音とワインが熟れる場所「カーブドッチワイナリー」ここでしか出会えないベーゼンドルファーのピアノを訪ねて/新潟市


2026年05月01日 13ビュー
皆さまこんにちは。
美味しいお料理やお酒が大好き……ですが!実は同じくらい音楽も大好きなおくたにです。
 
今回、新潟市西蒲区にあるカーブドッチワイナリーの「ベーゼンドルファーを愛でる会」で開かれた「第5回演奏交流会」に参加してきました!
 
世界で50台、日本には1台しかないといわれるビアノ「ベーゼンドルファー2000年ミレニアム記念モデル」を、ランチと共に弾き、聴き合う贅沢な時間を体験してきましたのでレポートしたいと思います。

新潟ワインコーストの草分け「カーブドッチワイナリー」

演奏交流会を主催しているのは、新潟ワインコーストの草分け的存在「カーブドッチワイナリー」です。
 
新潟ワインコーストとは、5軒のワイナリーが集まる県内ワインの産地の一つ。
カーブドッチワイナリーは1992年に、この地で最初のワイナリーとして設立されました。
 
ワインを醸造・販売するだけでなく、敷地内にはレストラン、ショップ、温泉施設や宿泊施設もあり、現在は県内外から年間約30万人が訪れる人気の滞在型ワイナリーなんですよ!
2022年温泉施設の「ヴィネスパ」は、約4,000冊の本とワインが楽しめる「知と癒しの空間」としてリニューアルオープン。
そしてなんと!こちらには世界3大ピアノの一つ「ベーゼンドルファー」の、しかも世界で50台…日本には1台しかないといわれている2000年記念ミレニアムモデルがあるのです!!
 
ピアノ好きなら……音楽好きなら、一度は弾いてみたい!聴いてみたい!憧れのベーゼンドルファー。
 
どうしてワイナリーにピアノ?しかも、世界に50台、日本に1台しかない超貴重なベーゼンドルファーがあるってどういうこと!??
 
というか、単純にピアノ好きとしてこのベーゼンドルファーの音を聴きたい!姿を拝みたい!!
 

まるで森の中の音楽会「カーブドッチホール」

​演奏交流会が行われるのは、同じ敷地内にあります「カーブドッチホール」
角田山の麓。
それはまるで森の中の音楽会。
ブレーメンの音楽隊が登場してきそう♪
 
この音楽ホールが建てられたのは、創業わずか2年目の頃。
ぶどう畑の中でワインと食事、美しい音楽を楽しんでほしいというのが、創業者 掛川千恵子氏の夢だったそうです。
(代表取締役 掛川千恵子氏)
 
 
木造のホールにはフルコースを用意できる大きな厨房があり、レストランとしても使用。
建設当初はまだベーゼンドルファーはなく、レストランや結婚式場として活用し、ピアノはレンタルしてコンサートなどを開いていたそうです。
結婚式で訪れたことがある人も多いのではないでしょうか?
ホール内部はピアノを中心に置いたときに、音が美しく響くよう入り口に向かって台形のように広がっています。木造のホールと、同じく木でできているピアノ(ベーゼンドルファー)とはとても相性が良く、加湿器や乾燥機もいらないのだとか!
さらに、音が反響しやすいよう床・壁・屋根は、お互い平行な壁を一切避けていて、背面のドームからホール全体に音が行きわたるよう設計されているそうです。
設計したのは、自然との共存をうたった建築思想家パオロ・ソレリのもとで研鑽を積んだ白鳥健二氏。
 
この場所で鳴る音は、本当に響きが豊かになって、音を耳で「聴く」というよりは、音を全身に「感じる」と、表現した方が合うのかなぁ…。
 
特に「ウィンナートーン」と呼ばれる深く温かみのある音色と、豊かな響きが特徴のベーゼンドルファーとの親和性は凄いと思いました。
また、ホールを支える丸い柱はかつて電信柱だったもの。床やテーブルには南北戦争時代にジョージア州にあった集会場の古材が使用されているのだとか。
 
(木の呼吸や温もりを感じる……)
居心地もとても良いです。
 
音楽ホール建築から5年が経ち、これまで行ってきた音楽活動の縁が繋がり、はるばるウィーンから新潟のカーブドッチへベーゼンドルファーは運ばれてきました。
 
(世界で50台のうちの1台ですから、引く手あまただったと想像……お声が掛かったってすごくない?!!)

