農薬8割減、化学肥料・除草剤ゼロ! 自然を極める“超人”ぶどう農家「菅井農園」/村上市
2026年09月05日
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夏の暑さが少しずつやわらぎ、季節は秋へ。食いしん坊にとって、楽しみな季節がやってきました。新米に、サンマ、キノコ……と、秋はおいしいものが目白押し。そして、忘れてはいけないのがぶどうです!
実は春ごろ、村上市の料理店を訪ねた際に、「ここのを食べると、他のところのぶどうが食べられなくなります」と料理人の方から教えていただいた農園がありました。
気になってSNSをのぞいてみると、プロフィールには「ハイパーネイチャークリエイター」の文字(なんだなんだ?笑)。さらに投稿には、ぶどうだけでなく、イノシシやイワナの写真まで! 何やら普通の農家さんじゃない匂いがプンプンするぞ……ということで、実際に訪ねてきました。
今回は、村上市にある「菅井農園」をご紹介します!
気になってSNSをのぞいてみると、プロフィールには「ハイパーネイチャークリエイター」の文字(なんだなんだ?笑)。さらに投稿には、ぶどうだけでなく、イノシシやイワナの写真まで! 何やら普通の農家さんじゃない匂いがプンプンするぞ……ということで、実際に訪ねてきました。
今回は、村上市にある「菅井農園」をご紹介します!
旬のぶどうを求めて村上へ
向かったのは、村上市の山あいに位置する朝日地区。日本海東北自動車道「朝日まほろばIC」から車で約5分、周囲に田畑が広がる道を進んでいくと、「菅井農園」の直売所に到着しました。
こちらでは、ぶどうに加え、春には越後姫も栽培。それぞれが旬を迎える時期に合わせて、期間限定で直売所をオープンしています。
2026年のぶどうの販売は、8月28日から10月中旬ごろまで。店頭には、その日の朝に収穫したばかりのぶどうが並びます。
2026年のぶどうの販売は、8月28日から10月中旬ごろまで。店頭には、その日の朝に収穫したばかりのぶどうが並びます。
栽培しているぶどうは20種類ほど。人気の高いシャインマスカットやピオーネに加え、クイーンニーナやマスカサーティーンなど、多彩な品種が揃います。
訪れた日はまだシーズン序盤とあって、店頭に並ぶ品種はわずかでしたが、9月中旬ごろにかけて次々と旬を迎え、ラインアップも充実していくそうです。
また、直売所での販売に加え、ぶどう狩りも楽しめます。入園料は不要で、収穫したぶどうの量り売りで購入するスタイル。予約も不要なので、気軽に立ち寄れるのもうれしいですね。
訪れた日はまだシーズン序盤とあって、店頭に並ぶ品種はわずかでしたが、9月中旬ごろにかけて次々と旬を迎え、ラインアップも充実していくそうです。
また、直売所での販売に加え、ぶどう狩りも楽しめます。入園料は不要で、収穫したぶどうの量り売りで購入するスタイル。予約も不要なので、気軽に立ち寄れるのもうれしいですね。
この農園を営むのは、ハイパーメディア……ではなく「ハイパーネイチャークリエイター」を名乗る、菅井慎也さん。このネーミングの所以がかなり気になりますが、それはまた後ほどお聞きするとしましょう。
実は菅井さん、県内の優れた食や生産者などを表彰する「新潟ガストロノミーアワード2026」で、一次産業部門の準グランプリを受賞した、凄腕の農家さんなんです! 菅井さんが育てるぶどうをはじめとした食材は、村上市内や新潟市内の一流料理店で使われ、料理人たちから厚い信頼を寄せられています。
この賞は、シェフたちからのアンケートをもとに選出されたもの。食材を扱うプロたちからも、高く評価されている証なのです。
実は菅井さん、県内の優れた食や生産者などを表彰する「新潟ガストロノミーアワード2026」で、一次産業部門の準グランプリを受賞した、凄腕の農家さんなんです! 菅井さんが育てるぶどうをはじめとした食材は、村上市内や新潟市内の一流料理店で使われ、料理人たちから厚い信頼を寄せられています。
この賞は、シェフたちからのアンケートをもとに選出されたもの。食材を扱うプロたちからも、高く評価されている証なのです。
受賞盾の隣にあるのは……?!
そんな菅井農園が、一体どんな風にぶどうを育てているのか。まずは、そのこだわりからお聞きしました。
そんな菅井農園が、一体どんな風にぶどうを育てているのか。まずは、そのこだわりからお聞きしました。
土が命。ゼロから始めたぶどうづくり
菅井農園の開園は、2007年のこと。元々、お祖父さまが家庭菜園ほどの規模でぶどう・もも・いちじくなどの果樹を栽培しており、幼い頃からその手伝いをしていたものの、家業として農業を営んでいたわけではなかったそうです。
そんな菅井さんが、自ら農業の道へ進もうと考えたのは高校時代。長野県のぶどう農家で住み込みの研修を経験した後、地元・村上へ戻り、18歳という若さで自分の農園を立ち上げました。現在の場所に自らハウスを建て、苗木を植えるところからスタート。文字通り、ゼロから「菅井農園」をつくり上げたのです。
それから約20年。試行錯誤を重ねながら、菅井さんが何より大切にしてきたのが「土づくり」です。
そんな菅井さんが、自ら農業の道へ進もうと考えたのは高校時代。長野県のぶどう農家で住み込みの研修を経験した後、地元・村上へ戻り、18歳という若さで自分の農園を立ち上げました。現在の場所に自らハウスを建て、苗木を植えるところからスタート。文字通り、ゼロから「菅井農園」をつくり上げたのです。
それから約20年。試行錯誤を重ねながら、菅井さんが何より大切にしてきたのが「土づくり」です。
「土が命だと思っています」。
肥料には、村上牛の牛ふんや岩船産コシヒカリの米ぬか、牡蠣殻などを使用。すべて有機質で、村上地域のものを活用しています。化学肥料に頼らず、ぶどうの木が健やかに育つ土壌を作っているのです。どおりで、畑に入ってみると、足元の土がふかふか!
さらに、除草剤は使わず、ひたすら手で草刈り。農薬の使用も県の栽培基準と比べて8割以上削減し、葉には納豆菌や乳酸菌、酵母菌など、自然界に存在する菌を活用しているといいます。
……と聞くと、長年受け継がれてきた特別な農法があるのかと思いきや、意外にもその多くは独学。インターネットなどで情報を集めては、自分の畑で試してみる。その繰り返しで、現在の栽培方法にたどり着いたそうです。
肥料には、村上牛の牛ふんや岩船産コシヒカリの米ぬか、牡蠣殻などを使用。すべて有機質で、村上地域のものを活用しています。化学肥料に頼らず、ぶどうの木が健やかに育つ土壌を作っているのです。どおりで、畑に入ってみると、足元の土がふかふか!
さらに、除草剤は使わず、ひたすら手で草刈り。農薬の使用も県の栽培基準と比べて8割以上削減し、葉には納豆菌や乳酸菌、酵母菌など、自然界に存在する菌を活用しているといいます。
……と聞くと、長年受け継がれてきた特別な農法があるのかと思いきや、意外にもその多くは独学。インターネットなどで情報を集めては、自分の畑で試してみる。その繰り返しで、現在の栽培方法にたどり着いたそうです。
「かつては農薬を全く使わずに育てることにも挑戦しましたが、栽培面積が広がるにつれ、病気を防ぎながら安定して育てる難しさに直面しました。病気が出た際に、慣れない農薬を使って薬害を起こしてしまったこともありましたね。今は必要な時には使いつつ、できる限り減らしています。失敗することもありますが、試行錯誤を続けています」と菅井さん。
失敗すれば原因を調べ、また試す。そうして約20年かけて、自分の畑や村上の気候に合った方法を探り続けてきました。
失敗すれば原因を調べ、また試す。そうして約20年かけて、自分の畑や村上の気候に合った方法を探り続けてきました。
さて、ここまでぶどうづくりへのこだわりを聞いてきましたが、そろそろ気になっていたことを聞いてみましょう。菅井さん、「ハイパーネイチャークリエイター」って、一体何なんですか?
