「旬の恵みをいただきます!」 “新潟にしかん”の季節素材の魅力を体感できる「そら野テラス」へ/新潟市 


2025年07月07日 38ビュー
皆さん、こんにちは!
新潟生まれ新潟育ち、食べることが大好きで、新潟の食文化について勉強中のライター・槻本みのりです。
いよいよ夏も本番を迎え、夏野菜がおいしい季節になりましたね。
今回は新潟の季節食材の素晴らしさをたっぷりと体感できるスポットに行ってきました。

新潟市西蒲区の旬食材の魅力を発信する「そら野テラス」へ

そのスポットとは、新潟市西蒲区のシンボル・角田山の豊かな自然を間近に感じられる場所にある「そら野テラス」さんです。西蒲区は古くから農業が営まれてきた地域です。
その“新潟にしかん”地域の恵みが詰まった採れたての収穫物や手作りの味と出会える直売所「そら野マルシェ」をはじめ、野菜ソムリエ考案の旬の地元野菜を使った料理を味わえる「農園のカフェ厨房 トネリコ」、手作りの味をテイクアウトで楽しめる「そら野デリカ」、実際に収穫体験ができる「そら野ファーム」などで構成される“農園”であり、複合施設。
施設周辺には角田山を背景に、田園が広がり、その美しい景色を眺めるのも癒やされるのです。

季節の味と景色に出会える「農園のカフェ厨房 トネリコ」で、心と体が喜ぶランチを

さて、西蒲区の広々とした田園風景を楽しみながら「そら野テラス」に到着。まずは施設内にある「農園のカフェ厨房 トネリコ」でランチをいただくことにしました。
お店に入るとまず目に飛び込んでくるのが、大きな窓から広がる素晴らしい景色!
遠くまで広がる青空と田んぼに、かつては新潟県特有の農村風景でもあったはさ木…。これらがひとつになった美しい光景は、まるで一枚のアート作品のようです。店内ではそれを眺めながら、ゆったりと過ごせそうな心地よい空気が流れていました。
「この窓から見えるあの木たちが、カフェの名前の由来でもある 『トネリコ』の木です」と、教えてくれたのは「農園のカフェ厨房 トネリコ」店長の藤田瑠美子さん。野菜ソムリエとして、カフェのメニューも考案されています。
ちなみに、「トネリコ」とは新潟で古くからはさ木に用いられてきた樹木の和名だそう。
「元々、うちは農業法人で『そら野テラス』の前身『越後西川 あぐりの里』という農産物の直売所を運営していました。そこでおにぎりを作ったり、お団子を作ったりと加工商品を販売していたのです。ですが、お客さまが購入した商品を食べられるところがなく、買ったものを食べられる場所を作りたいという思いがあって…。休憩がてら足を運んでもらえるカフェを作ろうと、『そら野テラス』がオープンしました。それで『トネリコ』も一緒にできたのです」。
平野に囲まれた、自然豊かな西蒲区。「そら野テラス」から少し足を運べば、日本海を望む角田浜や越前浜があります。
また、藤田さんは次のようにも話してくださいました。「西蒲区は平野だらけではありますが、この『そら野テラス』がひとつのスポットになればいいなという気持ちがあります。やはり自分たちで生産して、自分たちで作ったものを、この場所で食べてもらいたいという思いがありますね。それこそが、この西蒲区で『そら野テラス』をやる意味だと思っています」。その土地の季節の恵みを味わえるのはもちろん、その農産物を通して作り手の熱い思いを感じながら旬の素材を食べることは、とてもぜいたくで貴重なことに感じます。そして、季節の食材を食べた後は、心も体も元気になりますよね。

