村上の鮭料理を由緒ある元旅籠で味わう「千年鮭 井筒屋」/村上市


2020年10月09日 601ビュー

日本人の食生活に欠かせない身近な食材のひとつに“”があります。

焼き鮭をはじめ、おにぎり、お茶漬けなど、ご飯のお供として大活躍!

鮭といえば北海道を思い浮かべる方も多いと思いますが、新潟県にも鮭で有名な地域があります。

県北に位置する村上市です。
村上市の人々は古くから三面川に遡上する鮭を大切に食べてきました。

今回は村上市でもめずらしい鮭料理の専門店「千年鮭 井筒屋」で、代表の吉川真嗣(きっかわしんじ)さんにお話を聞きながら、鮭料理の数々を味わってきました。

村上で鮭が大切に食べられてきたのはなぜ?

村上と鮭の関わりは意外と古くて、文献では平安時代に京の都へ鮭を献上した記録が残されているそうです。

じつに1,000年もの歴史があるんですね!

江戸時代には村上藩の大切な収入源のひとつになっていたんですが、乱獲のために不漁続きとなってしまいます。
そんな藩の危機に現れたのが青砥武平次(あおとぶへいじ)という侍でした。

武平次は殿様に鮭の保護を訴えました。

また鮭の帰巣本能を見抜き、産卵しやすいように人工河川を造ることを進言したのでした。
一歩まちがえば藩政が傾くような大工事の末、三面川の分流「種川」が完成し、数年後には以前にも増した数の鮭が遡上してきたのだそうです。

 

以来、村上の人々は鮭を尊び、慈しんで食してきたのです。
そのひとつに、鮭に切腹させてはならないということで、腹をすべて裂かずに真ん中を少し残したり、首吊りさせてはならないと頭を下に吊り下げる風習ができました。

また、頭や中骨、内臓にいたるまで無駄なく大切にいただくということで、100種類以上の鮭料理が生まれたのだそうです。

酒をつくる仕事から、鮭をつくる仕事へ。

千年鮭 井筒屋」を営む、鮭料理の加工販売をする「千年鮭 きっかわ」は、戦前まで造り酒屋をやっていたそうです。

戦後、敗戦した日本には多くのアメリカ文化が入ってきて、それまでの日本文化はどんどん失われていきました。

化学調味料やインスタント料理の時代となり、村上の鮭料理もしだいに影を潜めていったのです。

 

そんな時に立ち上がったのが千年鮭 きっかわ」の先代社長でした。

伝統ある村上の鮭料理を失ってはならない。後世に伝えていきたい。

そんな思いで酒を造る仕事から一転、鮭料理を作る仕事に方向転換していったのでした。

当初はまわりの人たちから「時代遅れ」「誰が買うんだ」といった声もあって、銀行からはお金も貸してもらえなかったそうです。

でも村上に伝わる鮭料理の素晴らしさを、マスコミに訴えるなど長年続けてきた甲斐があって、しだいにその魅力に気づく人が増え始めていったのです。

今では村上市も「鮭の町」として有名になりました。

 

吉川さんはそんな先代社長の姿を見ながら育ち、その思いを受け継いだのです。

かの松尾芭蕉が宿泊した旅籠が鮭料理の店に!

村上の小町はかつて旅籠町として栄え、江戸時代から続いてきた「井筒屋」もそのひとつでした。

なんと「おくのほそ道」で有名な俳人・松尾芭蕉が弟子の曾良と二泊したと伝えられ、現在では国の有形文化財に指定されている建物なんです。
松尾芭蕉が泊まった宿の記録は全国でも3か所しか残っていないため、大変貴重な場所のひとつなのだそうです。

数年前までは宿屋兼カフェとして利用されてましたが店を閉めることになり、吉川さんがその跡地の利用について相談を受けました。

最初は村上市に少ない洋食店はどうかと探したのですがなかなか見つからず、2017年から「千年鮭 きっかわ」で鮭料理の専門店「千年鮭 井筒屋」を始めることを決心したのだそうです。

その決心には商店街を活性化したいという強い思いがありました。

鮭を余すとこなく堪能できる料理の数々。

今回いただいたのは「鮭料理 十品(2,900円)」。

 

土鍋で炊いたご飯が出てくるまでの間、七輪の炭火で「塩引鮭」を焼いたり「酒びたしの皮 おどり焼」を楽しむことができます。

 

