【NEW OPEN】「MAHORA西野谷」で古き良き日本のあたたかさを感じよう/妙高市


2024年05月09日 615ビュー
(画像提供:MAHORA西野谷)

チョロチョロと流れる水路の音。
目線の先に広がる田園風景。
ボボボボっという重いエンジン音が聞こえ、チェーンソーで丸太を切るおじさんの姿が見える。

そんな里山の風景の中に佇むのが、今回ご紹介する体験型宿泊施設「MAHORA西野谷(まほらにしのや)」です。 2024年4月6日にオープンしたばかりの宿をいち早く体験してきました。

築120年を超える古民家をリノベーション

玄関で出迎えてくれたのは、オーナーの蔡紋如(サイウェンル)さん。 「どうぞ」と促されて、重厚な古民家の玄関をくぐりました。
体験型宿泊施設「MAHORA西野谷」は築120年を超える古民家。
10年以上空き家だった古民家をリノベーションした宿です。

玄関を入ると、スッと奥まで開けた土間。
梁や柱からは年月の重みを感じます。
ふと天井を見上げると、そこには茅葺きの屋根。 屋根の外側はトタンを被せてあり、外からは茅葺き屋根を見ることはできませんが、一歩中に入ると内側からは茅葺きが見えるような設計に。

古民家らしさを感じられる囲炉裏の部屋

居間へ上がると、そこには古民家を象徴する囲炉裏。

大きな窓からはそよそよと柔らかい風が入り込み、妙高ののどかな田園風景を望むことができます。

洗練された寝室

(画像提供:MAHORA西野谷)

寝室は3部屋。ベッドルームが1つと布団を敷く和室タイプの部屋が2つです。 台湾のメーカーから取り寄せている寝具は、オーナーの蔡さんのこだわり。

女性が心地よく過ごせるように

またバスルームにはマイクロバブルを搭載したシャワーヘッド、女性にとってうれしいアメニティの数々。

ここにも蔡さんの思いが詰め込まれています。

「古民家宿って男性向けのところも多いですが、MAHORAは女性が心地よく過ごせるような空間を目指しているんです。」

囲炉裏を囲んで五平餅作りを体験

冒頭でも紹介した通り、「MAHORA西野谷」は体験型宿泊施設。 地域と関わるさまざまな体験プログラムを考えています。

今回は地元で採れたお米を使った五平餅作りを体験してきました。

まずはごはんをすり潰していきます。
ちなみにこのお米は蔡さんの旦那さんが作ったもの。

「共同経営者である夫は米農家なんです。この宿で提供するお米は夫の米ですし、田植えや稲刈り体験のご要望があれば夫が担当する予定です。」

ごはんがまとまってきたら、丸めて串に刺し、囲炉裏の中へ。

これがやってみると意外と難しい……。 火に近づけすぎると焦げるし、遠すぎると焼き目がつかない…… そうこうしているうちに、串から餅が滑り落ちてしまうことも。

作業自体は簡単なのですが、火加減ひとつにしても見守りが必要。囲炉裏を囲んで五平餅をひっくり返しながら、自然と会話が弾みます。
ある程度焼けてきたら、味噌だれを塗ります。

この味噌もなんと自家製!この地域に伝わる在来種「西野谷豆」という大豆で仕込んだ味噌を使っています。

地域とつながる。家族みんなで田舎体験を

五平餅を焼きながら、オーナーの蔡さんに宿のコンセプトや立ち上げに至る思いをお聞きしました。

 「1番大きなきっかけは、今私が住んでいる家の裏にあった古民家が解体されたことです。妙高は雪が多いから家の管理が大変で、空き家になると解体してしまう家が多いんです。こういった歴史ある古民家はそう残っていません。私は2014年に妙高に移住してからずっと観光の仕事に携わってきて、地域の魅力を残していきたいという想いがありました。でも、この出来事を機に、もっと早く行動しないとダメだなと思ったんです。」

そんな地域に対する危機感を持った矢先、妙高市の空き家バンクでこの古民家が売りに出ていることを知りました。

「この家の元の持ち主とも知り合いだったので、すぐに連絡して内見をしました。そしてそのまま購入を決めたんです。」

そのときはまだ、古民家で何をするかまでは決めていませんでした。
「元々、宿をやりたいってわけでもなかったんです。ただこの古民家と出会って、日本の昔の暮らしを体験してもらえたら面白いかなとイメージが湧きました。私、縁側が好きで。その空間で広がる地域の人との交流や田舎で過ごすゆったりした時間、昔ながらの暮らしを感じてもらうなら、宿かなと。」

想定している客層は、都心で暮らす家族。4〜6名ぐらいで、2泊3日の田舎体験をするのにおすすめ。
「この建具も地域のお宅から使っていないものを譲ってもらったんです。宿で使うものは元々地域にあった今では貴重なもの、そして私が選んだ日本の風土や歴史を感じられるものです。 その分、管理や手入れに気を遣うことも多いですが、うちは子どももウェルカムな宿。 小さいうちから日本の文化や自然に触れることが大事だと思うんです。」

また帰ってきたいと思える第二のふるさとに

(画像提供:MAHORA西野谷)

宿の食事は、自炊か串焼き、地域のお母さんとの郷土料理体験などが選べます。

「〇〇さんがいるから会いに行きたいと思える、地域の方との関係性ができるといいなと思っています。そのために、地元の方に協力してもらって、体験コンテンツを増やしていきたいんです。」

シェアキッチンを使ったイベントも

(画像提供:MAHORA西野谷)

また、宿泊スペースとは別にシェアキッチンを備えたコミュニティスペースも。こちらでは地域内外の方がさまざまなイベントを行うことが可能。

交流イベントを開催したい、飲食店営業のお試しをしてみたいなど、この空間を使って新しいつながりが生まれることが期待されます。

「文化複合施設のようなイメージですね。私自身、田舎で暮らしていて感じるのは、もう少し刺激が必要だなということ。外の人と関わったり、新しい視点が加わることで、地域で暮らす私たちの考え方も変わっていくと思うんです。 」

地域の魅力を次の世代に伝えたい

妙高市に移住して約10年、その間生活面でも仕事面でも、地域の方たちと交流してきた蔡さん。

「皆さんすごく優しくて、慣れない移住生活を助けてもらったので、 皆さんの地域に対する思いを大事にしたいと思っています。私、何をやるにしても自分で完結するタイプではないんです。いかに自分だけではなくて、地域の方にも喜んでもらえるかを常に考えていきたいですね。」

地域の人口が減って、近くの保育園がなくなったり、祭りの屋台も出なくなったり、地元の方はさまざまな課題や寂しい気持ちを感じてきました。

「この宿を通して、外から人が来ることで地域が元気になればいいなと思います。田舎のあたたかな関わりを体験したい方にぜひ来ていただけたら嬉しいです。」
体験型宿泊施設「MAHORA西野谷」

体験型宿泊施設「MAHORA西野谷」

住所:新潟県妙高市西野谷54
問い合わせ:公式サイト問い合わせフォームより
利用料金:時期により変動制(詳細は公式サイト予約ページよりご確認ください)

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer