「しろね大凧と歴史の館」と白根を訪ねて/新潟市


2022年05月25日 6268ビュー
どこの地域でも大事にしているお祭りがあります。
神様がのったお神輿を担いで回ったり、山車をぶつけて喧嘩したりさまざまですが、白根のお祭りは大凧が揚がります。
あなたは縦7mx横5mの大凧を見たことがありますか?私、小柴ぱせりは幼い頃、見た思い出がありました。家族で祭りに出かけましたが、子どもの頃の曖昧な記憶なので、もう一度見に行こうと、「しろねの大凧と歴史の館」を訪ねました。

しろね大凧と歴史の館

館長の笠井さんに紹介してもらいました。
まずは3D映像室で、凧合戦の白根大凧合戦の由来や、凧作りから白根大凧合戦までの様子など10分ほど見ます。専用メガネをかけると立体映像で臨場感あふれますね。映像でこれだけの勢いだと、現実ではどれだけの盛り上がりなんでしょうか、想像するとぞくぞくしますね。
 
YouTubeでも見ることができますが・・・あれ?これ見ちゃったら説明はいらないのでは??汗
YouTube【新潟シティチャンネル】三百年の闘い!魂の大凧合戦
凧合戦の起こりは、江戸時代の中頃、中ノ口川の堤防完成祝いに藩主から贈られた凧を、東側旧白根町(新発田藩)が揚げたところ、対岸の西側旧味方村(村上藩)に落ち田畑を荒らしました。このことに腹を立て、対抗して凧を揚げ東側にたたきつけたところから始まったと言われています。
「白根紙鳶合戦見聞記」というのが最古の文化資料で、これが江戸時代のものなので、300年くらい前からという定義になっているようです。
白根大凧合戦は、凧を揚げ、凧を絡ませ川に落として、綱を引き合って切ることで勝敗が決まります。凧を揚げるには良い北風が吹く季節が最適で、それが6月上旬。
祭り期間の5日間は毎日いろいろな凧が揚がりますが、大凧は北風が吹くと合戦開始です。
ということは期間中は、お仕事を休んでお祭り参加ということになるのでしょうか。
大凧は縦7mx横5m畳24枚分の大きさで、町内で組になり、東軍6組対西軍7組が戦います。各組20~30枚は作るそうですよ。
他にもサークルや事業所の43組が揚げる1200枚の巻凧(縦骨を抜くと巻いて収納できる六角形の凧)合戦や、小学校やこども会の30組が揚げる畳6枚分の大きさの子ども凧合戦もあります。とにかくたくさん作っているのです。
 
※今年2022年は諸事情のため規模を縮小して、子ども凧合戦は中止です。
たくさん作っているので材料も集めるのが大変です。
綱になる麻は栃木から、骨になる竹、真竹は佐渡、孟宗竹は田上五泉村松から、紙は長野県飯山の和紙。各組の職人さんが縄をない、水を吸わない冬の竹を仕入れに行って割り、紙を貼って絵を描く。
合戦が終わったらすぐに、凧製作の準備に想いを馳せるのだそうです。
東軍が先に低く凧を揚げ待ちます。
頃合いを見計らって西軍が高く凧を揚げ、上空から交差させ水面に落とします。
中ノ口川の流れで綱を絡め、引き合います。
紙は溶け骨だけになった凧同士は、引き合う元綱の先の方の助け木で絡み合い、綱を切り助け木を奪ったほうが勝ちです。各組ともに勝った数で優勝が決まります。もしも勝った数が同じ組があったら、切った糸の長さが長い方が勝ちです。
勝つために凧の作り方、揚げ方は、各組によって創意工夫をしています。
祭りに全力かけてます!
 
そんな大凧合戦が紹介され凧作りや凧揚げが体験でき、世界の凧のコレクションや白根の歴史を学べるのが「しろね大凧と歴史の館」なのです。
しろね大凧と歴史の館

しろね大凧と歴史の館

〒950-1214新潟市南区上下諏訪木1770-1
TEL 025-372-0314 / FAX 025-372-0316
開館時間午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日第2・4水曜日 (この日が祝日の場合は翌日)、 年末年始(12月28日~1月3日)駐車場あり
観覧料/大人400円/高校生以下200円 ※就学前の幼児は無料
※土曜・日曜・祝日に限り小・中学生無料
※小学3年生以下は保護者の同伴が必要

さて、白根大凧合戦期間中は「しろね大凧タウンガイド」が案内するまちあるきの特別なコースがあります。
まちあるきはひとりでも楽しいですが、地域に詳しい人をガイドに一緒に歩くと、いつもは入れない場所へ案内してもらえたり、自分では探せない路地や、歴史などを知ることができるのでおすすめです。
 
凧合戦開催中のコースは2つ。
コース1 白根凧合戦の魅力と見どころを堪能
コース2 白根大凧合戦と歴史的町屋群を巡る
開催期間以外の通年ガイドも4コースあります。
先日、NPO法人まちづくり学校の主催した「ブラニイガタ」のまちあるきが白根で開催され、「しろね大凧タウンガイド」によるまちあるきに参加してきました。
タウンガイドさんたちも関わって民間で設置したまちのサインが42箇所あり、うち7箇所に動画のQRコードも組み込まれています。
ガイドさんの解説を聞きながら、サインの説明を読んだり、おすすめの路地を歩いたりします。
「どこの町も寂れていき、シャッター通りになり、郊外店やインターネットで買い物をするので人も減っていく。それでも町にはおもしろいものがたくさんあるので、地元の人にも知ってもらいたい。歩くたびに新しい発見がある。切り立った堤防と、家庭の裏口にある階段が、地元以外の人には新鮮に映る。住んでいるとすべてがあたりまえだと思ってしまうけれど、まちあるき参加者におもしろさを気づかせてもらえる。だからまちあるきはおもしろい」
と、しろね大凧タウンガイドの髙橋さんが話していました。
 
あなたもあたりまえの、ふつうのおもしろさを見つける旅をしてみませんか?
まずは白根大凧合戦の観戦をお待ちしています!

しろね大凧タウンガイド

【ガイド料金】 
お一人様 500円 ※中学生以下は無料
【申込み方法】
メールまたは電話で申込み。5日前までに要予約。
お一人様からご案内しています。
【受付時間】
メールはいつでも申込可。電話の場合は平日の午前9時から午後5時まで。
【問い合わせ先】
しろね大凧タウンガイド 電話:070-4296-3345
しろね大凧タウンガイド メール:shironetown@yahoo.co.jp

白根大凧合戦

開催日時:令和4年6月2日(木)~6月6日(月)の5日間 13時~18時 
※最終日は17時30分まで
開催場所:新潟市南区 中ノ口川堤防上(白根橋~凧見橋間)

今回寄ったところ

この記事を書いた人
小柴ぱせり

72年新潟市生まれ、99年結婚、夫婦二人暮らし。イラスト描きます。 読書、創作、映画、音楽、演劇、着物など、文化系多趣味で、ちょっと?鉄子。企画運営好き。 15年-18年は信州暮らし。
https://314musubiya.9nzai.net/