ガストロノミーアワード受賞者
Gastronomy Award Winners
Gastronomy Award Winners
【審査員コメント】2025年12月にオープンしたばかりの薪火レストラン。古町の裏手に佇む、静謐な隠れ家のような雰囲気。厳選された新潟食材に施される丁寧な手仕事が、素材のポテンシャルを静かに引き立てる。新潟の歴史と文化を感じ取れる演出や、味わいを徹底的に追求した料理には、諏佐尚紀シェフの確かな美意識が宿る。落ち着いたカウンターで、若き才能の深淵に触れる、…

【審査員コメント】季節の移ろいを繊細に捉えた献立は、素材への深い理解と確かな技術に裏打ちされている。味覚の際まで探求することを信条とする料理姿勢は、美しさが際立った椀盛の出汁にはじまり、一皿ごとに佐藤大介料理長の職人としての誠実さが隅々まで伝わる。広々と落ち着いた空間は、選び抜かれた器や調度品と共に、新潟の旬の味わいを静かに、そして贅沢に堪能でき…

【審査員コメント】店主の川崎拓海さんが地元坂町で挑む小さな懐石料理店。その孤高にして真摯な仕事ぶり、店づくりの姿勢が光っています。調理や盛り付けの工夫はもちろん、献立や味付けの塩梅も絶妙です。派手な演出はないものの、料理への熱量と地元愛を存分に味わえる、居心地のいいお店です。

【審査員コメント】新発田で昭和29年から営む登喜和鮨。その老舗の名店が創業70年の節目を迎えた2024年夏、満を持してこの新潟店を出店した。この店は三代目の小林宏輔料理長が月曜から金曜まで腕を振るい、土日は従来通り2代目の小林登三男さんのいる新発田本店に戻り、カウンターに立っている。新潟の鮨を未知の領域へと誘う小林宏輔料理長の探求心は、この新潟店でさらに…

【審査員コメント】素材の輪郭を鮮明に描き出す料理人、山貝真介・亮太兄弟の極上の技術と感性が光る、村上を象徴する割烹料亭。伝統の技を重んじながらも、現代的な洗練を加味した旬の味わいの数々は、驚きと感動に満ちている。歴史ある城下町の空気感を纏った空間で、最上の「村上の味」を享受できる唯一無二の場所。昨今、全国で注目を浴びている“ガストロミー・ツーリズ…

【審査員コメント】長岡駅近くで、誠実な握りを追求し続ける鮨店。地元の魚介を中心に、その日の最高の素材を熟練の技で仕立てる。シャリとネタのバランスが絶妙で、食べ飽きることのない安定感がある。何よりも店主が醸し出す温かい空気が心地良い。安心感と品格を兼ね備えた鮨処である。

【審査員コメント】自身の出身地でもある十日町の自然に寄り添う弓削朋子料理長。女性ならではの細やかな感性で、地元の滋味深い山菜や野菜、魚介やジビエなどを、洗練された日本料理に仕立てる。その実力は確実に進化を続け、素材の持ち味を濁らせない端正な味付けと、客一人ひとりの心に届く温かなもてなしは、訪れるゲストたちを魅了する。豪雪地帯の豊かな風土を、優しく…

【審査員コメント】雪国の暮らしの知恵を再解釈し、保存食や伝統野菜を現代の感性でガストロノミックに彩る。単なる食事ではなく、その土地のテロワールを五感で学ぶ体験は格別の一言。桑木野恵子料理長の世界観や表現、“ローカル・ガストロミー”という概念そのものを国内外に定着させ、多くの料理人たちに影響を与えたという意味でも、極めて重要である。食べることの歓びや…

【審査員コメント】オーナーシェフの鬼嶋大之さんは、鶏をメインの食材とし、そのスタイルが極めてユニークです。鬼嶋さんはシェフでありながら自家養鶏場を持ち、鶏だけでなく“鶏肉の宝石”と呼ばれる去勢した雄鶏“シャポン(CHAPON) ”も自ら育てています。生産から調理、提供までを一貫して行い、食材の命から携わることで、素材の奥深い味わいだけでなく独自の理念を料理…

【審査員コメント】上質な鴨肉を客自らが焼く独自のスタイルを貫く一軒。厳選された鴨は、雑味がなく芳醇な旨味が特徴。最適な厚みにカットされた肉を、好みの焼き加減で味わう時間は贅沢そのもの。素材の良さをストレートに、かつ能動的に楽しむことができる。食通たちにも偏愛される隠れ家的存在。

【審査員コメント】岩室温泉の古民家を再生した、ノスタルジックな温もりに満ちた一軒。イタリアンのエッセンスを取り入れつつも、ジャンルの枠を超えた里山料理を供する。熊倉誠之助シェフが地元の生産者と二人三脚で作り上げる皿の数々には、土の香りと生命力が宿る。歴史ある建物に流れるゆったりとした時間と共に、新潟の土地の豊かさを噛み締めたい。

【審査員コメント】可能な限り新潟の最高の素材にこだわり抜く一貫した姿勢。江戸前の確固たる技術。加えて緩急のある流れや味覚のバランスの組み立てなど、その総合力を高く評価しました。店内の凜とした佇まいや端正な空気感のつくりかたもすばらしいです。伝統ある新潟の古町らしい雰囲気をまとったお店です。

【審査員コメント】ほぼすべての食材を新潟県産にこだわり、どの料理にも新しい美味しさを探求する姿勢が込められているのを感じます。三代目主人の小林宏輔さんは他店のリサーチや研究にも余念がなく、その挑戦する姿勢も評価に値します。家族経営ならではのアットホームな店内の雰囲気も愉しいです。

【審査員コメント】新潟を代表する「弁慶」グループの最上級ブランド。高級感溢れるカウンターで供される握りは、まさに新潟の海の王道。厳選されたネタと、卓越した職人技で、新潟の魚の凄みを改めて思い知らされるだろう。カウンターの他に個室も配し、融通無碍な使い勝手のよさも魅力である。

【審査員コメント】鮭と共に生きる村上の魂を感じる場所。築100年を超える歴史的な建物で、20種類以上もの鮭料理を堪能できる。乾燥と発酵によって旨味が凝縮された「塩引き鮭」の圧倒的な深み。一切れ一切れに込められた先人の知恵と、それを現代に伝える職人の誇り。村上の鮭文化を語る上で欠かせない聖地。スタッフの融通無碍なおもてなしも魅力である。

【審査員コメント】村上で200 年以上の歴史を紡いできた、鮭文化の伝道師。伝統的な「鮭の百珍」を現代に繋ぐだけでなく、地元の旬菜を織り交ぜた繊細な会席は、歴史の重みと革新が共存している。特に、11代目となる山貝誠料理長によるシェフズテーブルでの食事は、単なる美味の経験というだけでなく、村上という土地の記憶に触れる文化的な体験に他ならない。

【審査員コメント】米どころ南魚沼の豊かな土壌が生んだ最高のシャリに、日本海の上質な魚介だけでなく、八海山の麓という立地を逆手にとり、周辺の山の幸を重ねていく独創性は、まさにこの土地だからこそ成し得た唯一無二のもの。佐藤正幸料理長による鮨の概念を拡張する挑戦は、ほかでは決して味わうことの出来ない、驚きと歓びに満ちた、食の旅へといざなう。

【審査員コメント】村上市坂町に位置する、四季の恵みを慈しむ孤高の懐石料理店。地元の豊かな山海の幸の、旬の持ち味を最大限に引き出す川崎拓海料理長。伝統を重んじつつも、斬新な感性も織り込み、洗練された技と切れ味のいい風味を盛り込んだ料理は、県内外の玄人筋を含めファンを確実に増やしている。料理を通じて村上の風土の魅力を伝える料理長は、その穏やかな語り口…

