【自転車で巡る燕三条】つばさんチャリ旅 〜金属洋食器編〜/三条市・燕市


2024年07月11日 1964ビュー
新潟県でものづくりが盛んな地域といえば、燕三条!
せっかく新潟を観光するならぜひ訪れてほしい町のひとつです。

JR燕三条駅をはじめ、高速道路や国道が通っており各方面からのアクセスは抜群。ドライブを楽しむのもいいけど、お天気の良い日が多いこれからのシーズン、レンタサイクルを利用してものづくりにふれる旅をしてみるのはいかが?

そう、その名も「つばさんチャリ旅」!

今回は燕市の金属洋食器をテーマに、自転車で1日まるまる楽しめるモデルコースをご紹介します。

つばさんチャリ旅のスタートはここから! 燕三条観光の玄関口/道の駅燕三条地場産センター

青い空に白い雲…
まさに今日は絶好のチャリ旅日和!
さっそく相棒の自転車をゲットせねば、ということで向かった先は道の駅燕三条地場産センター。

JR燕三条駅から徒歩約10分、燕三条と書かれた大きな看板が目印の建物。
燕三条地域の観光情報や燕三条のものづくりの魅力を発信する役割を担っています。
レンタサイクルは物産館がある建物内の1階にある事務所で受け付けており、1台550円で朝9時半から夕方5時まで利用可能。
自転車の種類はクロスバイクとカゴ付きのタイプの2種類で、ヘルメットは無料で借りることができます。
ちなみに料金の支払いは現金のみだそうなので、キャッシュレス派の方はご注意を。
返却の際は借りた際と同じく、事務所に自転車と一緒に戻ってくればOKとのこと。

自転車を借りたら、さっそくチャリ旅スタート!! 
道の駅燕三条地場産センター

道の駅燕三条地場産センター

【レンタサイクル】
利用時間:9:30〜17:00(天候により貸出休止の場合あり)
利用料金:550円
※支払いは現金のみ。受付時に身分証明書の提示が必要。
受付場所:道の駅燕三条地場産センター1F事務所
(新潟県三条市須頃1丁目17番地)
電話:0256-32-2311(代)

スポット① 燕の金属産業について学ぼう!/燕市産業史料館

なぜ燕市は金属洋食器をはじめとする金属産業で栄えるようになったのか…
その起源とこれまでの歩みについて学ぶことができるスポットが、燕市産業史料館。
道の駅燕三条地場産センターを出発して約10分で到着しました。
建物は燕の金属産業の起源や歴史を紐解く本館、金属洋食器の歴史を日本の食文化の変遷とともに紹介する「日本の金属洋食器展示室」を有する新館、予約不要で気軽にものづくり体験ができる体験工房館、江戸時代から明治時代にかけての煙管(キセル)と矢立(ヤタテ)のコレクションをじっくりと鑑賞できる矢立煙管館という4つの棟からなっています。

今回は金属洋食器がテーマの旅ということで、本館の展示で燕の産業の歴史を学んだ後に「日本の金属洋食器展示室」を中心に鑑賞しました。
まさに燕のものづくり文化の魅力がぎっしりと詰まった施設で、気づいたらあっという間に時間が過ぎてしまうほど見どころが満載!
これは何回でも通いたくなります…
新館内にある伊藤豊成氏のスプーンコレクションも必見。
生涯を通じて世界中から収集した約5000本ものスプーンの中から、厳選された作品が所狭しとディスプレイされている光景はまさに圧巻です。
そして館内に気になるフォトスポットを発見。
こちらはなんと、全長2メートル超えの特大サイズのカトラリー!
ギネス認定された世界最大のスプーンとフォークと一緒に記念撮影もお忘れなく♪

これで燕の金属洋食器に関する予習は完璧。
いざ、実際のものづくりの現場へレッツゴー!
燕市産業史料館

燕市産業史料館

入館料:大人400円、小中高校生100円
※団体(10名以上)割引あり
開館時間:9:00〜16:30(体験受付は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
場所:新潟県燕市大曲4330-1
電話:0256-63-7666

