造って学ぶ、日本酒の「麹」/新潟市


2023年07月21日 1709ビュー
新潟が誇る伝統文化の中のひとつといえば、そう「日本酒」。
そんな日本酒にまつわる言葉に「一麹、二酛、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」というものがあります。
日本酒における重要なものを示す、この言葉から見て分かる通り、麹作りは日本酒造りにおいて、最も重要な工程。そんな麹作りについて、もっと広く多くの人に知ってもらいたいという想いで誕生したのが、「麹の教室」です。
この体験型観光施設があるのは、新潟市西蒲区の笹祝酒造内。
築100年以上という酒蔵の一部をリノベーションした空間では、ワークショップや麹の観察など、子どもでも体験できるプログラムが用意されています。
今回は、麹作りのワークショップを体験してきました。
講師は、蔵の代表・笹口亮介さん。
道具はすべて用意されているので、お子さんでも簡単に体験できるプログラム。
最初にしたのは、麹そのものの味見。麹菌が着いた麹そのものは、カラカラに乾燥していて、口の中で噛むごとに優しい甘みが出てきます。
電子顕微鏡で拡大してみるなんてことも、この施設だからこそ体験できることかもしれません。
次に舌で確かめたのが、甘酒。麹で作った甘酒はすっと優しい甘さが特徴。飲む点滴と言われるほどに栄養価も高いので、夏場におすすめのドリンクです。
では、ここからが本番。
まずは塩麹か、醤油麹、どちらを作るか、選択します。
僕は、汎用性の高そうな塩麹を選択。
亀の尾とこしいぶき、用意された二つの麹米から好みの品種を選んだら、次は味を選びます。
「味?」
なんと、麹の教室では、お好みでオリジナルスパイスをトッピングすることができるんです。
用意されているのは、和洋中の3種類。
和スパイスだと「梅シソ」「昆布」「乾燥ゴボウ」、洋スパイスだと「フェンネル」「シナモン」「クローブ」、中華スパイスだと「カルダモン」「山椒」「クコの実」を完成した塩麹に加えるのだそうです。
 
これもしっかりと味見をして……、選んだのは、中華スパイス。山椒の香りが僕の大好きな鶏料理とよく合いそうという判断でした。
用意された瓶に塩を入れるのが次の工程。
きっちりと定量を計り、入れたら、水を入れます。これまた定量があるのでゆっくりと慎重に。
そうしたら塩を溶かしていくのですが、これが思ったほどに溶けない、溶けない。「塩麹にはこんなに塩を入れるんだぁ」と新たな学びを感じながら、ひたすら混ぜ溶かします。
塩が水に溶け切ったところで、いよいよ主役の登場。麹米を瓶の中に入れ、スパイスも一緒に投入。
すべてが均等に混ざるよう、またもやスプーンで撹拌します。
こうして自分で計って、入れて、混ぜ合わせた塩麹は常温で保存。毎日、蓋を開けて攪拌すること、一週間で調味料として使用できるようになります。使用できるようになってからは冷蔵庫で保存すれば、一年ほど、持つそうです。
蔵の代表・笹口亮介さんにお話を伺いました。
「日本酒という文化に多くの方に触れていただきたいという想いからこの施設を作ることにしました。日本酒は20歳以上の方しか飲めませんが、麹であればお子さんでも食べたり、飲んだりできる。日本酒造りの重要なピースである、麹に触れていただき、知ってもらうことが日本酒に興味を持っていただく、きっかけになればと。また、この麹作りには、食育という側面もあります。先日、家族で体験したお子さんが、塩麹を造っている最中に『この塩麹であの料理を作ってみたらおいしいかもね』と話されていました。ここでの体験が食についても考えるきっかけになれば、うれしいですね」
 
今後は、さまざまなイベントなども計画中という「麹の教室」。
約20分の塩麹作りを通して、日本酒のこと、そして食のことを考えてみませんか。

麹の教室

麹の教室

住所:新潟市西蒲区松野尾3249
TEL:0256-72-3982
開館時間:10時〜17時(3月〜11月)※醸造期(12月〜2月)は13時30分〜17時
休館日:不定休
※笹祝酒造の蔵見学、塩麹・醤油麹 づくりワークショップは要予約

この記事を書いた人
コジマタケヒロ

暮らした場所は、東京→新潟→京都→新潟。エリア情報誌の元編集長。
日本酒、サッカー、おいしいもの大好きのフリーライター。