南魚沼の魅力を五感で感じよう「里山Minicle(ミニクル)」で巡る一日旅/南魚沼市


2021年08月13日 10179ビュー
最近、さまざまな観光地で利用できる場所が増えた「レンタサイクル」
新潟県内でも多くの場所でレンタサイクルのサービスがあり、私自身も何度か利用をしています。
 
レンタサイクルの良いところは、「エコ」「リーズナブル」「駐車場に困らない」「細い道でも大丈夫」そして「健康的」など!天候に左右されてしまうという点はデメリットですが、それを除けば良いことがたくさんあります。
 
観光の楽しみ方の一つとして、その場所の空気や匂い、はじめて見る景色を全身で楽しむことができる「観光×サイクリング」はおすすめです。
 
今回は「六日町観光協会」で貸出を行っているレンタサイクル「里山Minicle(ミニクル)」を利用し、自然豊かな南魚沼市をサイクリングで巡る一日旅を楽しんできました。

里山Minicle(ミニクル)をレンタルしよう!

関越自動車道六日町I.Cから車で約10分。
六日町駅構内隣接の「六日町駅観光案内所」。こちらで「里山Minicle」をレンタルすることができます。
ホワイトカラーがかっこいいスポーツタイプの自転車。
大きさは大小2タイプ。それぞれ4台ずつ、合計8台用意されています。
(小タイプはオレンジカラー)
「里山Minicle」の最大の特徴は、なんといっても電動アシスト付きという点。
起伏が多い南魚沼市。坂道でも楽に進める電動アシストはかなり重要機能です。
これで坂道も長距離も大丈夫・・のはずです!
里山Minicle(ミニクル)

里山Minicle(ミニクル)

ご利用料金:2時間まで700円、4時間まで1,200円、1泊2日2,000円
※いずれも税込み金額、傷害保険料込み
※別途300円でパンク補償等の保険に加入可能です。雪国観光舎への返却は別途1,500円がかかります。

<貸出・返却場所>
●六日町駅東口1階「南魚沼市事業創発拠点」
TEL:025-778-0511 (一社)南魚沼市まちづくり推進機構
受付時間 9:00~17:00(最終受付16:00)

●越後湯沢駅西口「雪国観光舎」(返却のみ)
TEL:025-785-5353
受付時間 9:00~18:00

この日はサイクリングパートナーとして、南魚沼市役所商工観光課の山崎さんに同行いただきました。
 
今回、山崎さんが「南魚沼市をミニクルで巡る一日旅」をプロデュースしてくれました。
コチラです↓
 

本日のサイクリングプラン ~南魚沼市をミニクルで巡る一日旅~

●岩肌からどんどん湧き出てくる名水『雷電様の水』
●子どもからお年寄りまでハマる魚釣り『清水川フィッシングパーク』
●うおぬまの自然の恵みを活かしたお蕎麦屋さんでランチを堪能♪ミシュランガイド新潟2020・ビブグルマンを獲得した『元祖名代純手打ちそば処八海生そば宮野屋』
●うおぬま産の新鮮野菜のお土産をゲット!JAみなみ魚沼直営の農畜産物直売所『あぐりぱーく八色』
●ここにしかない「あの食材」を使ったタルトがすごい!焼きたてマドレーヌとタルトの専門店『パティスリーアローイ』

※全行程の走行時間が約2.5時間程度とかなり長いため、自転車に乗り慣れている方向けのプランとなります。

いかがですか?とても興味がそそられるサイクリングプラン!
山崎さんナビゲートのもと、はりきって出発しました。
六日町駅観光案内所を出発するとすぐに自然豊かな風景が目に飛び込んできます。
電動アシスト付きの自転車の乗り心地はばっちり!
坂道でも楽に漕げるので、からだだけでなく心にも余裕が生まれ、自然の風景をゆっくりと楽しめます。
車で通るにはちょっと狭い道もミニクルなら問題なし!
目的地まで最短距離で向かうことができます。
 
遠くにみえる雄大な山々の景色、雪国ならではの特徴的な建物、作物が育てられている畑や田んぼの風景。里山を走るサイクリングは、車の移動では気づかないような発見がたくさんあります。