スポット②ノーベル賞晩餐会に採用 世界が認めたハイクオリティなカトラリー/山崎金属工業株式会社

燕市産業史料館から約5分。
次に向かったのは山崎金属工業株式会社。
こちらでは事前の予約でショールームを見学することができます。

ノーベル賞90周年記念晩餐会で使用されたカトラリーから最新アイテムまでフルラインナップ

本社3階にあるショールームに一歩足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、1991年のノーベル賞90周年記念晩餐会で採用されたカトラリー。

重厚感のある唯一無二のデザインのカトラリーが放つまばゆい輝きからは、カトラリーに込められたはかり知れない熱き職人の魂がひしひしと伝わってきます。
 
そのほかに海外で人気のシリーズをはじめ、日本ならではの感性を取り入れたデザインや現代の食事に合わせて使いやすさを追求したデザインのものまで、多種多様なアイテムが美しくディスプレイされています。

一部の商品を除き、気に入ったものはその場で購入することもできるそう!

製品の誕生秘話から細部のこだわりまで知り尽くした営業スタッフが案内してくれるので、きっと自分にぴったりのカトラリーと出合えるはず。

実際に使い心地が試せる! カトラリー体験会も開催

また、こちらのショールームでは、実際にスプーンの使い心地が試せる体験会も開催。
人気シリーズの『アクアティック』を用いて、手に持った感触や口に運んだ時の舌触り、食材のすくいやすさなどを試すことができます。

実際に私も体験させてもらいましたが、食材にスプーンがすっと刺さる感覚、口に運んだ時にするんっと抜ける感覚がなんとも言えない快感でした。これはすごい。

ぜひこの感動をみなさんにも味わってほしい〜!
山崎金属工業株式会社

山崎金属工業株式会社

ショールーム見学:平日のみ実施。電話またはウェブサイト問い合わせフォームより要事前予約(空きがあれば当日連絡も可)。
見学料:無料
場所:新潟県燕市大曲2570番地
電話:0256-64-3141

ランチはここで! 緑あふれる憩いの空間で味わう焼きたてピザと名物プリン/FOOD&FLOWER Fun!

そろそろお腹が空いてきた〜ということで、山﨑金属工業から約5分のところにあるFOOD&FLOWER Fun!(フードアンドフラワー ファン)でランチタイムにすることに。

明るい光が差し込む店内は随所にグリーンが取り入れられ、リラックスして過ごせる穏やかな雰囲気。
バリエーション豊富なパスタやオムライスも人気ですが、おすすめは薪釜で焼き上げるピッツア。
粉の配合にこだわって丁寧に仕込んだ生地を注文が入ってからベストなタイミングで提供するため、できたてのおいしさは格別です!
 
どれもおいしそうで決められない…と悩んだ末、ここは欲張りさんで行こう!(笑) ということで、シチリアーナとクワトロフォルマッジのハーフ&ハーフ(1855円)をオーダー。プラス385円でサラダドリンクセットもつけてプチ贅沢ランチを満喫しました♪

トマトとオリーブのさっぱりした味わいのシチリアーナには辛味の効いた自家製オリーブオイル、4種類のチーズが絶妙なバランスのクワトロフォルマッジには香り豊かで軽やかな甘みのハチミツをかけて味わいの変化も楽しめました。

そして、デザートにはFunプリン(660円)を。
想像よりもひと回り大きいサイズ感で、大満足のボリュームでした。
プリンの上に飾られたエディブルフラワーは、店主のお母様が店先で栽培しているんだそう!
はじめてエディブルフラワーを食べましたが、ちょっと酸味があってフルーツのような味わいがアクセントになり、程よい甘さでなめらかなプリンとぴったりの相性でした。

ほかにもティラミスや期間限定のスイーツなどもあるそうで、こちらも要チェックですよ。

ここにもメイドイン燕のカトラリーが!

