「越後妻有 大地の芸術祭2022」を満喫してきた!~パスポートでフリー鑑賞編②~(十日町市/津南町)


2022年07月12日 852ビュー
午前中の松之山エリア(松代城や農舞台)~ランチまでをご紹介したフリー鑑賞編①の続編です。

~前回までのおさらい~
松代城をはじめ、城山エリアに点在するアートの数々を鑑賞。
ランチは次の目的地に向かう途中にある「そばの郷 Abuzaka」でおいしいそばとビュッフェを堪能しました。

鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館

「そばの郷 Abuzaka」ですっかりお腹が満たされた後は、「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」へ。
“鉢”というのは集落の名前で、すり鉢状の地形に囲まれた中央に位置するのが木造の旧真田小学校。
この校舎を美術館としてリノベーションしたのが「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」です。2009年の芸術祭からスタートし、毎回新たな作品追加やリニューアルを行っています。
 
館内に足を踏み入れると、まずは体育館。
ここから校舎の2階全体まで展開されているのは空間絵本『学校はカラッポにならない』の世界。
真田小が廃校になった2005年、最後の在校生だったユカ・ユウキ・ケンタと、学校オバケたちが登場するというストーリーで、各教室には流木のオブジェや木の実を使った作品が展示されています。
物語は廊下や踊り場でも展開されています。
とてもカラフルでユーモラス、子どもも楽しめそうな雰囲気なので、ファミリーにもおすすめです。
 
1階には企画展エリアがあり、7月22日(金)までは春の企画展「いのちのケハイ ~木の実たちの発言~」を開催しています。
そして一番奥の部屋では、何と田島征三さんが新作を製作中!!!!
でも、おじゃました時間帯はご不在のようでした。残念。
 
後ろに見える白いオブジェのようなものを制作中のようですが、今頃はもう完成しているでしょうか。
ちなみにこれは屋外のビオトープエリアに展示されるそうです。
 
ビオトープエリアといえば、そう、屋外にはヤギの親子もいるんですよ♪
(画像:絵本と木の実の美術館HPより)

また、絵本と木の実の美術館にはカフェ「Hachi café」も併設。
小学校にあった机やイスをリメイクしているのですが、かわいい!
 
メニューはコーヒーや紅茶、各種ケーキやアイスなど。
ふきのとうアイスなんていうのもありましたよ!
店内ではアートグッズや書籍も販売しています。
 
カフェメニューもグッズもじっくりチェックしたいところですが、次へ向かわねば!
この日は天候が良くなかったため、ビオトープには行きませんでしたが、屋外も含め大人も子どももたっぷり楽しめる美術館です。
 
ちなみに、絵本と木の実の美術館は、パスポートで3回入館できますよ!
また来よう♪

鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館

所在地/新潟県十日町市真田甲2310-1
TEL/025-752-0066
営業時間/4~9月10:00~17:00、10~11月10:00~16:00
休館日/火・水曜(11月末~4月下旬は休館)
    ※通常水・木ですが、芸術祭開催期間中は火・水となります
料金/①入館料大人800円
   ②作品鑑賞パスポート(3回まで入館可能)

越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)

続いては芸術祭の拠点施設、越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)へ!
入口脇には検温スポットもあります。

「あれ、ここって[キナーレ]じゃないの?」
そう思った常連さんも少なくないかもしれません。

こちらは昨年の夏にモネとしてリニューアルオープン、
常設作品の入れ替えも行われたので、今まで訪れた人もぜひ訪れていただきたい(訪れねばならない?!)施設です。
ちなみに「MonET」の由来は、“Museum on Echigo-Tsumari”。

こちらは展示作品が多いので、個人的に印象に残ったものを駆け足でご紹介します。
『16本のロープ』(イリヤ&エミリヤ・カバコフ/2021)
頭上に張り巡らされた16本のロープには約100個の「ゴミ」がぶら下げられ、それぞれのゴミにはさまざまな会話のメモが書かれています。
カバコフが長年取り組んでいる作品の一つです。

 
『エアリエル』(ニコラ・ダロ/2021)
「エアリエル」はシェイクスピアの戯曲「テンペスト」に登場する大気の精。パラシュート布でできた2体の吊り人形が機械仕掛けで動きます。