塩引鮭」は村上独特の気候風土の中で乾燥熟成され、旨味が引き出された名物料理。

酒びたしの皮 おどり焼」は酒びたしされた鮭の皮です。ムラなく焼けるように細かい切れ目が入れてあり、炭火で炙るとくねくねと動きながら丸まっていく様が踊るように見えます。




村上名物の鮭料理「鮭の酒びたし」もついてきます。

1年かけて熟成した鮭をスライスしたもので、お酒をかけて食べる風習からこの名前がついたそうです。

このまま食べても発酵した旨味が口一杯に広がって美味しく食べることができます。




七輪で炭火焼を楽しんでいると、鮭料理が次々と運ばれてきました。

鮭の焼漬」「はらこの味噌漬」「鮭のかぶと煮」「鮭の生ハム」「鮭の白子煮」「鮭昆布巻」と盛りだくさん。

どれもご飯に合いそうな料理ばかりですね。

ちなみに「はらこ」っていうのは村上の方言でイクラのことです。




ご飯は社長自らが厳選した、関川村の契約農家で作っているコシヒカリを土鍋で炊き上げたもの。

粒が立ってふっくらしたご飯は、何杯でもおかわりしちゃいそう。




〆には薬味と一緒に塩引鮭をご飯に乗っけて、村上茶をたっぷりかけた「鮭茶漬」をいただきます。

あたたかいお茶が塩引鮭の風味を引き立てますね。




鮭料理 十品」の他に「鮭珍味 五品盛り(1,000円)」もいただいてみました。

鮭のどんびこ(心臓)」「鮭の胃袋」「鮭の白子」「鮭のきも(肝臓)」「鮭のめふん(背わたの塩辛)」といった、まさに珍味のラインナップ。

こちらはなかなか食べることができない鮭の内臓系の料理です。

こうした料理にも「鮭を余すところなく大切にいただく」という、村上の人たちの鮭に対する思いを感じることができます。

 

ちなみにこちらの珍味は鮭料理 十八品」「鮭料理 二十一品」についてきます。




村上では「塩引鮭」は大晦日に食べられる料理で、「鮭の酒びたし」はお祭りの日に決まって食べられるのだそうです。

鮭料理って村上の人たちの暮らしの中に溶け込んだ郷土料理なんですね。




今回、10月10日(土)〜11月23日(月・祝)の「日本海美食旅 プレミアムレストラン」の期間中、「千年鮭 井筒屋」で特典画像を提示したお客様には鮭の焼漬鮭の佃煮」を特典としてプレゼントしてくださるそうです!

 

鮭の焼漬はほどよく焼き上がった鮭の切身を秘伝のかえし醤油に漬け込んだ、香ばしい風味の一品。
鮭の佃煮」はご飯のお供に最高な一品です。

みなさんも村上を訪れた際には千年鮭 井筒屋」で鮭料理を召し上がってみてはいかがでしょうか。

定番からめずらしいものまで味わえる鮭料理を通して、村上の歴史や文化を感じることができると思いますよ。

 

千年鮭 井筒屋」では新型ウイルス感染症拡大防止のため、席の間隔の確保、営業時間の短縮、従業員のマスク着用を徹底されてますので、安心してお食事を楽しめます。


今回ご紹介した千年鮭 井筒屋」は「新潟県・庄内エリアアフターDC」特別企画「日本海美食旅プレミアムレストラン」に参加しています。

2020年10月10日(土)〜11月23日(月・祝)の間、新潟県内と山形県庄内エリアで開催される企画で、食文化の発信をテーマにメニューやコースとして常時提供しているお店を紹介するものです。

参加店に設置された「QRアンケート」にアクセスして質問に答えるとお食事券もゲットできる「お食事券プレゼントキャンペーン」も開催!

千年鮭 井筒屋

〒958-0841
新潟県村上市小町1-12
tel.0254-53-7700
営業時間/平日 11:00-13:30、土日祝 11:00-14:00

千年鮭 井筒屋

この記事を書いた人
田中新之助(たなかしんのすけ)

新潟を愛する万年新米ライターです。持ち前の粘り強さで味わい深い記事を書いていきたいと思ってます。とくに観光ガイドには載っていないような、新潟の珍スポットや変スポットに力を入れて紹介していきたいです。

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