【審査員コメント】岩室エリアに位置する、兄弟が営む茶の湯の精神を基盤にした本格茶懐石料理店。研ぎ澄まされた美意識が宿る空間で、一期一会の献立が展開される。食材選びから器の選定に至るまで隙がない。季節の移ろいを単に味わうだけでなく、日本の文化として体験させてくれる名店。

【審査員コメント】田中良太郎シェフが一人で全てを手掛けるフレンチレストラン。クラシックな技法をベースにしつつ、長岡を中心に地場産食材のポテンシャルを緻密な計算で引き出す。火入れの技術はもちろん、ソースの完成度も高く、一皿の中で展開される味のグラデーションが秀逸。静謐な落ち着いた空間で、上質なワインと共に王道フレンチの醍醐味を味わえる。


【審査員コメント】見附市にある、多川陽平料理長が温かなもてなしで迎えてくれる鮨店。アットホームな雰囲気ながら、供される握りは細部まで研ぎ澄まされた本格派。地元客から絶大な信頼を得る理由は、素材への誠実さと確かな技術にある。訪れるたびに心まで満たされるような、地域に愛されるお手本のような鮨の名店である。

【審査員コメント】三条市のスノーピークの施設内にある、自然と共生するレストラン。アウトドアの精神を食に落とし込み、薪や炭の炎を活かした調理法で食材の命を引き出す。開放的な窓に広がる景色と、ロッジ風の開放的な空間に包まれながら、地元の生産者の想いが詰まった料理の数々を堪能できる。

【審査員コメント】トスカーナ州の力強い郷土料理のエスプリを新潟で再現。肉料理の火入れの正確さや、手打ちパスタの豊かな風味に、古関悠シェフの確かな経験が宿る。地元の生産者から届く力強い食材を、オリーブオイルと確かな技術で、魔法のように仕立てている。

【審査員コメント】名料亭「鍋茶屋」に2016年に併設されたカウンターの美食空間。鍋茶屋の伝統と確かな技術と季節感はそのままに、洗練されたスタイルを創造する。7代目高橋英司料理長の料理はどれも端正かつ革新的で素晴らしい。伝統の「おもてなし」の心は細部にまで行き届き、格式の高さと居心地の良さを、奥深くそして軽やかな絶妙な塩梅でゲストたちを酔わせる。

【審査員コメント】自ら狩猟を行い、命の尊厳をフランス料理の技法で表現する井上和洋シェフ。力強い肉料理と、野草やハーブの繊細な調和は素晴らしく、自然の循環の中に身を置くような食体験は、訪れる者の感性を心地よく刺激する。貴族の山小屋風の店内はディスプレイも愉しく、新潟産を中心としたワインのセレクションも魅力的だ。新潟のガストロミーの可能性を実感できる…

【審査員コメント】地元で20年以上にわたり、自ら釣り・狩猟・栽培を行う媚山潤料理長。命への敬意を込めたジビエは、炭火でその野性的な旨味を力強く引き出される。夏季は釣れたての様々な魚を、冬場は鴨や鹿、猪や熊など、命の恵の数々の、素材本来の個性をダイレクトに堪能できる。日本の自然の恵みのポテンシャルを余すところなく表現するという意味でも、全国の食通たち…

【審査員コメント】寿司屋でありながら八海山の麓という立地を逆手に取ったと思わせるに十分な創意と驚きがあります。「魚沼天恵菇(てんけいこ)」と呼ばれる地元プレミアム椎茸とウニの握りなど、独創的な握りの数々は、新たな味覚ゾーンを刺激して楽しさにも溢れます。地産地消は勿論、お店の物語性をも表現します。

【審査員コメント】南魚沼における食文化の発信地。地元産コシヒカリや発酵食品、山菜など、この土地の恵みを熟知した小島雄介シェフによる多彩な料理がメニューには並ぶ。地域の人々の生活に寄り添いながらも、そのクオリティは極めて高く、土地に根差すことの意味と在り方を、最高の形で示す。

