麻婆豆腐にとん汁にモツ!? 知られざるラーメン王国・新潟の実態!

2022.07.26

ラーメン王国とも言われる新潟県。札幌ラーメンや博多ラーメンのように「新潟ラーメン」といった定義があるわけではないので、その実態を知らない方も多いかと思います。

実は新潟県は知る人ぞ知るラーメン激戦区!それぞれのお店で個性豊かなラーメンを食べられるのが特徴です。系統も多岐に渡るので、いろいろなラーメンを食べ歩いてみたいラーメンファンにとっては、新潟はたまらない場所なのではないでしょうか。

今回は、そんな新潟県の中でも個性的なラーメンが食べられるお店を紹介します。

なぜ新潟は“ラーメン王国”と呼ばれているのか

・人口10万人あたりのラーメン店の数が全国2位と店舗密度が高い
・背脂や生姜醤油などの新潟五大ラーメンをはじめ、麻婆麺などご当地麺のバリエーションが他県に比べて断トツに多彩
・米どころのため外食はラーメンを食べる機会が多い(=世帯別の年間ラーメン消費金額が全国1位)

=「お店の密度、ラーメンの種類、新潟県民のラーメン愛」。この3点がラーメン王国と呼ばれる理由です。

ピリ辛!「麻婆麺」を解説

- 麻婆麺が新潟県内に広まった理由 -

新潟県内で“濃厚麻婆麺”が流行りはじめたのが、2014年。
当時担々麺などの「ウマ辛麺」が全国的に流行っていて、その後継として麻婆麺を提供するお店が増えました。
新潟県は背脂や白濁スープなど濃厚なラーメンが好まれる傾向にあり、それを麻婆にも応用したことで定着したと考えられています。

現在、新潟県内で麻婆麺を提供している店舗は約50軒ほど。

麻婆麺ブームの火付け役「たまる屋」

「背脂マーボー麺」はスープがほとんどない汁なしタイプ。
多加水で弾力のある太ストレート麺の上にとろけるチーズを並べ、麻婆豆腐を豪快にオン。
最後にたっぷりの背脂としびれる辛さが特徴の四川サンショウを振りかけたら完成!

麺を持ち上げると、とろみが強めのあんがしっかり絡みつきます。
自家製ラー油のビリリとした辛さとサンショウのしびれを、背脂とチーズがマイルドに包み込んでくれる、クセになる味わいです。

店名:たまる屋 女池インター店
住所:新潟県新潟市中央区鳥屋野417
アクセス:新潟バイパス女池ICから車で約1分/JR新潟駅から車で約14分
電話:025-526-7751
駐車場:50台
駐車料金:無料
時間:11時~22時(21時30分LO)※スープなくなり次第終了
定休日:なし
座席数:28席

本場の四川麻婆豆腐が味わえる「龍馬軒」

  • 龍馬軒
  • レトロな店内

上越市にある「龍馬軒」は、県内外から多くのファンが訪れる行列が絶えない人気店。

ラーメン店とは思えない古民家風の外観が特徴で、店外には井戸があったり、待ち時間を過ごす空間には昔ながらのテレビが置かれていたりと、レトロな雰囲気が感じられます。
  • 店内

龍馬軒の一番人気は、8年前の開店当初から定番の坦々麺ですが、今回はこだわりのつまった麻婆麺(990円)を紹介します。

龍馬軒の麻婆麺は、本場四川麻婆豆腐餡が絡む汁なしラーメン。朝天唐辛子や四川花椒といった本場と同じ食材を使って仕上げています。
  • 辛さの秘密は朝天唐辛子

一口食べると口の中いっぱいに広がるピリッとした辛さ!ただ辛いだけではなく「香り豊かな深みのある辛さ、旨みのある辛さ」という表現がぴったりです。常連さんの中には、辛さをプラスする強者もいるのだとか。

その辛さの秘密が、朝天唐辛子。これがなければ本場の四川麻婆豆腐とは言えない大事な食材です。素揚げしたものがトッピングとして丸々一個のっているので、辛い物好きな方はそのまま食べてみてください。種にはしっかりと辛味がありますが、外側は噛みしめるほどに旨みとほどよい辛味が感じられます。
  • 麻婆麺

麻婆豆腐の味が薄くならないように汁なしで提供していますが、下の方に少しだけスープが入っているので、最後の方はスープと混ぜて味に変化をつけ、まろやかな味わいを楽しむことができます。

