月岡温泉の若手経営者たちによる街おこし会社ミライズが手掛けたコンセプトショップが12店舗に!全店紹介します【前編】/新発田市


2026年04月02日 17ビュー
月岡温泉は美肌効果があるとされ、磐梯熱海、いわき湯本と並び「磐越三美人湯」と評されています。2014年には開湯100周年を迎えるにあたり、記念イベントを企画する委員会が立ち上がりました。
「それが未来委員会という名称でした。周年の節目が終わった後、月岡温泉をどうしていったらいいのか、集まった若手旅館経営者で作ったのが『ミライズ』です」と、代表を務める「白玉の湯泉慶」の女将、穴澤恵子さんは振り返ります。
打ち出したのはずばり「歩きたくなる温泉街」というコンセプトでした。
近年、月岡温泉街には空き店舗や空き家が増えてしまったことが課題になっていました。そこでミライズが始めたのは、その空き店舗を活用して新たな店舗を造り、訪れた人たちが周遊できるような街をつくること。2014年に最初の店をオープンさせ、以後1年に1店舗のペースで店を増やし続けています。そして現在(2026年春)、ミライズが手掛けた店は全部で12店舗になりました。それぞれどのようなお店なのか、前後編に分けて全てご紹介します!

記念すべき1店舗目は日本酒の店「蔵 KURA」2014年

2014年にオープンした1号店は、かつて饅頭店だった店を改装した日本酒専門店「蔵 KURA」です。
空き店舗を街の魅力に変えていこうという、ミライズの取り組みに合致した物件でした。
蔵 KURA」では新潟県のほぼ全ての酒蔵の酒を扱っており、およそ100種類の酒を有料で試飲できます。
試飲したい人はレジで「おはじき」(1セット3枚600円・税込、以下すべて税込)を購入。棚に並んでいる酒に付いている番号をスタッフに伝える、というシステムです。
1番から90番はおはじき1枚で1杯。91〜96番は2枚で1杯。97〜99番は3枚で1杯が楽しめます。さらに100番(1,000円)、101番(1,200円)は、限定酒など1万円越えの高級酒がラインナップされています。
どれがいいのか、迷った人はぜひスタッフに尋ねてみてください。
中にはここでしか手に入らないオリジナル商品もあります。その名も「新潟地酒 蔵」(720ml、3,980円。試飲はおはじき2枚)。地元の王紋酒造による超淡麗100%純米吟醸酒で大辛口ですが、ドライな口当たりで食事と一緒に楽しめるそうです。また冷やから熱燗、ロック、炭酸割といずれの飲み方でもおいしくいただける1本です。
店内では酒のおつまみも販売。柿の種やジャーキーなど、お好みのものを買って試飲のお供にすることもできます。ほかに無料提供で、あご、真鯛、のどぐろのだし塩3種も用意。これらの塩は「旨 UMAMI」で購入できます。

新潟地酒 premium SAKE 蔵 KURA

住所:新潟県新発田市月岡温泉566-5
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(13:00〜14:00は昼休憩)
定休日:無休

テーマは新潟の旨味。発酵食品、漬物、お出汁…「旨 UMAMI」2015年

蔵 KURA」の成功に手応えを感じ、翌年にオープンしたのが「旨 UMAMI」。
こちらのテーマはずばり新潟の旨味で、店舗入口の看板には「出汁や味噌、醤油や海産物まで新潟ならではの旨味をお買い物できるセレクトショップ」と紹介されています。
こちらはかつて玩具店だったところ。細長い造りになっており、入口を背にしてレジから左側に並ぶのは、明治38年創業、新潟市の老舗・峰村醸造の漬物や出汁など。
右側には新潟市の水産物仲卸業者、大栄魚類の干物などが並んでいます。
店内には試食コーナーが設けられています。用意されているのは峰村醸造の漬物が数種類と、「旨 UMAMI」のオリジナル商品である味噌「月岡朝ごはんシリーズ」です。
峰村醸造の漬物は、製造が大正時代から続く歴史ある一品。塩漬けにした野菜の塩を抜いてから、旨味たっぷりのタレに漬けるという手間をかけており、塩味に加えほんのりと甘みも感じられる漬物です。
「月岡朝ごはんシリーズ」は、県産南蛮海老を辛子味噌に漬け込んだ「南蛮海老みそ」、日本海産のどぐろを米味噌に漬け込んだ「のどぐろみそ」、ブランド豚越後もち豚を米味噌でじっくり煮込んだ「越後豚みそ」の3種類が販売されています。
地元・新発田のコシヒカリを用意されたトレーに盛り付け、選んだお好みの漬物や味噌と一緒にいただきます。ポットには峰村醸造のお出汁も用意され、旨味をたっぷり感じることができました。どれも美味しくて迷いましたが、味噌と漬物をいくつか購入。実際に食べてみると、お買い物の参考になりますね。