 
藤田さんから「そら野テラス」がオープンした経緯や、お客さんへの思いをお聞きした後、早速ランチをいただきました。
野菜ソムリエでもある藤田さん。メニューを考案する際に大切にしていることは、「旬の野菜を食べてもらって、季節を楽しんでもらいたいというのが一番ですね。夏は夏野菜を、冬は根菜を楽しんでもらって、おいしかったら『そら野マルシェ』で購入してもらえたらと。メニューのおかずは気軽に作れるものだけど、家庭の食卓とはちょっと違う、ひとひねりした内容を意識しています」。
いくつかあるメニューの中から、私がこの日食べたのは、「トネリコランチ」です。お肉かお魚のメインが選べ、季節の小鉢が2品、漬物、お代わり自由のご飯、みそ汁がセットとボリューム満点。私はお肉がメインの「旬野菜の黒酢鶏」(1,408円)をセレクト。
「『トネリコランチ』は一汁三菜で、ご飯とみそ汁、おかず、小鉢とシンプルですが、野菜をたっぷり使っています。野菜を食べていると実感してもらえるように食感を大切に、なるべく添加物を使わずに素材を生かした薄めの味付けにしています。うちはご飯がお代わり自由なのでそこも売りですね。おなかも満足してもらえると思います」と藤田さん。
主菜にはナス、カボチャ、ズッキーニ、ニンジン、副菜にはミニトマトやキャベツなど、西蒲区の農家さんが生産した彩り豊かな野菜がたっぷり! 
カラフルな野菜を目にするだけでも元気になります。また、この日のメイン「旬野菜の黒酢鶏」の野菜は素揚げというひと手間を加えることで、素材のうま味が凝縮し、食感がよく、彩りが鮮やかに。副菜のミニトマトのハニーマリネは、湯むきしたミニトマトの甘みと酸味に、ハチミツの風味が加わってさっぱり。
また、ご飯のお米は「そら野テラス」で生産している西蒲区産のコシヒカリ。口中にお米の優しい甘みが広がります。
ここからは余談ですが…、お茶碗のご飯写真を撮ろうと思っていた私。おいしくてつい、無意識で食べ進めてしまい、お茶碗にご飯が半分というタイミングで気付く痛恨のミス(涙)。なので、写真はご飯を半分食べた状態となります…。
気を取り直して!
おいしいご飯がお代わり自由とはうれしい限りです。ちなみに、みそ汁のみそも「そら野テラス」で生産している米大豆を使った自家製だそうです。
西蒲区の農家さんたちが愛情を注いで生産した野菜を、「トネリコ」のキッチンスタッフさんがひと手間をかけ、料理としてお客さんの元へ…。そのようにいろんな人の思いが詰まったランチを、素晴らしい景色を眺めながらいただけるとは、何というぜいたくでしょう!
心と体が喜ぶ、西蒲区の季節の恵みがたっぷりの至福のランチ、ごちそうさまでした。
ちなみに季節限定のかき氷が今年もスタートしたそうです。ぜひこちらもチェックを!
 

“新潟にしかん”の農家さんの個性あふれる野菜が並ぶ「そら野マルシェ」へ

ぜいたくなランチタイムの後は、こちらも楽しみにしていた「そら野マルシェ」へ。
「そら野テラス」で生産されたお米をはじめ、新潟・西蒲区の採れたての農産物や、その素材を使った手作りの惣菜やスイーツなど、西蒲区の旬の恵みがぎゅっと詰まっています。
「『そら野マルシェ』では、地元・西蒲区の農家の野菜を気軽に購入し、食べてもらえることを目的に、ほかにもうちの米粉を使った団子やシフォンケーキなどのスイーツも楽しんでもらえるように作っています」。「そら野テラス」の広報・真柄明子さんが話してくださいました。真柄さん自身も「そら野マルシェ」内のデリカコーナー「そら野デリカ」で、おにぎりを握っています。注文後に作る「握りたておにぎり」は好評で、このおにぎりをテイクアウトして、施設内の休憩スペースで食べるのもおすすめの過ごし方だとか。
「『そら野テラス』はこのマルシェも含めて、カフェ『トネリコ』、『そら野デリカ』、いちご狩りやお米の収穫体験などを担当する生産部門など、大きく分けて4つの部門があります。私たちスタッフの軸となっているのは、自分たちで作っているお米はもちろんですが、『地元・西蒲区の農産物を大切にする』ということ。お客さまにはそういった心意気を感じてもらえたらうれしいですね」と真柄さん。
 