雷電様の水

スタート地点の六日町駅観光案内所からミニクルで約25分。
最初の目的地雷電様の水(らいでんさまのみず)に到着。
 
八海山の麓に位置する藤原地区。
その昔、この地区では雷がとても多く、落雷による犠牲者が後を絶たなかったそうです。そこで、雷電様を祀り供養したところ雷の被害が減ったという伝説がつたえられています。
そんな雷電様が祀られている場所にある巨大な岩肌から、1時間におよそ16トンもの水が湧き出ているとのこと。
冬の間に積もった雪が山の地面に浸み込み長い年月をかけて地下でろ過され、土壌のミネラル成分を多く含んだ水となって岩肌から湧き出ている「雷電様の水」は新潟県の名水にも指定されています。
たくさんの水がどんどん湧き出る様子におどろきました。天候に左右されずに絶えず湧き出ているそうです。
地域の住民だけでなく、遠方からわざわざこの水を汲みにくるほど、飲料水として親しまれています。
この日も大きなタンクに水を汲んでいらっしゃった方がいてお話をお聞きすると、
「いつも焼酎をこの水で割って飲んでいます。とてもおいしいんですよ!」と教えてくれました。
 
実はこの「雷電様の水」は、新潟県を代表する日本酒「清酒八海山」の仕込み水として利用されているのだそうです。プロも認める名水というわけですね。
ゴクゴク・・・
ゴクゴクゴク・・・
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク・・
冷たくて柔らかい口当たりの水のおいしさに、私も山崎さんもゴクゴクが止まりませんでした。
 
サイクリングで心地よい汗を流し、雷電様の水でのどを潤す。
一つ目の立ち寄りスポットから、身も心も清められるような清々しいスタートになりました。
雷電様の水

雷電様の水

住所:新潟県南魚沼市藤原762
駐車場:約5台(冬季は無し)

清水川フィッシングパーク(八海山泉ヴィレッジ内)

雷電様の水からミニクルで約20分。八海山泉ヴィレッジへやってきました。
 
自然の中に建つ木造のおしゃれな建物のなかに、イタリアンレストラン、石窯ベーカリー、ショップなどがある「八海山泉ヴィレッジ」はまさに森のリゾート。
屋外の施設「泉ガーデンパーク」では、フィッシングやバーベキューが楽しめます。
自然の川を整備して釣りが楽しめる「清水川フィッシングパーク」
ここではニジマスが放流されており、年配の方から釣りがはじめての子供まで釣り体験を楽しむことができます。
 
もちろん手ぶらで大丈夫!釣り竿をレンタルし、餌を購入すればすぐにフィッシングを開始できます。
釣り体験ができる施設というと、誰でもすぐに釣れるものだと思っていたのですが、その考えは甘かった!
清水川フィッシングパークは自然の川を利用しているため、通常の釣りを行う感覚に近く、簡単には釣らせてもらえません。
釣り糸を垂らす場所を考え、じっくりと魚と心理戦を制さなければ、なかなかゲットすることは難しいのです。
しかし、そこが面白い!
魚がどんどん餌に食いついて、何度も引きを楽しめるけれど釣り上げるのは簡単ではない釣り体験。
時間を忘れてしまいそうなほどエキサイトしてしましました。
釣れました!
・・・となりの子供たちが。笑
 
釣った魚はその場でさばき、塩を振り、炭火で焼いて食べることができます。
さばき方や塩の振り方などは係りの人が丁寧に教えてくれるので大丈夫。
普段なかなかできないこのような体験は、子どもたちへの「食育」にもつながりますね。
八海山泉ヴィレッジにはイタリアンレストランやバーベキュー施設があり、ゆっくり食事を楽しんで過ごすのもおすすめ。
フィッシングとセットで、家族や友人と一緒に楽しむ場所としてぴったりですね!
八海山泉ヴィレッジ

八海山泉ヴィレッジ

住所:新潟県南魚沼市泉564-1
営業時間:「レストラン」
・ランチ:11時~15時(ラストオーダー14時30分)
・ディナー:17時~21時(ラストオーダー20時30分)
      ※ディナーは完全予約制のコース料理
・ショップ:10時~17時

定休日:
・木曜日定休 ※「パン工房」は水・木曜日定休
・12月~4月下旬は冬季休業


「清水川フィッシングパーク」
営業時間:10時~17時(受付は15時まで)
定休日:水・木曜日定休 ※9月、10月は週末のみの営業
料金:2500円 (1竿、5匹まで)※6匹以上釣られた場合、200円/匹
・餌代 いくら380円、ぶどう虫720円
・焼き場使用料 500円
営業期間:ゴールデンウィーク前から10月末まで
※表示価格は全て税込

お問合せ先:八海山泉ヴィレッジ TEL 025-775-3939

八海生そば 宮野屋

次はいよいよランチタイム。目指すはお蕎麦屋さんへ!
しかしその前には試練がありました。
なかなかの距離と厳しめの上り坂道・・。

電動アシスト君のおかげでなんとか登りきることができました。(山崎さんは余裕のようでしたが)
清水川フィッシングパークからミニクルで約30分。
関越自動車道、大和スマートI.Cから車で約10分。
霊峰・八海山の登山口にある元祖名代純手打ちそば処八海生そば『宮野屋』に到着。
 
近くには八海山尊神社があり、歴史を感じるお堂、太く大きな木立に囲まれている場所にたたずむ宮野屋。
この場所一帯から心が落ち着くような神聖な空気を感じました。
さっそくざるそばの大盛を注文(ざるそば900円※大盛は200円増し・税込)
見た目が美しい!
細く均一に切られ、淡緑色のお蕎麦。箸をつける前にじっくり見入ってしまいました。
口に入れるとそばの風味が広がります。
 
蕎麦の原料にはこだわっている宮野屋。
そば粉は品種改良されていない在来種を使用。たしかなそばの実を提供する先から仕入れたり、店主自らそばの実を栽培したりしたものを使っています。
つなぎにはヤマゴボウとふのりを使用。ヤマゴボウは近隣で自生しているものにこだわっているそうです。

「つゆ」はやや甘めで、煮干しから出汁をとり約3時間半かけてじっくりと煮だしたもの。
こだわりの原料を使い、労を惜しまずしっかりと手間をかけてつくられている蕎麦なのです。
山菜の天ぷら(750円・税込)
サクサクの食感の中に、素材の食感や風味がしっかり感じられる山菜の天ぷら。
この山菜もほぼこの地域で採れたもの。
 
内容は季節によって変わるそうですが、この日は、またたびの葉、アンニンゴ(ウワミズザクラの実)が入っていました。普段あまり食べることがない山菜を目と舌で楽しむことができました。
4代目店主・米山俊介さん。
お蕎麦や天ぷらのこだわりをお聞きし、いわゆる「コスパ」にはとらわれず納得いくものを作りたいという職人魂を感じました。
それが提供されるお蕎麦や天ぷらの美味しさに現れているのでしょう。
 
宮野屋は「ミシュランガイド新潟2020」でビブグルマンを獲得。特に週末には多くのお客さんが訪れるそうです。
霊峰・八海山の麓で、この土地で採れた食材を使った、こだわりのお蕎麦と天ぷらを堪能できる「宮野屋」。ぜひ一度ご賞味ください。
八海生そば 宮野屋

八海生そば 宮野屋

住所:新潟県南魚沼市大崎3742
営業時間:11:00~18:00 ※その日のそばが終わり次第終了
定休日:木曜日
駐車場:あり
問い合わせ:TEL 025-779-2145

JAみなみ魚沼直営・農畜産物直売所「あぐりぱーく八色」

宮野屋からミニクルで約25分。
関越自動車道大和スマートI.Cからは車で約5分の場所にある、JAみなみ魚沼直営の農畜産物直売所「あぐりぱーく八色」にやってきました。
 
八色(やいろ)といえば、真っ先に思い浮かぶのが八色西瓜。
毎年7月下旬から8月上旬には「八色スイカまつり」が開催され多くの人でにぎわいます。
 
ちょうどこの時は「八色スイカまつり」の期間中ということで、特設テントにて八色西瓜の直売が行われていました。
この日は平日にもかかわらず、八色西瓜をお買い求めになるお客さんが列をつくっていました。
ご自宅用だけでなく、ギフト用としてここから発送されるお客さんも多数。
自動選果機で厳しい検査により格付けされる八色西瓜は、ハズレなしの高品質。南魚沼市を代表する・・いや、新潟県が全国に誇る夏の味覚です。
買って食べるのはもちろん、贈り物でも喜ばれること間違いなしですね。
※注意!自転車の場合は持ち帰ることは大変なので、ご自宅への発送をおすすめします。
あぐりぱーく八色の店内。南魚沼でとれた新鮮な野菜がたくさんならんでいます。
約290名の農家が関わっているそうで、生産者個人個人のこだわりの農産物を手に取って購入することができます。
店長の山口さんにご案内いただきました。
「今はやはり八色西瓜。どんどん入荷されてきます!けれど、ほかにもおいしい夏野菜がたくさんそろっていますよ。」と山口さん。
この時期は、金糸瓜、まくわうり、かぼちゃが旬の野菜。
秋にかけてはカリフラワーが多く入ってきて人気だそうです。
そして驚いたのは「八色しいたけ」!「厚いにもほどがある」というキャッチフレーズはまさにその通り。
見たことがないほどの超肉厚のしいたけを、私は見逃すことができませんでした。