ピアノ「ベーゼンドルファー」ってどんな楽器?日本に唯一の2000年ミレニアム記念モデル

私も大好きなピアノ「ベーゼンドルファー」のお姿❤
 
(う、美しい……)
 
ベーゼンドルファーは、1828年にウィーンで創業した最も歴史あるピアノメーカー。アメリカ・ドイツのスタインウェイ&サンズ、ドイツのベヒシュタインに並ぶ世界3大ピアノの一つです。
 
特筆すべきはやはり希少性かな?!
ベーゼンドルファーは年間生産数が200~300台しかないんです!
それがどれだけ少ないのかというと、ピアノのコンサートやコンクールで最も多く使用されているスタインウェイの年間生産数が約3,000台、ベヒシュタインは5,000~6,000台。
ヤマハに至っては数万台。
 
2000年のこのピアノの製造番号が45,398番ですから…仮にそれから300台ずつ製造されているとしても、現在50,000台くらいしかない計算になります。
(参考:ピアノ図鑑)
 
どうしてこんなに少ないのかは…話し出すと長くなるので超簡単に説明すると、木材加工から組み立て(1万個くらいのパーツがあります)まで、一つ一つ職人が手作業で行っているから!!!
 
(ピアノって、楽器であり美術工芸品なんだよなぁ……)
 
ベーゼンドルファーならではの構造の特徴も、その外見から目にすることができます。
ピアノのリム(側面)は、音の伝達性に優れているスプルースという比較的柔らかい木材が使用されています。(一般的にはメープルなどの硬い木)
このリムとスケールデザインにより、甘く繊細な高音(至高のピアニッシモと称されている)と、基本周波数が強くなる低音が実現。
 
もともとピアノは木の楽器でしたが、徐々にホールが大きくなり、会場中に音を響かせるためにピアノのリム部分に金属を使うようになったというのが、ピアノの発達の歴史です。
 
「2000年を記念しての2000mmモデルは、王侯貴族のサロンで弾かれていたサイズと同じ位。200人規模のこのホールにはぴったりの大きさ」
と、当時の日本ベーゼンドルファー社から説明を受けたそうです。
 
ピアノは1998年に完成し、50台のうち33番目の1台がウィーンから東京に。
そこで日本の風土に慣らすためにしばらく留め置かれ、2000年の夏に陸路でカーブドッチホールにやって来ました。
ミレニアム記念モデルは、外装に世界三大銘木の一つ「マホガニー」が取り入れられています。
美しい木目と、艶があって深みのある赤褐色の質感を間近で見て欲しい!
透かし彫りの譜面台も芸術的!
 
50台のうちの33番目であることがちゃんと記されています。

演奏交流会は美味しいランチと共に談笑もあり♪

昨年2025年3月から始まった「演奏交流会」。
春夏秋冬…年に4回行い、今回が5回目の開催となりました。
 
プロの奏者の演奏を聴く会ではなく、奏者は何名かの一般のお客様が自分の選んだ曲を順番に弾いていきます。(ピアノ経験3年以上、18歳以上)
 
演奏を聴くだけの参加でもOKです。
今回は奏者16名、聴き手14名、計30名が集いました。
(私はピアノが弾けないので聴き手で参加です)
 
参加された奏者は「このベーゼンドルファーを弾きたい」と、県外から来られた方も多くいらっしゃいました。
泊りで聴きに来られた、という方も!
聴くのは美味しいランチを頂きながら。
 
まずはウェルカムドリンクで乾杯♫
カーブドッチの美味しいスパークリングワイン。
 
ホールの厨房から出てくるランチコース料理。
サーモンコンフィとキヌアのグリーンタブレ。
新玉葱のポタージュ。
自家製酵母パン。
白ワインを追加で頂きました。
国産鶏モモ肉のローストソースサルサ。
グラスピスタチオと越後姫のカクテル仕立て、コーヒー。
 
美しい音色を聴きながら美味しい料理に舌鼓を打つ。
同じテーブルで、奏者同士、聴き手同士、奏者と聴き手…大好きな音楽について話も弾みます。
貴重で楽しいお話をたくさん聞かせて頂き、あっという間の3時間。
 
このようなスタイルの演奏会について、
掛川氏「ベーゼンドルファーを弾いてみたい方はもちろんですが、聴きたいという方も多くいます。プロの人の演奏じゃないけれど、ランチを食べながら、あまりかしこまらず、和やかに。『談笑もダメよ』というわけじゃなく、楽しんでほしい」
と言います。
 
奏者との近い距離感、一緒に音を楽しむこの空気感は、昔の音楽サロンに近いのかしら?
 
