ランチにおすすめ!古民家カフェ矢代で味わうスリランカ風カレー/妙高市


2024年12月16日 241ビュー
「〇〇さん、いらっしゃい。」

そんな温かい言葉で迎えてくれるのが、今回ご紹介する「古民家カフェ矢代」。

1956年に建てられたこの古民家は、2020年に地域住民の手で改修し、カフェとしてオープン。先日4周年を迎えたばかりです。

どこか懐かしい「おばあちゃんち」のような空間で、地元の食材を使ったホッと温まるランチはいかがですか?

重厚な古民家の佇まいとくつろぎの空間

築60年を超えるこちらの古民家は、建具や梁も当時のまま。できる限り元の家の雰囲気を活かし、必要な部分のみ手を加えて再生しています。

奥の部屋は畳になっていて、座卓スペースもあり、冬にはこたつが登場。襖で仕切ることもでき、この日は女性グループやお子さん連れの楽しそうな声が聞こえていました。

日本人の舌に合う!スリランカ風カレー

古民家カフェ矢代のイチオシメニューは「スリランカ風カレー」。

「え?古民家でスリランカ風カレー?」

ギャップのあるメニューに驚きましたが、地域にお嫁さんに来たスリランカの方に教えてもらって開発したメニューとのこと。

本場のスリランカカレーよりもマイルドな辛さで、日本人の舌にピッタリです。

実は私も辛いカレーがあまり得意ではないのですが、こちらのスリランカ風カレーはスパイスの風味を楽しみながら完食することができました。

スリランカ風カレーは土曜日のみの限定メニューなので、曜日をチェックしてから出かけてくださいね。

地域の食材を使った笹寿司定食

そのほか定食メニューもあります。

私のおすすめは笹寿司定食。「笹寿司」とは妙高周辺の郷土料理で笹の上にご飯、具材が乗っています。

笹を使う由来には諸説ありますが、笹の葉は殺菌、防腐効果があり、上杉謙信が戦のときに保存食として食べていたとも言われています。

今回いただいた笹寿司は、矢代地域で採れたお米に、春に採ったゼンマイや旬の大根の葉を使用したもの。

定食セットのお味噌汁には、同じく地域で採れた里芋が使われていて、旬の野菜やこの地域ならではの保存食を楽しむことができました。
ちなみに我が家の4歳の息子はきつねうどんを注文。
子どもの好きなメニューがあるのも推しポイントです。

食後はメープル紅茶でホッと一息

食後のデザートは手作りのシフォンケーキと、メープルサップを使ったメープル紅茶。

「メープルサップ」とは「メープルシロップ」に煮詰める前の樹液のこと。お湯を使用する代わりにこの樹液を使って紅茶を淹れてくれます。砂糖を入れなくても、ほんのり甘くてやさしい味わいで、ケーキとの相性もバッチリでした。

実はこの樹液も地域で採取しているものなんです。店内にはメープルサップ採取の様子が飾られています。

地域の人の集いの場でありたい

古民家カフェ矢代を運営するのは、矢代古民家活用の会の皆さん。
代表の清水康男さんにお話を聞きました。

17年間空き家になっていた古民家が素敵なカフェに変身するきっかけは、ある出来事が重なったことでした。

「2019年5月に、この地域の集いの場でもあったある温泉施設が閉館になったんです。そんな折、2020年春にこの家が取り壊されると知りました。こんなに素敵な古民家を取り壊すなんてもったいないという気持ちと、地域の集う場所がなくなった寂しさやこのままじゃいけないという思いが住民の間で広がっていったんです。」

前の持ち主から家を譲ってもらった後は、この場所をどのように使っていくのかを考えました。
「地域の人が集う場所にしたいという思いは明確でした。でも家を維持していくには、固定資産税や光熱費、火災保険料などを支払うために資金が必要ですよね。収益を上げる方法を検討した結果、カフェという形に辿り着いたんです。」

古民家の再生には毎週末15~20名の地域住民が集まり、作業や掃除を行っていたといいます。

なるべくお金はかけずに、自分たちの手で作り上げてきた地域の居場所です。

地域外の人にとっても、実家のように落ち着ける場所に

「最近はリピーターも増えています。県内や長野など周辺地域から来てくれる方もいますが、東京や愛知など遠くから来てくれる方もいるんです。」

そう言って清水さんはあるノートを取り出しました。

「一度来てくださった方は、どんな方だったか、何を話したかなどノートにメモしているんです。次に来てくれたときには、玄関を入ってきたところでお名前を呼んで迎えるのが私の役割。近況を聞いたり、思い出話をしたり、カフェを通してつながりができることが嬉しいですね。」

そう話す清水さんは、お客様が入ってくる度に「〇〇さん、お久しぶり」「こないだはありがとうね」と声をかけに行きます。

この日も奥の部屋には県外から予約して来たリピーターの方がいて、楽しそうにおしゃべりしていました。

子連れでも気兼ねなくゆっくりできる空間

私はよく子どもを連れていくのですが、子どもはここが大好き!
「面白いおじさんいるよね?」と毎回楽しみにしています(笑)

それくらい子どもに対しても優しく、ときには一緒に遊んでくれて、親としては気兼ねなく食事に行けることがとても貴重で嬉しいです。周りのお客様も温かく見守ってくれて、心穏やかに過ごすことができます。

実家に帰ってきたようなホッとする空間で、時間が経つのを忘れてついつい長居してしまいました。
食材やスタッフの皆さんから地域の温かみを感じる「古民家カフェ矢代」。

ご友人と懐かしい思い出話をしたい方はもちろん、我が家のような小さい子ども連れでゆっくりランチを楽しみたいご家族や友人グループでの利用にもおすすめです。

ぜひ一度足を運んでみてくださいね!
古民家カフェ矢代

古民家カフェ矢代

住所:新潟県妙高市志746-1
電話:0255-77-4710
営業日:金、土、日 ※スリランカ風カレーは(土)のみ。
営業時間:10:00〜15:00(ラストオーダー14:30)
※夜の営業はご予約のみ、要問い合わせ

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer