アニメ映画『君と花火と約束と』で長岡はどのように描かれたのか+関係者コメント紹介/長岡市
2026年07月14日
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長岡花火が重要なモチーフとなった小説『君と花火と約束と』をご紹介する記事を6月にお届けしましたが、7月17日には同作を元にしたアニメーション映画『君と花火と約束と』がいよいよ公開となります!
内容を簡単におさらいすると、主人公は東京都調布市に住む高校生「まこつ」こと夏目誠。彼は高校に入学してすぐに出会った美少女・煌(あき)から「ずっと会いたかった」という突然の告白を受けます。実は煌は以前から「夏目誠」という名の人物を探していたのです。残念ながら同姓同名の人違いだったようなのですが、誠は煌と「本物の夏目誠探し」に乗り出し、長岡市へとやって来る…という物語です。
さて映画の中で、長岡はどのように描かれているのでしょうか。映画の中のシーン画像を見ながら場所を紹介していきます。さらに、本作の企画者であるプロデューサーのインタビューやボイスキャストの皆さんのコメントもあわせてご紹介しちゃいます。
内容を簡単におさらいすると、主人公は東京都調布市に住む高校生「まこつ」こと夏目誠。彼は高校に入学してすぐに出会った美少女・煌(あき)から「ずっと会いたかった」という突然の告白を受けます。実は煌は以前から「夏目誠」という名の人物を探していたのです。残念ながら同姓同名の人違いだったようなのですが、誠は煌と「本物の夏目誠探し」に乗り出し、長岡市へとやって来る…という物語です。
さて映画の中で、長岡はどのように描かれているのでしょうか。映画の中のシーン画像を見ながら場所を紹介していきます。さらに、本作の企画者であるプロデューサーのインタビューやボイスキャストの皆さんのコメントもあわせてご紹介しちゃいます。
何度も長岡に足を運んだ企画プロデュースの梅澤道彦さん
本作の企画プロデュースを務めたのは、アニメーション制作会社「シンエイ動画」代表取締役の梅澤道彦さんです。梅澤さんは戦後80年という節目に向けて何か作品を作りたいと考えていました。そんな折、2017年に知人の誘いで偶然、長岡花火を鑑賞したことが、本作の制作を思い立ったきっかけでした。以来「コロナ禍で花火大会が中止になった2年間以外は、毎年長岡に足を運んでいる」そうです。
ロケハンでは、花火会場付近の長生橋や大手大橋、中心市街地はもちろん、映画には出てこない栃尾地域や摂田屋地区にまで足を延ばしたという梅澤さん。そこには「被災しなかった場所を見ることで、描きたかった昔の面影をたどれるのではないか」という思いがありました。栃尾では名物の「あぶらげ」を食べたそうで「ネギをたっぷり乗せて、しょうゆをかけていただきましたよ。美味しかったですねえ」と懐かしそうに語りました。
ロケハンでは、花火会場付近の長生橋や大手大橋、中心市街地はもちろん、映画には出てこない栃尾地域や摂田屋地区にまで足を延ばしたという梅澤さん。そこには「被災しなかった場所を見ることで、描きたかった昔の面影をたどれるのではないか」という思いがありました。栃尾では名物の「あぶらげ」を食べたそうで「ネギをたっぷり乗せて、しょうゆをかけていただきましたよ。美味しかったですねえ」と懐かしそうに語りました。
長岡駅を皮切りに市内各地を回る主人公たち
誠と煌が長岡を訪れるきっかけは「夏目誠」が描いた花火の絵でした。2人は新幹線で長岡へとやってきます。映画で描かれている長岡の各所はまるで実写と見まがうばかりの完成度の高さです。
どうですか、この長岡駅の外観。本物にしか見えません。
長岡駅があるのはかつて長岡城があった場所です。城跡に駅が立地するのは全国でもめずらしいこと。駅舎のファサードは、長岡藩の「五間梯子」をデザインしています。
長岡駅があるのはかつて長岡城があった場所です。城跡に駅が立地するのは全国でもめずらしいこと。駅舎のファサードは、長岡藩の「五間梯子」をデザインしています。
長岡駅は大手口と東口、2つの出入口がありますが、2人が降りるのは大手口のほうです。見覚えのあるようなお店の名前がチラリと見えたりしますよ。
駅前にある「正三尺玉打揚筒」も描かれていました。2026年は、長岡市にとって市制120周年など、複数の節目が重なる年。そのひとつが正三尺玉打ち上げ100周年です。二代目中川繁治氏によって打ち上げ成功したのが、ちょうど100年前の1926年なのです。本作が今年公開になるのも、何かの縁ですね。
誠は煌と駅前で別れ、午後に再開する約束を交わします。とりあえず誠が向かったのは、駅から徒歩十数分の場所にある煌の父の実家でした。その道中、市内のさまざまな場所が登場します。
まずは市役所などを併設する市民交流の拠点施設「アオーレ長岡」。設計は国立競技場、JR東日本 高輪ゲートウェイ駅など、数々の名建築で知られる隈研吾さんです。同施設の「シアター」では、長岡花火などの映像作品が上映されており、来館者は見たいタイトルを選ぶことができます。さらに三尺玉や打上筒の模型も展示されていますよ。