【審査員コメント】長岡市にある、三本直子シェフの感性が光るイタリアン。優しくも芯のある味わいが特徴で、素材の組み合わせの妙にセンスを感じさせる。特にラザニアの味わいの深みは格別。温かみのある接客と心地よい空間が調和しており、日常のひとときを特別に変えてくれる、街の至宝と言える一軒。


【審査員コメント】長嶋直人料理長による隠れ家的な鮨処。伝統的な江戸前の技法を土台に、地物を中心とした魚介の旨味を最大限に引き出す。若き主人の遊び心あるつまみも楽しく、酒との相性も文句なし。研ぎ澄まされた味わい、どこかリラックスさせる空気感は、鮨と対峙する喜びを享受させてくれる。

【審査員コメント】食材の魅力を最大限に引き出す若林淳シェフの料理は、どれも美味かつ洗練されており、ワインのセレクションも料理の風味を引き立てるものばかり。エネルギッシュな空気に満ちた店内で、新潟の豊かな食材を巧みに取り入れた独自の「新潟イタリアン」を構築している。

【審査員コメント】明治3年に創建された母家は、雪国越後の典型的な茅葺屋根の田舎屋造りで、その雰囲気だけでも味わい深いです。地元で採れた山菜や野菜、自家栽培のコシヒカリで構成された伝統料理の献立はどれも味わい深く、囲炉裏で焼かれる岩魚や鮎や舞茸なども絶品です。その風情も含めローカルガストロノミーのお手本となるお店です。

【審査員コメント】佐渡島で、島の海と誠実に向き合う職人の店。ネタの旨味を引き出すための丁寧な仕込みはもちろん、赤酢を使ったシャリのほどけ具合や味の余韻も秀逸で、佐渡の魚介の凄みを改めて思い知らされる。カウンター越しに伝わる情熱が、至福の時間を演出する。

【審査員コメント】糸魚川の文化を今に伝える歴史ある料亭。2016年の糸魚川大規模火災でかつての建築物は失ったものの、今なお日本海の海の幸を優美な会席へと仕立てる。地元伝統の味を大切にしながら、現代の嗜好に合わせた繊細な調味も印象的。糸魚川への旅の記憶を鮮やかに彩る特別な場所。

【審査員コメント】上越市の「岩の原葡萄園」内に位置するレストラン。地元の旬の食材を活かした料理は、美味なるワインと共に味わうことで真価を大きく発揮する。日本のワイン造りの聖地で、歴史ある葡萄園の風景と共に、この土地ならではの贅沢なマリアージュを愉しめる。

【審査員コメント】モダンで独創的なセンスが光るフレンチレストラン。長谷川雅和シェフの食材の組み合わせと旨味の創出の仕方には、常に新しい発見を感じることができる。新潟の食材が持つポテンシャルを多角的に捉え、複雑かつ調和の取れた味わいへと昇華させている。ワインのセレクトも面白く、知的好奇心を刺激する食体験を約束する。

【審査員コメント】新潟古町の中心部に店を構える、古田知行料理長による焼き鳥の名店。徹底した素材選びと、緻密な火入れによって引き出される鶏の旨味は圧巻である。古町の情緒に馴染む落ち着いた空間で、一本一本に魂を込めた串が供されるのが醍醐味だ。職人の矜持を感じさせる仕事ぶりが、多くの美食家たちを惹きつけて離さない。

【審査員コメント】新潟市内で手打ちパスタの深淵に触れられる一軒。イタリアの伝統を重んじつつ、県内産の旬素材を巧みに組み込んだ一皿は、噛み締めるほどに力強い。ラグジュアリーな雰囲気の中で、ワインと共に楽しむ本格的な料理の数々は、郷土イタリアンのお手本とも言えるだろう。三善将則シェフの誠実な仕事が、ゲストの心と胃袋を温かく満たしてくれる。
