湯気分にあふれています。
車道ができてからは県外からの秘湯巡りの方も増えたとのことで「熱すぎずぬるすぎず、酸やアルカリの刺激もなくずっと入っていられる温泉だ」と言われた温泉愛好家の方もいたそうです。
時間があれば山の中の散策も
内湯の入り口には効能書きの看板などが飾られていますが、そこに「高台にある薬師堂への御参拝で効能は倍になります」という文字が!(効果には個人差があります)
それはぜひ行ってみねばと山荘から徒歩3分ほどの薬師堂へ。
雨飾山の登山道入口にある薬師堂は扉に塞がれていましたが、備え付けの鐘をつくと音が静かな山の中に響き、心が落ち着きました~。
少し登山道を進んで散策すると瑞々しい苔や緑に覆われた森林浴のできそうな場所に着きました。
お時間がある方は周辺を散策して自然を感じてみてもいいかもしれません。
こちらの山荘は「日本百名山」の一つ「雨飾山」の新潟側ルートの登山基地でもあります。
猫の耳のように二つの頂上が並ぶ双耳峰の新潟側ルートは急坂が続く片道約4時間の道のりで、グループアイドルじゃない方の坂道ファン「急登マニア」が推しにする中上級者向けの登山道だそうです。
古さと不便さに良さを感じる山荘
温泉や料理が素晴らしいので旅館のように感じてしまいますが、こちらは湯治場と山小屋の中間のような山荘なのです。
そのためお部屋には浴衣や歯ブラシ・タオルのようなアメニティーはなく、あるのは布団とハンガー(露天風呂に持っていくと便利)だけです。
ちなみに名前入りのタオルの販売(400円税込)もあります。
この建物は明治時代末期から大正時代にかけて現地の木を切り、山に大工が泊まり込んで建てられたそうです。
豪雪に耐えるためにとても太いブナの巨木が梁として使われており、二階の天井からはそれを直接眺めることができます。
古民家が好きな人間には歴史を感じさせるその巨大な梁がたまりません!
かつては携帯電話もネットもつながらない陸の孤島状態の場所だったのですが、最近は「山小屋Wi-Fi」が導入され有料(auユーザー無料)でネット接続できるようになりました!
便利になって嬉しいのですが、あえて下界の情報を遮断するデジタルデトックスを体験するのもいいかもしれません。
地元の食材や海の幸を堪能できる山小屋料理
近年増設した食堂で食べる料理は地元の根知地域でとれた野菜とお米が使われ、山の中なのにお刺身や焼き鮭なども提供されます。
特に大玉なのに煮崩れしにくい地元のブランドなす「越の丸茄子」を使った「丸茄子の揚げ浸し」は分厚いのに中まで柔らかく、よく味が染みていました。ナスとショウガの組み合わせがベリーナイスです!
春先は山ウドやタラの芽などの地元の山菜も楽しめるそうです。
景色のいい食堂

丸茄子の揚げ浸し

山の中でお刺身

自家発電のため夜は常夜灯だけを残して21時消灯です。
この日は生憎曇り空でしたが、秋から冬にかけて天気がいいと星空も綺麗だそうです。
テレビやインターネットが日常になっていた自分としては、川の音や虫の音を聞きながらじっくりと考え事をする時間が取れました。
翌朝、朝風呂の後の朝食はオーソドックスな旅館風でご飯のお供がたくさんあり、雨飾山水系の水で育てられた地元のコシヒカリ「おててこ米」のご飯がよくすすみました。
雨の日もプラスに考えられる雨飾山
二日目は雨こそ止んだものの夜中の雨のせいか周囲が真っ白な霧に覆われて、登山用語の「ガスる」状態になりました。
周囲の景色が楽しめないのは残念ですが、お話を伺ったスタッフの市村猛さんによると「これこそ雨飾山なんだと思います」とのこと。
名前が美しいことを理由に訪ねる方もいるそうで、他ではマイナスになりがちな雨も「雨飾山の雨」になると魅力的になりますね!
大雨の中バス停から2時間歩いて来る方や妙高市の火打山から山を縦走してくる方など個性的な旅人も多く、「そうしたいろいろな人たちとの交流が楽しい」と市村さんは話されていました。
百名山の山や日本秘湯を守る会の秘湯に地元の食材、ここに来ることでしか味わえない体験と空気を静かにじっくり堪能できる場所でした。
雨飾温泉 雨飾山荘
住所:糸魚川市大字梶山字広道倉1870
電話:090-9016-3212
営業期間:5月上旬~11月中旬(積雪により変動)
日帰り入浴:大人600円 子供300円 (8:00〜17:00)
駐車場:15台

周辺観光で地域のことをもっと知って
雨飾山荘から糸魚川インターへ行く途中にある古民家を移築した「塩の道資料館」は生活物資を運んだ歩荷や牛方が使用していた運搬用具や地元の民具が展示され、上杉謙信が武田信玄に塩を送ったとされる歴史的な街道を知ることができる場所です。
また民具のほか全国的にも独特な根知の七夕人形や京都の本願寺の柱を運んだ大ゾリなど珍しい展示もあります。
つい最近はインスタグラムも開設し、糸魚川に伝わる「バタバタ茶」の提供やワークショップの開催など新しい活動も予定中だそうです。
海沿いだけでなく山側の糸魚川もぜひ訪ねてみてください!
塩の道資料館
住所:糸魚川市山口552
電話:025-558-2202
開館期間:4月~11月(冬期休館)
開館日:金・土・日曜・祝日のみ
開館時間:9:00〜16:00
入館料:中学生以上500円・小学生100円・幼児無料

この記事を書いた人
まきたろう




































