新潟・夏の風物詩「枝豆」や農業の魅力を発信する「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」で、「おいしい」の背景に感動!/新潟市
2025年07月22日
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皆さん、こんにちは!
新潟の食文化について勉強中のライター・槻本みのりです。
突然ですが、「新潟の夏の風物詩」といえば、皆さん何を思い浮かべますか?
……はい、そうです!
私たち、新潟県民がこよなく愛する「枝豆」です。新潟県の枝豆消費量は全国第1位!
それに加えて、作付面積も16年連続で全国1位というデータからもわかるように、日本随一の“枝豆県”なのです。
ですが、そのデータとは対照的に、出荷量は全国で8位という意外な結果も!(参考:令和5年度の農林水産省「野菜生産出荷統計」より)
というのも、新潟県で生産される枝豆はそのおいしさのあまり、新潟県民がかなりの量を食べ尽くしてしまっているからだそうです。これを聞いて、納得!
そう!枝豆をザルに盛って食べる、「新潟えだまめ盛」こそ、夏の食卓の光景ですよね。
さて、今回はその「新潟の夏の風物詩」を味わえるお店に行ってきました。
新潟の食文化について勉強中のライター・槻本みのりです。
突然ですが、「新潟の夏の風物詩」といえば、皆さん何を思い浮かべますか?
……はい、そうです!
私たち、新潟県民がこよなく愛する「枝豆」です。新潟県の枝豆消費量は全国第1位!
それに加えて、作付面積も16年連続で全国1位というデータからもわかるように、日本随一の“枝豆県”なのです。
ですが、そのデータとは対照的に、出荷量は全国で8位という意外な結果も!(参考:令和5年度の農林水産省「野菜生産出荷統計」より)
というのも、新潟県で生産される枝豆はそのおいしさのあまり、新潟県民がかなりの量を食べ尽くしてしまっているからだそうです。これを聞いて、納得!
そう!枝豆をザルに盛って食べる、「新潟えだまめ盛」こそ、夏の食卓の光景ですよね。
さて、今回はその「新潟の夏の風物詩」を味わえるお店に行ってきました。

枝豆の名産地、黒鳥地区のベーカリーカフェ「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」へ
新潟市西区・黒鳥地区のベーカリーカフェ「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」(ファーマーズキッチンブラックバード)さんです。
“農家の台所”という店名通り、枝豆を生産する農業法人によるお店。
朝8時からオープンし、モーニングを食べられます。私がお邪魔したのは午前中。すでに幅広い年齢層のお客さんがモーニングメニューやコーヒーを楽しみながら、思い思いの時間を過ごしていました。
「元々、枝豆農家として生産をしていました。パンに関しても私のおじとおば夫婦がベーカリーをやっていて、私の父も飲食業を経営していたこともあり、会社として20年前から、『農業と飲食が融合した場所を作りたい』という構想があったんです。そこで、2021年にパンや飲食業のノウハウを生かせる「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」をオープンしました」。代表の本間徹さんが取材に応じてくださいました。
週末や連休になると、新潟県内からはもちろん、新潟県外からも多くのお客さんが訪れるというBLACKBIRDさん。
お店に一歩入ると、開放感あふれる店内の大きな窓から、遠くまで広がる田園風景、角田山と弥彦山の景色を一望できます。
続いて、目の前にずらりと並ぶ種類豊富なパンに釘付け! お店のこの光景を見た瞬間、多くのお客さんが惹かれる理由が、わかった気がします。

