パスタでもピザでもない?! 新潟で“イタリアン”といえばコレ!

2018.09.03

「イタリアン」と聞いて、何を思い浮かべますか?おしゃれなパスタ?チーズたっぷりのピッツア?それとも……。

生粋の新潟県民ならパスタやピザとは答えないはず!
実は、新潟で言う「イタリアン」はイタリア料理のことではなく、あるご当地グルメのことを指すのです。
今回は新潟県民のソウルフード「イタリアン」を食べられる二大巨頭「みかづき」「フレンド」へ行ってみました。

まずはイタリアン発祥の店「みかづき」へ

新潟駅から徒歩15分ほど。カフェや飲食店、雑貨店などが揃う「万代シティバスセンタービル」の2Fに、イタリアン発祥のお店である「みかづき 万代店」があります。

赤と緑のポップな外観からは、一般的なイタリアンカフェチェーンのような印象を受けますが、こちらのお店で食べられるのはパスタやピザではありません。

月曜日の開店直後、午前10時台にも関わらず、店内ではすでに数組のお客様が手慣れた様子で注文しています。果たして、新潟県民が愛してやまないイタリアンとは一体どんなものなのかと言うと…?

なんと、焼きそばにトマトソースが!しかも添えられているのは白ショウガ!
麺の太さは焼きそばとうどんの中間といった感じ。
新潟県民にとってのイタリアンとは、「中華麺+トマトソース」で出来た、風変わりな焼きそばなのです。

「お嬢さん ちょっと変わった焼きそばを始めました」というキャッチコピーで昭和35年(1960年)に誕生して以来、「毎日食べても飽きない」と地元民に長らく愛されてきました。お値段は税込340円。

食べてみると、麺のもちもち感にびっくり!
小麦粉の選択から配合、製法と細部にまでこだわって独自に開発しているそう。

もちもちの麺は、甘めのトマトソースとの相性もばっちり。ホールやペーストなどあらゆる形のトマトをふんだんに使い、4時間以上かけて煮込んだソースは、トマトと同量の玉ねぎをブレンドすることによって絶妙なバランスの甘さに仕上がっています。

おすすめのチーズソーストッピング(税込80円)でいただきましたが、トマトソースとチーズの相性も、もちろんばっちりです。

みかづきでは1シーズンに3種類ほど期間限定メニューが出るそうで、7月のこの日は「夏野菜のイタリアン」や「ボロニア風イタリアン」などのメニューが並んでいました。

ちなみに、みかづき万代店の通年メニューでもっとも人気があるのは、ホワイトソースのかかった「ホワイトイタリアン」。すぐ隣に劇場があるアイドルグループ「NGT48」のあるメンバーがみかづきのホワイトイタリアンが大好きで、公演がある日はファンの方もたくさん訪れるのだそうです。

ベースとなる焼きそばは、大きな鉄板で麺、キャベツ、もやしを丁寧に炒め、最後に秘密のパウダーとソースをかけて作ります。秘密のパウダーには粉チーズが入っていますが、それ以外の材料は企業秘密。

具材であるもやしのシャキシャキ感も特徴的。先にキャベツと麺を炒め、後からもやしを加えて炒めることで、もやしのシャキシャキ感を際立たせています。

さて、長きにわたって新潟の人々から愛されてきたイタリアンですが、いったいどうやって生まれたのでしょうか?

もともとみかづきは、現会長のおばあさまが明治時代に始めた甘味喫茶「三日月」が前身。会長が「食事メニューもやろう!」と、さまざまなメニューを考案しましたが、どれも売れ行きは芳しくありませんでした。その頃、東京では焼きそばが流行っており、そこで出会ったある焼きそばが、イタリアン誕生のきっかけとなりました。

会長が見たその焼きそばには、何やらオレンジ色のソースがかかっていました。それがなんだったのかはいまだにわからないそうですが、そのビジュアルからインスピレーションを受けて、今のスパゲッティ風焼きそば「イタリアン」が作られたのです。

