「味噌なめたか」の「関興寺」で味わう禅カフェの味噌ジェラートと空飛ぶ笹団子⁉/南魚沼市


2026年08月08日 12ビュー
大切な経典を戦火から守るために味噌の中へ隠したというお話が残るお寺が、そのご利益のある味噌を使ったジェラートを味わえるカフェの開設や空飛ぶ笹団子など面白い取り組みをされてるということで訪問してみました。

「味噌なめたか」の言い伝えが残る禅寺「関興寺」

訪ねたのは南魚沼市の塩沢石打インターから車で5分ほどの場所にあるお寺「最上山関興寺(さいじょうさんかんこうじ)」です。
1410年に初代関東管領、上杉憲顕の子である覚翁祖伝(かくおうそでん)和尚が開基した六百年以上の歴史があるお寺です。
このお寺は1578年に上杉謙信の没後、景勝・景虎の養子二人による家督相続争いの合戦「御館の乱」がおきた際の戦火に遭い建物をことごとく焼失したのですが、大切な経典である大般若経典六百巻を味噌桶の中に埋めて火災から守ったという言い伝えがあります。
細かいことですが味噌桶の一個や二個じゃあ六百巻もの経典を埋めることできないだろうと思っていたのですが、昔は修行僧のため味噌を蓄える味噌蔵があったそうです。なるほどそれなら納得です。
建物は燃えても仏の教えは守っていきたいという熱い情熱を感じるエピソードです!
その後は大切な経典を守ったご利益のある味噌だとして、味噌を分けてくれという参拝者が後を絶たなかったそうです。
そうして関興寺に参拝したのならばありがたい味噌をいただかなければ行った甲斐がないということで「関興寺の味噌なめたか」という言葉が生まれ今に言い伝えられているそうです。
境内では参拝の際に味噌をひとくち舐めることもできますが、お寺の田畑で育てた大豆と米を使い新潟産の塩を加えて和尚様のご祈祷をした「関興寺の味噌」(700円~2,300円税込)を買って帰ることもできます。
自然なお味の味噌でしたが舐めるだけで何か良いことがありそうな有難みがすごいです!

令和になったら味噌だけじゃなくカフェでジェラートもなめないか?

そして面白いのが2025年から正式販売の始まった「関興寺の味噌ジェラート」(500円)があることです。
 
同じく2025年の4月にオープンした「禅カフェ Nirvana(ニルヴァーナ)」の室内カフェスペースやテラス席でこの味噌ジェラートのほか、アレルギーを持つお子さまも安心の米粉で作った「味噌クッキー」(200円~700円)や抹茶、コーヒーなどを楽しむことができます。
ちなみにニルヴァーナとはサンスクリット語で「涅槃(ねはん)」の意味です。
組み合わせの発想が面白い味噌ミルク味のジェラートはあまじょっぱくて甘いものが苦手な人でもパクパクいけます!甘いとしょっぱいの合わせ技は最強ですね。
夏の暑い日に蝉の鳴き声や風鈴の音を聞きながら、塩分補給もできるジェラートを食べると心が静かに落ち着き日常の煩悩を忘れ涅槃に近づきます(個人の感想です!)。

もはや禅問答のような新境地・空飛ぶ笹団子ってなに?

お寺の新しい試みはまだ続き、今年(2026年)から「空飛ぶ笹団子」が始まりました!
「登龍の滝」の上にあるカフェから、下の池に向けロープを伝って新潟名物の笹団子を入れたカゴが飛んで来るんです!
しかしなぜ笹団子が空を飛ぶのか?それは「一切がみな空である」という仏の教えを表している……とか、そういう解説は誰もしていなくて~!
関興寺の杉岡明全住職にお話を聞くと「新しいことをしたり歴史ある味噌を活かしたりすることで若者に来てもらい、お寺の良さや禅の世界を知ってもらいたいから」とのことでした。
笹団子や味噌ジェラートを食べるついでにお寺について知る、そういうのもいいじゃないですか!
こちらの「空飛ぶ笹団子」の笹団子とお茶のセット、現在はカフェで申し込むと600円ですが、入り口受付で拝観料と同時に申し込むと100円引きになります。

 

お寺らしい禅の世界や侘び寂びを感じる見どころもたくさん

またこちらには歴史のあるお寺らしい見どころも多く、本堂前には2024年に完成した枯山水庭園「寂庭」があります。
新潟は多湿なため苔の庭園は多いのですが、石と白砂で自然の景色を表現した石庭は少なく、これだけ大きい石庭は県内トップクラスだと思います。
本堂の窓側にじっくりと腰かけて禅の庭を眺めれば侘び寂びの世界に没頭できます。
境内には経蔵の一種の「輪蔵(りんぞう)」と呼ばれる、押して回すとお経を読んだのと同じご利益があるとされる回転式の書架があり、内部に「黄檗版一切経」が収められています。
実際に経蔵回しの体験ができる場所は県内ではこちらだけのようです。
一人で回すと蔵とお経の重みを体感できますが、これは家族や友人と一緒に回して「力を合わせると軽く感じるね!」という「三本の矢」のような教えを暗に示すものだと個人的には思いました!
その奥には「中峰和尚袈裟切りの塔」という石塔があり、中峰という僧が母の仇を討つため夜中に稽古をしていたらその仇が現れ、鎖鎌で切りつけたが朝にはそれが開祖の墓石となっており「出家をしながら人の命を狙う心を改心させよう」と開祖が教え諭したのだろうという言い伝えが残っています。
ほかに素焼きの小皿(かわらけ)に願いを込めて岩に投げつけて割る「かわらけ祈願」などもあります。
また堂内にも見事な仏像や欄干の彫り物、戸板の絵や「川中島合戦図屏風絵」(複製品)など見どころが多くあります。
展示されている「屋久杉の戸板」は江戸時代には「武者隠しの間」の隠し通路前にあり、描かれている「耳のない虎」は「殿様と住職の内密な話を聞かなかったことにしなさい」という意味合いがあるそうです。
写真のない時代に描かれた想像上の耳のないモフモフが、昔から日本人はカワイイもの好きだったことを表しているようでとても好きです。
堂内では関興寺の味噌のほかにも最近販売の始まった「味噌ぽん菓子」「味噌デニッシュ」(土日限定)のほかお守りや小物も参拝の記念に買うことができます。
「関興寺の味噌」のアレンジとしては南魚沼市塩沢の雁木の街並み「三国街道 塩沢宿 牧之通り(ぼくしどおり)」にある「牧之通りのらーめん屋さん」で関興寺の味噌を使った「特製関興寺味噌ラーメン」(1,250円税込)の販売も始まりました。
 
牧之通りのらーめん屋さん

牧之通りのらーめん屋さん

住所:南魚沼市塩沢1213
営業時間: 11:00~15:00
      17:00~20:00
定休日:火曜日(不定休あり)
駐車場: 有り

お寺では季節ごとのイベントも多くされていて、7月から9月は数多くの風鈴が飾られる「風鈴祭り」が実施されています。
ほかにも秋には新米祭りに紅葉祭り、雪が溶ければ桜祭りにあじさい祭り(花階段)など季節によっていろいろな楽しみがあります。
最新情報はインスタグラムでチェックしてください。
また今後の展開としてお寺の脇にある斜面をコースにした「バギー体験」も準備中です。
車好きの人までお寺に呼び込もうというのでしょうか?すごいです!
はじめは有名な味噌を使ったジェラートのあるカフェだけかと思いきや、インパクトのある空飛ぶ笹団子にポン菓子やクッキーなどの味噌商品、季節ごとのイベント、お寺らしい経蔵回しや戸板の絵など、見どころが満載のお寺でした。

どうしてこんなにいろいろなことをされているのか尋ねると杉岡住職は「南魚沼は四季折々の自然が素晴らしい土地でありながら、檀家が年々減少しているという実情があり、少なくなった檀家の負担を増やすことなくお寺を維持していくためと、お寺に来てもらうことで他の場所にも誘客して地域全体を盛り上げていくためにイベント実施や商品開発をしている」と話されていました。

過疎化とお寺の檀家や神社の氏子の減少という話は他の地域でもよく聞くようになりました。新しい試みから地域を代表するお寺に県内外の人が来てくれればとても嬉しいことですね。
お寺を訪ねたのならばぜひ、周辺の名所も回って楽しんでください!
関興寺

関興寺

住所:新潟県南魚沼市上野267
電話:025-783-2111
拝観時間:9:00~16:30(受付は16:00まで)
定休日:無休
拝観料:500円 
(中学生以下 無料 ※学校・ツアー等で参拝の場合、お一人様300円)
駐車場:15台

この記事を書いた人
まきたろう

若い頃は自転車日本縦断や四国八十八ヶ所の歩き遍路など旅を住み家とし、新潟に戻っても漂泊の思いやまず仕事の傍ら県内外をさ迷っている人生まだまだ旅の途中の人。 昭和とか縄文とか古いものが好き♪五泉市在住。