新津っ子が愛してやまない「三色だんご」を作り続ける老舗「御菓子司 羽入」へ! 名物誕生の背景には鉄道のまち・新津と大きな関係が?/新潟市


2026年03月28日 18ビュー
皆さん、こんにちは!
新潟の食文化について勉強中のライター・槻本みのりです。
 
上越、中越、下越、佐渡…と、新潟県内には各地域で昔から愛されてきた多くの “名物”があると思います。
下越地域の新潟市秋葉区にもさまざまな「愛されグルメ」がありますが、各世代に渡って愛されてきた名物のひとつに、こちらの和菓子を挙げる人は多いのではないでしょうか。

創業は大正5年、「三色だんご」を作り続ける「御菓子司 羽入」さんへ

信越本線、羽越本線、磐越西線の3本の路線が通る、新潟市秋葉区「新津」。この鉄道のまち「新津」で、愛され続ける名物「三色だんご」(756円)があります。
こちらの名物を展開するのは、御菓子司 羽入」さんです。新潟市秋葉区、JR新津駅からすぐの場所にあるお店へ取材に伺いました。
 
迎えてくれたのは、4代目の羽入千晶さんです。取材日は「秋葉区ひな・お宝めぐり」が開催中で、ひな人形が展示された華やかな店内で取材に応えてくださいました。
「創業は大正5(1916)年で、今年でちょうど110年目となります。『三色だんご』は創業当時から作り続けている商品です。『新津』は鉄道のまちといわれていて、上越方面に向かう信越本線、秋田方面に向かう羽越本線、福島方面に向かう磐越西線という3本の路線が通る鉄道の要衝として、昔から多くの人が集まる場所でした。当時は目的地に向かう道中、列車に揺られながら時間をかけてゆっくりと移動するので、その列車での長い旅のお供として作られたと聞いています」。
明治30(1897)年、「新津駅」は北越鉄道の中間駅として開業。その19年後に「御菓子司 羽入」が創業。それ以降、鉄道のまちの発展、変化を見守るとともに、多くの人から愛される、こだわりのお菓子を作り続けてきました。
 
お店の創業当初から販売されているということから「三色だんご」がいかに鉄道のまち・新津で愛されてきた商品なのか伝わるのではないでしょうか。

おやつ?それとも駅弁? 新津っ子が愛してやまない「三色だんご」とは?

突然ですが、皆さんは「三色だんご」と聞いて、どのようなビジュアルをイメージしますか?ピンク、白、緑の3色が並んだ串団子を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
羽入さんの「三色だんご」はそのイメージとは異なり、見た目でも食べる人を楽しませてくれます。
“箱に入ったお団子”と聞いて、驚くお客さまもいらっしゃいますね」と羽入さん。それもそのはず、羽入さんの「三色だんご」は、鉄道のまち・新津らしく、駅弁をイメージした折箱に一口サイズの団子が24粒。その上にこしあん、白あん、ごまの3色がのっています。まるでご飯の上に具材がのった、駅弁のようですよね。
「駅弁のおやつバージョンといったイメージでしょうか」と微笑む羽入さん。昔は地元のお弁当屋さんの駅弁と一緒に、新津駅のホームで売り子さんが販売していた時期もあったそう。“鉄道のまち”ならではのエピソードに感じます。
 
コシヒカリを使った上新粉を杵と臼を使い、つきあげて作る団子は、米本来の優しい甘さとともに独特のコシや食感を楽しめます。
その団子の上には上品な甘さのこしあん、白あん、香り高いごまがたっぷり。老若男女、幅広い世代の方からも愛される「三色だんご」は、三代目の羽入社長、4代目・千晶さんをはじめ、従業員の皆さんで、発売当初から分量などを変えずに「いつ食べても変わらない味」を意識して、創業当時からの味を守り続けているそうです。
「ひと口サイズの団子をこしあん、白あん、ごまの3種で味わえる」というスタイルになったことについても、「列車の中で食べる際に、飽きないように」という理由から。
 
私自身、この3色を順番にいただいたのですが…永遠に食べられます(笑)。
とにかく、程よい弾力の団子と上品な甘さかつ風味豊かなあん、香ばしいごまとの相性が抜群なのです。
羽入さんが話してくれたように、この「いつ食べても変わらない味」だからこそ、「三色だんご」は、幅広い世代にとって、ふるさとの味として愛されて続けていることが分かるのではないでしょうか。
ちなみに、つまようじのほかに木のスプーンも。こぼれやすい「ごま」を食べるときに食べやすいようにとの配慮だそう。お客さんへの細やかな愛を感じます。
 
また、3代目の羽入社長が考案された季節の限定三色団子もあり、数量限定で「春の限定三色だんご」(桜あん、ヨモギあん、ごま・864円)も販売されているそうです。
こちらは4月中旬頃までの販売予定(2026年に関しては4月13日頃まで販売の予定)だそうですが、夏、秋…と四季の変化に合わせて季節限定の「三色だんご」も店頭に並ぶとのこと。こちらも楽しみですね。お店のインスタグラムを確認してみてください。

「お菓子を通して鉄道のまち・新津を発信したい」という想いを込めて

新潟県内、新潟市内はもちろん、全国の「鉄道ファン」が訪れる「御菓子司 羽入」さん。
“鉄道のまち”ということで盛り上がっているので、お菓子を通して、鉄道のまち新津を発信してアピールしていきたいですね」と羽入さん。
SLや秋葉山をイメージしたお菓子や新潟名物の食用菊「かきのもと」を使った、かきのもと饅頭をはじめ、秋葉区(旧新津市)と縁のある坂口安吾の作品の一説をネーミングにしたお菓子など、地元愛を感じる個性豊かな和洋菓子が50種ほど並びます。
見た目も華やかなお菓子がずらりと並ぶ店内で、選ぶ時間も楽しいのではないでしょうか。
その店内でお菓子と一緒に並ぶ、ある商品を発見!
ん?「三色だんご」と書かれたこちらの中身はというと…?
「三色だんご」をイメージしたメモ帳(330円)でした!遊び心あふれるユニークでかわいらしい商品、皆さんもお店に訪れた際にチェックされてはいかがでしょうか。
 
本店ではもちろん、秋葉区内のスーパーなどでも購入できる「御菓子司 羽入」さんの「三色だんご」。日持ちが2日のため、ネット通販や秋葉区外の販売店舗によっては冷凍販売となるそうですが、ふるさとの味を懐かしむ新潟出身のお客さんの購入や、全国のデパートの催事での販売をきっかけにリピート購入する県外のお客さんもいらっしゃるそうです。
 
「お客さまからのおいしいという言葉はもちろんですが、みなさんの思い出と一緒に『三色だんご』があるということも、非常に嬉しく感じています。『三色だんご』を大切に作り続け、守り続けていきたいというのが一番です。また、現社長が10年前に考案し、商品化している季節限定の『三色だんご』も浸透してきているので、新しいことにも挑戦しながら、伝統の桜餅や大福などの商品も大切にしたいと思っています」。羽入さんが商品にかける熱い想いを話してくださいました。
お団子をひと口食べることで感じる、変わらないおいしさに対する安心感とともに、頭の中に思い浮かぶ当時の光景、記憶…。食べる人を懐かしい気持ちにもさせる、新津っ子のふるさとの味『三色だんご』は、これからもずっと愛され続け、より多くのファンを魅了するに違いありません。
鉄道のまち・新津で伝統を守りながら、こだわりのお菓子を作り続け、新しいことにも挑戦する「御菓子司 羽入」さん。お店には「三色だんご」をはじめ、色とりどりのお菓子が並んでいます。

ぜひ足を運んで、華やかな商品の中からお気に入りのお菓子を見つけてみてはいかがでしょうか。
御菓子司 羽入(オカシツカサ ハニュウ)

御菓子司 羽入(オカシツカサ ハニュウ)

住所/新潟県秋葉区新津本町1-6-30
TEL/0250-22-0462
営業時間/9時30分~18時
定休日/日曜
駐車場/2台

御菓子司 羽入

この記事を書いた人
槻本みのり

新潟生まれ、新潟育ち。地域情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。
新潟の食文化やグルメに加えて、毎日が楽しくなるようなコトを発信したいです。コーヒーと焼き菓子、アイスが好き。
Instagram:https://www.instagram.com/minori.tsukimoto