大雪警報!?最後のひと口までおいしい雪山かき氷のひみつ「茶房 二兎屋」/新潟市

2026 08.03

高さ約20センチ、まるで雪山のようなかき氷!新潟市の人情横丁にある「茶房 二兎屋」で、ふわっと溶ける氷やシロップ、削り方に隠されたおいしさの秘密を探ってきました。

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新井まさみ
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大雪警報!?最後のひと口までおいしい雪山かき氷のひみつ「茶房 二兎屋」/新潟市

みなさん、こんにちは。毎日うだるような暑さ……体内の水分が枯渇して、もう目元がシワシワの新井です(それは加齢のせい?)。こんな日は、ひんやりあま~い、あのスイーツで涼を取るしかありません。

そう、かき氷!!  

ここ数年、県内でも個性豊かなかき氷専門店が増えました。私が子どもの頃のかき氷といえば、お祭りの屋台で買う200円ほどのシンプルなもの。それが今では、旬の果物をふんだんに使った自家製シロップや生クリームなどを合わせた、まるでパフェのような一杯も珍しくありません。その分、お値段も1,000~2,000円台が当たり前。「かき氷も高級スイーツになったなぁ」と、しみじみ感じていました。

ところが今回出合ったのは、素材や味へのこだわりはしっかりありながら、価格は1,000円以下という良心的な一杯。しかも、そのボリュームがすごいんです……!

今回は、新潟市中央区にある「茶房 二兎屋(にとや)」をご紹介します。

レトロ商店街「本町 人情横丁」へ

お店を目指して向かったのは、新潟市中央区の本町エリア。「ぷらっと本町」と呼ばれるアーケード街の先にあるのが、ジグザグ屋根がトレードマークの「本町中央市場商店街」、通称「人情横丁」です。

1951(昭和26)年に誕生した「人情横丁」は、新潟市で最も古い商店街の一つ。かつては「新潟の台所」として生鮮食品を扱う市場街でしたが、現在は昔ながらの食料品店をはじめ、こだわりの飲食店や雑貨店などが軒を連ねています。

その一角にあるのが、「茶房 二兎屋(にとや)」。レトロな商店街にぴったりの喫茶店です。

店内は、わずか9席のこぢんまりとした空間。昭和初期のアンティークな照明やガラス製品が並び、どこか懐かしく落ち着いた雰囲気です。

迎えてくれたのは、店主の渡辺寛治さんです。2015年に店をオープンし、今年で12年目を迎えました。もともとは法律事務所で事務職として長年勤務していましたが、定年退職を機になんとなく「甘味とコーヒーの店でもやろうかな」と思い、「お客様と自分が一緒に憩える場所になれば」とスタートさせたそうです。

大のアンティーク好きでもあり、その感性は店づくりにも生かされています。内装は外壁から床まで、ほぼすべてを自らリフォームしたのだとか。

「まさか、こんなに続くとは思いませんでした」と笑う渡辺さんですが、今では人情横丁でもすっかりおなじみの存在。夏になると、お目当てのかき氷を求めて、多くのお客さんでにぎわいます。

普段は喫茶店として、あんみつやぜんざい、ホットケーキなどを提供していますが、夏はかき氷に全集中! ラインアップはシンプルで、いちごや抹茶、あずきミルクなど、長年愛され続ける定番の味が並びます。しかも、そのほとんどが1,000円以下という今どきうれしい価格設定。 今ではすっかり「人情横丁のかき氷店」として親しまれる存在になりました。

それでは早速、多くの人を魅了する二兎屋のかき氷のおいしさのひみつに迫っていきましょう。

ひみつ① おいしさを左右する「氷」

二兎屋のかき氷のおいしさを支えているのが、氷です。

使用しているのは、氷販売店から仕入れる専用の氷。家庭用の製氷機で作ったものではありませんよ! 2~3日かけてじっくり凍らせることで、不純物が少なく、透明度の高い氷になるそうです。とはいえ、仕入れた氷をそのまま削るわけではありません。

「冷凍庫から出したばかりの氷は、まだ硬すぎるんです。注文が入って、氷が少し透明になるまで待ってから削り始めます。なので、お客さんとおしゃべりして時間稼ぎしてるんですよ」とほほ笑む渡辺さん。

その数分が、おいしいかき氷を作るための大切な時間なのです。

さらに驚いたのが、器の準備。削った氷を少量入れて器全体を冷やし、その氷は一度捨ててしまいます。器が温かいままだと、一番下の氷が溶けて水っぽくなってしまうため、この一手間も外せないのだそう。

ちなみに、かき氷を彩るガラスの器も、渡辺さんが長年集めてきたお気に入りのコレクション。 大正から昭和初期の趣ある器が、レトロな店内の雰囲気にピッタリです。眺めているだけで涼やか~。

