牛尾神社

うしおじんじゃ

子授けや安産に霊験あらたかで、今も民間信仰を集めています

792年に出雲大社より勧請創建した神社です。
元は八王子大明神と言い、牛頭天王を併せ祀っていました。
地元では天王さんと呼ばれ親しまれています。
三方唐破風造という高度な建築様式で、くり彫り梁は現在では再現できない見事なものです。

牛尾神社の名は近江日古神社21社のうち、八王子社の鎮まる山を牛尾山と称しているところから来たものと思われ、日吉神社との開係がうかがえます。
牛尾神社に伝わる大般若経には松雲寺の名があります。
聖徳太子像や十二神将を伴った薬像などが宝物として保管してあります。

県指定文化財でもある能舞台は、島内の独立能舞台のなかでも本格的なもので、毎年6月12日に薪能が奉納されます。

【拝殿彫刻】
1899年の社殿等の焼失後再建されました。
拝殿は三方唐破風造りの荘重な建築で、そこに施された彫刻は潟上の関口文蔵等の島内外の番匠多数による豪華なものです。
神社の境内の広さはもとより、本殿、幣殿、拝殿からなる社殿の大きさは島内屈指です。
大鳥居からでも様子がわかるほど、拝殿正面には大胆かつ細やかな彫刻が施されています。
その拝殿に施されている彫刻群は、1902年から5年間をかけて彫られたもので、三方唐破風造という高度で鄭重な建築をはじめ、くりぼりによる立体的な彫刻の数々等、技量はいうまでもなく芸術性に富み豪華なる彫刻群です。
さらに、拝殿の側面から後面にまで、変化に富んだ数々の鯉、竜、その他動植物、物語等が刻まれています。
彫刻は社殿内部にも部分的に施されて、天井までの高さを十分にとった社殿においては、より豪華に重厚さを増しています。
使われた材木はけやき、あてび、かや等がふんだんに用いられています。

【能舞台】
瓦葺入母屋造りで、すぐ近くにある吾潟本間家能轟台が手本とされて1901年に再建されました。
最古の演能記録は1863年以前にさかのぼり、現在も毎年6月に定例能が上演されています。
牛尾神社は天王さんとも言われ、792年創建の歴史ある社です。
牛尾山とよばれる加茂湖を眼前にしたうっそうとした杉木立の丘陵地に、みごとな彫刻のある社殿と共に能舞台等の付属建物がいくつかあり、格式と重厚さを備えています。
佐渡には独立の能舞台が約30棟ありますが、牛尾神社能舞台はその中でも本格的能舞台といわれる3棟の内の1つです。
また、能楽の中心となった国仲四ヶ所御能場の一つでもあります。

【能面】
白式、黒式翁の2面で、作者不詳ですが室町時代の春日作とも言われています。

【安産杉】
牛尾神社拝殿の真向いに高くまっすぐそびえ立つ杉のご神木で、安産杉と呼ばれています。
樹高30m、胸高幹周6.7m、4人抱えの大杉です。
牛尾神社は1899年の火災のあとの再建ですが、ご神木であるが故に火災からまぬがれたと言われています。
佐渡郡名木抄には、天王さんの胎杉の名で「初産婦女子がこの木を抱えると安産すると申されて居りますが、御利益は経験者でなければわかりません。医学の発達した今日といえども、初産婦はよろしく神霊にすがり、安産を得ることが大切でありましょう」と、紹介されています。
旧新穂村の文化財には、「安産杉、一名孕杉(はらみすぎ)。古来、子授け、安産の杉として名高い。この大杉を抱えたり、樹皮を煎じてのんだりして、子授けや安産を祈る風習がある」とのべられています。
●市指定文化財(天然記念物) 指定年月日:平成16年3月1日

エリア
佐渡エリア
カテゴリー
神社

基本情報

住所新潟県佐渡市新穂潟上2529
交通アクセス●両津港より車で約10分
●小木港より車で約50分
駐車場無し
備考【初詣】
例年の参拝者数 約5,000人