新潟地物 premium SELECTION 旨 UMAMI

住所:新潟県新発田市月岡温泉565-1
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(12:00〜13:00は昼休憩)
定休日:水曜日・金曜日

せんべいの手焼き体験ができる「田 DEN」2016年

次にご紹介するのは米菓の店「田 DEN」です。こちらは下駄、草履などの履き物を扱っていた店を改装したもの。かつて月岡には多くの芸者がいて、履き物の需要があったそうです。そんな街の歴史を感じさせる場所のひとつです。
田 DEN」ではせんべい焼き体験(1,500円)ができます。必要な時間は30分ほど。自分で醤油だれを使い絵付けをするため、世界に1枚のオリジナルせんべいを作れます。最初に、せんべい生地を両面がうっすら色付くまで焼きます。
次に、醤油を使って絵や文字を描きます。絵の具のように描いた部分がハッキリしないため、たっぷり醤油を付けたくなってしまいますが、少しの量で薄く描くことが上手に仕上げるコツだそうです。
絵付けしたものを、網から40センチほど浮かせた状態で温めて焼きを入れると、絵が浮き出てきます。程良くキツネ色になったらせんべいの両面に刷毛で醤油を塗って味付けです。その後、焦げない程度に網から離して熱気でせんべいを乾かしたらひとまず完成。細かい部分でいろいろコツがあるのですが、スタッフが丁寧に教えてくれるので大丈夫ですよ。
このまま袋詰めするとせんべいの熱さで湿気てしまうため、うちわであおいで粗熱をとったら、袋に入れて密閉。箱詰めして完成です。
店内には米菓メーカーの直売店でしか買えない「こわれ煎餅」のコーナーもあります(1パック400円/3パック1,000円)。ほかにも新潟県限定フレーバーのばかうけや、横綱大の里の出身高校・新潟海洋高校相撲部が開発した「ごっつぁん蟹煎餅」など、県内各地の煎餅が販売されています。なお煎餅の品揃えは、その時々で変わるそうです。

新潟米菓 Premium SENBEI 田 DEN

住所:新潟県新発田市月岡温泉562-1
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(13:00〜14:00は昼休憩)
定休日:月曜日・水曜日・金曜日(ほか臨時休業あり)

県内ワイナリーの商品を扱う「香 KAORI」2016年

蔵 KURA」が日本酒好きにたまらない店だとすると、元文房具店を改装した「香 KAORI」はワイン好きにはたまらない店。新潟県内ほぼ全てのワイナリーのワインを扱っているそうです。赤、白、ロゼのほかにオレンジワインなどもありました。「フルーツのオレンジが入っているわけではなく白ブドウを使っているのですが、注いだときの色味に由来して『オレンジワイン』と呼ばれています」と、スタッフが教えてくれました。
こちらも試飲を行っており、それぞれ300円、400円、600円、900円の4つの価格が設定されています。試飲時にはささやかなおつまみをサービスで提供。取材した日は一口大にカットされたサラミが付いてきました。
試飲で人気があるのは一番高い900円のもので、ボトルで購入すると1万円を超える高価格帯のワインなのだとか。やはりいきなり買うには迷うので、まずは味見をしてから…という方が多いのでしょうか。ほかにパッケージが可愛いものも試飲されることが多いそうで、越後ワイナリーの『YUKIMURO OBAKE』なども、人気の高い1本だそうです。
ボトルのそばには「自社畑で製造したぶどうのみを使用し、雪室貯蔵庫で熟成」や「その年の最高のぶどうのみで醸造する最高級赤ワイン」など、分かりやすい解説が添えられています。
店内がワイン樽を思わせる内装というのも印象的。ワイン樽といえば、試飲用のテーブルは実際の樽をリメイクしたものが使われているのも注目ポイントです。
お酒が苦手な人にはノンアルコールのぶどうジュース(440円)がおすすめ。ぶどうのほか、ブルーベリーやカシスも入っており、こくのある深い味わいの一杯でした。