話を聞いてみると、どうやらその原点は、菅井さんの幼少期にあったようです。
話を聞いてみると、どうやらその原点は、菅井さんの幼少期にあったようです。
ぶどう農家とは別の、もう一つの顔
小さい頃から自然の中で遊ぶことが大好きだったという菅井さん。山や川へ出かけては、生き物を捕まえたり、山の中を歩き回ったり。身近に広がる自然そのものが、遊び場でした。
そして大人になった今も、それはほとんど変わっていません。ぶどうや越後姫を育てる傍ら、時間を見つけては山へ入り、山菜やきのこを探したり、川へ魚を捕りに出かけたり。ご本人いわく、これらはあくまで“遊び”なのだそう。
そして大人になった今も、それはほとんど変わっていません。ぶどうや越後姫を育てる傍ら、時間を見つけては山へ入り、山菜やきのこを探したり、川へ魚を捕りに出かけたり。ご本人いわく、これらはあくまで“遊び”なのだそう。
「一番楽しいのは、山に入っている時ですね。将来は山に住みたいですもん。小屋を自分で建てて(笑)」
そんな菅井さんと山との関わりが、遊びだけではなくなったきっかけの一つが、農作物を荒らす野生動物の存在でした。農家にとって深刻な問題となる獣害。菅井農園でも被害に悩まされる中、「自分で捕るしかない」と狩猟免許を取得したといいます。
ところが、菅井さんは捕獲して終わりにはしませんでした。「せっかく捕った命なら、きちんと食材として活かしたい」と、今度は自ら食肉処理施設を作り、保健所から営業許可を取ったのです……!!
そんな菅井さんと山との関わりが、遊びだけではなくなったきっかけの一つが、農作物を荒らす野生動物の存在でした。農家にとって深刻な問題となる獣害。菅井農園でも被害に悩まされる中、「自分で捕るしかない」と狩猟免許を取得したといいます。
ところが、菅井さんは捕獲して終わりにはしませんでした。「せっかく捕った命なら、きちんと食材として活かしたい」と、今度は自ら食肉処理施設を作り、保健所から営業許可を取ったのです……!!
直売所の壁面にはツキノワグマの毛皮が(ヒィ~!)
ぶどう畑の一角にある、お手製のいけす(ワァ~オ)
さらに、ぶどう畑の一角に目を向けると、そこにはなんといけすが。中には、菅井さんが川で捕まえてきた川魚が元気に泳いでいます。捕まえた魚を生かしておき、料理人から「欲しい」と声がかかった時に届けられるようにしているのだそうです。
ぶどう栽培に、山菜やきのこ、川魚、さらには狩猟からジビエまで。好きなこと、興味を持ったことには迷わず飛び込み、知識や技術を身につけながら、とことん突き詰めていく菅井さん。その行動力と探究心には、話を聞けば聞くほど驚かされます。
自然を愛する野生人……いや、その探究心はもはや“ヘンタイ”級!? ちなみに「ある意味、ヘンタイの領域ですよね?」と尋ねると、ご本人も「あ、そうです」とあっさり認めていらっしゃいました(笑)。
さらに、ぶどう畑の一角に目を向けると、そこにはなんといけすが。中には、菅井さんが川で捕まえてきた川魚が元気に泳いでいます。捕まえた魚を生かしておき、料理人から「欲しい」と声がかかった時に届けられるようにしているのだそうです。
ぶどう栽培に、山菜やきのこ、川魚、さらには狩猟からジビエまで。好きなこと、興味を持ったことには迷わず飛び込み、知識や技術を身につけながら、とことん突き詰めていく菅井さん。その行動力と探究心には、話を聞けば聞くほど驚かされます。
自然を愛する野生人……いや、その探究心はもはや“ヘンタイ”級!? ちなみに「ある意味、ヘンタイの領域ですよね?」と尋ねると、ご本人も「あ、そうです」とあっさり認めていらっしゃいました(笑)。
そんな菅井さんには、いつか形にしたい壮大な遊びがあります。それが、村上の山の「お宝の地図」を作ること。
山を歩きながら、「ここにはこの山菜がある」「ここにはこのキノコが生える」といった情報をGPSなどに記録し、少しずつ蓄積しているのだとか。
「昔の人は、どこに何があるかを知っていても、誰にも教えずに亡くなってしまう人が多かったんです。でも、これは地域の宝。自分だけのものにするのではなく、この地域を愛する人たちみんなで共有して、次の世代にも残していきたいと思っています」。
もちろん、自然の恵みは無限ではありません。採り尽くすのではなく、生態系を守りながら活かしていくことも大切にしている菅井さん。好きだから山へ入り、気になるものをとことん追いかける。そんな尽きることのない自然への敬畏と探究心が、まだ知られていない村上の宝を見つけ、未来へつないでいく力にもなっているようです。
山を歩きながら、「ここにはこの山菜がある」「ここにはこのキノコが生える」といった情報をGPSなどに記録し、少しずつ蓄積しているのだとか。
「昔の人は、どこに何があるかを知っていても、誰にも教えずに亡くなってしまう人が多かったんです。でも、これは地域の宝。自分だけのものにするのではなく、この地域を愛する人たちみんなで共有して、次の世代にも残していきたいと思っています」。
もちろん、自然の恵みは無限ではありません。採り尽くすのではなく、生態系を守りながら活かしていくことも大切にしている菅井さん。好きだから山へ入り、気になるものをとことん追いかける。そんな尽きることのない自然への敬畏と探究心が、まだ知られていない村上の宝を見つけ、未来へつないでいく力にもなっているようです。
お待ちかねのぶどうを実食!
それでは、ハイパーネイチャークリエイターが作るぶどうを、いざ実食!
今回、娘が摘み取ったのは「ブラックビート」という品種。子どもの顔ほどもある大きな房には、立派な粒がぎっしりと実っています。
今回、娘が摘み取ったのは「ブラックビート」という品種。子どもの顔ほどもある大きな房には、立派な粒がぎっしりと実っています。
さっそく一粒食べてみると、まず驚いたのがブリンっとした実の弾力! 噛みしめた瞬間、甘い果汁がじゅわ~~っとあふれ出します。芳醇な香りも広がり、まるでぶどうジュースを飲んでいるかのようなジューシーさ。なんて力強いぶどうなのでしょう!
「ここのを食べると、他のところのぶどうが食べられなくなる」という料理人さんの言葉に納得。どうやら私は、とんでもないぶどうに出合ってしまったようです……!
「ここのを食べると、他のところのぶどうが食べられなくなる」という料理人さんの言葉に納得。どうやら私は、とんでもないぶどうに出合ってしまったようです……!
「もっと大きな粒やもっと甘さだけを追求したぶどうも、作ろうと思えば作れます。でも、自分が目指したいのは、味。甘いけど、すっと後味が切れて、また一粒と食べたくなるようなぶどうを目指しています」とまっすぐに話す菅井さん。見た目のインパクトではなく、「本当においしいとは何か」にこだわり、自分なりのぶどう作りを続けています。
約20年にわたる試行錯誤が詰まった、菅井農園のぶどう。料理人たちを惹きつけるその味を、旬の今、ぜひ味わってみてください!
約20年にわたる試行錯誤が詰まった、菅井農園のぶどう。料理人たちを惹きつけるその味を、旬の今、ぜひ味わってみてください!
菅井農園
新潟県村上市猿沢字田添4119-2
電話番号/0254-60-2770
営業期間/ぶどう:8月下旬~10月中旬ごろ、越後姫:2月~5月中旬ごろ ※いずれもなくなり次第終了
営業時間/9時00分~18時30分
駐車場/あり
この記事を書いた人
富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/