村上の町に春を呼ぶ「城下町村上 町屋の人形さま巡り」/村上市


2022年03月14日 1228ビュー
村上市で毎年開催されている「城下町村上 町屋の人形さま巡り」が今年も始まりました。
かつて城下町だった村上市には歴史のある建物も多く残っていますが、それというのも大きな災害に遭わずにきたおかげなのだとか。
その中には「町屋」と呼ばれる独特な造りの建物もあります。
各家庭には古くから受け継がれてきた雛人形も多く残されています。
普段は足を踏み入れることのない「町屋」におじゃまして、貴重な雛人形を拝見することができる数少ない機会がこのイベントなのです。

 

まず最初に訪れたのは「千年鮭 きっかわ」さん。
町屋通りの中心にあり、たくさんの観光客が訪れるお店です。
味わい深い暖簾には大きく「」の一文字。
こちらは鮭の加工品を販売しているお店なんです。

建物は国登録文化財になっています。
 

 

おしゃれで落ち着いた店内には、鮭の塩引をはじめ、鮭の酒びたし鮭の焼漬はらこの醤油漬などが並んでいます。

 
ときどき、皮せんべいとか鮭のきもとか、あんまり見たことがないような珍味が売られていることがあるのでお見逃しなく。

 
お店の奥には塩引鮭を乾燥させるために吊るしておく土間があります。
まるで鮭が降ってくるような光景はいつ見ても圧巻!

 
鮭のお腹は切腹を連想させないよう、完全に裂かず真ん中を残すのが流儀。
これも武士が多く住んでいた城下町ならではですね。

 
ところで、雛人形はどこにあるのかというと…

ありました!
塩引鮭が吊るされているまん前に。

こんなシュールな光景が見られるのも、村上ならではですね。

町屋の眺めも手伝って、かなり壮観です。
雛人形だけじゃなく、武者人形や「大浜人形」と呼ばれる土人形まで、ありったけの人形が展示されています。

 
町屋ならではの急な階段も利用して、人形が展示されていました。
登った先には部屋があるのでしょうか?
こうした町屋の造りを見ることができるのも、このイベントの大きな魅力です。

 
人形以外にもレトロなアイテムを発見。
昭和初期の壁掛け電話機です。

千年鮭 きっかわ

新潟県村上市大町1-10
TEL.0254-53-2213
営業時間/9:00-17:30
定休日/元日
駐車場/6台

続いては「千年鮭 きっかわ」さんのお隣にある「益甚(ますじん)」さんへ。
こちらの建物も国登録文化財
丸型ポスト杉玉がいい雰囲気ですね。

元は大洋盛の造り酒屋だったという酒屋さんです。

 
もちろん店内には大洋盛をはじめとしたお酒が並んでいます。

こちらで地酒を買って、お隣の「千年鮭 きっかわ」さんでおつまみを買うのもいいですね。

 
お店の奥におじゃますると、お座敷いっぱいに人形が飾られていました。

 
このお店では珍しい武者人形を見ることができます。
みんな歌舞伎の見栄をきったようなポーズをとっているのがおかしいですね。

 
こちらは大将と足軽でしょうか。
立派で強そうな顔立ちの大将に比べ、ほのぼのした足軽の表情に癒されます。
戦になったらすぐに逃げそう(笑)

さすが酒屋さんだけあって、お人形へのお供えは大洋盛のワンカップ

 
こちらでは人形の他に、酒蔵だった頃の道具も見ることができます。

上の写真は酒槽(さかぶね)と呼ばれる、お酒を絞る時に使う道具。

 
ご丁寧に図解入りの説明書も展示されていました。

これで造ったお酒を飲んでみたいものです。

 
他にもお祝いに使う指樽(さしだる)とか

 
一升以下のお酒の販売に使った貧乏徳利も見ることができます。

益甚

村上市大町1-19
TEL.0254-53-2432
営業時間/10:00~17:00(昼休憩12:00~13:00)
定休日/水曜及び不定休
駐車場/大型バス2台分(要予約)

次におじゃましたのは、すぐ向かいにある「早撰堂(そうせんどう)」さん。
江戸時代から続く老舗の和菓子屋さんで、明治26年に建てられた建物は国の登録有形文化財


 
春らしい色彩のつやつやした三色団子にそそられます。
鮭の切身落雁、臥牛の松風などの銘菓もあるので、甘い物好きにはたまりませんね。
こちらもお店の奥にある座敷を使って雛人形が飾られています。

 
人形の数が多いです。
特に最前列の日本人形たちがリアルで凄みがありますね。
和菓子屋さんだけに、お供えはお菓子です

 
江戸時代の享保雛(きょうほうびな)らしく、着物も立派だし女雛の冠もゴージャスです。

 
立派な屏風も飾られていました。

 
和菓子を作る時に使う木型も飾られていました。
それぞれのお店ごとに、貴重なものが見れるのが嬉しいですね。

早撰堂

村上市大町3-5
TEL.0254-52-2528
営業時間/8:30~18:00頃
定休日/日曜日(イベント期間中は除く)
駐車場/なし

次はやはり町屋通り沿いにある「堆朱工芸舎 池田屋」さんにおじゃましました。
こちらは村上の伝統工芸品・村上堆朱のお店です。
お店の前には漆の枝が飾られていました。

