紅葉の遊覧船&発酵食品を満喫!秋をたのしむツアー後編/阿賀町・阿賀野市・新潟市


2021年11月19日 4110ビュー
こんにちは!三条在住ライターの渡辺まりこです。
 
2021年11月1日~2日に行われたモニターツアー「発酵文化と歴史満喫 秋をたのしむ新潟・阿賀エリアの旅」レポートの後編です。
 
レポート前篇はこちらをどうぞ▼
2日目の行程はこちら。
 
・「将軍杉」を見物
・「阿賀野川ライン遊覧船」で紅葉狩り
・「道の駅阿賀の里」で新米おにぎりランチ
・「ヤスダヨーグルト」で工場見学
・「越後桜酒造」でVR酒蔵見学&試飲体験
・「峰村醸造 直売所」でお買い物
・「今代司酒造」で酒蔵見学
 
秋限定の紅葉風景や発酵文化に浸る充実したひとときとなりました。

神秘的なオーラが漂う、日本一の「将軍杉」

すっきりと目覚めた旅の2日目、朝一番に訪れたのは、阿賀町の三川地区にある日本一の「将軍杉」。
 
案内看板がなければ見落としてしまいそうな集落の林の中に、ひっそりと佇んでいます。
 
「日本一」といわれる理由、それは幹回りのサイズが19.31mもあること。
 
この記録は、あの有名な鹿児島県屋久島の縄文杉(16.1m)を抜いて日本トップ!
 
そんなスゴイ杉がここ阿賀町にあるなんて驚きですよね。
日本一の「将軍杉」はこちら。
 
中央の幹枝は台風で折れてしまいましたが、その周りの5本の大枝が天に向かってグングンと伸びています。
 
「将軍杉」というその名の由来は、晩年をこの地で送ったといわれる平安時代中期の武将・平維茂(たいらのこれもち)にちなんでとのこと。
 
かつて村人たちがこの杉を切ろうと決断したところ、一晩にして杉の幹や枝が沈み込んでしまったという伝説も残っているそうです。
 
将軍杉の堂々とした姿にも惹かれますし、ただならぬオーラが漂っているようで神秘的な気持ちになります。
 
まるでトトロの森に出てきた巨大な木を思わせる、静寂の中にある力強い存在感……!
 
知る人ぞ知る隠れたパワースポットとしてもひそかに人気となっているようです。
将軍杉を鑑賞したその足で、近くにある有形文化財「平等寺薬師堂」にも立ち寄ってみました。
 
見事な茅葺き屋根こちらのお堂、実はちょっと変わっていて建物内部の壁や柱に参詣者などから「墨書き」された落書きがあるそうです(通常、建物内部は非公開)。
 
このことにちなんで、敷地内には「落書庵」という立ち寄りスポットもあり。
 
落書庵は旅の記念として、訪れた人が半紙に筆で書くことを楽しむ場所で、墨で書くのは、言葉でも絵でもなんでもOK。
 
旅人同士の交流の場となっているのが、なんとも素敵です。
将軍杉

将軍杉

住所:阿賀町岩谷2242
駐車場:あり

大自然に抱かれながら紅葉を鑑賞「阿賀の遊覧船」

続いて向かったのは、阿賀町の道の駅「阿賀の里」。
 
こちらでは、遊覧船「イザベラ・バード」号に乗って、山々の景色を楽しみます。
「イザベラ・バードって何!?」と謎でしたが、どうやらイギリス人女性の名前のようです。
 
イザベラ・バード氏は明治時代の著名な旅行家で、世界各国を旅していた折、阿賀野川流域で川下りをすることとなりました。
 
阿賀野川で船旅をした彼女が放った感動の言葉、それは、
 
「(阿賀野川は)ライン川よりも美しい…!」
 
感激であふれんばかりの言葉を残したことから、彼女の名にちなんで、阿賀野川ラインを「イザベラ・バード」としたそうです。
道の駅のチケット売り場にて、乗船チケット(大人税込2,000円、小人税込1,000円)をゲット!
 