 
そして、今回の芸術祭でぜひご紹介したい作品の一つが、こちら。
『パリャヌィツャ』(ジャンナ・カディロワ/2022)
今日も世界中の注目を集めるウクライナ情勢。
ウクライナ人の作者によるこの作品は、戦火のウクライナで生まれました。
今年の3 月にキーウ(キエフ)から山間の村への避難を余儀なくされた作者が、その地の川で石を集めて制作したオブジェなんです。

『パリャヌィツャ』はウクライナ語で丸パンのこと。
パンは幸福や平穏な生活の象徴ですが、「パリャヌィツャ」という言葉はロシア兵には発音しにくい単語で、今は偵察者かどうかを見分けるために使われる言葉でもあるそう。
いろいろなことを考えさせられる作品です。


また、今回の芸術祭では追悼メモリアルシリーズとして『今に生きる越後妻有の作家たち』と題したアーティスト単位の企画展を数珠つなぎで開催。
これまでの芸術祭でゆかりの深かったアーティスト(故人)の作品を約2週間ごとに展示しています。

最後に2階からの風景をご紹介。
あれ、空は曇っているのに、中庭の池の水鏡は晴れている?!。
実はこれもアートの一部で、レアンドロ・エルリッヒ『Palimpsest: 空の池』(2018)という作品。水鏡ではなく、イラストが描かれていて、これをある地点から見ると…ビジュアルがバチっっとはまって気持ちいいんです!
その映像はぜひ実際に訪れてお楽しみを♪

グッズやフードも充実

モネに立ち寄ったなら、アートグッズがずらりのミュージアムショップも要チェック。
朝に訪れた松代城のエステル・ストッカーの新作グッズを発見!
Tシャツ、タオル、手拭い…どれも欲しい! 買っちゃおうかな~。
(迷った挙句、翌日買っちゃうのですが…)(´∀`;)
 
他にも地酒のアートボトルなどがあり、おすすめです。


また、ミュージアムショップの隣にはカフェもあります。
実はこのスペースの壁面には新作の『遠方の声』(中谷ミチコ/2021)が彫刻として埋め込まれています。

飲食スペースとしては、モネの外の回廊にあるコミュニティスペースでもカフェメニューを販売しています。(グッズも少々)

注目は、ニューヨークの三ツ星フレンチで日本人初のスー・シェフを務めた米澤文雄氏監修の「TSUMARI BURGER」。
食べたいけど…お腹いっぱいなので、のぼりでお許しを!

6月末からは、新作「妻有ポークとかぐら南蛮タルタルを使ったダンプリングバーガー」も登場したとのこと、こちらも米澤シェフ監修です。

あぁ…次回は絶対食べるぞ~!!
ちなみにハンバーガーの販売は11:00~16:30(L.O.)ですが、人気商品のため、時間帯によっては(遅めだと)売り切れの場合があるそうです。

越後妻有里山現代美術館 MonET

所在地/新潟県十日町市本町6-1
TEL/025-761-7766
営業時間/10:00~17:00(4/29~11/13は~18:00まで)
料金/①入館料1,000円
    ※芸術祭期間中は1,200円 会期中の池での特別企画展開催時(7/30~9/4)は1,500円
   ②作品鑑賞パスポート(3回まで入館可能)
休館日/祝日を除く火・水曜

十日町市街はアートの宝庫

TSUMARI BURGERののぼりに別れを告げ、続いては、個々に作品が展示されている単独会場を巡ります。
※単独会場は、7/29までは土・日・祝日のみの開館という施設が多いので注意してください

ちなみに今日は泊まれるアート作品の一つ「うぶすなの家」に宿泊予定。
モネからうぶすなの家までの間にもたくさんのアート作品があるので、立ち寄りながら宿へ向かいます。
 
モネから北上し、まずは車で3分ほどの所にある七和防災センターへ。
雪国ならではの新作があります。
スノータワー』(深澤孝史/2022)
除雪道具のスノーダンプを組み上げたオブジェ。
豪雪地帯である越後妻有では、プラスチック製ではなく鉄製の頑丈なスノーダンプが欠かせません。
そんな雪国を象徴する道具をアートにしたのがこちらの作品。
光沢を帯びたスノーダンプは地元で作られる製品「クマ武」です。