まずは市役所などを併設する市民交流の拠点施設「アオーレ長岡」。設計は国立競技場、JR東日本 高輪ゲートウェイ駅など、数々の名建築で知られる隈研吾さんです。同施設の「シアター」では、長岡花火などの映像作品が上映されており、来館者は見たいタイトルを選ぶことができます。さらに三尺玉や打上筒の模型も展示されていますよ。
2人が長岡へやって来たのは8月1日。翌日から長岡まつり大花火大会が始まるという日でした。大手通の「フェニックス大手」前には大きな横断幕がかけられています。遠くには花火のポスターも見えます。実に細部まで描き込まれていますね。大手通は8月1日夜に行われる平和祭や2日・3日の昼行事の会場として盛り上がります。
その後、誠が歩いている背景に、ふいに渡里町の西福寺が登場します。この寺は戊辰戦争の時に、歴史的な舞台のひとつとなったところ。新政府軍が信濃川を渡り長岡城下へと攻め入る際、藩士が急を告げる鐘を打ち鳴らしたのです。その鐘は現在も「維新の暁鐘」として残っていますが、このエピソードは司馬遼太郎の小説「峠」にも登場します。
なお西福寺の向かいにある平和の森公園では、8月1日朝に平和祈願祭が行われています。
なお西福寺の向かいにある平和の森公園では、8月1日朝に平和祈願祭が行われています。
煌の父の実家に着いた誠は、そこで謎の少女「ハル」と出会います。約束の時刻を過ぎても現れない煌を探すため、2人はレンタサイクルで自転車を借り、走り出します。その2人が自転車で横切るのが、城内通りと殿町通りの交差点です。
高校のシーンでUXのアナウンサー岡拓哉さんが活躍
向かった先は新潟県立長岡高等学校です。実は煌は父の仕事の都合で長岡に引っ越すことが決まっており、転校の手続きのため誠と別行動していたのです。1916年にできたレンガ造りの正門は、国の登録有形文化財になっています。訪れた際は、触ったりせず、敷地の外から見学しましょう。
2人が長岡高校に煌を探しにいったとき、応対する教師のボイスキャストを担当したのは、UX新潟テレビ21のアナウンサー・岡拓哉さんです。岡さんは実は長岡高校の出身。奇しくも母校の教師役として出演することになったのです。「当然ながら声優は初挑戦。先生の年齢は30代半ばくらいと聞いていたので、まさに自分とぴったり重なりました。私の出演パートは、台本では4〜5行程度だったのですが、しっかり読み込んで収録に向かいました」
当初、台本は標準語で書かれていました。しかし演技する岡さんのセリフを聞いた音声監督から「アナウンサーっぽい、普通の先生はそんなに流暢にしゃべらない」と指摘を受けたそうです。その後、演技指導を受けているとき、岡さんが長岡高校出身であることを告げたところ「それなら長岡弁でいきましょう」という話になったのだとか。スタッフと相談しながら急遽その場で「一言一句、すべて自分で書き換え」て、長岡弁の先生が誕生しました。
「今回は全てが新しい体験でした。出番としてはほんのワンシーンですが、先生が今どういう状況にいるのか、セリフにない部分も理解して、想像しないと役になりきれないし、伝わらない。今回の経験がアナウンサーの仕事にも良い影響を与えてくれそうな気がしています」
「今回は全てが新しい体験でした。出番としてはほんのワンシーンですが、先生が今どういう状況にいるのか、セリフにない部分も理解して、想像しないと役になりきれないし、伝わらない。今回の経験がアナウンサーの仕事にも良い影響を与えてくれそうな気がしています」
長生橋と大手大橋、花火と縁の深い2つの橋
煌は長岡高校にもいませんでした。誠とハルが次に探しに向かったのが長生橋です。この橋は煌が幼い頃、大好きだったひいおばあちゃんと一緒に花火を見ていた思い出の場所であり、物語の中でも重要な舞台になります。
実際の長岡まつり大花火大会ではナイアガラ大瀑布の舞台としておなじみの場所。2024、25年と長生橋のナイアガラは休止していましたが、26年は3年ぶりに復活します。
実際の長岡まつり大花火大会ではナイアガラ大瀑布の舞台としておなじみの場所。2024、25年と長生橋のナイアガラは休止していましたが、26年は3年ぶりに復活します。
長生橋の川東側にある「長生橋東詰広場」も登場します。初代長生橋が完成したのは明治9年。木製で渡るには料金が必要でした。その後何度か姿を変え、現在の850メートルの鉄橋は昭和12年に完成し、戦禍を乗り越えてきました。
長生橋の周辺は、長岡まつり大花火大会では多くの人でごった返します。
長生橋の周辺は、長岡まつり大花火大会では多くの人でごった返します。
映画には大手大橋も登場します。こちらは夕映え時刻の橋ですが、この後2人は、1日の夜、長岡空襲の始まった時刻22時30分に打ち上げられる戦争犠牲者への鎮魂と世界平和への願いを込めた花火「白菊」を観賞します。
夕暮れの長岡市街地のシーンもご紹介。ぱっと見るとどこにでもある街明かりのようですが、画面中央よりやや左寄りに注目。長岡市のシンボル「水道タンク」が描かれているのです。今年は「水道タンク通水100年」。この水道タンクは映画のクライマックスにも登場しますよ!
