兄弟寿しで味わう新潟の奥深いおいしさ!9割新潟産を使う鮨職人が誘う美食の世界/新潟市


2020年10月28日 8206ビュー
日本海美食旅(ガストロノミー)プレミアムレストランでは、新潟県と山形県庄内の食文化の発信をテーマに、メニューやコースとして料理提供をしている飲食店を紹介しています。日本海美食旅(ガストロノミー)を通じて、その土地の風土や歴史を感じてください。

今回は、新潟市中央区にある、ミシュランガイド新潟2020特別版の新潟市内で「二つ星」として掲載された寿司店、兄弟寿しを紹介します。

昭和35年創業の新潟古町の老舗寿司店「兄弟寿し」を訪問

JR新潟駅万代口から車10分でつく、新潟県民に愛されてきた新潟市の中心商店街、古町。

古町通りから、左に小道を入るとお店の入り口があります。
お店に入ると…

カウンターと仕込みをしているオーナーの本間さんが!
職人さんの手仕事が見える中でお寿司をいただけます。

席に着くと、マスク入れもあり、お客様への思いやりが感じられました。

それにしても、カウンターでお寿司、楽しみでドキドキします!

おまかせコース:16,500円(税込)

ガストロノミーメニューでもあるおまかせコースは、

寿司、つまみ、寿司…の順番で寿司が12~13貫、つまみが6品程いただけるそう。

内容は季節やその日の仕入れによってかわり、新潟の四季の味わいをお寿司や本格和食で堪能できます。

料理はもちろん、醤油や塩にもひと手間加えて提供していると噂の同店。

おすすめメニューと素材やこだわりについて教えてもらいました。

兄弟寿しでいただいたこの日のおすすめメニュー

今回いただいたのは、生いくら。

新潟産の旬の鮭のいくらは、見たことのないようなオレンジの優しい色合い。

それもそのはず、しょうゆ漬けされていない「素」のものだそう。

「いくらそのままを味わってください」

と、味つけはこだわりの醤油と柚子の皮のみとシンプル。

美しい粒のきらめきに見とれていると、ふわっと優しく香る爽やかな柚子の香りが。

この下にしゃりがあるとのことで…スプーンですくっていただきました。
きもち少し長い米のしゃりに、きらめくイクラがのっかっているお寿司

「シンプルに言えば、素のいくらに醤油とご飯なので卵かけご飯のような味わいです」

と説明していただきました。

口に入れると、柚子の香りが通り過ぎた後、味、食感ともに優しい味が口の中に広がります

なんて贅沢な卵かけご飯!!!

調味料でしめていない分、そのままのいくらのやわらかさ、素材の味が引き立つ逸品でした。
 
寿司の次にいただいたのはつまみの佐渡の黒アワビ肝ソース

佐渡産の黒アワビです!

佐渡在住だっただけに、なぜかとてもうれしい(笑)

職人の本間さんが「佐渡は宝島ですよ」って言ってくれたのも嬉しい。

いただくと…アワビの肝のソースにのったアワビの…

やわらかいこと。

やさしいこと…。

アワビの煮汁にアワビの肝を混ぜ、少しの調味料で味を調えたものだそう。

海の味が口の中で広がり、佐渡の海を思い浮かべながらつい、「肝ソースも食べたい」と心で念じていると…
おまけで、しゃりをのせて頂けました。

ありがとうございます。美味しいです!!!

あわびのうまみが米となじんで…

とても、とても幸せな気持ちになりました。

それにしても、この米、歯ごたえは残るのに主張しすぎずほろっとほぐれ、そしてうまい
握りもいただきました。
遠目から見ても、明らかに太く、ピンクに光るのは…海老!

佐渡産の南蛮海老です。

「赤泊でとれるこの南蛮海老は、籠の網が大きいから小さいものは逃して大きいものだけをよって出荷されています。ちゃんと資源保護も考えてながら、同じ量を仕入れても、大きい美味しいものを届けてくれるんです」

と、教えてくれました。

そしてお味は、言わずもがな…ですが、大きくぷりぷりとしていて、甘い!濃厚!!!