「八色しいたけ」は八色西瓜に負けず劣らない南魚沼市ブランドの人気商品。わたしも購入し、自宅で焼いて食べてみたところ・・

おいしいにもほどがありました。
しいたけ好きの皆さん。「八色しいたけ」は要チェックです!!!
JAみなみ魚沼直営の農畜産物直売所「あぐりぱーく八色」

JAみなみ魚沼直営の農畜産物直売所「あぐりぱーく八色」

住所:新潟県南魚沼市浦佐5147-1
営業時間:(5月から11月)9時~17時、(12月から4月)10時~17時
定休日:(1月から4月)毎週木曜日、年末年始
駐車場:あり
問い合わせ:TEL 025-788-0253

マドレーヌ&タルト専門店「pâtisserie AROI(パティスリーアローイ)」

最後の立ち寄りスポットは、お菓子屋さん。「あぐりぱーく八色」からは自転車で15分。
関越自動車道大和スマートI.Cからは車で約10分の場所にある、マドレーヌ&タルト専門店「pâtisserie AROI(パティスリーアローイ)」にやってきました。
志太さんご夫妻で営まれている「パティスリーアローイ」
ご主人の志太真人さんは東京で4年ほど修行。そこで奥様と知り合いご結婚。
2020年10月に真人さんの地元に戻り、マドレーヌ&タルトを専門店として「パティスリーアローイ」をオープンされました。
ずらりと並ぶマドレーヌのラインナップに目移りしてしまいます。
 
実は今回ここに伺ったのは、どうしても食べたかったタルトがあったからです。
それはコチラ!
八色スイカのタルト(480円/個・税込)
 
八色西瓜が大胆に鎮座しているタルトで、西瓜のタネがそのまま入っています。
見た目のインパクトがすごい!水分が多いはずの西瓜がタルトとなっていることに驚きました。

食べてみたところ、八色西瓜ならではの甘みと、生クリーム・タルト生地がしっかりとマッチ。
見た目だけでなく、夏にぴったりの新感覚のおいしさに驚き!他にはない唯一無二のタルトを味わえました。
 
こちらのタルトは8月2週目頃までの販売とのこと。
しかし季節の果物を使ったたくさんの種類のタルトがラインナップされています!
ぜひFACEBOOKページをご確認のうえ、お買い求めください。
※タルトのご購入は一週間前までに予約が必要です。
マドレーヌ&タルト専門店 pâtisserie AROI(パティスリーアローイ)

マドレーヌ&タルト専門店 pâtisserie AROI(パティスリーアローイ)

住所:新潟県南魚沼市市野江甲498
営業時間:10:00~18:00
定休日:火・水・木曜日
※8月10日~19日の期間はお休みです。
お問合せ:025-777-4233

南魚沼市を里山Minicleで巡る一日旅~完~

里山Minicleをつかって南魚沼市を巡る一日コースはいかがだったでしょうか?
すべての場所で南魚沼市ならではの「食」に出会えることができました。

この日の走行距離はトータルで約40キロ。上り坂や下り坂のなかなか長い距離でしたが、電動アシストのおかげで楽しく巡ることができました。
体力差がある友人やご夫婦同士でも、カバーしてくれるという利点もありますね!

これから秋にかけて、おいしいものがたくさん出てくる季節になります。
里山の風景も紅葉で色づき、またちがった景色を見せてくれることでしょう。
南魚沼市にはこのほかにもおすすめスポットや美味しい味覚はたくさん!
「里山Minicle」を使って、南魚沼市を五感で楽しむ一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

今回訪れたスポット

この記事を書いた人
中林 憲司(なかばやし けんじ)

1978年新潟県加茂市出身。サラリーマンからライター&ブロガーに転身し第二の人生をスタート。愛する新潟と人生を探訪中。