キャストが語る映画への思い
夏目誠:佐藤勝利さん(timelesz)
主人公・夏目誠の声を演じた佐藤勝利さんは「僕はずっとアニメーションの仕事がしたいと願っていました」と語っており、念願叶っての声優初挑戦でした。「実写とは台本の読み方も違い、本の持ち方やページのめくり方、声の調整など全部教わりながらでしたが、その経験も楽しかった」と振り返ります。
物語については「2人のまっすぐな高校生のピュアな話ではありますが、同時に長岡花火に込められた思い、空襲など歴史的な出来事も描かれていて、ストーリーに深みがあるのも印象的でした。多くの人たちの思いが込められた作品に携わるのは喜びでもあり、しっかり受け止めなくてはいけないと考えながら収録にのぞみました」と話します。長岡花火はまだ見たことがないという佐藤さん。「機会があったらぜひ見たいです」と力を込めました。
主人公・夏目誠の声を演じた佐藤勝利さんは「僕はずっとアニメーションの仕事がしたいと願っていました」と語っており、念願叶っての声優初挑戦でした。「実写とは台本の読み方も違い、本の持ち方やページのめくり方、声の調整など全部教わりながらでしたが、その経験も楽しかった」と振り返ります。
物語については「2人のまっすぐな高校生のピュアな話ではありますが、同時に長岡花火に込められた思い、空襲など歴史的な出来事も描かれていて、ストーリーに深みがあるのも印象的でした。多くの人たちの思いが込められた作品に携わるのは喜びでもあり、しっかり受け止めなくてはいけないと考えながら収録にのぞみました」と話します。長岡花火はまだ見たことがないという佐藤さん。「機会があったらぜひ見たいです」と力を込めました。
葉山煌:原菜乃華さん
誠が思いを寄せる葉山煌の声を担当したのは原菜乃華さんです。演じた役柄については「人気者キャラで人に弱みを見せない。でも誠といるときは他の人に見せない顔を見せる」と分析。「その差をどう演じ分けるか、難しい役どころでした」と話します。
煌は誠が長岡にやってくるきっかけを作るキーパーソン。2人にとって重要な意味を持つ長岡花火について「平和への祈り、復興祈願など、美しい花火に多くの思いが込められていることを知りました。作品に参加することで、託された思いを伝えていく一員になりたいと、気を引き締めて収録に向かったことを思い出します」と真剣な眼差しを見せました。
佐藤さんと同じく、長岡まつり大花火大会にはまだ参加したことがないそうで「ぜひ長岡で本物を観賞できれば」と笑顔を浮かべました。
誠が思いを寄せる葉山煌の声を担当したのは原菜乃華さんです。演じた役柄については「人気者キャラで人に弱みを見せない。でも誠といるときは他の人に見せない顔を見せる」と分析。「その差をどう演じ分けるか、難しい役どころでした」と話します。
煌は誠が長岡にやってくるきっかけを作るキーパーソン。2人にとって重要な意味を持つ長岡花火について「平和への祈り、復興祈願など、美しい花火に多くの思いが込められていることを知りました。作品に参加することで、託された思いを伝えていく一員になりたいと、気を引き締めて収録に向かったことを思い出します」と真剣な眼差しを見せました。
佐藤さんと同じく、長岡まつり大花火大会にはまだ参加したことがないそうで「ぜひ長岡で本物を観賞できれば」と笑顔を浮かべました。
アニメ映画『君と花火と約束と』の魅力をたっぷりとお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
映画館のスクリーンで楽しんで、その後はゆかりの地巡りで、ぜひ長岡を訪れてみてくださいね。
映画館のスクリーンで楽しんで、その後はゆかりの地巡りで、ぜひ長岡を訪れてみてくださいね。
アニメ映画『君と花火と約束と』
監督:鈴木慧
出演:佐藤勝利(夏目誠)/原菜乃華(葉山煌)/高橋李依(ハル)/横澤夏子(誠の母・由香利)
2026年7月17日公開
アニメ映画『君と花火と約束と』登場場所一覧
この記事を書いた人
長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中。