ピアノや音楽が好きな方はもちろん、逆にあまりピアノのことは知らない…クラシックって敷居が高いな…って思っている方にもおすすめしたい!
というのも、たくさんの奏者の演奏を代わる代わる聴くことで、同じベーゼンドルファーなのに誰一人として同じ「音色」で鳴らないってことがよく分かるのです。
 
(あぁ、またピアノの魅力にハマっていく……次回も、というか他のコンサートもまた来よう)

“滞在の質をあげるのは文化”夢は年間100回のコンサート

しかし、これまでも多くのコンサートや演奏会を行ってきたカーブドッチが、改めて「ベーゼンドルファーを愛でる会」を発足させたのはなぜか?
その理由をお聞きしてみました。
 
掛川氏
「主たる事業(ワインの製造・販売)が忙しくなったことや、コロナの影響もあり、2008年を最後に音楽から少し離れてしまいました。
けれどその間もピアノはきちんと管理演奏し続け……ホールに置いてから時が経ち、調律師さんにピアノの状態が良くなってきた、音質が柔らかくふくよかになったと言われました」
ワインが時間で味わいを変えていくように、ピアノもまた、時間と共に音を変えていくのですね!
 
掛川氏
「期が熟したと思いました。25年かけて大切に育てたベーゼンドルファーを、これから本格的に活かしていこうということで、昨年に『ベーゼンドルファーを愛でる会』を発足し、その第一弾として演奏交流会を企画しました。またゼロからのスタートと思って取り組んでいきたい。夢としては、クラシックやジャズなどジャンルを問わず質の高いコンサートを年間100回やりたいですね」
 
これからまた、ベーゼンドルファーを訪ねていらっしゃる方が増えそう。
 
掛川氏
「ここに来る目的をワインだけじゃなくて、本や音楽などでも来てもらえるようになれたらいいな、と思います」
 
それについて掛川氏は自身のnote(メディアプラットホーム)の中で、
「滞在の質をあげるのは文化。音楽、美術、文学、建築、お庭。それらはまさしく空間づくりであり、場づくりであり、時間の過ごし方そのもの。豊かな感性や深い理解があれば
滞在の質はもっと上がるのではないか。『なぜカーブドッチを訪れたのか』という問いへの答えに文化が含まれるとき、滞在の意味は格段に深まります。消費から没入へ。施設を利用する場所から、物語に参加する場所へ。カーブドッチにはそうした進化を遂げてほしいと願っています」
と語ります。
 
ワインもまた、音楽や文学と同じく「文化」の一つ。
 
素敵な音楽にのって、新潟の美味しい「ワイン」、新潟で過ごす「豊かな時間」の素晴らしさが、世界中に広がってくれたら私も嬉しいな♪

さいごに~ショップでお買い物してきた~

さいごに。
演奏会後、ショップでお買い物。
買い物だけでもすごく楽しいです!
1つ1つのお店を紹介したいところではありますが、時間がいくらあっても足りないのでまたの機会にして……
ワインもたくさんあるので、紹介しきれませんが(ワインだけの特集もやりたい!)
 
新潟ガストロノミーアワード2023特産品部門30にも選ばれている「どうぶつ」シリーズは確かにおすすめなんだけど……
今日、私が欲しかったのはコレ!
FUNPYシリーズのロゼ。
お値段もお手頃だから普段使いでガブガブ飲めちゃうヤツ!
ボトルデザインも個人的にツボ。
カーブドッチの「ライターズ・イン・レジデンス※」で、中学生の頃から好きだった吉本ばなな先生が書いた本。
ちょうど発売されたばかりのタイミングだったので購入しました。
(先生がここに滞在してくれていたなんて!感激!!)
 
※ひとりの作家がカーブドッチのホテルに滞在し、この地を舞台とした物語を書き上げ、カーブドッチが出版・販売を行うプロジェクト。
演奏会の興奮冷めやらぬまま…
海沿い…日本海を眺めながらの帰路。
素敵な時間をありがとうございました!
 
コンサートや演奏会の情報についてはHPやFacebookなどSNSで発信していますので、是非ともチェックしてみてくださいね!

★今回ご紹介したベーゼンドルファーやライターズ・イン・レジデンスなど、カーブドッチの物語についてはこちらをご覧ください。
★通常ホールやピアノの見学、試弾等は行っておりません。ピアノについてのご希望、ホール貸出は行っておりますのでお問合せください。
カーブドッチワイナリー

カーブドッチワイナリー

〒953-0011 新潟県新潟市西蒲区角田浜1661
TEL 0256-77-2288

この記事を書いた人
おくちゃん

WEBライター/日本酒ナビゲーター/スイーツコンシェルジュ 新潟市南区出身。
美味しいもの大好き!
油ものとお腹周りがキツくなってきたアラフォー・2児の母。