新潟飲物 Premium TASTE 香 KAORI

住所:新潟県新発田市月岡温泉552-32
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(13:00〜14:00は昼休憩)
定休日:火曜日・木曜日

月岡温泉のキャラ「ゆらら」をモチーフにしたスイーツ「米 BEI」2018年

2018年には、米粉を使ったワンハンドグルメが楽しめる「米 BEI」がオープン。こちらは月岡温泉の開湯100周年を機に誕生したゆるキャラ「ゆらら」をモチーフにしたうさぎ焼き(いずれも300円)が販売されています。
上段左からチョコフレーク、カスタード、小倉、やきしるきーも。下段左から栗きんとん、村上紅茶ミルク、村上緑茶おぐら、きなこフレークの全8種類(取材時)。色も白、茶、ピンク、緑とさまざまで食べるのがもったいない可愛らしさ。
こちらは冷凍販売されており、自然解凍だと3時間。冷たいままでも、温めてもどちらもおいしくいただけます。
お店では実演販売を兼ねて焼きたても提供しています。
こちらが焼き上がったばかりの、キュートなうさぎ焼き。ほかにあらかじめ焼いておいたものを保温器に入れて常備販売もしています。すぐに食べたい場合、おみやげ用にほしいとき…と使い分けができるのがうれしいですね。
ゆらら」のグッズも販売されています。天然藍染の小銭入れ(1,100円)、コースター(660円)など、日常使いできるものが揃っていました。ほかにもブランド米「新之助」を使った化粧水や乳液(いずれも2,750円)、ビタミンCやコラーゲン成分の入ったスキンケアボディタオル(880円)など、ちょっとした買い物やお土産にぴったりの商品もあります。

新潟粉物 premium POWDER 米 BEI

住所:新潟県新発田市月岡温泉242-1
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(12:00〜13:00は昼休憩)
定休日:月曜日・水曜日・金曜日

県産素材を使ったスムージーとジェラート「実 MINORI」2019年

空き店舗ではなく、空き地を活用してコンテナで出店したのが、6店目の「実 MINORI」です。扱っているのはスムージーとジェラート。いずれも冷たいスイーツのため、冬期間(12月から3月中旬頃まで)はお休みとなります。
2026年は3月20日オープンです。
スムージー(500円)のオーダーは2ステップ。
まずはベースとなるドリンクをセレクト。安田ヨーグルトの「飲むヨーグルト」か八海山の「麹だけで作ったあまさけ」のどちらかを選びます。
その後グリーン、トリプルベリー、ストロベリー、アップルマンゴーのいずれかのソースを選ぶ…という流れです。
こちらが完成したスムージーです。グリーンスムージーのソースは小松菜とリンゴとバナナが使われており、青菜独特のくせもなく飲みやすい1杯に仕上がっています。ちなみにお子さまの一番人気はストロベリースムージーだそうです。
ジェラート(500円)はジャージー牛乳の特濃バニラ、レアチョコレートなどの定番のほか、夏にはシャーベットも展開。昨年(2025年)は果肉がたっぷり入った甘夏シャーベットや、アルフォンソマンゴーを販売していました。店内には小さなカウンターもありイートインも可能です。

新潟菜果 Premium AGRI 実 MINORI

住所:新潟県新発田市月岡温泉566-5
TEL:0254-32-1101
営業時間:9:30〜18:00(13:00〜14:00は昼休憩)
定休日:月曜日・水曜日・金曜日
※冬期間休業

次回は、話題の「月岡ドーナツ」などを含む2020年以降にオープンした6店舗についてお届けします。

ミライズ コンセプトショップ 前編分

この記事を書いた人
和田明子

長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中。