 
店内には村上堆朱の工芸品がたくさん展示販売されています。
品のある落ち着いた質感や朱色が魅力です。

 
お盆や器がたくさんありました。

 
お土産に買いやすいは種類も豊富。
すべりにくくて使いやすいのが特徴なのだそうです。

 
もはや芸術品といったレベルのお盆も展示販売されていました。

 
思わず堆朱に見とれてしまいましたが、人形もしっかり見せていただきます。
こちらは村上地方に伝わる大浜人形の雛飾りでした。

 
こちらで展示されている大浜人形昭和30年代のものが多いようですが、この3体は明治20年代のものだそうです。

 
かわいい雛人形の販売もしていましたので、お土産に買って帰るのもいいかもしれないですね。

 

堆朱工芸舎 池田屋

村上市大町1-10
TEL.0254-50-7676
営業時間/9:00~16:00
定休日/不定休
駐車場/なし

次はちょっと離れたところにある「酒道楽 工藤」さん。
武家屋敷のあるまいづる公園のすぐ近く。

 
もちろん村上市の地酒をはじめ、県内の銘酒が揃っています。

 
こちらのお店は他と少し違っていて、ショーケースの中にびっしりと集められているのは…

 
ペコちゃん

 
ペコちゃん

 
ショーケースからあぶれたところにも
ペコちゃん

 
ちなみに最も古いペコちゃんがこちら。
テレビの鑑定番組で20万円の値段がついたとか。

 
このお店のご主人はとにかく芸達者。
サービス精神旺盛なので、いろいろなおもてなしをしてくれます。
気が向けば弾き語りなんかもしてくれるかも。

 
書画を嗜むご主人の直筆色紙をいただけるかもしれませんよ。

酒道楽 工藤

村上市堀片4-8
TEL.0254-53-2694
営業時間/9:00~20:00
定休日/水曜日
駐車場/5台

最後に紹介するのは「九重園(ここのえん)」さん。
江戸時代から続く格式ある老舗のお茶屋さんです。

 
城下町ということもあって、村上は北限の茶どころ
店頭には独自の茶園で栽培し、製茶したお茶が並んでいます。

 
お茶だけではなく「九重園」さんのお茶を使ったアイスも販売中。

 
お茶をいただいて、ひと息つかせていただけます。
さすがにお茶が美味しい!

 
お茶をいただいて生き返ったところで、お店の奥におじゃまします。
町屋らしく奥へ長い造りになっています。

 
右側の座敷一面が雛人形で埋め尽くされています(笑)

一番下に横たわっている赤や黒の長いものは本物の弓です。
さすが城下町!

 
雛人形で見たような、こんな道具も実物が展示してありました。

 
大名行列の人形はやや下から見上げるのがポイント。
一人ひとり顔が違うんです。

 
左側にあるお座敷では、雛人形やお庭の景色を眺めながら抹茶セットなどを楽しむことができます。

 
床の間にはお姫様のものだったという由緒正しい雛人形が飾られていました。

 
お座敷から真正面に見たひと間を埋め尽くす雛人形。
圧巻です。

九重園

村上市小国町3-16
TEL.0254-52-2036
営業時間/8:30~17:30
定休日/元日
駐車場/10台

いかがだったでしょうか?
50軒近くある参加店のうち、たった5軒だけ紹介させていただきました。
少しでも散策の参考になれば嬉しいです。
まだまだ魅力的なお店や雛人形はたくさんあります。
ぜひ「城下町村上 町屋の人形さま巡り」を訪れて、伝統ある街並みや雛人形、それから人の温かさに触れてみてはいかがでしょうか。
きっと春の訪れを感じることができると思いますよ。

城下町村上 町屋の人形さま巡り

開催期間/2022年3月1日(火)~4月3日(日)
会場/新潟県村上市・旧町人町一帯
見学無料

※この催しは各家のご厚意で行われています。マナーを守ってお楽しみください。
●出入りの際は家の人への挨拶をお願いします。
●展示物には触らないでください。
●安全のため、まち歩きの際は白線の内側を歩いてください。

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、手指の消毒、マスク着用、出発前の検温等をお願いします。

城下町村上 町屋の人形さま巡り

この記事を書いた人
田中新之助(たなかしんのすけ)

新潟を愛する万年新米ライターです。持ち前の粘り強さで味わい深い記事を書いていきたいと思ってます。とくに観光ガイドには載っていないような、新潟の珍スポットや変スポットに力を入れて紹介していきたいです。