ガストロノミーアワード受賞者
Gastronomy Award Winners
Gastronomy Award Winners
【審査員コメント】鮭と共に生きる村上の魂を感じる場所。築100年を超える歴史的な建物で、20種類以上もの鮭料理を堪能できる。乾燥と発酵によって旨味が凝縮された「塩引き鮭」の圧倒的な深み。一切れ一切れに込められた先人の知恵と、それを現代に伝える職人の誇り。村上の鮭文化を語る上で欠かせない聖地。スタッフの融通無碍なおもてなしも魅力である。

【審査員コメント】モダンで独創的なセンスが光るフレンチレストラン。長谷川雅和シェフの食材の組み合わせと旨味の創出の仕方には、常に新しい発見を感じることができる。新潟の食材が持つポテンシャルを多角的に捉え、複雑かつ調和の取れた味わいへと昇華させている。ワインのセレクトも面白く、知的好奇心を刺激する食体験を約束する。

【審査員コメント】新潟古町の中心部に店を構える、古田知行料理長による焼き鳥の名店。徹底した素材選びと、緻密な火入れによって引き出される鶏の旨味は圧巻である。古町の情緒に馴染む落ち着いた空間で、一本一本に魂を込めた串が供されるのが醍醐味だ。職人の矜持を感じさせる仕事ぶりが、多くの美食家たちを惹きつけて離さない。

【審査員コメント】新潟市内で手打ちパスタの深淵に触れられる一軒。イタリアの伝統を重んじつつ、県内産の旬素材を巧みに組み込んだ一皿は、噛み締めるほどに力強い。ラグジュアリーな雰囲気の中で、ワインと共に楽しむ本格的な料理の数々は、郷土イタリアンのお手本とも言えるだろう。三善将則シェフの誠実な仕事が、ゲストの心と胃袋を温かく満たしてくれる。

【審査員コメント】佐渡島小木地区に位置する、素材のルーツ(起源)を重んじるレストラン。伊藤薫シェフは、島の自然が育んだ食材に対し、その個性を最も輝かせるアプローチで向き合う。派手な装飾に頼らず、旬の素材が持つ本来の素性を深く探り、ストレートにそして詩的に伝える。佐渡島の生命の息吹や力強さを、皿の上で実感できるのはまさに口福の一言に尽きる。

【審査員コメント】新潟の繁華街にありながら、凛とした静寂を湛える日本料理店。厳選された魚介と旬菜を、素材の持ち味を殺さぬよう繊細に調理する。大阪の名店で研鑽を積んだ會野優料理長は、その大阪由来の伝統の日本料理の真髄を、八寸から滋味深い椀物まで、季節の移ろいを鮮やかに表現。端正な空間での一期一会のコースは、日常の喧騒を忘れさせる。

【審査員コメント】佐渡島の最南端の宿根木集落の重要伝統的建造物の中で味わう、佐渡食材を主役にしたフレンチレストラン。菊池猛シェフは、佐渡のテロワールを活かし、鮮度抜群の魚介や島の農産物を洗練された一皿へと昇華させている。食後には二階部分を見学することもでき、美食体験だけでなく佐渡の文化と歴史を様々な角度から楽しめる店。

【審査員コメント】深い木々の中に佇む明治時代の建物の圧倒的な空間で、魚沼に伝わる郷土料理を頂点へと高める珠玉の店。囲炉裏を囲み、地元の山菜や自家栽培の野菜、そして極上のコシヒカリを味わう贅沢。派手な技巧ではなく、素材そのものが持つ力を信じ切った料理が並ぶ。都会では決して味わえない、時が止まったような豊かな食体験ができる。

【審査員コメント】新潟駅前でワイナリーの世界観を体現する上質なビストロ。カーブドッチをはじめとした新潟産ワインとのマリアージュを主眼に置いた料理は、どれも素材の輪郭が鮮明で、ワインの個性を巧みに引き立てる。東京の星付き店で研鑽を積んだクラシックフレンチを土台とした佐藤龍シェフが創り上げる美味の数々を、アラカルトで気軽に楽しめる贅沢な空間。

【審査員コメント】300年を超える歴史を誇る、国登録有形文化財の広大な回遊式庭園を眺めながら味わう会席料理は、まさに時を忘れる贅沢な体感。素材の味を極限まで磨き上げた煮物椀や、四季を写した八寸には、代々の主人が守り続けてきた哲学が宿る。新潟の歴史の証人とも言えるこの場所で、五感を通して受け取る感動は唯一無二である

【審査員コメント】東京の名店の系譜を継ぎつつ、新潟の地で独自の境地を拓く。アルピニストでもある星野貴明料理長が握る寿司は、緊張感を伴わない端正そのもので、優しくほどけるシャリと、新潟らしい鮮度抜群の地魚とのハーモニーが珠玉の一言。調理の技術だけでなく、空間のなかでのもてなしの作法もふくめ、そのすべてが高い次元で結実している。

