長岡市内を巡り、アートの楽しみ方を探る旅/長岡市
2024年10月27日
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こんにちは。長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊 五十島です。
普段は新潟市を拠点に、彫刻家として活動しています。
普段は新潟市を拠点に、彫刻家として活動しています。
今回は、芸術の秋ということで、アートを楽しむことをテーマに長岡市内を巡ります。
行程はこちら。
行程はこちら。
新潟県立近代美術館 → 秋山孝ポスター美術館長岡 → 5en → 一黙窯 → maison de たびのそら屋
最初にお邪魔したのは新潟県立近代美術館。
新潟県立近代美術館
ここには6,000点を超える作品が所蔵されていて、そこからテーマに沿った作品を選び展示紹介しています。現在開催中の「コレクション展第3期」の展示室1では、難しいイメージのある芸術作品の楽しみ方のヒントを教えてくれます。
美術館は静かに鑑賞する場所だと思っていませんか?そうとは限りません。
【展示室1】「親と子のワクワク美術館 はい、ポーズ!」では、実際に作品と同じポーズをとってみたり、作品についてお互いに感じたことを話し合ったりして、新しい発見をしよう!という展示です。
【展示室1】「親と子のワクワク美術館 はい、ポーズ!」では、実際に作品と同じポーズをとってみたり、作品についてお互いに感じたことを話し合ったりして、新しい発見をしよう!という展示です。
中には有名なロダンの「考える人」も。体の捻り具合、筋肉や骨の力強さはもう、惚れ惚れとします。他にも彫刻や絵画が合計19点、様々なポーズを披露してくれています。
【展示室2】「没後40年 竹谷富士雄」では五泉市出身の洋画家、竹谷富士雄が日本とフランスとを行き来しながら描いた作品と彼に関係する4人の作品が、【展示室3】「近代美術館の名品」では所蔵品の中からよりすぐりの名品が展示されています。
定期的に行われる作品解説会では作品について詳しく解説していただきながら鑑賞ができます。
定期的に行われる作品解説会では作品について詳しく解説していただきながら鑑賞ができます。
また、12月14日には対話型の鑑賞会も。
案内していただいた学芸員の宮下さん曰く、「この日は、より周りを気にせず参加者と対話ができるので、気軽に作品を楽しんで欲しい」とのこと。
どう楽しめばいいか分からないと思われる方は、是非解説会や対話型鑑賞にご参加ください。
案内していただいた学芸員の宮下さん曰く、「この日は、より周りを気にせず参加者と対話ができるので、気軽に作品を楽しんで欲しい」とのこと。
どう楽しめばいいか分からないと思われる方は、是非解説会や対話型鑑賞にご参加ください。
新潟県立近代美術館
新潟県長岡市千秋3丁目278-14
TEL 0258-28-4111
次に伺ったのは、秋山孝ポスター美術館長岡です。
秋山孝ポスター美術館長岡
1925年に銀行として建てられ、のちに倉庫となっていたところを、2009年に秋山孝さんご本人が買い取り美術館として開館。地域に結びついた場所となるよう、10年程ここで作品展示、研究、教育の三本柱を掲げ、美術館活動を発信してきました。2020年新型コロナウイルスの流行で休館し、その最中、2022年に秋山さんはご逝去されました。その後、「長岡市に寄贈したい」という秋山さんの遺志を引き継ぎ、ご遺族が作品と建物を長岡市に寄贈。2023年7月に再オープンしました。
現在は地域の方や、県内外から秋山さんのファンが多く来館される他、宮内駅から摂田屋へ向かう途中に寄っていかれる方も。可愛らしい建物のドアを開けた途端ポップな色使いのポスターが目に飛び込んで、楽しい気分になります。展示室の奥には作品集やポストカード等のオリジナルグッズやカフェも。地域の中の交流スペースとして、気軽に立ち寄って欲しいそうです。
「APMの夜」と題してお酒を飲みながら開催されるアートワークショップや、週末(不定期)にカフェを館内で開いている「日和やのだいどころ」庭野睛ゐさんより発酵調味料の作り方を教わるワークショップも開催。イベント時は美術館でお酒が飲め、料理のワークショップがあるなんて、発酵の町ならではですね。