さっそく遊覧船が泊まっている船着き場に向かいましょう。
ジェット船の「イザベラ・バード」号で約40分間の船旅を楽しみます。
 
ジェット船はさほど揺れが大きくないので、「船は酔いやすいから苦手」という方でも安心です。
定員30人の座席は広々としていて快適。
 
それでは、阿賀野川渓谷の絶景に会う旅へ、いざ出発!
船はゆっくりと加速し、水面に浮かぶ船からは四方に色づき始めた木々を見渡すことができます。
 
この日の船頭スタッフさんは、のど自慢大会に出場した経験があるという、なべさん。
 
船の中では船頭さんが歌うのがお決まりで、のびやかな歌声を披露してくれました。
 
船頭スタッフさんは複数名いて、この日はお会いできませんでしたが「自称歌が日本一ヘタ」というちょっとした有名人の船頭さんもいるようです。
遊覧船から眺める紅葉は、まるで山々に抱かれているような不思議な感覚になる美しさ。
 
毛づくろいをするサルの親子(しかも5~6匹!)を発見することもでき、大自然を満喫しました。
 
船頭さんによると、阿賀野川は魚も豊富で、マス、アユ、サケなど、季節によって様々な種類の魚が獲れるとのこと。
 
美しい川、山、空に囲まれた贅沢な時間は、あっという間に過ぎていきました。
ちなみに、この日は紅葉がまだ2割ほどでしたが、ベストシーズンにはこのような素晴らしい眺めになります。

道の駅阿賀の里でランチタイム

遊覧船を満喫し、お腹が空いてきたと思ったら、もうお昼の時間です。
 
道の駅「阿賀の里」内にある、麺コーナー「マルコポーロ」でお昼ごはんにしましょう。
土日限定メニュー「新米おにぎりランチ」(税込580円)をオーダー。(取材時開催中の新米フェアのメニュー)
 
阿賀町産コシヒカリは、過去にふるさと納税サイト「さとふる」で寄付金額1位となったこともあるほど高品質!
 
最高のお米を使用した大きなおにぎりが、ふたつも付いてくるので満足感たっぷりです。
 
それに、阿賀町の郷土料理「しかみいも」(小さなジャガイモのみそ砂糖炒め)などのおかず、地元産なめこのみそ汁、デザートに地元ブランド米・新之助のポン菓子も付いてきます。
 
ふっくら炊けたピカピカの新米は、噛みしめるほどに甘い!
 
地元の食材をたっぷり使った優しい味は、五臓六腑に染み渡るようでした。
 
テイクアウトできるおにぎりは、阿賀野川を眺めながらいただくのもおすすめ。
 
山々を見下ろす絶好の景色を眺めながら新米おにぎりを頬張れば、最高に美味しくて贅沢な時間になりそうです。
道の駅阿賀の里

道の駅阿賀の里

住所:新潟県東蒲原郡阿賀町石間4301
営業時間:平日 9:00~16:00 / 土・日・祝日 9:00~17:00
TEL:0254-99-2121
定休日:なし

工場見学&ショップでお買い物「ヤスダヨーグルト」

突然ですが、阿賀野市は「新潟県の酪農の発祥の地」であることをご存じでしょうか?
 
お次に訪れたのは、阿賀野市安田地区の「ヤスダヨーグルト」です。
 
平日と土曜の午前中に、ヤスダヨーグルトを製造する工場の見学をすることができます(参加無料・3日前まで要予約)。
 
工場前にある牛が描かれたタンクが可愛くて、テンションがあがる!
 
スタッフさんのていねいな解説で、この地域で酪農がはじまった経緯やヤスダヨーグルトの魅力をたっぷりと知ることができました(所要時間約15分)。
ガラス越しに見える、製造ラインは食品工場好きにはたまらないはず…!
 
