米どころ新潟で味わう釜炊きごはん。「越後たくぞう」で楽しむ、ちょっと贅沢な朝ごはん/新潟市
2026 10.27
新潟市古町を訪れたら、味わいたいのが米どころ新潟の朝ごはん。「越後たくぞう」では、スタッフが産地を訪ね、惚れ込んだコシヒカリを炊きたてで提供します。13日熟成の焼き鮭や朝日豚、季節のおばんざいも魅力。築70年を超える元割烹の趣を残した空間で、新潟の食と風土をゆっくり味わえる一軒です。
- Akiko

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「お米が主役」のごはん屋
新潟を旅する楽しみのひとつといえば、やはり「食」。
日本海の魚や旬の野菜、地酒など、新潟にはおいしいものがたくさんありますが、その真ん中にあるものといえば、やっぱりお米ではないでしょうか。
「越後たくぞう」があるのは、新潟市中心部の古町エリア。かつて花街として栄え、今も老舗料亭などが並ぶ鍋茶屋通りです。
店のコンセプトは、ずばり「お米が主役」。
魚や肉を食べるためにごはんがあるのではなく、ごはんをよりおいしく食べるために魚や肉、おばんざいがある。
そんな考え方で、一つの定食が組み立てられています。
しかも店が開くのは朝7時。
朝の古町をゆっくり歩きながら、炊きたてのごはんで一日を始める。
米どころ・新潟らしい朝の過ごし方が楽しめます。
スタッフが産地を訪ね、惚れ込んだコシヒカリ
「越後たくぞう」で何より大切にしているのが、お米です。
現在使っているのは、南魚沼市・樺沢の高橋さんが育てたコシヒカリと、南魚沼市・塩沢地区の山本さんが育てたクラシック(従来の)コシヒカリ。
スタッフが実際に産地を訪ね、その味に惚れ込んだお米を選んでいます。
同じコシヒカリでも、生産者や育つ土地、その時々の米の状態によって、水分量や食感、甘みは少しずつ異なります。
そのため店では、季節やお米の状態に合わせて、浸水時間や水加減など炊き方を調整。その米が一番おいしくなる炊き方を探ります。
厨房にあるのは3升炊きの釜。
大きな釜だからといって、一度にたくさん炊いておくわけではありません。
「できるだけ炊きたてを食べてもらいたい」と、あえて少なめの量をこまめに炊き上げています。
さらに、炊き上がったごはんを茶碗によそう時にもひと工夫。
お米をぎゅっと押さえつけず、粒をつぶさないよう、できる限りやさしくふんわりと盛り付けるのがこだわりです。
茶碗によそわれたごはんは、見るからにつややか。一粒一粒が立ち、口に入れると、お米そのものの甘みがじんわりと広がります。
そして、うれしいことにごはんはおかわり自由。
中には5~6杯もおかわりする人がいるというから驚きです。
でも、実際に食べてみると、その気持ちも分かります。
「次は何と一緒に、このごはんを食べよう」
そう思わせてくれる一膳です。
13日かけて旨みを引き出す「熟成焼き鮭」
炊きたてのごはんに合わせる看板料理のひとつが、「熟成焼き鮭定食」(1,800円)です。
使う鮭は、13日間じっくりと熟成させたもの。
新潟は古くから鮭と深く関わってきた土地です。
塩をあて、時間をかけて寝かせながら旨みを引き出す。そんな昔ながらの知恵が、古町の魚河岸にも受け継がれてきました。
「越後たくぞう」では、その仕込みを受け継いだ熟成鮭を使っています。
鮭は吊るして乾燥させるのではなく、寝かせて熟成。水分を必要以上に抜かず、鮭の旨みを凝縮させていきます。
焼き上がった鮭は、見た目にも迫力のある厚み。
箸を入れると、身がほろりとほどけます。
ひと口食べると、程よい塩気と鮭の旨み。そこに炊きたてのごはんを合わせると、お米の甘みがさらに際立ちます。
鮭を少しほぐして、ごはんの上へ。
「白いごはんと焼き鮭」という、日本人にはおなじみの組み合わせですが、素材と仕込みにこだわることで、そのおいしさを改めて感じさせてくれます。
定番の定食にはこのほか、「熟成焼き鮭定食(ハラス)」(2,200円)や、「のど黒塩焼き定食」(3,800円)もあります。
実際にいただいた「のど黒塩焼き定食」は、ふっくらとした身と、上品な脂の旨みが印象的。塩焼きだからこそ、のど黒そのもののおいしさがしっかり感じられ、炊きたてのごはんともよく合います。
各定食には、中鉢2品、小鉢2品、ごはん、味噌汁付き。
主菜だけでなく、少しずついろいろな味を楽しめるのもうれしいところです。
朝日豚の角煮や焼き焼売も、ごはんが進む味
魚だけでなく、肉料理も楽しめます。
使うのは、村上市で育てられているブランド豚「朝日豚」。
豊かな水と大麦などを使い、およそ180日かけて育てられ、臭みが少なく、脂に甘みがあるのが特徴です。
朝日豚を使った料理は、日替わりで登場します。
「朝日豚の角煮定食」(2,300円)は、大ぶりに切られた豚肉が存在感たっぷり。
箸を入れると、ほろりと切れるほどやわらかく煮込まれています。
口に運ぶと、肉の旨みと脂の甘みが広がり、しっかり染み込んだ甘辛い味付けが、ごはんによく合います。
角煮は、東京の有名飲食店と共同で開発したメニューです。
新潟のローカルフードを楽しめる「タレカツ定食」(1,800円)や、「焼き焼売定食」(1,800円)も日替わりで登場。
こちらの定食にも、中鉢2品、小鉢2品、ごはん、味噌汁が付きます。
肉をひと口、そして炊きたてのごはんをひと口。
違う味の料理を選んでも、最後はやっぱり「もうひと口ごはんが欲しい」と思わせてくれます。
ここでも主役は、炊きたてのお米です。
季節のおばんざいは常時7~8種類
定食を彩る小鉢も、「越後たくぞう」の楽しみのひとつです。
店では常時7~8種類ほど、季節の食材を使ったおばんざいを用意しています。
神楽南蛮味噌や糸瓜の粕漬など、新潟の食文化を感じさせるものも並びます。
派手さはなくても、ひと口食べると自然とごはんに箸が伸びる。まさに、ごはんの名脇役です。
おばんざいは、1皿250円から追加することもできます。
定食にもう一品加えたい時や、気になる味を少しずつ試してみたい時にもぴったり。
旬の食材を使うため、その日の出会いを楽しめるのも魅力です。
季節が変われば並ぶおばんざいも変わり、訪れるたびに違う味に出会えそうです。
味噌汁にもこだわりがあります。
使うのは、2年熟成と4年熟成、熟成期間の異なる2種類の味噌。それぞれをブレンドすることで、味に奥行きと深みを出しています。
炊きたてのごはん。
焼き魚や肉料理。
季節のおばんざい。
そして温かい味噌汁。
一つひとつは昔から日本の食卓にあるものですが、丁寧に組み合わせることで、一膳の定食が特別なものになります。
のっぺ
新潟を代表する郷土料理の1つ