麻婆豆腐そのものの味が楽しめるので、トッピングなしでも十分美味しくいただけますが、あえて追加するなら、炭火焼き叉焼がおすすめ。店内にある香港式叉焼釜を使って炭火で焼き上げた叉焼は、麻婆豆腐の辛さと旨みとの相性が抜群です。
  • デザート

最後はひんやりとなめらかな杏仁豆腐をデザートに。辛い麺の後に甘味を食べられるのも嬉しいところ。龍馬軒では、石鍋に入った熱々麻婆ご飯や麻婆豆腐の持ち帰り、醤油煮干しそばなど、さまざまなメニューがあります。新潟ラーメンデビューのお店として、訪れてみてはいかがでしょうか。

店名:龍馬軒
住所:〒943-0884 新潟県上越市上中田北部土地区画整理事業8街区1画地
アクセス:上信越自動車道上越高田ICから車で約1分/北陸新幹線上越妙高駅から車で約3分/えちごトキめき鉄道南高田駅から車で約2分
電話:025-526-7751
駐車場:17台
駐車料金:無料
時間:11:00~14:30(ラストオーダー)/18:00~21:00(ラストオーダー)
定休日:月曜日(祝日も含む)
座席数:38席(カウンター×14席、テーブル6名席×2、小上がり6名席×2)

とん汁×ラーメンの絶品コラボ「とん汁ラーメン」を解説!たっぷり玉ねぎの甘さ引き立つ「とん汁 たちばな」

  • とん汁 たちばな

続いて紹介するのはラーメン店ではなく、妙高市の名物とも言われるとん汁の専門店、昭和47年創業の「とん汁 たちばな」です。たちばなの人気メニューのひとつにとん汁ラーメン(800円)があります。
  • 大きな鍋に入ったとん汁

たちばなの厨房でまず目に入ってくるのは、大きな鍋に入ったとん汁。甘さの決め手として、1日になんと100kg以上の玉ねぎを使ってとん汁を仕込むそうです。

鍋には、最初からだしや味噌といった味のベースと、大量の玉ねぎ・豚肉・豆腐を入れて煮込みます。
「後から味調整をしない」のがたちばな流の作り方。
この時ほぼ水を入れることはなく、玉ねぎなどの食材から出る水分だけで煮込んでいきます。どんぶり1杯のとん汁に使われている水はたったの50〜60cc、と言うのだから驚きです。
  • とん汁ラーメン

どんぶりにはラーメン用の味噌が用意され、そこに麺、こだわりのとん汁を入れれば、とん汁ラーメンの完成。

具だくさんのまろやかな味噌ラーメンといった感じの味で、一度食べたら病みつきになるお客さんが多い、というのにもうなづけます。
  • とん汁ラーメン

とん汁ラーメンが始まったのは平成に入ってから。

創業から食堂として営業していたたちばなには、国道沿いという立地もあって、トラックの運転手さんなどが多く来店していました。そこで、早くお腹いっぱいになるメニューを、と提供されるようになったのがとん汁。

さらに、「ラーメンの上にとん汁をかけてほしい!」というお客さんの一言がきっかけで、今やすっかり定番となったとん汁ラーメンが誕生したのです。
  • 妙高とん汁ラーメン

その人気は、たちばなが監修した「妙高とん汁ラーメン」というカップラーメンが販売されているほど。

たちばなの味がそのまま再現されているわけではありませんが、とん汁とラーメンの相性の良さがよく分かるので、新潟土産におすすめの一品です。
  • 定番のとん汁定食

定番のとん汁定食(並盛り950円)も一度は食べておきたいメニュー。

煮込み時間は意外と短く30分程度ですが、毎日少しずつ汁を継ぎ足すことで何時間も煮込んだかのような深い味わいが感じられます。
1杯に玉ねぎが1個半も使われているとん汁は、汁物ではなくメインとして十分な存在感がありますよ。

味噌は、たちばな用に作られたアルコール無添加のもの。お米は甘み、粘り、香りなどに優れ、コシヒカリの1.5倍の大きさがある妙高の幻のお米「いのちの壱」を契約農家から仕入れるなど、とにかく食材や製法にこだわりを持っているお店です。

店名:とん汁 たちばな
住所:〒944-0007 新潟県妙高市栗原2-3-10
アクセス:えちごトキめき鉄道北新井駅から徒歩18分/上越高田ICから車で約13分
電話:0255-72-2450
駐車場:20台 
駐車料金:無料
時間:10:00~20:00
定休日:月曜日(休日の場合は火曜日)
席数:カウンター7席、テーブル 40席