おなじみのヤスダヨーグルトの青いラベルが貼られた容器がぞろぞろ並び、ヨーグルトが充填されていく様子がたまりません。
 
1日に製造される本数は、大きなサイズ(900g)は約1万本、小さなサイズ(150g)は約2万本。
 
年末年始やお盆前などの繁忙期には、その2倍は製造されるというのだから驚きです。
工場見学の記念に、ヨーグルトドリンクをいただいちゃいました。
 
フレッシュな生乳だけを使うことで、香料や安定剤なしでつくるのがこだわりとのこと。
 
第一声は「濃厚!!!」この言葉に尽きます。
 
飲むヨーグルトの最高峰といっても過言ではないですね。美味しい!
工場見学の後は、道路向かいにあるショップ「Y&Yガーデン」でお買い物です。
 
ここではヤスダヨーグルトの商品を購入できるショップや休憩スペースが用意されています。
ソフトクリーム、ワッフルなどの店舗限定メニューもあり。
 
地域の酪農家が愛情を込めて育てた牛のフレッシュな生乳でつくるので、濃厚な風味がケタ違いです。
 
その他、果物のパイ、焼菓子、パンなど、特別なメニューがいっぱい。
 
テーマパークを思わせる緑にあふれたにぎやかな空間で、甘いスイーツをいただく幸せなひとときでした。
ヤスダヨーグルト Y&YGARDEN

ヤスダヨーグルト Y&YGARDEN

住所:新潟県阿賀野市保田733-1
営業時間:9:00~17:00
TEL:0250-68-5151
定休日:なし(元旦を除く)
※工場見学(無料)は3日前までに要予約

新潟県で唯一体験できる!VR酒蔵見学「越後桜酒造」

阿賀野市の発酵文化も満喫したい!
 
というわけでやってきのたが「越後桜酒造」です。
 
華やかでフルーティーな大吟醸から気軽に飲めるパック清酒まで、様々なラインナップをそろえる蔵元ですが、新潟県で唯一の「VR酒蔵見学」ができる蔵元としても注目を集めています。
「VRで酒蔵見学をする際は、こちらのゴーグルを頭にかぶってくださいね」とのこと。
 
初VR体験なので頭がハテナでいっぱいになりましたが、実際に体験してみると「なるほど!」と納得。
 
まるで本物の蔵の中にいるように360度見渡すことができ、蔵人さんたちの会話が聞こえてきそうなほどリアリティーにあふれています。
 
日本酒の仕込みから絞って出荷までの工程を学ぶことができ、長い月日をかけて発酵させるお酒のありがたみを感じられました。
VRゴーグルを装着して、蔵見学をする私たち……かなりシュールです(笑)
蔵見学の後は、お待ちかねの試飲タイム。
 
越後桜酒造店舗でしか購入できない貴重な日本酒をいただきます。
 
この日用意されていたのは、「越後桜白鳥蔵大吟醸斗瓶取」「白鳥蔵純米大吟醸」「越後桜白鳥蔵大吟醸生しぼり」の3種類。
 
今回、私は試飲をしませんでしたが、飲んだ方々は絶賛の嵐が止まらない!
 
華やかな香りとお米のうま味が口いっぱいに広がる、フレッシュでフルーティー、爽やかで飲みやすいなど、どれも個性を感じる絶品のお酒だったようです。
「ノンアルコールドリンクもありますよ~!」と試飲用に用意してくれたのが甘酒2種。
 
よく冷えたプレーンの甘酒は、麹特有のクセがなく、ゴクゴク飲みやすくてさっぱり。
 
越後姫のいちごを使ったフレーバー甘酒は、酸味を残した果実感と甘酒の相性がぴったりで、思わずおかわりしてしまうほどの美味しさでした。
 
太っ腹な越後桜酒造さんは、常時数種類の日本酒や甘酒をテイスティングできる試飲コーナーを設けています。
 
実際に飲んでみることで、自分好みの一本を見つけられるので、これはかなり嬉しい心づかいですよね。
越後桜酒造

越後桜酒造

住所:新潟県阿賀野市山口町1-7-13
営業時間:10:00~16:30
TEL:0250-62-2033
定休日:月曜
※VR酒蔵体験は要予約

越後みそのオリジナル商品が集合!「峰村醸造」

阿賀野市から車で約30分、新潟市・沼垂(ぬったり)地区に移動。
 
到着したのは、みその蔵元「峰村醸造」の直売店です。
 
沼垂地区は、みそ、日本酒、ビールなどの醸造文化が盛んなエリア。
 
長い歴史をもつ「発酵を発信するまち」として多くの観光客を惹きつけています。
峰村醸造の直売所に並ぶのは、みそや甘酒のほか、みそを使ったもつ煮やハンバーグ、みその漬物、みそ汁用のダシセット、みそを練り込んだバームクーヘンなど実にさまざま。
 
