全国各地で修業を重ねた店主が新潟で腕を振るう日本料理店、古門common/新潟市


2020年10月29日 10457ビュー
日本海美食旅(ガストロノミー)プレミアムレストランでは、新潟県と山形県庄内の食文化の発信をテーマに、メニューやコースとして料理提供をしている飲食店を紹介しています。日本海美食旅(ガストロノミー)を通じて、その土地の風土や歴史を感じてください。

今回ご紹介するのは、ミシュランガイド新潟2020特別版の新潟市内で「一つ星」として掲載された古門さんです。

プレミアムレストランの古門を訪問

新潟駅から車で約10分ほど、新潟市の老舗商店街、古町があります。

そこの東堀通沿いの駐車場の裏の通りにありました!古門さん。
カウンターと個室があり、ゆっくり特別な食事をしたい人にピッタリです。

個室もテーブル席なのは嬉しいですね。

新潟の食材を中心としたおまかせ会席コース:13,200円(税込)

ガストロノミーを楽しめるのは、新潟の食材を中心としたおまかせ会席コース。

流れは、

●先付け(2~3種、季節によって前菜にもなる)
●吸い物
●お造り
●焼物
合肴
●煮物
●食事とデザート

です。

料理内容は、季節や仕入れにもよって変わってきます。

料理人の腕で旬の食材を楽しみたいと毎月訪れる常連さんもいらっしゃるそう。

古門さんでいただいた料理一部ご紹介

まずいただいたのは、お造りの佐渡産マハタの冷しゃぶ

イチョウと紅葉のかざり野菜にも季節を感じるかわいい逸品です。

さっと湯通ししたマハタは身がキュッとしまっていて美味

ポン酢にもみじおろしとねぎのスパイスが利いて、爽やかな味が口に広がります。

食感の違う皮もアクセントとなり、箸がすすむ!
次にいただいたのは焼物の村上産子持ち鮎の笹焼き

鮎はめちゃくちゃ食べてきた私ですが(高知の清流育ちで父が鮎釣りが趣味)、子持ち鮎は実は初めて。

ドキドキしながらいただきました。
まるまるした重厚感のある鮎。

……これは……!!!!

鮎独特の苦みがしない…。

「村上は最後地下水で鮎を泳がせるので、体の中に不純物もたまっていないんです。子持ち鮎が楽しめるのは、この時期ちょっとだけですね」

そうなんですね!だから苦みや渋みがないのか!

たまごは小さくずっしりと詰まっているのに、ぽろぽろし過ぎずにしっとり美味しく味わえる。

間にいただく付け合わせは、銀杏、五泉のくわい、渋皮もアクセントになる松村の栗。ほくほくです。

砂糖を使ってないのに濃い甘さのドライトマト、甘すぎずジューシーな焼きリンゴも鮎と違う食感が楽しい。

1品でこんなに季節を感じる食事を味わえるなんて!

どれも本当に食感や味が様々で子持ち鮎と共に秋を感じる逸品でした。

そして、気づいたんですけど、私、鮎の骨抜きが得意なんですけど…骨も頭も残っていない…まるまる食べてしまった。

なんでこんなにやわらかいんですか?ときくと、

「5時間かかります」

とのこと。恐れ入りました!!!
最後にご紹介するのは、煮物の甘鯛のみぞれ鍋仕立て

芳醇な出汁のにおいにそわそわしているとアツアツのおなべがやってきました!!

伝わりますか?このゆげたちのぼる感じ!

