コロナ時代の新しい観光スタイルを体験 「つなぐ、にいがた。」モニターツアー/上越編


2020年08月20日 11009ビュー
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、 “新しい生活様式”が求められていますが、旅行などの観光においてはどうなのでしょうか?
 
今回は、新潟県内の観光施設や宿泊施設が、どのような対策を行っているかを体験できるバスツアーに参加してきました。
 
バスに乗車する前に、まずは検温で異常がないことをチェック。
これぞwithコロナ時代の旅の始まり方ですね。
ここで熱があれば「お疲れさまでした…(涙)」となるわけですが、無事にクリア!
(体調が悪い人は、参加を中止するという勇気も必要です)
バスの入り口では手を消毒。
車内では、ソーシャルディスタンスを確保するため、通路側の席は使用せず窓側に座ります。
通路側の席には使用禁止のカードが置かれています。
今までは、隣の席の人とのおしゃべりも楽しみの一つでしたが、ここはコロナスタイル。
緑の田園風景や遠くの山々、波がおだやかに揺れる日本海など、高速道からの景色を楽しみます。
 
この日のバス会社は新潟交通。主な感染予防対策としては、手すりなどの消毒や、サービスエリアの休憩時間中の車内換気などを行っています。バスガイドさんももちろんマスク着用。
カラオケは当面の間休止とのことでしたが、車内での挨拶や連絡などで複数の人が使うマイクもその都度消毒をしていました。ガイドさんも地味に大変です。

上越市立水族博物館 うみがたり

最初に訪れたのは、2018年6月にリニューアルオープンしたうみがたり。
人気の施設のため、混雑が気になるところですが、どんな対策を取っているのでしょうか。
こちらの施設では、混雑が予想される日については、ネットでの事前予約が必要となります。ホームページで希望の日時を指定して「入館予約券」を取得します。当日予約も可能です。
 
いよいよ入館です。
まず、入口のサーモグラフィーで体温検査、そして手の消毒をしてからチケットカウンターへ。コロナ対策の説明をしていただきました。
密にならないための、ペンギンのシルエットを使った説明ポスターがかわいいですね。群がるペンギンに「×」マークが書いてありますが・・・果たして本物のペンギンたちも、コロナ禍ではソーシャルディスタンスをキープしているのか?! 正解は後ほど!
 
まずは日本海をバックにした開放感満点のイルカスタジアムへ。ここでは大人気のドルフィンパフォーマンス(イルカショー)が楽しめます。
スタジアムの入り口では、グループごとに小さな三角コーンが配られました。他のグループと間隔を空けて座れるための工夫ですね。
お客さんが続々と入り、立ち見客もちらほら。
いよいよパフォーマンスのスタートです。
 
2頭のイルカが音楽に合わせて水面からジャンプして宙を舞う圧巻のパフォーマンス!!
約15分のパフォーマンスはあっという間に終了。
イルカたちも「バイバーイ!」
興奮さめやらぬ会場、さあ、次は何を見に行く? とはやる気持ちを抑え、ここは一旦落ち着きが必要です。パフォーマンス終了後は、スタッフの指示に従い、座席のブロックごとに分散して退場します。これも密を防ぐための対策なんですね。
館内には海洋生物など300種4万5千匹の生き物を展示。
ゆらゆらと泳ぐアオリイカに癒される~♪
大水槽と日本海がまるで一体のように感じられる「日本海テラス」もあります。
ここで夕日が見えたらきっと最高です。
大きな水槽前の床には、ソーシャルディスタンスを保てるよう、間隔を空けての観賞を促すシールが貼ってありました。
そして、いよいよペンギンたちが待つマゼランペンギンミュージアムへ。
うみがたりは何とマゼランペンギンの飼育数が日本一なんですよ!
 
さて、先ほどの疑問、果たしてペンギンたちはソーシャルディスタンスを保っているのか???
 
正解は・・・
・・・密でした。
 
ペンギンたちの分も私たちががんばりましょう。
愛らしいペンギンたちを間近に見ることができて、またしても癒されました♪♪
 
ペンギンたちに再会を誓い、うみがたりを後に。
出口では、利用者名簿を記入し、投函したら終了です。
うみがたりでは他にも、入口と出口を別にするなどの対策も行っていました。
施設DATA

施設DATA

【上越市立水族博物館 うみがたり】
所在地:新潟県上越市五智2-15-15
電話:025-543-2449

続いては、昼食と宿泊施設の取り組みを体験するために妙高高原へ。

赤倉温泉 赤倉ホテル

赤倉温泉がある妙高高原温泉郷は、温泉総選挙2019で「クールジャパン賞」を受賞、温泉ソムリエ発祥の地としても知られ、ホテルや旅館、ペンションなどが立ち並ぶ高原リゾート。
夏は避暑地として、冬はスキー客でにぎわいます。
 