ひみつ② こだわりをもって選び抜いた「シロップ」

続いては、シロップへのこだわり。渡辺さんは、シロップやあずきも何十種類も食べ比べを重ね、本当に納得したものだけを提供しています。

「いちごのシロップは、果肉感をしっかり残した粒入りタイプを使っています。甘さだけではなく、いちご本来の爽やかな酸味もしっかり感じられると思います。また、あずきもいろんなものを試して、やっと『これだ』というものを見つけたんです。うちは原価が高いけど売値は安いから、何も儲からない(笑)」

その一言からも、利益よりおいしいものを届けたい、という思いが伝わってきました。

山型になるように氷を削ったらシロップをかけて、さらに山型に削って再度シロップをかけます。

渡辺さんが目指すのは、どこから食べてもおいしく味わえるかき氷。表面だけにシロップがかかっていて、中は氷だけというようなものではありません。

おぉ、完成ですね!

と思いきや……?

さらに削る削る~~~!! (誰か渡辺さんの手を止めて~笑)

最後にもう一度、ふんわりと氷をまとわせることで、シロップの鮮やかな赤色がほんのり透ける、雪化粧のような美しい見た目に仕上げます。そして、ミルクの場合は、仕上げにも練乳をかけて完成です。

こうして出来上がった一杯は、器の底に忍ばせたシロップから仕上げの雪化粧まで、全部で9層。高さ約20センチの真夏の雪山が、目の前に現れました。(デデンっ)

おいしい雪山いただきます

粒々いちごミルク(900円)
※今回は撮影のため、シロップを見えやすくしてもらいました。実際は、もっと雪で覆われています(笑)


さぁ、目の前に現れた絶景~!! この美しい雪山、崩すのがもったいない……そう思いながらも、迷わずスプーンを入れます(迷わないんかーい)。

ひと口頬張ると、氷はふわっとほどけるように口の中で溶け、いちごシロップの甘酸っぱさが広がります。そこへ重なるのが練乳のまろやかな甘み。それでいて後味は驚くほどすっきりとしていて、気付けば次から次へとスプーンが止まりません。

同店のかき氷は、頭がキーンとしにくいことも人気の理由の一つ。そのひみつは、渡辺さんの削り方にあります。氷を細かく、ふんわりと空気を含ませながら削ることで、口に入れた瞬間にすっと溶け、喉を通る頃にはほとんど水のような状態になるのだそう。だからこそ、冷たさはしっかり感じながらも、頭に響きにくいのです。

さらに、お楽しみはこれで終わりではありません。なんと、プラス100円で、あずきと白玉をトッピング可能。しかも、別添えにしているのにも理由があります。

かき氷に乗せて提供すると、見た目は華やかになりますが、冷たさで硬くなってしまいます。そこで同店では、やわらかな食感を楽しんでもらえるよう別添えにして、好きなタイミングで好きなだけ加えられるようにしているそうです。

実際にいただいてみると、白玉はほちゃほちゃ~。やわらかく優しい口当たりで、粒入りいちごやあずきとの相性も抜群。これはもう、幸せそのものやぁ……。

さらに、希望があればストローのサービスも。溶けた部分をジュースのように味わえるので、最後の一滴まで楽しめます。細やかな気配りにも、渡辺さんらしさが表れていました。

おいしい記憶をたどって

「二兎屋」のかき氷は、渡辺さんが幼い頃、近所のお菓子屋さんで食べた「あずきミルク」が原点になっているといいます。

「誰でも、おいしかった記憶ってあると思うんですよ。特別な料理じゃなくても、その時に一緒に食べた人とか、その時の景色とか、そういうものも全部ひっくるめて、心に残っているんですよね。私は、そういう記憶をたどりながら、自分が納得できる味を探してきたんです」。

だからこそ、材料選びからシロップ、氷の削り方、そして価格に至るまで、そのすべてに「食べた人の心に残る一杯を届けたい」という思いが込められています。

子どもの頃に食べたかき氷の思い出を胸に、自分が本当に納得できる味を探し続けてきた渡辺さん。その思いは、一杯のかき氷となり、人情横丁を訪れる人たちの新たな「おいしい記憶」をつくっています。

この夏、大雪警報級の雪山を目がけて、ぜひ「茶房 二兎屋」を訪ねてみてください。

席数も限られ、お一人で丁寧に作っているため、夏場は行列になることもしばしば。並ぶ際はくれぐれもマナーを守りながらお待ちくださいね。その先には、きっと忘れられない一杯が待っていますよ!

茶房 二兎屋

住所/新潟県新潟市中央区上大川前通5番町 本町中央市場内
電話番号/090-4001-1502
営業時間/11:00〜18:00(L.O.17:30)
休業日/水曜、ほか不定休

この記事を書いた人

新井まさみ

富山県生まれ、新潟市在住の取材ライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!

Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/ 

新井まさみ

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