土鍋で食べる「モツラーメン」を解説!コシヒカリ入りモツラーメン「らーめん高野」

  • らーめん高野

新潟市の荻川駅(信越本線)から徒歩3分ほどの場所にある「らーめん高野」。
味噌、醤油、塩の3種類がありますが、一番人気はもつ味噌ラーメン(860円)です。
  • モツがたっぷりと入った大きな鍋

厨房にはモツがたっぷりと入った大きな鍋が置かれています。1日におおよそ10kg程度を仕込むのだそう。
  • 土鍋で提供されるラーメン

手際よく進んでいく作業を眺めていると、現れたのはなんと土鍋!
そう、土鍋で提供するのがらーめん高野流。
時間が経っても熱々を楽しむことができるのです。
  • 自家製麺

しっかりと味が染み込んだモツは絶品。

太めでもっちりとした麺に熱々濃厚なスープがよく絡んでいます。この麺には新潟県産のコシヒカリが練りこまれているそう。
麺に米粉を混ぜることはありますが、らーめん高野の麺に練り込まれているのは炊いた状態のご飯。もちろん自家製麺です。
  • 唐揚げ

サイドメニューの一番人気は唐揚げ。濃厚モツラーメンと一緒に食べるとスタミナがつきますよ。

店名:らーめん高野
住所:〒956-0011 新潟県新潟市秋葉区車場4-2-18
アクセス:JR信越本線荻川駅西口から徒歩約3分/磐越自動車道新津西スマートインターから車で約5分
電話:0250-23-3111
駐車場:あり 
駐車料金:無料
時間:11:00~14:30、17:30~20:30  ※麺が無くなり次第終了
定休日:なし
座席数:26席

こだわりチャーシューをのせたつけ麺が人気!「いっとうや」

  • いっとうや

最後に紹介するのは、トンコツ×魚介のスープが大人気、新潟市のラーメン店「いっとうや」です。

平日の15時頃にもかかわらず店内にはお客さんが10人程度おり、その後も客足が途絶えることはなく、人気店ぶりがうかがえました。
  • 店内

おすすめはかさね醤油(魚介と豚骨のラーメン)とつけめん。
今回はつけめん(800円)をいただきました。多い日には1日300食も売れるという超人気メニューです。
  • もっちりとした平打ちの麺

まず驚くのは麺の太さ。
いっとうやでは、つけめん、かさね醤油、醤油(魚介の効いたラーメン)と、メニューごとに3種類の麺を使い分けています。つけめんにはもっちりとした平打ちの麺が使われ、つけ汁がしっかりと絡みます。
  • つけ汁

つけ汁は、いっとうやの真骨頂とも言えるトンコツ×魚介。
濃厚なつけ汁なのかと思いきや、大葉とみょうがが絶妙なアクセントになり、さっぱりと食べることができます。
麺は普通盛りで240g。大盛りも無料です。

そして、存在感のある特製”ちゃーしゅう”や極太めんまにも注目!
  • 極太めんま

極太めんまは食感を楽しんでもらえるようにあえて大きく切っているそう。
さらに、特製“ちゃーしゅう”は、煮てから一晩タレに漬け込むという工程を経た後、提供直前に鉄板で焼いています。
  • 特製“ちゃーしゅう”

このひと手間のおかげで、スープに香ばしさがプラスされます。また、焼くことで余分な脂が落ちるため、この大きさでも最後まで美味しく食べることができると好評です。

新潟一行列ができるラーメン店と言われているいっとうやですが、最近店内を改装して席数が増えたそうです。並んでいても15~20分程度で入れることが多いようなので、トライしてみてください。

店名:ラーメン いっとうや
住所:〒950-0914 新潟県新潟市中央区紫竹山3-5-23
アクセス:JR新潟駅から徒歩約20分/JR新潟駅から路線バスで約5分、紫竹山バス停から徒歩約4分/日本海東北自動車道新潟亀田インターから車で約8分
電話:025-241-8325
駐車場:22台 
駐車料金:無料
時間:11:00~21:00
定休日:なし

新潟のラーメンはお店ごとに個性が光ります!お気に入りを見つけてみて

4店舗だけでもこれだけのバリエーションがある新潟のラーメン。
まだまだ個性豊かなラーメンが数多くあるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。お出かけ前に電話などで直接お店にご確認ください。

この記事で紹介したラーメン店マップ

新潟5大ラーメンについて

新潟県内各地で愛されてきた5つのご当地ラーメンを紹介!

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