【NEW OPEN】「パンと暮らしと ヤナギヤ」がつくる地域と人をつなぐ場所/津南町


2024年05月14日 2450ビュー
夏のひまわり広場、冬のスカイランタン、大地の芸術祭など、大自然を舞台にしたイベントや小さな町ならではの親しみやすさで人気のある津南町。

人口約9,000人規模の小さな町で、この春小さなパン屋さん「パンと暮らしと ヤナギヤ」(以下ヤナギヤと記載)がオープンしました。

小さな町の、小さなパン屋さん。

町の中心街から車を走らせること10分。
ヤナギヤがあるのは、ぽつぽつと住宅が並ぶ集落のどん詰まり。

「こんなところにパン屋さんが?」と少し不安を抱えつつ車を進めると、その先には行列が!

オープン15分前から並んでいるお客さんたちは、周りの景色や古民家の外観を眺めながら、わいわいと楽しそう。
ヤナギヤをオープンしたのは、お隣の十日町市出身の金谷日向(かなやひなた)さん。

飲食店勤務やイベントでのパン販売を経験したのち、夫の恭平さんとともに、念願だったパン屋をオープン。

国産小麦を使ったこだわりのパン

パンはハード系のカンパーニュがメイン。

日向さん(以下敬称略)「国産小麦を使い、酵母も自分で起こしています。小さいお店ですけど、 できるだけ手作りで丁寧に作ることを心がけています。」

津南町には今まで老舗のパン屋さんしかなかったので、お客さんからの反響も大きい。

恭平さん(以下敬称略)「先日地元紙に掲載していただいたのですが、その記事を見て地域のおじいちゃんから電話があったんです。実はハード系のパンが好きで1時間かけて買いに行っていたみたいで。近くにできて嬉しいって喜んでくれました。」

季節の山菜や地元食材を使ったパン

そのほかにも、地元食材を使ったパンが人気。

「自家製ローストポークのサンドイッチ」は、お肉が柔らかくてびっくり!
地元のブランド「つなんポーク」を使っています。
今の時期は山菜を使ったパンも。この日店頭に並んでいたのは「こごみとしらすのフォカッチャ」。

「パンにこごみ?」とドキドキしながら食べると、しらすの塩味とマッチして違和感は全くなし。クルンとした見た目もアクセントになって、かわいらしいです。

日向「この地域で採れる食材は、新鮮なうちにシンプルな味付けで食べるのが一番おいしいんです。茹でて塩だけ、とか。パンに使う具材も味付けするものもありますが、旬なものはシンプルな味付けにしています。素材の味を感じてもらいたいですね。」

そのほか、春には雪下人参のフォカッチャやフキノトウペーストを使ったパンなども並ぶ。お客さんからも「甘くてびっくり」「山菜のパンなんて新鮮」とすでに人気を集めています。

パンを作りながら季節を感じる

2024年4月11日にオープンして、営業した日はまだ数えるほど。毎回オープン前からお客さんが並び、注目を集めている「ヤナギヤ」。

店主の日向さんのパン作りへの思いをお聞きしました。

日向「パン作りを始めたのは、本当にたまたまなんです。趣味で手に取った本を見ながら、パンを作ってみたらすごく楽しくて。わぁ!ほんとに膨らむんだ!って感動したことを覚えています。」

パン作りをきっかけに調理の仕事に興味を持った日向さんは、その後パン屋をはじめ様々な飲食店で勤務。

日向「いろいろ経験して再認識したのは、パンを作るのが1番好きだということだったんです。パンってその日の気温や湿度で仕上がりが変わるんですよ。今日は気温が高いから発酵が早いなとか。作業をしながら季節の移り変わりを感じる、私にとってパン作りは大事な生活の一部になっています。」
日向「結婚して、この古民家に住み始めたのも大きいですね。たまたま紹介してもらった家なのですが、雰囲気がとても好きで。自分の作りたい空間作りのイメージが湧いたというのも、ここで開業したいと決めた一つの理由になっています。」

地元の人に愛されるお店に

日向「自分が10代のときに感じていた田舎の刺激のなさって、良くも悪くも感じている人が多いんじゃないかなと思うんです。私自身、パンを好きになって、休みの日に朝早く起きてパン屋さんに行くことが一つの楽しみだったんですよ。

このお店も地元の人にとって、そういう楽しみの一つになれば嬉しいですね。ご家庭や職場で『このあいだ、ヤナギヤに行ったんだよ』って話題にしてもらえるような、地域から愛されるお店にしていきたいです。」

地域と人をつなぐパン屋さん

恭平「ちょっとしたお土産屋さん的な存在にもなりたくて。今はパンと一緒に楽しめるコーヒーやハチミツを一緒に並べています。外から来た人がお土産に買ってもいいし、地元の人が手土産に買ってもいい。

自分たちがいいなと思った地元のものを置くことで、地域の他のお店や資源とも繋がるハブ的な存在にもなれたらいいなと思っています。観光のお客さんにも、いわゆる有名な観光スポットだけでなく、マクロな観光を楽しんでもらいたいですね。」
お二人がそう考えるようになったのは、それぞれUターン、Iターンして地域の人たちとの関係性を築いてきたからこそ。

恭平「僕は津南町に移住して9年目なのですが、移住してすぐに開業していたらこうはならなかったと思います。」

日向「ライフステージの変化もあるかな。Uターンして実家に住んでいた頃と、アパート暮らしの頃、結婚して一軒家に住んでいる今とでは、周りの環境や人との距離感も変わりました。」

恭平「一軒家に住むと、今までやったことのない家の周りの管理や集落の作業に出ることも。畑もあるので野菜を育て始めたんですが、近所の方たちが様子を見に来てくれて、よく声をかけてくれます。」

日向「ご近所の方にはすごく良くしてもらっていて、今回開業するにあたっても応援していただいたり、協力していただいて、ありがたいです。」
恭平「このお店をコミュニケーションの場にもしたいんです。ゆくゆくは家の前も芝生を敷いてテーブルとベンチを置いて、ちょっと休憩できるような場所にできたらなって。

地域のおじいちゃんおばあちゃんたちに畑作業の間のお茶飲み場にしてもらったり、そこに観光のお客さんが来て一緒に話をしたり、人と人とが繋がる場を作りたいですね。」

取材中にも、作業着姿の男性や軽トラに乗ったご夫婦が新しくできたパン屋さんの噂を聞いて来店。

ご近所の方が草刈りの休憩にパンを買って行ったり、おばあちゃんが「お茶飲みの手土産に」とパンを買って行くこともありました。

地域の人に愛される小さなパン屋さんは、観光スポットでは感じられないディープな旅の思い出を作ってくれるかもしれません。
パンと暮らしと ヤナギヤ

パンと暮らしと ヤナギヤ

住所:新潟県中魚沼郡津南町三箇甲967
駐車場:あり
営業時間:10:00〜16:00(なくなり次第終了)
定休日:リンク先のインスタアカウントをご確認ください。
問い合わせ:リンク先のインスタアカウントへDM

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer

 

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