岩塚製菓の新施設「お米となかよしパーク」で米菓の魅力を堪能/長岡市


2025年09月20日 26ビュー
味しらべ、黒豆せんべい、おこさませんべい……などなど、数々のおいしい米菓を販売し、多くの人たちに親しまれている岩塚製菓。長岡市の中沢工場にあった直売店が、2025年8月30日にリニューアルオープンしました。その名も「お米となかよしパーク」。従来の米菓の直売のほか、楽しい仕掛けがある場所なのだとか。グランドオープン初日に早速行ってきました!

地域に愛される観光拠点施設として

オープニング当日は長蛇の列。地元の悠久太鼓の演奏に合わせて多くの人たちが直売所に入っていきました。セレモニーでは来賓から「インターからも近く、観光客も立ち寄りやすい好立地」「長岡南地域の観光拠点のひとつとして大いに期待したい」という言葉が寄せられていました。
岩塚製菓の創業は1947年と戦後間もない頃。農家の人たちが、冬に出稼ぎに行かなくとも働けるような地域にしたいという思いから、地元野菜を使った「岩塚農産加工場」を作ったことが始まりです。その後、岩塚製菓に社名変更。中沢工場ができたのは今から半世紀以上前の1972年。同時に直売所も設けました。工場は数年前に移転しましたが、残った直売所をリニューアルしたのが「お米となかよしパーク」です。

直売所人気商品トップ3

店内に入ってすぐ、訪れた人たちを迎えてくれるのが直売所限定の「工場直送のワケわり商品」です。いわゆる「割れせん」などが入っているのですが、見た目が不揃いなだけで、味は通常の品と全く一緒。さらによく見るとそのまま売りに出しても問題ないような形の整ったものも交じっており、とてもお得なのです。
ちなみに直売所の売上トップ3は、この「ワケわり」コーナーが独占。1位が田舎のおかき醬油味(310円)、2位が鬼ひびうす塩味(367円)、3位が黒豆せんべい(310円)となっています。
ロングセラーの人気商品はこちらの「おこさませんべい」です。会社のホームページでは「岩塚製菓の名が日本中に知られるきっかけとなった」大ヒット商品として紹介されています。実はこちら、お米を水に浸す時間を間違えたことで生まれたのだとか。おせんべいは固いという常識を覆し、赤ちゃんでも食べられるソフトな食感で大ブレイクしました。

施設名に込めた思い

ところで「お米となかよしパーク」という名称にはどのような意味が込められているのでしょうか。直売所を運営する里山元気ファームの社長、下田篤志さんは「お米となかよし」「地域となかよし」という2つのコンセプトがベースにあると話します。「岩塚製菓には『農産物の加工品は原料より良いものはできない』という信念があり、米菓の原材料はすべて国産米を使っています。『お米となかよし』には米菓を支えるお米と真剣に向き合うという気持ちを込めました。『地域となかよし』は、当社が地元に根付いた企業であるという思いを表現したものです」と話しました。
ワケあり以外の通常商品も豊富にあります。おなじみの味付けのほか、変わり種のフレーバーもばっちり揃っていて、目移りしてしまいます。ビール、日本酒なども置いてあり、米菓をおつまみにして一杯…という人にはうれしいですね。
店舗右の壁にはグループ企業などの商品が並んでいます。
事業提携している旺旺(わんわん)ジャパンの商品の中には、台湾土産の定番で「福が来る縁起良いお菓子」とされているパイナップルケーキ(140円)など、女子受けしそうな可愛いスイーツもありましたよ。
岩塚製菓グループの田辺菓子舗は、昭和2年創業の老舗和菓子店。2005年からは、かりん糖ひと筋で営業を続けています。その特徴は、とにかく太くて大きいこと。さっくりとした生地を黒糖で包み、職人がひとつひとつ手焼きしています。その上品な甘さと独特の歯応えにビックリ。10本1袋648円がオープン記念で400円(終了時期未定)というお得な価格になっています。素敵なイラスト入りの小箱が6箱並んだおみやげ品(1,300円)もあり、お遣い物にもピッタリです。
お遣い物といえば、米菓の通信販売などを手掛けるグループ会社、新潟味のれん本舗の商品もあります。こちらは「地域となかよし」の言葉どおり、地元で活動する作家とコラボした商品が並んでいます。それがこちら。長岡で創作木版画家、イラストレーターとして活躍しているたかだみつみさんの作品を使った商品「えちご結び〜秋〜」(1,080円)です。商品のかたわらには実際にパッケージに使われた作品も展示されています。なお、こちらの商品は季節ごとにパッケージが変わるそうです。
こちらは鹿児島県生まれで、長岡市に移住し墨流し作家として活躍している恭平さんとコラボした商品です。包装紙だけでなく、おせんべいの個包装にも恭平さんがデザインした模様が使われています。(味手筥・8袋入り1,512円、 16袋入り2,916円)
「地域となかよし」を感じるコーナーはほかにもあります。地元や県産の良いものを届けたいと、地場産野菜や加工品、調味料、蕎麦など、さまざまな「新潟のおいしいもの」がずらり。たとえば味噌などは全国味噌鑑評会で最高賞に輝いた越後一の味噌(匠の味 赤みそ900円)、長岡で長く愛される吉田屋とうふ店が作る「黒いなり」の皮(378円)、越後の特産品・いのかいのえご(300円)などが並んでいます。
先月紹介した長岡の老舗和菓子店、川西屋とのコラボ商品「越後姫のアイスキャンデー」(190円)も販売されています。(5月〜9月頃まで)。越路の農家ファームリンクルとコラボした一品で、鮮度や美味しさは十分にもかかわらず規格外で廃棄されてしまうイチゴを、加工品として使うことで食品ロスを無くしたい、という思いから生まれたものです。果肉入りで、イチゴの良い香りがたまりません!
食品以外にも、山椒のしびれがクセになるあられ「バンザイ山椒」のイラストをあしらったエコバッグや、人気商品をキーホルダーにしたものなどグッズ販売も展開していますよ!

買うだけじゃない、さまざまなお楽しみ

焼きたてのおせんべいを楽しんでもらおうと実演コーナーも設けました。時間は不定期ですが、ガラス越しにせんべいを焼くところを来店者は見ることができます。おせんべいは3枚400円で販売予定です。
直売所には休憩スペースがあります。このテーブルよく見てみると…
なんと形が、おせんべいなのです!丸いものは「岩塚の黒豆せんべい」を模したもの。木目がまるでおせんべいが焦げた部分のようで、何だかおいしそうに見えてきますよね。
こちらは「大袖振(おおそでふり)豆もち」を模したものです。ほかに「鬼ひび」「味しらべ」の形のものもありますよ。訪ねた際にはぜひ探してみてくださいね。
最後にもうひとつ。衝突防止シールですが、こちらも先ほどのテーブルと同じく、実はおせんべいの形をしているのです。今後も機会があれば「良く見ないと気付かないようなさりげない部分」で、楽しい仕掛けをしていきたいそうです。こういう遊び心いいですよね。
岩塚製菓やグループ会社、そしてお米についてもっと知ってもらうために、体験や遊びなど、さまざまな切り口でイベントを開催していきたいと、下田社長は話します。楽しみですね。
ぜひ「お米となかよしパーク」へ出かけてみてください!

お米となかよしパーク

住所:新潟県長岡市越路中沢1065-1
TEL:0258-92-6522
開館時間:8:45〜17:00
休館日:1月1日(変更の場合あり)

お米となかよしパーク

エリア

長岡・柏崎エリア

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グルメ
この記事を書いた人
和田明子

長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中。