四季折々の花と向き合い、自然の美しさを学ぶ。やさしさあふれる「野の花館」/南魚沼市


2024年01月20日 1952ビュー
こんにちは!ライターの竹内ありすです。

一年中私たちの目を楽しませてくれる草花。

「雑草という草はない」という名言を遺した牧野博士をモデルにした朝ドラが放送された影響もあり、今、改めてその存在の魅力が注目されています。

今回は、新潟県内で四季折々の草花を心ゆくまで楽しめる癒しのスポット「外山康雄 野の花館」を訪れました。

まずは南魚沼の食を味わって

やってきたのは紅葉が色づき始めた南魚沼市
訪れた日は南魚沼市で毎年開催されているキャンペーン「本気丼(まじどん)」が開催されていて、市内あちこちの飲食店でおいしいどんぶりメニューが振る舞われていました。

私も気になっていたお店で特製ステーキ丼をいただきました!
食べごたえのあるお肉のうまみ、トロッととろける温玉、そして南魚沼産新米コシヒカリが最高!!(『「南魚沼、本気丼」2023』は2024年2月29日まで開催)

お腹も満たされたところで、目的地である「外山康雄 野の花館」に向かいます。

「外山康雄 野の花館」とは?

看板が見えてきました。
木々に囲まれた建物……ここが「外山康雄 野の花館」ですね!

「外山康雄 野の花館」は築400年の古民家を移築して再生し、2002年にギャラリーとしてオープンしたのだそうです。
入館料を入口でお支払いし、中に進んでみると……
すごい!天井が高くて開放感のある空間が広がっていました。そこに絵と草花がズラリ。

四季折々の花と向き合う

館内は人と人がすれ違いながら見学できるゆとりを残しつつ、所狭しと絵や草花が飾られていました。

四季折々、その時期に南魚沼エリアで見られる草花だけを並べていて、その数常時80点〜100点あまりだそうです。(春夏は種類が多め)
写真撮影も可能!
全ての作品を手がけるのは、画家の外山康雄さん。
額に近づいてみると、なんとも繊細で優しい風合いの水彩画なのです。そして、花や葉っぱの色も、枝の細かな角度も、肉眼で見る植物そのもの。
額の隣には本物の野の花が飾られているのですが、水彩画で描かれているのはほぼ原寸大なんです!
中には姿も実の色もほとんど同じに見える草花が2種類並べて飾られているものも。

よ〜く見比べてみると、葉っぱの形や枝の広がり方などが微妙に違っていて、植物名も全然違う!植物名が書かれたプレートも参考にしながらじっくりと草花に向き合って時間を過ごしていると、自然と知識が深まっていきます。
ギャラリーの展示というと季節ごとや会期ごとに作品を入れ替えるイメージを持っていたのですが、なんとここ「外山康雄 野の花館」で作品を入れ替える頻度は毎日
というのも、飾っていて「そろそろ枯れてきそうだな」「見ごろが終わりだな」という草花を、他に見頃を迎えたものと毎日少しずつ入れ替えているのです。

「外山康雄 野の花館」のスタッフさんや近所の方々が協力して、四季を通じて種類豊富な草花を集めているそうですよ。

草花との一期一会の出会いを楽しんで

「外山康雄 野の花館」の一角には、お茶を楽しめるスペースが。
時間を忘れて草花の美しさと向き合ったあと、腰を落ち着けて一服できてありがたいです。
この日、その場に居合わせた、東京から訪れたというお客さんともお話しすることができました。「この季節の草花が楽しみでね、毎年来ているの。でも訪れる年によって飾られている種類が微妙に違うから面白いんですよ」……また来年楽しみにしているわね、と言って楽しそうに帰っていかれました。

昨年NHKラジオの「ラジオ深夜便」で特集されたこともあり、県外から訪れる方やリピーターのお客さんも多いそうです。
「草花との一期一会の出会いを楽しんでほしい」

そう話すのは、スタッフとして「外山康雄 野の花館」を管理する、外山康雄さんの娘である大平祥子さんです。
娘さんから見て、お父さまはどんな方ですか?と尋ねてみると、「作風が優しくてほんわかしているイメージを持たれがちなんですが、するどい観察力を持っています。絵にはストイックで。ちなみに草花を育てるのは苦手みたいで、描く専門ですね」と、笑顔を見せてくれました。

お土産もどうぞ

展示を一周すると、お気に入りの草花の絵が見つかるかもしれません。

お土産コーナーとして、水彩画のポストカードやマグネット、カレンダーなどが並んでいます。
南魚沼市の人気菓子店とコラボしたクッキーの販売も!

また、建物の外にはポストもあるので、大切な人に絵を届けるのもいいですね。
草花だけではなく、外山康雄さんが描く猫の絵をあしらったグッズもまた素敵です。
厳しい冬のさなかでも、うだるような暑さの夏が来ても、「外山康雄 野の花館」にはやさしい眼差しが溢れています。
外山康雄 野の花館

外山康雄 野の花館

住所:南魚沼市万条新田371-1
営業時間:9:00〜16:30
定休日:水曜日
電話番号:025-783-7787
入館料:400円

※1月と2月は冬季休業。3月から営業再開

今回訪れたスポット

この記事を書いた人
竹内ありす

1995年新潟市生まれ。放送局での番組制作を経て、フリーランスのライター・ディレクターへ。 昭和歌謡と喫茶店、新潟の日本酒が大好き!もの・こと・人にまつわる、魅力あるストーリーをお伝えします。
Twitter→ https://twitter.com/atelier_aliswan