色とりどりの農産物や、それらを使ったさまざまな惣菜やスイーツが並ぶマルシェやデリカには、幅広い世代のお客さんが続々と訪れていました。
中でも面白かったのが、西蒲区の農家さんたちによる個性豊かな野菜たち!
ユニークなネーミングの野菜だったり、お客さんの心が和むようなデザインの包装だったり、興味をひかれる詳しい説明書きがあったりと、野菜を手にとるたびに農家さんとコミュニケーションをしているようなほっこりとした気持ちに。
箱売りのミニトマトがお得に購入できるのも直売所ならではの魅力ですよね!
「トネリコ」で食べたミニトマトのハニーマリネ、おいしかったな~などと思い出しながらマルシェやデリカの商品を選ぶ楽しいひとときを過ごしました。
私がお土産として購入したのは、表皮が薄く、シャキシャキの食感が特徴という珍しい「ブルームきゅうり」や、「そら野デリカ」でそら野ファーム産コシヒカリの米粉を使用した「あんこ串団子」(400円)などです。コシのある団子は優しい甘さの小豆がたっぷりで家族がおいしいと絶賛していました。
ほかにも「越後姫」の大パックを発見!「そら野テラス」で体験できるいちご狩りの時期は、3月から6月頃までですが、私がマルシェにお邪魔したタイミングで購入できました。「そら野農園」で収穫された越後姫はジューシーで濃厚な甘さ。これはぜひ来年も食べたい!
野菜や果物、スイーツを通して、西蒲区の魅力をたっぷりと堪能できた、大満足の買い物となりました。

来年で10周年を迎える「そら野テラス」、今後の目標などについて聞いてみました。

2016年にオープンした「そら野テラス」さん。来年で10周年という節目を前に、今後の目標などについて、「農園のカフェ厨房 トネリコ」店長の藤田瑠美子さんに聞いてみました。
「元々、地域の皆さんが休憩できる場所を作りたいというところからスタートしているので、例えば、この施設を大きくするというよりは、しっかりとここに根付いて、10年後も20年後もみんなの立ち寄りスポットになれるように、地元の方と一緒に続けられればという話をしています。ですが、同じことをやるだけでなく、多少なりとも変化をつけて、皆さんに楽しんでもらえるようなイベントの準備について、スタッフみんなでアイデアを出し合うなど、どんどん新しいことをやっていこうと思っています」。
カフェでの食事をはじめ、マルシェやデリカでの買い物はもちろん、「そら野農園」で体験できる春のいちご狩りや、夏のトウモロコシ収穫体験、秋のお米の収穫体験やサツマイモ狩りなど…、自然に囲まれた環境で、収穫の喜びを味わえるのも大きな魅力です。
「カフェから眺める、冬の景色もきれいですよ」と藤田さんが教えてくれたように、四季の移ろいとともに、旬の恵みを体感できる「そら野テラス」。
“新潟にしかん”ならではの「そら」と「野」の豊かな自然を満喫しに、ぜひ出かけてみてください。
 

そら野テラス

新潟市西蒲区下山1320-1
0256-88-4411(そら野テラス)
0256-78-7515(農園のカフェ厨房 トネリコ)

営業時間/
マルシェ9:00~19:00 (11月から2月は9:00〜18:00)、
デリカ9:00~16:00、
農園のカフェ厨房 トネリコ 10:00~17:00(16:00 LO)
※ランチタイムは11:00~14:00

定休日/火曜

この記事を書いた人
槻本みのり

新潟生まれ、新潟育ち。地域情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。
新潟の食文化やグルメに加えて、毎日が楽しくなるようなコトを発信したいです。コーヒーと焼き菓子、アイスが好き。
Instagram:https://www.instagram.com/minori.tsukimoto

この記事を見ている人は、こんな記事も見ています