摂田屋と言えば発酵の町。
ランチタイムは発酵食品を味わえると噂の「5en」に向かいます。
ランチタイムは発酵食品を味わえると噂の「5en」に向かいます。
5en
メニューの全てに摂田屋6蔵(越のむらさき、機那サフラン酒、長谷川酒造、吉乃川、星野本店、味噌星六)の発酵食材を1種以上使用されているフレンチのお店です。
いただいたのはお店お勧めの「発酵コース」。
この日のメニューはこちら。
・ロロンカボチャの冷製ポタージュスープ
・ロロンカボチャの冷製ポタージュスープ
・野菜のプレッセ
・スズキのマリネ
・県産牛のシンシン(モモ肉の内側で一頭から2~3㎏しか取れない部位)のローストと地元産野菜の焼き野菜
店主にも少しお話を伺いました。5enを摂田屋という地にオープンするにあたり、歴史ある6蔵元の素晴らしい発酵食材に出会い、それをフレンチに取り入れたい、伝えていきたいと思ったそうです。
盛り付けがとても鮮やかなのは、「最初に目で楽しんでいただいてから、味わって欲しい」との気持ちから。
地元産の新鮮な食材と、それを活かす発酵調味料で味付けられた料理は、どれもとっても美味しくて、幸せな時間でした。
皆さんも是非、ゆったりと、この幸せなひとときを味わってみてください。
皆さんも是非、ゆったりと、この幸せなひとときを味わってみてください。
5en
新潟県長岡市摂田屋4丁目7番35号 ミライコンパス1F
TEL 0258-80-1087
次に長岡市内に拠点を構える陶芸家のアトリエにお邪魔しました。
「一黙窯」廣川智子さん。
廣川さんは、長岡の「一黙窯」というアトリエで、主に陶器やオブジェを作られている陶芸家さんです。そんな廣川さんに、陶芸家としての道のりをお聞きしました。
小さい頃から絵を描くことが好きだった廣川さん。新潟大学教育学部で第二希望の彫塑科へ。何かを作る事は好きだったが仕事になるとは思えず、美術教師に。その後退職し陶芸家の道へ進みます。産地へ行くと何百人もの陶芸家とそれを目指している人が。その中で器を作る傍ら、趣味として造形的な物も制作していました。地元に戻っても陶芸家はいましたが、数が少なく何とかやっていけると思ったそう。
「器を作りながら、自分にしか作れないものは何かなと思ったら、こういった造形的なものかなと思って。それでも、それで食っていけるとは思わなくて両方並行してやっていて、段々こっちでやりましょうというのが増えてきたのかなぁ。」と廣川さん。動物の作品も多く、亡くなったペットを制作して欲しいという依頼は写真だけで制作しなくてはいけません。
学生時代、恩師である彫刻家の渡邊利馗さんが、東京から裸婦のモデルを招き制作、それが終わるとまたモデルを呼んで、を繰り返し、市展・県展・芸展に出品。それが3年間続いたそうです。
「作ろうと思ってやっていたわけではなくて‶やらされている感″でやっていましたけど、絶え間なく。いい先生だったと思う、それが今、凄く役に立ったな、とつくづく。それやってなかったら多分、できないんじゃないかなと思う。」と。
普段はアトリエの燃料窯をお使いですが、薪窯で焼く機会もあるそうで、
「焼物って凄く面白いことがいっぱいあって、薪窯で焼くのと、自分たちみたいに燃料の窯で焼くのとでは全然違うんですけど、薪でやるのも凄く面白いんですよ。」
「焼物って凄く面白いことがいっぱいあって、薪窯で焼くのと、自分たちみたいに燃料の窯で焼くのとでは全然違うんですけど、薪でやるのも凄く面白いんですよ。」
「薪窯って入れる場所によって温度が凄く違うんです。みんな温度が上がらない場所には入れたがらないけど、私は光沢の加減が良くて、凄く好きなんです。ただ、温度が上がらないと器として強度が出ないから、動物の作品をずっと入れています。‟こう“っていうのは、あんまり私決めてなくて、その場その場でやってる感じです。困ったことに。」と。制作するものに器や造形的なものという拘りは特にないとのこと。自然体で制作に向き合う彼女は、とても魅力的な方でした。
廣川さんの作品はこちらのお店で。
素敵な器に出会えます。
廣川さんの作品はこちらのお店で。
素敵な器に出会えます。
カレー専門店 daisy
新潟県長岡市西神田町1-4-5
TEL 0258-35-7333
文中に出てきた彫刻家 渡邊利馗さんの作品は最初にご紹介した県立近代美術館にも所蔵されています。
アートを巡る旅もここで最後。「maison de たびのそら屋」にお邪魔しました。
アートを巡る旅もここで最後。「maison de たびのそら屋」にお邪魔しました。
maison de たびのそら屋
maison de たびのそら屋は、長岡市呉服町の喫茶併設ギャラリーです。企画展の期間中のみのオープンで、芸術品の鑑賞と美味しいコーヒーを味わうことができます。
ギャラリーは開放感があり、気持ちよく鑑賞できます。取材の際は、服飾系の展示がされていました。
カフェスペースは赤い壁紙でシックな雰囲気です。こちらにも絵画作品が展示されていま す。
カフェメニューの「旅コーヒー」はオーナーの久保田さんが旅先で出会ってまた訪ねたいお店や、出展作家からの紹介など、展示に合わせてセレクト。常連さんの楽しみになっています。
学生の頃はバイク旅をしたり、海外旅行をしたり、基本一人旅で色々な人にお世話になり、その恩を「その人には返せなくても、大人になったときに出会った若い人に返せばいい」と言ってもらったことが夢の発端。飲んだ人の‶いつかの旅の手掛かり″になればとコーヒーと一緒にショップカードも送ってもらっているそうです。
カフェメニューの「旅コーヒー」はオーナーの久保田さんが旅先で出会ってまた訪ねたいお店や、出展作家からの紹介など、展示に合わせてセレクト。常連さんの楽しみになっています。
学生の頃はバイク旅をしたり、海外旅行をしたり、基本一人旅で色々な人にお世話になり、その恩を「その人には返せなくても、大人になったときに出会った若い人に返せばいい」と言ってもらったことが夢の発端。飲んだ人の‶いつかの旅の手掛かり″になればとコーヒーと一緒にショップカードも送ってもらっているそうです。
ギャラリーでは、月にひとつの展覧会を開催しています。学生や若い作家に出展を依頼する際は、展示を通して出会いたい、10年後、20年後の展開を見てみたい、という気持ちでお声がけされるそう。
グループ展の出展作家は年齢やジャンルを超えて、時には誰も想像しない組み合わせになり、お客さんから嬉しい反応があることも。
グループ展の出展作家は年齢やジャンルを超えて、時には誰も想像しない組み合わせになり、お客さんから嬉しい反応があることも。
「想像を超えるんですよ、展覧会は。超えて素晴らしくなるんです。お客様が『この作家の組み合わせ、意外だったけどいいね!』って言ってくださったり、想像を上回って感動が広がっている様子を感じると、ほっとしたり、『ですよね!』と嬉しくなったりします」と久保田さん。
ギャラリーは作家と観てくださるお客が居て成立する。作家のことを凄い凄いと言うが、全然作り方が分からなくても凄く惹かれるというその感性を持ち、足を運んでくれる人あっての場所でありアートである。コロナ禍の際、芸術方面は不要不急と言われたが、それらが心にもたらすものの大きさは、もっと評価されるべきと思う。過小評価しすぎではないか。それが世の中にあることの意味を。と語っておられました。
私自身制作するにあたって、作品の意味をもう一度改めて考えたいと思うお話でした。
皆さんも美味しいコーヒーと思いがけない感動を味わってみませんか?
皆さんも美味しいコーヒーと思いがけない感動を味わってみませんか?
maison de たびのそら屋
新潟県長岡市呉服町2丁目1-5
TEL 0258-77-2981
「アートの楽しみ方を探る旅」長岡市編、いかがでしたでしょうか。
この記事が、アートの楽しみ方や出会いの一つの参考になれば幸いです。
芸術の秋、皆さんの心に豊かな時間が訪れますように。
最後までお付き合いいただき有難うございました。
この記事が、アートの楽しみ方や出会いの一つの参考になれば幸いです。
芸術の秋、皆さんの心に豊かな時間が訪れますように。
最後までお付き合いいただき有難うございました。
この記事を書いた人
地域で親しまれている隠れたスポットや住民ならではの贅沢な時間の過ごし方があります。
初めて訪れた方でもバスや電車でふらりと行けるプチ旅行や時間の過ごし方をレポートします。