没頭!楽しい♪組子細工体験と加茂の伝統工芸「屏風」を知る!/加茂市


2020年11月25日 11914ビュー
今回は私の地元「加茂市」のブログ記事(初)ということでとても緊張しているのでブログの出来栄えは大目に見てほしい、加茂市在住ライターの中林憲司です。
#先にハードルを下げる作戦

ある日、ネットをみていたらこの画像が私の目に飛び込んできました。

ウルトラマン?屏風??


この画像から「パワー」のような「情熱」のようなものを感じた私・・

とても気になり調べてみると、なんと私が住む町「加茂市」にある会社『株式会社大湊文吉商店』さんがつくった屏風ということが判明!(超地元!)
しかも最近では様々な商品を生み出し勢いがある会社で熱く活動的な社長がいるという噂を入手!
さらに「工場見学」や「組子細工のワークショップ」ができるとの情報をキャッチ!

そうだ。小京都へ行こう。

(住んでいますが笑)

ということで今回は北越の小京都とよばれる「新潟県加茂市」に生まれた伝統技術とそれを現代のニーズに活かす商品開発、さらにそこで体験してきた「組子細工のワークショップ」をレポートいたします!

株式会社大湊文吉商店

北陸道三条燕インターから車で約30分。
加茂市の中心を流れる加茂川沿いに工場を構える『大湊文吉商店』。
創業は明治初期。実に100年を超えるとても歴史がある会社です。

この日は月に1回開催している「組子細工で創るワークショップ」の日ということで受付が設置されておりました。
ワークショップ開始時間より早めに到着したので、事務所1Fにあるギャラリーを見学させていただくことに!
ギャラリーに入ってすぐ目に飛び込んできたのはあのネットで見た「ウルトラマン屏風」!
実際に本物を目にするとやはり感じる圧倒的なパワー!かっこいい!
こちらは旅館や料亭に置いてありそうな金屏風。
金の輝きと絵の綺麗さにうっとりします。

え?ドラえもんの屏風??

これもめちゃくちゃ可愛いくないですか?
ドラえもん50周年記念のメモリアル屏風!ファンにはたまらない逸品では!?

屏風というとなかなか自分で買う機会はなく料亭や旅館などで目にするもので、ちょっと遠いイメージ。
ですが、このキャラクターとのコラボは私のような庶民の心にぐっと刺さります。
様々な屏風をまじまじ見せていただくと、アート作品としての魅力日本固有の伝統工芸品としての美しさを楽しむことができ、まるで美術館にいるようなギャラリーです♪

ところで、そもそもなぜここで屏風がつくられているのでしょうか?
代表取締役の大湊社長にお話しをお聞きしました。

加茂市に伝わる伝統技術が重なり合って生まれた「屏風」

「加茂」という名前は、西暦794年に京都にある「賀茂神社」が加茂の地を社領としたことが由来しています。
仮説ですが、この時代に京都から多くの宮大工が加茂を訪れこの地に住み着き、木工建築などの技術を伝えていったことで「建具」の技術が培われたのではないかと考えられるのです。

さらに加茂はかつて県内有数の和紙の生産地であり、七谷地区でとれる楮(こうぞ)を使った「加茂紙(かもがみ)」が古くから作られていました。
この地で培われた「建具の技術」と「紙の技術」が融合し、昭和の初めから「加茂屏風」として全国に販売されるようになったそうです。
時代とともに屏風をつくる会社はだんだん減少し、今では加茂市内ではここを含め2軒のみ。

で・す・が!

なんと「材料加工から完成まで一貫して屏風を生産している会社」は全国でも加茂市の2軒だけだそうなのです。(これにはびっくり!)
加茂市は日本全国に誇る屏風の町だったのですね。
大湊社長より屏風に使われる材料、構造、絵師によるデザインの事など、とても丁寧にご説明くださいました。
「へーーーーー」が止まりませんでした!
現在では金屏風や美術屏風だけではなく、現代の和・洋の居住空間にも使える風よけや日よけとしての簾屏風、障子屏風、格子屏風なども生産し全国に販売されています。
さらに日本の和文化を好む外国人からも注文があり、海を渡って世界に届いているのだそうです!
日本の屏風が海外で使われるのって嬉しいですね!

現代のニーズに応える商品開発

「木でつくれるものは何でもリクエストにお答えしたい」と語る大湊社長。
屏風にとどまらず様々な製品開発を行っており、ギャラリーではそれらを見て触れることができました。
めちゃくちゃお洒落な「秋田杉のティッシュケース」。
旅館の客室に使われているそうです。
旅先で目にするラグジュアリーな小物って旅の気分があがりますよね♪
おもしろい仕掛けがある「ワインケース」(引き出し口がロックできるからくり付き!)
某超一流企業の社長がここに訪れ購入されていったのだとか・・!
そして昨今注目が高まっており大湊社長が力をいれているのが、秋田杉を使った「組子細工」の商品。
和膳や箸置き、コースターといった小物から、店舗の壁面や天井のインテリアとして利用され、東京都内の有名レストランなどでも多数採用されております。