寒い体にしみ込むような優しいかつおだしにカブのみぞれがなじんで美味。

一滴も残したくありません。

一度揚げた後にたいた鯛は、汁の中にありながら味が濃縮されていておいしい。

カブや椎茸もみぞれにからまり、ほっとする味です。

古門店主の美食学

長年なだ万の料理人として全国各地で修業を重ねた店主の長谷川信司さん。

子どもの独立を機に、奥さんと二人でやろうか、なんてお話して始めたお店だそうです。

が、県内外から常連さんが足繁く通うお店となり、ミシュランガイド新潟2020特別版で一つ星として掲載。

「嫁さんと二人じゃ間に合わなくなったけど」

と笑う長谷川さんが大事にしているのは、長年培ってきた日本料理の料理の心得

地元で店をあけて9年、色んな方と知り合いになって地元のおいしいものを教えてもらえるようになった今は、その日ごとの新潟のおいしいものを選びながらコースを作っていると話してくれました。
新潟の食材を使って料理していく中で、だんだんと調味料も新潟産に切り替えたそうです。

「調味料変えるのは、基本的なことが全部変わるので料理人には一大イベントなんです」

みりんは長岡のもの、醤油は新潟醤油、酢も岩船酢にして新潟産をチョイスし使っているとのこと。

​「新潟は昔関所に挟まれて、なかなか行き来できない鎖国のような状態にあった場所。

越中富山に行こうとしたら親不知があるし、上に行こうとした鼠が関があるし、東に行こうとすると三国峠もある。

でも、外に出なくても新潟は山、里、海、揃っていて、地酒もある。酒があるってことは発酵文化があるってことだから、それも使っていきたいなと思ったんです

新潟の地形や歴史とも、料理は結びついていくんですね。

土地のものを使う思いや理由の中に、ガストロノミー(美食学)があり、料理もより一層印象に残りました。
華やかな盛り付けは、季節のものを意識し、のれんや箸置きも季節でかわるのだそう。

そういえば、今回お伺いした時の箸置きは満月と三日月でした!

日本料理の心得で五味・五感・五色・五法があります。その考えのもと、陰と陽は必ず考えながら料理を出します

新潟って、日照時間も少ないから陰か陽かでいえば陰かなと思うんですよね。

だから器は開いたもの、色は陽の器を使って華やかになればいいなと思って器を選んでいます。

おまかせって、自分でやらせてもらっているから、全てを加味して、組み立てていくんです

新潟に帰ってきて感じているのは、新潟は、米や魚がもちろん、野菜がうまいということだそう。

長谷川さんのお話をきいていると、新潟のおいしいもの、いいものがまた発見できそうな気がしてきました。
また、お酒は日本酒や焼酎だけじゃなく、ハイボールやワインも楽しめます。

特にワインは酒屋にはおろされていないKENZO ESTATEも取り揃えているのだそう。

古門でワインを飲まれる方は、このワインを飲まれることが多いのだとか。

私もお料理と一緒に一本飲んでみたい!!!

美味しいものはすぐに売り切れてしまう、知る人ぞ知るワインと日本酒を楽しめるなんて最高ですね!
古門では、新潟在住の人も、新しい新潟の魅力がいっぱい詰まった日本料理のコースが楽しめます!

もちろん、県外の方にとってもすばらしい新潟のおもてなしになること間違いなし!

ぜひ予約して新潟のおいしい日本料理を味わってください。

古門common

住所:新潟県新潟市中央区東堀通9番町1407 イーストモーストIIビル1F
電話:025-222-2120
営業時間:午後5:30~(LO/9:00)
定休日:日曜・祝日※振りかえ有
駐車場:なし
総席数:12席(カウンター8席)
個室:個室1(4名様)
その他情報:全席禁煙、完全予約制、クレジットカード利用可、PayPay利用可
※アレルギーや好き嫌いは予約時にお伝えください。ベジタリアン対応もご相談ください

この記事を書いた人
さかもとみき

太平洋側生まれ太陽育ち高知のはちきん(高知で気の強い女)が佐渡島の旦那のもとに嫁ぎました。大好きなものは日本酒、苦手なものは雪。佐渡3年、新潟市1年目。スーパーはピアレマート派。三児のママでライター・コラムニストです! ブログ ⇒ 坂本、脱藩中。(http://sakamotodappantyu.com/