新潟の厳しい冬を乗り越えるために生まれた発酵文化の伝承エリアを訪ねる。

2020.03.12

雪が深くて作物を収穫できない期間が長い新潟県では、厳しく長い冬を豊かに暮らすため、各地ではさまざまな食糧保存方法が生み出されました
そのひとつが「発酵食品」。
米どころ新潟のおいしい米を使って米麹を作り、雪国ならではの寒さの中でじっくりと発酵させます。
日本酒、みそ、醤油――。今でも伝統的に製造されている発酵食品を堪能できるお店をご紹介します!

山﨑糀屋

生きた糀のパワーを甘酒で実感

阿賀町津川で明治元年の創業時より受け継ぐ薫り高い糀菌と、新潟の契約農家で作られたお米と大豆を使った手作りの無添加商品を販売しています。
看板商品は糖度が高く発酵力が強い、『生黄糀』。
粒が大きく、芳醇な香りとうまみを感じられる黄色いオリジナル糀です。
これを使った『黄糀だけの生甘さけ』は、やさしい甘さとすっきりとした後味が特徴的で、アミノ酸やビタミンがたっぷり!
また、糀の作り方や味噌の仕込み方を教わることができる「糀教室」を開催するなど、糀を広めるための活動も積極的に行なっています。

【店舗情報】
店名:山﨑糀屋(やまざきこうじや)
住所:新潟県東蒲原郡阿賀町津川452
アクセス:磐越自動車道津川ICから車で5分
電話番号:0254-92-2030
営業時間:9:00~18:00
定休日:毎月6、16、26日(土日祝日の場合は営業)
駐車場:5台

宮川糀や

昔ながらの製法で作る『みがきにしんのこうじ漬』

糀で知られる阿賀町で、大正10年創業から変わらぬ味を守り続けている老舗糀屋。
クセのない純白菌で造られた糀は、米ひと粒ひと粒まで糀菌が繁殖し、真っ白でふんわりしています。
この糀を使った優しい甘さの甘酒は、お袋の味として大人気。
また、手造りの味噌や味噌漬けは、昔ながらの味わいでまろやかに仕上げています。
さらに、看板商品の『みがきにしんの糀漬』は、みがきにしんのうまみを甘酒が最大限引き出し、独特のおいしさです。
地元の温泉旅館では郷土料理として提供されていて、姉妹商品の「みがきにしんの山椒漬」と共にお土産としても喜ばれています。

【店舗情報】
店名:宮川糀や(みやかわこうじや)
住所:新潟県東蒲原郡阿賀町津川3760
アクセス:磐越自動車道津川ICから車で5分
電話番号:0254-92-2453
営業時間:8:00~18:00
定休日:元旦
駐車場:2台

今成漬物店

伝統の味を守り続けて100年の名店

南魚沼市六日町の知る人ぞ知る漬物の名店。築200年の蔵で昔から変わらぬ製法で作られている「山家漬」は、地場野菜や山菜を地元清酒「八海山」の純米吟醸粕を使って熟練の職人が手間と時間をいとわず、生漬・中漬・本漬と、粕床を3度かえて漬けた逸品です。
一度食べたら、その上品な味わいと芳醇な香りに魅了されること間違いありません。
毎年11月中旬からは新漬の販売が始まり、これを求めて訪れる人も多数!
通年販売ですが、すべての工程を手作業で行うため、生産量が少なく売り切れてしまう場合もあります。

【店舗情報】
店名:今成漬物店(いまなりつけものてん)
住所:新潟県南魚沼市六日町1848
アクセス: JR六日町駅から徒歩7分
電話番号:025-772-2015
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
駐車場:あり

有限会社かんずり

国内外で注目される妙高の辛味調味料

妙高エリアの家庭ではすっかりおなじみのトウガラシの発酵食品『かんずり』。
秋に塩漬けにしたトウガラシを雪の上にさらし、アクを抜き、糀、柚子、食塩と混ぜて発酵させて作られます。
3年以上熟成させることで、発酵食品独特のまろやかなうまみが生まれるのだそうです。
調味料としても薬味としても活用でき、鍋や湯豆腐、冷やっこの薬味をはじめ、刺身、焼き魚、焼鳥など、さまざまな料理と相性抜群!
地元の小中学校では給食にかんずりを使ったメニューが出るなど、伝統食として継承されています。

【店舗情報】
店名:有限会社かんずり(ゆうげんがいしゃかんずり)
住所:新潟県妙高市西条437-1
アクセス: トキ鉄・妙高はねうまライン「新井駅」から車で5分
電話番号:0255-72-3813
営業時間:8:30~17:30
定休日:日曜日、祝日(土曜日は不定休)
駐車場:20台