最近では新型ウィルス感染防止対策のニーズに対応する「飛沫防止パーテーション」を製造されており多く売れているそうです。しっかりとした作りで高級感があり、こちらも多くの旅館や料亭で利用されております。

秋田杉の組子細工で創る!ワークショップに参加

大湊文吉商店が今力をいれている「組子細工」の商品。
その技術に楽しく触れて体験することができるワークショップが月に1回を目安に開催されております。
我が家親子3人で参加してまいりました!
組子細工は「オーナメント」と「ミニ衝立」を作ることができます。
あらかじめ用意されている部品をつかい、組み立て開始!
ご覧ください。この精巧にカットされている組子の部品。
接着剤は一切使わず組み立てる組子細工は、0.01ミリの誤差も許されずに裁断されております。(すごい技術に驚き!)
組み立て方などスタッフの方がとても丁寧に教えてくださいました。
作り方を教わり制作スタート!
するとすぐに作業に没頭。

・・・やばい。これ楽しい。。

余計な事は考えず、集中して黙々と組み立てていき15分程度で完成しました。
オシャレな物を自分で作れたという満足感はひとしおです♪
他にもこんなアトラクションも。
「秋田杉の箸をつかって、豆を右から左へ10秒以内に移動できたら景品をプレゼント!」
これ、かなり難しいんですよ!
私は失敗・・しかし、妻がやってみたらみごと成功!
こんな素敵な景品をいただきました。

このワークショップ楽しすぎます♪

制作工程を学ぼう!「工場見学」へGO!!

ワークショップの後の工場見学に大湊社長自らが同行し、案内してくれました。
20~30分ほどの工場見学ツアーは、様々な作業工程でスタッフそれぞれが役割をこなしていく作業風景を間近で見ることができます。
そして屏風やその他の製品についての製造に関するポイントなど、とても詳しくお聞かせいただきました。
材料である「秋田杉」の発注・仕入についてのこだわりや、材木の特徴を解説いただきました。
0.01ミリの誤差も許されない裁断作業は熟練の技術者がいらっしゃるのかと思いきや実はそうではなく、技術が共有化され、またコンピュータによりシステム化されていました。
もちろん伝統の技術がベースにあってのものですが、現代のテクノロジーをうまく活用して高品質な製品を生み出す環境づくりがしっかり確立されているのですね。
屏風の表装の工程。
その日の天候・湿度によって乾き方が違ってくる為、それを計算に入れて作る技術が必要なのだとか・・なんとも奥が深い!

伝統技術を知り楽しく体験する想い出を加茂でつくろう♪

加茂市で培われた伝統工芸「屏風」。そして現代のニーズに応える様々なアイデアから生まれた木工製品の数々。
「伝統の技術×新しいカタチ」を日本全国・・いや、世界に発信している場所が加茂市にありました。

体験とともに伝統工芸を学ぶ。きっと楽しい想い出の一ページになるのではないでしょうか♪
★おまけ情報!★
組子細工でできた「和膳」は多くの割烹・料亭などで利用されておりますが、加茂市内のお店で使われているところは以下の3店です。(2020年11月現在)
・割烹阿部(住所:新潟県加茂市新町2-1-37、TEL:0256-52-0626)
・天神屋会館(住所:新潟県加茂市秋房1-29、TEL:0256-52-8160)
・うお清(住所:新潟県加茂市穀町9-9、TEL:0256-52-0577)
どちらのお店も美味しい料理とお酒を堪能できるお店。(加茂在住の私が自信をもってオススメします!)
組子細工の「和膳」が料理を引き立て、楽しい時間を演出してくれます。
せっかく加茂に足を運んだなら、大湊文吉商店でのワークショップ・工場見学の後に、「加茂の食」もたしなんでみるのはいかがでしょうか♪
大湊文吉商店 加茂の伝統工芸 屏風の製作現場を見学・ワークショップ体験

大湊文吉商店 加茂の伝統工芸 屏風の製作現場を見学・ワークショップ体験

開催期間:通年 ※要確認
所要時間:30分~1時間
事前予約:要
最小催行人員:2名
定員:10名
住所:新潟県加茂市秋房1-26
駐車場:あり(普通車)※要確認

<秋田杉の組子細工で創る ワークショップ>
●「秋田杉の組子細工で創るオーナメント」参加費1,000円(税込)※ギフト箱250円(税込) 所要時間:約15分
●「秋田杉の組子細工で創るミニ衝立」参加費3,000円(税込)所要時間:約30分
ワークショップは月に1回程度実施される予定。

※開催日時など詳しくはホームページにてご確認ください。
※工場見学は事前に予約が必要です。

大湊文吉商店

この記事を書いた人
中林 憲司(なかばやし けんじ)

1978年新潟県加茂市出身。サラリーマンからライター&ブロガーに転身し第二の人生をスタート。愛する新潟と人生を探訪中。

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