おじゃましたのは赤倉ホテル。創業200年の老舗です。
入館時には検温と手の消毒(本日3回目)。宿泊施設においても、これがスタンダードスタイルです。
そして、待ちに待った昼食!
広いお座敷では、間隔を空けたレイアウトで着席。両手を広げても隣の席に届きません。
この日は、通常夕食で提供するメニューをランチで堪能できるという豪華仕様♪
ここはせっかくなのでビールを…という気持ちを抑え、ウーロン茶で乾杯!(グラスは合わせません)。
山海の幸をふんだんに使った前菜をはじめ、ハモと夕顔の椀物や佐渡サーモンとブリ、甘エビのお造りなど、季節の味、地元の味を堪能しました。さらには川の幸、アユの塩焼きも登場。これはぜひ泊まりで来て、おいしい地酒と一緒に楽しみたいですね~。
そして、新潟といえばやっぱりおいしい米!
最後はおいしいごはんとみそ汁、お漬物も出てきました。
お腹いっぱいなのに食べれちゃう。
ホテルの女将やホテル・旅館関係者のお話によると、新型コロナウイルスの影響で、今年の4~5月の利用客はほぼゼロという状態で、本当に大変だったそうです。6月からは県や国の施策の効果もあり、少しずつお客さんが戻ってきていて、いよいよこれからです。
 
現在、赤倉ホテルではコロナ対策として、主に
・宿泊客は定員の6割までに上限を抑える
・車や手荷物は客自身で移動
・スタッフが客室に入らないよう、部屋の案内は入口まで
また、布団はチェックイン時に敷いておく
・食事はレストランにて、定員の6割程度のテーブル・イスで対応
・エレベーターの利用人数を制限
など、密にならないためのさまざまな対策を行っています。
 
おいしい料理をいただいた後は、温泉浴場の見学です。
開放感のある露天風呂からは、視界が良ければ妙高山を見ることができるそうですが、この日は残念ながら見れず…ああ、でも温泉入りたい! 汗をかいた体を癒したい!!(でも今日はガマン…)
赤倉ホテルでは、脱衣所の棚に置くカゴの量を半分にして利用できる人数をセーブしています。これは、密ではないことが利用者にも分かりやすいので、安心できますね。
 
最後は屋上から360度の眺めを堪能させていただきました。
天候が良ければ妙高山をはじめ、斑尾山や黒姫山(妙高高原は長野県との県境にあります)、遠くには佐渡が見えることもあるそうです。
叫びたくなるような開放感。マスクをしながらだったらいいかな?
「コロナに負けるな~!」「みんなでがんばろ~!!」
施設DATA

施設DATA

【赤倉温泉 赤倉ホテル】
所在地:新潟県妙高市赤倉486
電話:0255-87-2001

最後は、同じく妙高市にある道の駅へ。

道の駅あらい

年間約300万人が訪れる全国屈指の道の駅。
国道からも高速道路のサービスエリアからもアクセスできる道の駅であり、農産物直売所や鮮魚センターをはじめ、回転寿司やラーメン店など、18もの施設が立ち並んでいます。
今回は、令和2年7月23日にオープンしたばかりの「四季彩館みょうこう」を訪れました。
この施設は、飲食店と農産物直売所からなる施設。
こちらでも入口でしっかりと消毒をしてから入ります。
 
 
飲食店/
漁師直営 魚祭
糸魚川直送の新鮮な魚介などを堪能できる飲食店。海鮮系の各種丼やにぎりメニューを提供しています。「妙高ソフト」やプリンなどのデザート系もツボを押さえています。
当初は間仕切りのないフラットなスペースでオープンする予定でしたが、ウイルス感染予防の対策として、一部に個室スペースを設置。奥には団体も受け入れ可能なテーブルもありました。
 
直売所/
地場産野菜や土産物がずらりと並ぶ直売所。
レジカウンターにはしっかりと飛沫防止の透明パネルが付いています。
妙高の名物として有名な辛み調味料「かんずり」はさまざまな種類があり、さすが地元! のラインナップ。
他にも、店頭に直売店が出ることもあり、
この日は、新潟土産の代表格「笹団子」を販売。上杉謙信ゆかりの義の塩を使った笹団子を販売していました。
施設DATA

施設DATA

【道の駅あらい】
所在地:新潟県妙高市大字猪野山58-1
電話:0255-870-1021(くびき野情報館)

駆け足で巡ったモニターツアー。
コロナ禍の旅行に関してはさまざまな意見がありますが、今回受け入れ側の施設では、どの施設も消毒やスタッフのマスク着用といった基本的な対策をしながら、業態に応じた予防策を徹底していたので、安全・安心が感じられました。
 
あとは利用する側の私たちが、マスクの着用をはじめ、準備された設備等をきちんと利用して、感染予防に努めることも重要ですね。
 
ソーシャルディスタンスが求められるなど、今までとは雰囲気が異なるツアーでしたが、
距離的なゆとりが、ある意味ぜいたくな雰囲気を醸し出していたようにも感じます。
 
感染症対策をポジティブに捉えられれば、旅もきっと楽しめる。
そして、旅ってやっぱりいいな。
そんな風に思えるツアーでした。
この記事を書いた人
ケバブー

長岡生まれ新潟育ち。 ​
郷土料理からラーメン、地酒やスイーツまで新潟の食を広く愛するフォトライター。