素材を前に、その土地のこだわりを知れると愛着もより深まります。

これぞガストロノミー(美食学)

兄弟寿しの寿司職人の美食学

創業は昭和35年に本間さんのお父さんがおじさんと始め(名前の由来はそこからだそう)、白山から移転後も長く愛されてきた兄弟寿しさん。

東京で10年修行を積んだあと、新潟でお店を継いだ本間さんにこだわりをお伺いしました。

「県外のいい魚をたくさん集めても、東京の真似にしかならないなと思ったんです。

新潟でやる意味を考えたとき、地元の食材をいかにおいしく食べてもらうかだなと

最近では、料理人もそうだけど、漁師さんも頑張ってくれて魚のレベルが上がってきて、だんだん地のものを増やせるようになりました。

全体の1割(うになど)は県外産を使いますが、今は9割くらいが新潟産ですね。基本的には新潟産で勝負しようと思っています

新潟の海産資源への考え方や漁師さんのこだわりを自身も勉強しながら、新潟の旬の食材を選んでいるのだそう。

新潟を一回離れたからこそいいところも悪いところも見えるとお話してくれました。
 
お寿司をいただきながら気になったのがこの冷蔵庫。

聞くと、昔の仕組みで冷やす、氷の冷蔵庫だそうです。

「冷蔵庫は、冷風で冷やすので、素材が乾いてしまう。氷なら風なく冷やせるので素材のよさも保てます

とのこと。

昔の知恵が現代もおいしい素材を活かすことに繋がっているんですね。

醤油やお酢、米も新潟のおいしいものを選ぶ

そして、はじめて味わったしゃりの食感が気になってお米や調味料のこともお聞きしました。

「新潟の寿司屋ですから、米にはこだわって、しゃりの美味しさ日本一は目指しています

米は、あるご縁で使いだした『笑みの絆』です。寿司専用品種で、おいしく炊くのにもちょっとコツがいりますが、あっさりした食感を演出してくれます。

酢は、新潟県の岩船酢を使っていますね。

醤油は木桶で作っているコトヨ醤油、みりんとお酒とかつおだしを足してお寿司に合うようにして。

お塩が佐渡のあら塩に昆布の出汁と、しいたけの戻し汁をたして、もう一回再結晶させています。

お寿司は、しゃりと魚という組み合せのシンプルな料理ですが、奥が深い。

県外のお客さんが『新潟の食材は美味しいですね』と言ってくれたときは、すごく嬉しかったですね

東京での修行から新潟に戻ってきた本間さんだからこそ、新潟の素材の良さがより見えるのかもしれません。

ほかにも、安田瓦の器や村上のお茶など、新潟のいいものが目白押し。

あなたの知らなかった新潟の味、いいものをに出会えるお店です。

県外の方はもちろん、新潟の地元の人でも新しい感動があるはずですよ!
兄弟寿しで新潟の旬の食材を新潟ならではの味付けで、堪能してください!

兄弟寿し

住所:新潟県新潟市中央区古町通9-1461-1
電話:025-224-9581
営業時間:18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜※翌月曜日が祝日の場合は、日曜日営業、月曜日休業となります。
駐車場:なし
総席数:9席カウンターのみ
その他情報:全席禁煙、クレジットカード利用可

兄弟寿し

この記事を書いた人
さかもとみき

太平洋側生まれ太陽育ち高知のはちきん(高知で気の強い女)が佐渡島の旦那のもとに嫁ぎました。大好きなものは日本酒、苦手なものは雪。佐渡3年、新潟市1年目。スーパーはピアレマート派。二児のママでライター・コラムニストです! ブログ ⇒ 坂本、脱藩中。(http://sakamotodappantyu.com/

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