七和防災センター

所在地/新潟県十日町市新座
時間/10:00~17:00(10・11月は16:00まで)
料金/①個別鑑賞券300円 ②作品鑑賞パスポート
開館日/~7/29は土・日・祝のみ、7/30~9/4火・水以外、9/5~11/13は土・日・祝のみ

続いては、車で10分ほど移動し旧上新田公民館へ。
1階には、木造民家研究で知られ“学者棟梁”と呼ばれた田中文男氏の蔵書などがならぶ地域文庫があり、アート空間になっています。
『妻有田中文男文庫』(改修設計:山本想太郎/2009)
建築関係の本がずらり。
所々で7色に光る本が存在感を放っています。
会期中は、2006年の芸術祭で行った「空き家プロジェクト」の記録も展示しています。

続いて、2階には新作が展示されています。
『農具の時間』(河口龍夫/2022)
全面鮮やかな黄色の空間の中には、クワなどの農機具がまるで宙に浮いているかのよう。
実際は吊り下げられているのですが、これらはどれも実際に使う形で吊り下げられているのがポイント。
そして、この作品は触ってもOK!
実際に道具を手に取ると、なるほどこうやって使うのかと妙に納得します。
人間に使われるはずの道具が、逆に人間を従わせるという面白いコンセプトの作品。
 
 
今回の旧上新田公民館と七和防災センターは、地元の町内会の方々が日々運営に携わっています。
余裕があれば、地元ならではのいろいろなお話が聞けるかもしれません。

妻有田中文男文庫(旧上新田公民館)

所在地/十日町市下条1丁目324
時間/10:00~17:00(10・11月は16:00まで)
料金/①個別鑑賞券500円 ②作品鑑賞パスポート
開館日/~7/29は土・日・祝のみ、7/30~9/4火・水以外、9/5~11/13は土・日・祝のみ

よし続いては…と思ったところで、本日はタイムアップ。
多くの展示はだいたい17時で終了となります。
(MonETは18:00までやっています)

もう少し回りたかったなぁ…。

参考までにこの周辺のおすすめ作品(できれば見たかったところ)をサクッとご紹介します。
『下条茅葺きの塔』(みかんぐみ+神奈川大学曽我部研究室/2012)
JR飯山線下条駅の脇にそびえ立つ11メートルの塔は、今ではすっかりこの地区のランドマーク。
中には地元の方々が持ち寄った民具が吊り下げられています。
時間外でも外からは鑑賞可能。

下条茅葺きの塔

所在地/JR飯山線下条駅(新潟県十日町市下条4丁目)
時間/10:00~17:00(10・11月は16:00まで)
料金/作品鑑賞パスポートのみ
開館日/~7/29は土・日・祝のみ、7/30~9/4火・水以外、9/5~11/13は土・日・祝のみ

『意識と自然の探索』(井橋亜璃紗/2022)
(画像:大地の芸術祭HPより)(Photo by Nakamura Osamu)
下条駅からもほど近い、十日町市利雪親雪総合センターにあるのは、ビジュアルプリントアーティスト・井橋亜璃紗さんの作品。
越後妻有の豊かな自然にインスピレーションを受けたというテキスタイルプリント、実際に見てみたかった…またの機会に見るぞ!

意識と自然の探索

所在地/新潟県十日町市下条4-281-3(十日町市利雪親雪総合センター)
時間/10:00-17:00(10・11月は16:00まで)
料金/①個別鑑賞券300円(十日町市利雪親雪総合センター入館料)
   ②作品鑑賞パスポート
開館日/~7/29は土・日・祝のみ、7/30~9/4火・水以外、9/5~11/13は土・日・祝のみ

本日の作品鑑賞はここまで。
この後は宿泊でお世話になる「うぶすなの家」へ向かいます。
こちらでもさまざまなアート作品が待っています♪
 
うぶすなの家のレポートは続編「宿泊編」をご覧ください。
★越後妻有でこへび隊(大地の芸術祭ボランティア)に参加したい方へ、十日町市では、ボランティア活動や移住体験を通じて十日町をより良く知ってもらうツアーバス「里山応援便」を運行しています。
この記事を書いた人
ケバブー

長岡生まれ新潟育ち。 ​
郷土料理からラーメン、地酒やスイーツまで新潟の食を広く愛するフォトライター。