黄身醤油まぐろのたたき

ポークウェーブ

築70年を超える元割烹。古い梁を生かしたモダンな空間
「越後たくぞう」を訪れたら、料理だけでなく店内にも注目してみてください。
店が入るのは、築70年を超える元割烹の木造建築。
外観や長い年月を重ねてきた梁など、もともとあったものをできる限り生かし、再利用しながら改修しています。
歴史ある建物の趣を残しながら、店内はすっきりとモダン。
古いものと新しいものが、不思議なほど自然に溶け合っています。
木のぬくもりを感じるカウンターの向こうには、釜のあるオープンキッチン。
ごはんを炊く店の様子が感じられるのも、「お米が主役」の店らしいつくりです。
そして、店内中央でひときわ目を引くのが、大きな行灯。
使われているのは、長岡市小国地域で作られている「小国和紙」です。
和紙を通したやわらかな光が店内に広がり、古い梁や木の空間を温かく照らします。
その光を眺めているだけでも、自然と気持ちが落ち着きます。
雪深い小国で受け継がれる和紙と、雪解け水が育てる新潟の米。
料理だけでなく、空間にも新潟の風土が息づいています。
朝7時から。新潟の「当たり前のおいしさ」を味わう
新潟で暮らしていると、お米はあまりにも身近な存在です。
毎日のように食べているからこそ、そのおいしさを改めて考える機会は、意外に少ないのかもしれません。
産地を訪ねて選んだコシヒカリ。
季節や米の状態に合わせた炊き方。
炊きたてを提供するため、3升釜でもあえて少量ずつ炊く。
そこに13日熟成の焼き鮭、朝日豚、季節のおばんざい、熟成味噌の味噌汁を添える。
一つひとつ味わっていくと、最後に改めて感じるのは、とてもシンプルなことです。
「新潟のお米って、やっぱりおいしい」
朝の古町を歩いて、炊きたてのごはんを味わう。
旅の途中に立ち寄る人にも、新潟で暮らす人にも。
いつもの一膳のおいしさを、もう一度ゆっくり味わわせてくれる店です。
「越後たくぞう」お店情報
越後たくぞう
住所:新潟市中央区古町通8番町1436
電話:025-210-0011
営業時間:7:00~10:00
(ラストオーダー9:30)
11:00~14:00
(ラストオーダー13:30)
定休日:火曜日
駐車場:なし



































