豊富なオリジナル商品と美味しいものを情熱をもって届ける――「スーパーいまがわ紫雲寺店」/新発田市


2025年06月09日 170ビュー
新潟県立紫雲寺記念公園や藤塚浜海水浴場のある新発田市紫雲寺地区は、海辺で過ごしたい県内外の観光客にとって、隠れた人気を誇る“観光の穴場”です。その紫雲寺地区の中心部を通る県道3号線沿いに、オリジナル商品で注目を集める「スーパーいまがわ紫雲寺店」があります。
新発田市街からは少し離れていますが、品揃えの充実ぶりで地元の人々はもちろん、キャンプ客やツーリング客からも人気を集め、時間帯を問わずお客さんが絶えません。
「新潟でも、うちでしか買えない商品を置いていますから」と話すのは、オーナーの今川和明さん。実はこの県道3号線沿いは、スーパーマーケットの空白地帯でもあります。「小さな町で、最後の砦としてこの店が生き残るにはどうしたらいいか。考えた末に行き着いたのが、地場産のオリジナル商品だったんです」。

カニ好き必見! 名物「カニまるっと甲羅詰め」

看板商品の一つが、「カニまるっと甲羅詰め」。その名の通り、ほぐしたカニの身を甲羅にぎっしり詰めた商品で、価格帯やサイズも選べます。主に佐渡産のズワイガニや毛ガニを使用し、身が引き締まる時期に獲れたカニを蒸し上げてから冷凍。旨みを閉じ込めた一品です。
 
解凍するだけでそのまま食べられる手軽さと、年間を通じて旬の味を楽しめる点が好評で、贈答用・お土産用のみならず、自宅用にも多く購入されています。
なぜこの商品を開発されたのかと尋ねると、社長はにっこり笑ってこう答えてくれました。「自分のためなんですよ。カニは好きだけど、食べるのに手間がかかるでしょう?」。

越後姫や紅はるか──地元の逸品が揃う農産品

農産物も鮮度を重視し、地場産を中心に、その時期に最適な産地・生産者から仕入れています。
特に社長が「ここでしか買えない」と胸を張るのが、長谷川仙一さんが生産するイチゴ「越後姫」。味の安定感と美味しさが評判で、「長谷川さんの越後姫はいつも美味しいので、全部うちに出してもらっています」とのこと。出荷時期は例年6月半ばまでです。
この越後姫の味を一年中楽しめるように開発されたのが、「えちごひめゼリー」です。実際に味わってみると、生のイチゴならではの爽やかな風味が際立ち、一般的な「イチゴ味」とは一線を画す美味しさです。さらに嬉しいことに、旬の越後姫を凍らせて提供する新商品も、まもなく登場予定だそうです。
もう一つの自慢は、地元農家・川上勝之さんが生産するさつまいも「紅はるか」。今川社長が惚れ込んだこの「紅はるか」は、通常よりも糖度が2〜3度高く、格別な甘さで人気を集めています。その美味しさを秋冬以外の季節にも届けるべく、現在は新たな製品の開発が進められています。販売中のオリジナル商品「超濃厚 焼き芋アイス」には、長岡産の紅はるかを使用。さつまいもの風味と素材感をしっかりと活かしながら、やわらかな甘みとシャリっとした食感で、ついもう一口食べたくなる美味しさです。このアイスは今季限定のため、気になる方はお早めにチェックしてみてください。

お惣菜がすごい! 冷めても美味しい地元の味

「スーパーいまがわ」で地元の人たちに長年愛されているのが、自社製のお惣菜です。店内で揚げる厚揚げ、鶏の半身揚げ、味メンチは特に人気で、時間帯によっては売り切れてしまうことも。共通する魅力は、「冷めても美味しい」こと。コツは「下ごしらえをしっかりすること」だそうです。油っこさがなく、素材の旨みが引き立ち、若い人から年配の方まで幅広く支持されています。
 
また、新潟の郷土料理「のっぺ」や、地元・川瀬養鶏場の最高級卵を使用した茶碗蒸しも評判。特に茶碗蒸しは濃い卵色が美しく、食べごたえも十分で“主役級のおかず”として存在感があります。

郷土食を守る、もう一つの使命

「スーパーいまがわ」では、失われつつある郷土食の継承にも力を入れています。その代表格が「鯉の甘露煮」。新潟では鯉を食べる文化があるものの、最近では入手が難しく、家庭で調理する機会も減っています。
今川社長は福島県郡山市の養殖業者から鯉を仕入れ、骨まで食べられる甘露煮に加工して提供。昔ながらの味を求めて、市外から訪れるファンもいるそうです。

お土産にも最適!県内銘菓が勢揃い

オリジナル商品や地元食材だけでなく、新潟各地の地酒や銘菓も充実しており、お土産選びに困ることはありません。地元・新発田では翁屋の「翁最中」やスギサキのアイス、新潟県内では上越・かなざわ総本舗の「出陣餅」、長岡・長命堂飴舗の「飴もなか」などがずらりと並び、目移り必至。取材に訪れた日は大人気の「飴もなか」が売り切れでした。店頭に設置された自動販売機では、新津・御菓子司 羽入の「三色だんご」や、懐かしい「給食のクレープ」も取り扱っており、24時間いつでも購入できます。

地元にも観光客にもやさしい、町の宝

お年寄り世帯が多い地域のため、今川さんは、惣菜や郷土食を少量から買えるように工夫されています。少人数家庭でも手軽に利用できる配慮がうれしいポイントです。旅行客にとっても、地元で親しまれている味を“ひとり分”から気軽に試せるのは魅力的。ここでしか手に入らないローカルの美味しさに出会えるお店です。
「古き良き町の小さなスーパー」といった趣で、店内も和やかで居心地のよい雰囲気ですが、その裏にはオーナーの熱い情熱が宿っています。「とにかく動き続けること」をモットーに、地場素材を活かした新商品の構想も進行中とのこと。年中無休で営業しており、20台停められる駐車場も完備。そのうえ、各種電子決済にも対応しています。
少し足を伸ばしてでも、ぜひ訪れてほしい店、「スーパーいまがわ紫雲寺店」。わざわざ行く価値のあるお店として、太鼓判でおすすめします。
スーパーいまがわ 紫雲寺店

スーパーいまがわ 紫雲寺店

住所:新潟県新発田市稲荷岡2119
TEL:0254-41-2335
FAX:0254-41-4454
営業時間:8:00~21:00
定休日:無休
駐車場台数:20台

スーパーいまがわ 紫雲寺店

この記事を書いた人
もち

新潟→東京→新潟。新潟在住ながら、仕事で各地を行き来する生活をしています。アート、旅、本、動物が好き。新潟のおすすめローカルフードは餅菓子や旬の果物。旅行の計画を立てることや、お土産選びが趣味です。