雪の花みそ 杉田屋

越後高田の人たちに愛され続ける『浮き糀味噌』

上杉謙信公の時代から上越エリアに根付く『浮き糀味噌』。国産大豆と国産米100%で、手間暇かけて作られる味噌は、大豆のうまみと米糀の甘みが合わさった絶妙な味わいで、地元の人たちから毎日食べても飽きない「家庭の味」として親しまれています。
おいしい味噌づくりには欠かせない「糀」に国産米を贅沢に使うのは、米どころの味噌屋だからこそ。
味噌汁にすると白い米糀がふわりと浮き上がるその様子が花びらが散るように舞う雪を連想させ、とても美しい。

【店舗情報】
店名:雪の花みそ 杉田屋 (ゆきのはなみそ すぎたや)
住所:新潟県上越市本町4-3-16
アクセス: トキ鉄・妙高はねうまライン「高田駅」より徒歩で10分
電話番号:025-525-2512
営業時間:9:30~18:30(1~3月上旬は18:00まで)
定休日:水曜日
駐車場:5台

峰村醸造 直売店

昔ながらの発酵技術を守り続ける越後味噌の老舗

「発酵のまち」と呼ばれている沼垂地区で、今でも昔ながらの製法で味噌作りを行っている、明治38年創業の老舗。
明治初期や大正時代に建築した土蔵で、味噌や味噌漬け、発酵・醸造の技術をいかし旨味を引き出したダシやポン酢などの調味料を製造・販売しています。
パッケージデザインもセンスが良く、お土産にも最適。
店内では漬物の試食や味噌汁・甘酒の試飲も行なっており、酵食品を身近に体験する事ができます。
また、味噌仕込み体験、工場見学ツアー、大醸し祭りなどのイベントも開催しているのでこちらも要チェックです!

【店舗情報】
店名:峰村醸造 直売店 (みねむらじょうぞう ちょくばいてん)
住所:新潟県新潟市中央区明石2-3-44
アクセス: JR新潟駅より徒歩15分
電話番号:025-250-5280
営業時間:10:00~17:00(土日祝は18:00まで)
定休日:年末年始
駐車場:8台(共有)

吉乃川 酒ミュージアム「醸蔵」

470年もの歴史ある蔵で作る飲み飽きない日本酒

長岡市摂田屋で1548年から続く新潟最古の酒造。
「地酒とは、地元の人がその地元の料理とともに晩酌で味わうお酒である」という考え方の元、飲み飽きしない食中酒を造り続けています。
新潟の原料米にこだわり、敷地内から汲み上げる仕込み水を使った口当たりの良い日本酒は、妥協を許さぬ杜氏や蔵人たちの傑作です。
また、2019年10月には敷地内にある国登録有形文化財の倉庫を改装した『吉乃川 酒ミュージアム 醸蔵(じょうぐら)』がオープンしました。
吉乃川の日本酒が楽しめる「SAKEバー」や売店、展示コーナーなどがある施設で、日本酒に魅了されること間違いありません!

【店舗情報】
店名: 吉乃川 酒ミュージアム「醸蔵」(よしのがわ さけみゅーじあむ じょうぐら)
住所:新潟県長岡市摂田屋4-8-12
アクセス: JR長岡駅より車で15分
電話番号:0258-77-9910
営業時間: 9:30~16:30
定休日:火曜日(祝日の場合は営業。翌日休み)
駐車場:5台

星野本店

越後長岡の発酵文化と匠の技を現代に継承

1846年、長岡市摂田屋に蔵を構えて以来、匠の技とともに発酵文化を現代に継承しています。
170年以上作られてきた味噌や醤油は、いずれも全国の品評会で高い評価を受けており、特に人気なのが「越後の味噌 越の天恵」。
長岡産の大豆、新潟県産米、赤穂の天塩から作られるこの味噌は、味が濃いめの田舎味噌とはひと味違った米糀の甘みをしっかりと感じることができます。
ほかにも、漬け物やこうじ製品などの製造・販売も行なっており、「本物の味」を守り続けています。

【店舗情報】
店名:星野本店(ほしのほんてん)
住所:新潟県長岡市摂田屋2-10-30
アクセス: JR長岡駅より車で8分
電話番号:0258-33-1530
営業時間: 8:30~17:30
定休日:日曜日、祝日(土曜日は不定休)
駐車場:10台


その土地の風土や特産物をいかした発酵食品は絶品で、地域ごとに特徴も様々。
実際にお店を訪れてみてください。そのお店の発酵食品を味わうことはもちろん、体験などお店の方と触れ合うことで、その地域の歴史も感じることが出来ますよ。

この記事で紹介したお店マップ

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