コロナ禍の中でさまざま工夫をされており、なかでも人気なのが2.5kgのお徳用みそ。これを目当てに買いにくるお客さんも多数なのだとか。
みそといえばみそ汁を思い浮かべがちですが、使用用途はそれだけにあらず!
 
コク出しをしてくれる魔法の調味料として、惣菜やスイーツに変身してしまうのにはびっくりしてしまいました。
峰村醸造 直売店

峰村醸造 直売店

住所:新潟県新潟市中央区明石2-3-44
営業時間:10:00~17:00
TEL:025-250-5280
定休日:12月31日~1月1日

洗練された雰囲気を醸す酒蔵を見学「今代司酒造」

旅の最後に訪れたのは、峰村醸造から徒歩4分のところにある「今代司酒造」です。
 
JR新潟駅から徒歩20分とアクセスしやすいことから、「新潟駅から歩いて行ける酒蔵」として県外客にも人気となっています。
創業1767年と歴史がある蔵ながら、古さと新しさが共存する洗練された雰囲気が特徴。
 
要予約の酒蔵見学では、スタッフさんが日本酒造りの工程についてていねいに解説してくれました。
かつて酒造りに使用していた、昔懐かしい道具の展示も。
 
現在は効率と衛生を考慮して機械が導入されていますが、昔はすべて手作業だったのかと、その苦労を想像してしまいました。
 
まるで何百年も前にタイムスリップしたかのように、ノスタルジックな空間です。
酒造見学を終えた後は、無料のテイスティングコーナーへ。
 
この日に用意されていたのは、甘酒2種類と日本酒1種類。
 
まるで飲むヨーグルトのように爽やかな乳酸発酵甘酒「もと」は、初めての味で驚き!
 
ノーマルの甘酒もさっぱりとしていて、越後桜酒造さんの甘酒とはまた違った美味しさがありました。
 
純米酒10種類以上を1,000円(税込)でテイスティングできるコーナーも用意されており、蔵元の酒をめいっぱい楽しむことができます。
ユニークな「地酒ガチャ」「発酵ガチャ」も発見!(税込400円)
 
ハズレなしのガチャは1等から5等までのクジが入っており、日本酒や甘酒、大吟醸スイーツなどが当たります。
旅の締めは、日本酒スイーツで。
 
純米大吟醸ソフトクリーム(税込380円)と浮き星ソフト(税込430円)は、純米大吟醸がほんのり香る大人のスイーツ。
 
濃厚なコクとミルクの風味がマッチする、酒蔵とっておきの芳醇な味わいです。
今代司酒造

今代司酒造

住所:新潟県新潟市中央区鏡が岡1-1
営業時間:平日/13:00~17:00、土・日曜・祝日9:00~17:00
TEL:025-245-0325
定休日:12月31日~1月3日
※酒蔵見学(無料)は要予約

五泉市、阿賀町、阿賀野市、新潟市を巡る1泊2日の旅はこれにて終了です。
 
地域の特産品や発酵食品、秋限定の雄大な景色を眺める特別感あふれるひとときとなりました。
 
新潟のローカルの楽しさが詰まった旅の魅力は、県内外問わずぜひ多くの人に知ってほしい!
 
この秋は、紅葉を眺めながら地域文化に浸る旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

ツアー2日目に訪れたところ

この記事を書いた人
渡辺まりこ

新潟県三条市在住のフリーライター。主人が“金物のまち”を代表する職業の包丁職人ということから、地場産品に興味が芽生え、ローカルのおもしろさを日々発信中。 これまでの執筆実績はブログで紹介しています。http://www.watanabemariko.com/

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