ちなみにこちらで使われているカトラリーは地元メーカーのものなんだそう!
ヴィンテージ感のあるデザインがお店の雰囲気にもぴったりです。
お店に行った際はこちらにもぜひ注目してみてくださいね♪
 
FOOD&FLOWER Fun!

FOOD&FLOWER Fun!

営業時間:10:00〜21:30(LO20:30)、火曜は〜15:00
定休日:木曜(不定水曜)
場所:新潟県燕市大曲2655-1
電話:0256-47-0908

スポット③グッドデザイン賞受賞多数 日本人による日本人のためのカトラリー/小林工業株式会社

ランチでお腹を満たした後は約15分のサイクリングを楽しみながら3つ目のスポット、小林工業株式会社へ。

1868年の創業以来、「良いものをながく大切に」をコンセプトに、日本人の手になじむ使い心地の良さとデザインのバランスを追求し続けてきた国産カトラリーのトップブランドです。

こちらでは、今年の2月から新たな試みとして火曜日限定の事前予約制工場見学(有料)ができるようになったとのこと!
工場見学の様子をちょこっとご紹介します。

さっそく工場に潜入!

工場内は大きく分けて9つのエリアに分かれており、カトラリーが完成するまでの一連の流れを見学することができます。

燕の洋食器産業は分業制の文化で発展してきたため、一連の流れに沿って自社で一貫して生産しているメーカーはそれほど多くないとか。

加工する前の金属の板の状態からいくつもの工程を踏みながら段々と完成形に近づいていく様子は、まさにカトラリーが生まれる瞬間に立ち会える貴重な経験です。

AIに取って代わることのできない職人技を後世に繋ぐ

機械化を進めていきながらも、まだまだ人の手によって仕上げる必要がある、とてもデリケートな製品であるカトラリー。
バフと呼ばれる布が回転する機械で、数本のスプーンをまとめて磨き上げる職人を前に、「当たり前のようにいとも簡単にやっているように見えますが、AIに取って代わることのできない職人の技です」と説明する小林社長。

研磨とひとことで言っても一度で終わる作業ではなく、何度も微調整や改善を加えながら仕上げていきます。
この感覚こそ職人技であり、長年の経験の積み重ねがあるからこそできることなんだそう。

デザインや重さ、質感でこんなにも感じ方が違うことに驚き!

こうして出来上がった商品をズラリと並べて最後はカトラリーの持ち比べを体験。
角ばったもの、丸みを帯びたもの、長さは同じでも重さの感じ方が違うもの…などといったように、実際に持ち比べてみると思った以上に違いを感じることにびっくり。

普段なにげなく使っているカトラリーがどのようにして作られてきたのかを考えるきっかけにもなりました。
小林工業株式会社

小林工業株式会社

工場見学:毎週火曜日13:30〜15:00(希望日の1週間前までに電話にて要予約。1日1組限定)
料金:ひとり2,000円
場所:新潟県燕市南5-11-35
電話:0256-63-2519

金属洋食器の魅力を余すことなく感じた1日。知れば知るほど奥が深い!

燕市の金属産業の歴史を学ぶところから始まり、それぞれ特色の異なる金属洋食器メーカー2社の見学を経て、燕の金属洋食器の魅力を感じられたとともに、もっと他のメーカーについても知りたい!と興味が湧いた1日でした。

今回ご紹介したメーカーに訪れる際は事前の予約が必要ですが、燕の金属洋食器にちょっとでも興味があったらぜひ日程を調整してでも訪れてほしいと思う理由がありました!

ぜひ燕三条を巡る際の参考にしてみてくださいね♪
この記事を書いた人
おひな

新潟市出身、ものづくりのまち燕三条らへんに住んでるひと。おいしいものとかわいいものがすき。虫はニガテだけど自然もすき。みんなが知らない新潟のいいところをどんどん発信したい!