【審査員コメント】新発田市にある、和の情緒と現代的な感性が融合した和食店。地域の生産者から届く瑞々しい食材を大切に扱い、素材への敬意が伝わる優しい味付けで提供する。東京の名店で修業後に地元に戻って同店をたちあげた廣岡雅志料理長。新発田の豊かな四季の味わいに寄り添い、ひと皿ごとに端正に仕上げる、その真摯な姿勢が光る。

【審査員コメント】関川村の大自然に抱かれた、料理自慢の温泉宿。山菜や渓流の川魚といった旬の素材や、村上牛といった地域の素晴らしい食材を、若き佐藤匠料理長が洗練された会席へと仕立て上げている。湯浴みの後の贅沢な食卓で、関川村でしか味わえない「山の恵み」の奥深さと滋味深さを全身で享受できるのは至福の一言である。

【審査員コメント】新潟古町エリアで暖簾を掲げる、地域に根ざした鮨店である。渡辺裕一料理長は、格式張らずに楽しめる雰囲気を作りながらも、そのネタの鮮度と職人の技は一級品。つまみはもちろんだが、どの握りも地魚の魅力を引き出す丁寧な仕込みが施されており、一貫ごとに新潟の旬を実感できる。肩肘張らず、鮨ほんらいの醍醐味に深く向き合える店である。

【審査員コメント】江戸時代から続く新潟古町の象徴的存在である。広大な敷地に広がる建築美、磨き抜かれた廊下、そして歴史を刻んだ庭園。ここで供されるのは、新潟の食文化を体現する最高峰の日本料理といえるだろう。芸妓文化と共に歩んできた華やぎと、徹底して守り抜かれる味のアイデンティティ。新潟の迎賓館としての矜持が、すべての皿に満ち溢れている。

【審査員コメント】柏崎市にある、焼きの技術が光る焼き鳥の名店。厳選された鶏肉を炭火で丹念に焼き上げ、表面の香ばしさと身のジューシーさを絶妙なバランスで両立させる。素材の鮮度はもちろんだが、部位ごとに最適な火入れを施す猪俣豊料理長の職人技は見事。活気あるスタイリッシュな雰囲気のダイニングで、焼き鳥という食文化の奥深さを堪能できる。

【審査員コメント】燕市にある、本格的な薪窯ピッツァが評判の一軒である。燕市の技術で作り上げた特製窯で焼く生地は、小麦の香りとモチモチした食感が共存する理想的な味わいだ。遠藤忠彦シェフによる地産食材を活かした独創的なピッツァ焼きの技術もまた魅力で、訪れるたびに新しい発見がある。活気ある店内で、質の高いナポリピッツァを堪能できる。

【審査員コメント】季節を慈しむ、丸山巧夢料理長の誠実な料理が光る。地産地消のコンセプトをベースに、素材の「旬」を捉える鋭い感覚が一皿ごとに凝縮されている。特に、素材を優しく包み込む出汁の美しさは、日本料理の実力の本質を感じさせる。これみよがしな派手さこそないものの、むしろ心から満足できる地に足の着いた、しみじみとした美食体験ができるだろう。

【審査員コメント】名店で腕を磨いた牧野貴仁シェフによるピッツェリア。薪窯で一気に焼き上げるピッツァは、ふっくらとしたコルニチョーネの香り高さと食感が素晴らしく、地元産食材を活かしたトッピングとの調和も計算し尽くされている。カジュアルながらも、圧倒的な技術と感性が光る至高の一枚を楽しめる。シェフ自ら手がけたシックな内外装は、雰囲気も素敵である。

【審査員コメント】阿賀野市の日本料理店「花泉」の敷地内に、新たに誕生した新鋭の店。梶山裕史料理長が手掛ける割烹スタイルのおもてなしは、カウンター越しに自身の瑞々しい感性を伝えてくれる。旬の素材を活かした丁寧な手仕事が魅力で、名店の系譜を感じさせる安定感がある。阿賀野の新たな食の拠点としても、今後の進化を大いに期待したくなる。

【審査員コメント】畠山正義料理長の研ぎ澄まされた感性が躍動する、新潟を代表する鮨処の一つ。江戸前の伝統を軸にしつつ、地産の食材に魔法をかけるような仕事ぶりは圧巻。新潟では珍しい赤酢のシャリを用い、ネタとバランスも実に見事。緊張感よりも心地良さに満ちる晴れやかな空間で、最高の鮨体験を堪能できる店である。

【審査員コメント】長岡市にある、日本料理の感性を活かした蕎麦の名店。高橋哲哉料理長が打つ外一の蕎麦は香りが高く、喉越しも秀逸。蕎麦だけでなく、地産地消を軸にした一品料理や会席の完成度も極めて高い。料理と蕎麦、どちらもが主役を張れる構成であり、食の愉しみが重層的に折り重なる、まさに長岡の地域を代表する一軒である。