ベーカリーとしてのこだわりは、黒鳥地区での小麦作りから
BLACKBIRDさんは、並々ならぬ思いでパン作りに取り組んでいます。2019年からは、何と小麦作りをスタート! 黒鳥地区で育てた、パン用小麦の「ゆきちから」で作るパンを提供しています。
それも「この黒鳥で作れるものはなるべく作りたい」という思いから。早速、その自家製小麦を使ったパンを味わえるモーニングを、テラス席でいただくことにしました。
8時から11時まで食べられるモーニングの「クロワッサンセット」(700円)をセレクト。焼きたてクロワッサン、本日のサラダ、ドリンクがセットです。
8時から11時まで食べられるモーニングの「クロワッサンセット」(700円)をセレクト。焼きたてクロワッサン、本日のサラダ、ドリンクがセットです。
クロワッサンの軽い口当たりに、芳醇なバター、小麦の香りがたまりません!
そして、小麦の優しい甘みが口中にほんのりと広がります。
そして、小麦の優しい甘みが口中にほんのりと広がります。
この日のセット内容には地元産の朝採り枝豆も!みてください、この鮮やかな色を!
私がお店にお邪魔した時期は、6月上旬から出荷されるという品種「はつだるま」を味わえました。ひと粒ずつに濃厚なコクと奥深い風味、強い甘みを感じます。
私がお店にお邪魔した時期は、6月上旬から出荷されるという品種「はつだるま」を味わえました。ひと粒ずつに濃厚なコクと奥深い風味、強い甘みを感じます。
ちなみに、店内には農産物の販売コーナーも。売り切れることもあるので、朝の早い時間にぜひ!
店内で農産物を販売することに関して本間さんは、「ベーカリーカフェですが、店名に『Farmer’s kitchen』とあるように、やっぱり「農業」「農家」というものを感じてもらいたいですね。またこの眺めも新潟の人に響く、ここならではの景色だと思います」。
店内で農産物を販売することに関して本間さんは、「ベーカリーカフェですが、店名に『Farmer’s kitchen』とあるように、やっぱり「農業」「農家」というものを感じてもらいたいですね。またこの眺めも新潟の人に響く、ここならではの景色だと思います」。
お店の裏手側にあるテラス席には遮るものが一切なく、穏やかで美しい光景が広がります。思わず、時間を経つのを忘れて見入ってしまう、至福のひととき…。素敵な景色を眺めながらのモーニング、幸せなシチュエーションでした。
また、持ち帰り用に、枝豆あんまで手作りという人気No.1商品の「ずんだクリームあんぱん」(250円)と、中に枝豆とチーズがたっぷりの「枝豆チーズ」(380円)を購入。どちらも枝豆のうま味がたっぷり。丁寧に作られたおいしいパンをごちそうさまでした!

黒鳥地区で作られる枝豆は、なぜこんなにおいしいのか?
BLACKBIRDさんの枝豆や枝豆を使ったパンのどれもが、豆の濃厚なうま味と独特かつ豊かな風味を感じられ、感動した私…。ここで改めて、この黒鳥地区で生産される、“黒埼のブランド枝豆”のおいしさの理由が知りたくなり、本間さんに聞いてみました。
「枝豆は味を優先するために、実の入り(豆の太り)を、10分でなく、8分の実の入りで収穫します。もちろん、10分で収穫すれば見た目もよく、たくさんの量を収穫できますが、どうしても味が落ちてしまいます」。黒鳥地区の枝豆は、収穫時期の見極めにもこだわり、「実入り8分」で収穫。その方が糖分やアミノ酸の含有量が多く、歯応えのよさにももつながるとか。
また、鮮度を考慮して、まだ暗く気温が低い早朝に収穫する「朝採り」なのもおいしさの理由だそう。「黒鳥の畑の土壌は、粘土質でミネラル分が多く含まれるのが特徴。その分、枝豆にうま味を蓄えられます」と本間さん。
「枝豆は味を優先するために、実の入り(豆の太り)を、10分でなく、8分の実の入りで収穫します。もちろん、10分で収穫すれば見た目もよく、たくさんの量を収穫できますが、どうしても味が落ちてしまいます」。黒鳥地区の枝豆は、収穫時期の見極めにもこだわり、「実入り8分」で収穫。その方が糖分やアミノ酸の含有量が多く、歯応えのよさにももつながるとか。
また、鮮度を考慮して、まだ暗く気温が低い早朝に収穫する「朝採り」なのもおいしさの理由だそう。「黒鳥の畑の土壌は、粘土質でミネラル分が多く含まれるのが特徴。その分、枝豆にうま味を蓄えられます」と本間さん。
※写真提供「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」
さらに、「『枝豆リレー』といって、それぞれの時期に適した品種があるので、毎年6月から9月頃まで、途切れることなくさまざまな品種をリレー形式で出荷しています。それもこの枝豆がおいしい秘密だと思います」。
例年、6月中頃から早生品種の「はつだるま」「いきなまる」「おつな姫」の収穫がスタート。7月上旬から8月にかけては、「新潟系14号」「ゆあがりむすめ」「甘露」「ぴかり茶豆」などの茶豆品種が続き、9月中旬から「十五夜」「さかな豆」といった秋の枝豆が続くそうです。
例年、6月中頃から早生品種の「はつだるま」「いきなまる」「おつな姫」の収穫がスタート。7月上旬から8月にかけては、「新潟系14号」「ゆあがりむすめ」「甘露」「ぴかり茶豆」などの茶豆品種が続き、9月中旬から「十五夜」「さかな豆」といった秋の枝豆が続くそうです。
※写真提供「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」
枝豆栽培に適した黒鳥の豊かな土壌で、枝豆農家さんたちの長年の知識や経験といったノウハウを用いて、丹精込めて作られた“黒埼のブランド枝豆”。「枝豆リレー」で、約4カ月もの間、さまざまな品種を食べ比べできるのも、新潟県民が「枝豆」に夢中になる理由かもしれません。
本間さん、黒鳥地区の枝豆の「おいしさの秘密」を教えてくださり、ありがとうございました!
本間さん、黒鳥地区の枝豆の「おいしさの秘密」を教えてくださり、ありがとうございました!