昭和35年の発売当初、イタリアンの値段は80円。ラーメンが70円の時代であったため、その値段の高さから当時はなかなか受け入れられませんでした。しかし、昭和36年頃に学校のバザーでイタリアンを出すようになると、2〜3年後には市内全ての小中学校のバザーに呼ばれるようになり、それに伴って店舗での注文も増えていきました。

現在では、先代社長同士で親しくしていたイタリアンのお店「フレンド」と共に、新潟のイタリアン二大巨頭として愛されています。

【店舗情報】
店名:みかづき万代店
住所:新潟市中央区万代1丁目6-1バスセンタービル2F
アクセス:JR新潟駅万代口から徒歩約10分/新潟交通バス 「万代シテイバスセンター」下車
電話:025-241-5928
駐車場:あり
時間:10:00~20:00
定休日:なし
座席数:66席

長岡でイタリアンを食べるなら「フレンド」

みかづきが新潟市などの下越地方を中心に店舗を展開しているのに対し、長岡市などの中越地方を中心に店舗を展開しているのが「フレンド」。今回は「フレンド喜多町店」に行ってきました。外にはドライブスルーがあり、地元っ子が日常的に食している雰囲気が感じられます。一説によると、日本のファストフード業界で初めてのドライブスルーと言われているそうです。

店内はかなり広く、テーブル席がたくさんあります。喜多町店は昭和51年(1976年)にオープンし、改装しながら現在に至っていますが、どこか昭和らしさの漂うレトロな店内に懐かしさを覚えます。

イタリアンの麺はみかづきよりも細め。ソースにはお肉の食感が程よく感じられ、焼きそばにもばっちり合います!みかづきがナポリタンらしいイタリアンであるのに対し、フレンドのイタリアンにはミートソースらしいイタリアン。中華麺らしい歯応えとちょっぴりスパイシーな味わいもフレンドの特徴です。

フレンドのイタリアンは、麺を先に炒めてキャベツともやしの水分で蒸らすという方法を取っています。焼きそばのソース、麺、上にかけるソースは全て自社工場でこだわりを持って作られたもの。

今回注文したのは、イタリアン(税込330円)、餃子(税込330円)、ソフトクリーム(税込150円)。
不思議な組み合わせですが、ここではこれが定番。

フレンドの前身は「長岡饅頭本舗」という甘味処。創業者の木村政雄氏は、みかづきの創業者・三日月晴三氏と親しかったことからイタリアンを取り入れます。その後、モダンな軽食喫茶が人気を博していた時代の流れに乗りつつ、他との差別化を図って餃子職人を呼びました。さらに、あるデパートで食べたソフトクリームに感動し、本場イタリアの機械を取り寄せました。

良いと感じたものを多岐に渡って取り入れた、歴史ある組み合わせ。フレンドならではの妙を楽しめます。

【店舗情報】
店名:フレンド喜多町店
住所:長岡市喜多町字鐙潟572番地
アクセス:関越自動車道長岡ICから車で約14分
電話:0258-28-0152
駐車場:あり
時間:10:00~19:00
定休日:なし
座席数:70席程度

新潟名物イタリアンは一度食べたらやみつきに!


焼きそばにトマトソース、ミートソース……。
それって合うの?と思うかもしれませんが、一度食べたらやみつきになること間違いなし!
「アリだな」→「美味しい!」→「また食べたい!」と、時間を追うごとに気持ちが変化していきます。
手軽な値段で素早く食べられるので、小腹が空いた時にもぴったり。

みかづきでトマト感のあるもちもち麺を堪能するもよし、フレンドでひきにくたっぷりでスパイシーな細麺にガツッと行くもよし。新潟市付近でみかづきへ、長岡市付近でフレンドへと、食べ比べてみるのもオツな楽しみ方。

新潟を旅する時には、ぜひイタリアンも食べてみてください!



※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。お出かけ前に電話などで直接お店にご確認ください。

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