お店を「農業の入り口」や「農業を発信する場所」に
こだわりのパンをはじめ、自然豊かな素晴らしい景色、そして、枝豆農家として生産物をお店で販売し、 “わざわざ行きたくなるお店”として、多くのお客さんを魅了する「Farmer’s kitchen BLACKBIRD」さん。
改めて、代表の本間さんにお店に対する思いを聞いてみると…
「新潟の黒埼、黒鳥地区の圧倒的な強みは「枝豆」で、ここにしかないものだと考えています。その一方で、農業をやっている方は忙しかったり、高齢化ということもあったりと、農業について発信することが難しいと。そんな状況でも、農業に興味がある、枝豆のような新潟の風物詩を作りたいという若い人に向けて、このお店が“農業の入り口”や“農業を発信する場所”にしたいという思いがあります。そう考えた時、この黒鳥・黒埼地区でオープンしたこのお店に、目的を持って足を運んでもらい、気軽においしい枝豆を買える場所にもしたいですね」。
さらに、「枝豆と新潟の魅力を感じられる場所」として全国、さらに世界の人が訪れるような場所にしていきたいという、熱い思いも話してくださいました。
「新潟の黒埼、黒鳥地区の圧倒的な強みは「枝豆」で、ここにしかないものだと考えています。その一方で、農業をやっている方は忙しかったり、高齢化ということもあったりと、農業について発信することが難しいと。そんな状況でも、農業に興味がある、枝豆のような新潟の風物詩を作りたいという若い人に向けて、このお店が“農業の入り口”や“農業を発信する場所”にしたいという思いがあります。そう考えた時、この黒鳥・黒埼地区でオープンしたこのお店に、目的を持って足を運んでもらい、気軽においしい枝豆を買える場所にもしたいですね」。
さらに、「枝豆と新潟の魅力を感じられる場所」として全国、さらに世界の人が訪れるような場所にしていきたいという、熱い思いも話してくださいました。
ちなみに、お店ではモーニングやランチをはじめ、冬には鴨料理も味わえるとのこと。こちらも楽しみですね!
そして、余談ですが…テイクアウトでいただいた数量限定の「枝豆シェイク」(650円)は枝豆の粒の食感と甘みが味わえる一杯。ほかにも、「黒崎産朝採り枝豆」(400g~・630円~)をお土産に購入でき、満足でした。
この黒鳥地区で作られた自家製小麦のパンや枝豆はもちろん、心に響く美しい景色を楽しみたいときは、ぜひBLACKBIRDさんへ。「枝豆」や「農業」の魅力とともに、その「おいしいの背景」に触れてみてください。
そして、余談ですが…テイクアウトでいただいた数量限定の「枝豆シェイク」(650円)は枝豆の粒の食感と甘みが味わえる一杯。ほかにも、「黒崎産朝採り枝豆」(400g~・630円~)をお土産に購入でき、満足でした。
この黒鳥地区で作られた自家製小麦のパンや枝豆はもちろん、心に響く美しい景色を楽しみたいときは、ぜひBLACKBIRDさんへ。「枝豆」や「農業」の魅力とともに、その「おいしいの背景」に触れてみてください。

Farmer’s kitchen BLACKBIRD
この記事を書いた人
新潟生まれ、新潟育ち。地域情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。
新潟の食文化やグルメに加えて、毎日が楽しくなるようなコトを発信したいです。コーヒーと焼き菓子、アイスが好き。
Instagram:https://www.instagram.com/minori.tsukimoto