【地域密着のローカル線〜えちごトキめき鉄道〜】日本海ひすいラインのサイクルトレイン・久比岐自転車道を利用して列車旅&自転車旅へ出発進行/糸魚川市・上越市


2025年07月03日 152ビュー
上越地域を走る、日本海ひすいライン(直江津ー市振)・妙高はねうまライン(直江津ー妙高高原)の運行を行う地域密着のローカル線「えちごトキめき鉄道」

地域密着である事を活かし、地域の方々に楽しんで鉄道を利用してもらう様々な取り組みが行われています。

前半では、その一つである「サイクルトレイン」。後半では、えちごトキめき鉄道の平井社長に地域密着のローカル線としての取り組みを伺ったインタビューをお伝えします。

日本海ひすいラインのサイクルトレイン&久比岐自転車道を利用して、鉄道旅・自転車旅へ出発進行!

自転車を分解や携行バックに入れず、そのまま列車に乗り込めるサービス「サイクルトレイン」

全国の鉄道路線で導入を耳にする機会も多いですが、えちごトキめき鉄道では2022年から日本海ひすいラインで運行開始し、定期列車に常時積込可能なサービスとしては新潟県内の鉄道路線で初めての導入です。

日本海ひすいラインは歩行者と自転車専用道路「久比岐自転車道」が並走しており、サイクルトレインと相互併用ができます。
私事ですが…大の自転車ファンであり、鉄道ファン。

数年前には寝台特急で四国へ渡り、自転車ファン憧れの聖地・愛媛県〜広島県を繋ぐ「しまなみ海道」を自転車で制覇しました。

久比岐自転車道も挑戦したいと思っており、初挑戦です!
今回は新潟県の西の玄関口・糸魚川駅から出発!首都圏や関西からアクセス抜群な駅です。
駅直結の「アルプス口観光案内所」でレンタサイクルをお借りしました。
車種は一般車(変速付)や子供用自転車、電動アシスト付き自転車やクロスバイク・Eバイクもレンタル可能です。

体力などに合わせてお選び下さい。今回私は一般車(変速付)を借りました。

糸魚川駅 アルプス口観光案内所

*住所   糸魚川市大町1-7-47(糸魚川駅アルプス口1階)
*電話番号 025-555-7344
*利用料金 ホームページをご参照下さい
*貸出期間 4月~11月
*利用時間 9:00~18:00 ※最終貸出16:30(必ず利用時間内に返却して下さい)

*利用中は安全の為、ヘルメットの着用をお願いいたします
*レンタサイクル利用の方に限り、ヘルメットの無料貸出が可能です

*利用前に、注意事項やレンタサイクルに異常がない事を必ず確認した上でご利用下さい
*利用上の注意、事故や故障時の対応、賠償責任、その他注意事項等はホームページをご覧下さい

早速、糸魚川駅構内へ!
サイクルトレインは乗車券のみでなく、別に積込料金290円の手回り品切符が必要な為、きっぷうりばで購入します。

積込料金 手回り品切符

*発売料金 290円
*日本海ひすいライン 直江津ー市振間 どの区間を利用しても1乗車一律290円
*有人駅から乗車の場合→きっぷうりばで購入(日本海ひすいラインの有人駅は直江津駅・能生駅・糸魚川駅)
*無人駅から乗車の場合→列車の降車時に乗務員へ申告し、列車内で精算を行う(上記以外の駅)
*一部サイクルトレインが利用できない駅があります(筒石駅)

改札で乗車券類を提示して、ホームへ向かいます。
周囲に注意して列車に乗車!
日本海ひすいラインは基本的に1両編成。列車後方から乗車後、空いた場所に自転車を置きしっかり押さえます。
糸魚川駅から2駅目・梶屋敷駅で下車。今回は有間川駅まで約30kmの自転車旅を楽しみます。
梶屋敷駅から少し走り、久比岐自転車道の糸魚川側のスタート地点「中宿駐輪場」へ。
コンビニエンスストアもあるので、飲み物などの準備も行えます。
日本海のすぐ脇を通るので、天気が良い日は佐渡島や能登半島を臨む絶景です。
(取材日はあいにく曇り…晴れた日に絶景をお確かめ下さい)
並走する北陸自動車道の大きな橋脚。自転車好き・鉄道好き…そして道好きでもある私にとってたまらない光景!
間近で見れるのも自転車旅ならではです。

【久比岐自転車道立ち寄りスポット①】海が見える神社「五霊神社」

鳥居の向こう側に日本海が臨める五霊神社。最高のオーシャンビューであり、旅の無事を祈りました。

五霊神社

*住所 糸魚川市鬼舞224

鮎釣りも楽しめる清流・能生川の景観も美しい!

【久比岐自転車道立ち寄りスポット②】能生の海にそびえるインスタ映えスポット「弁天岩」

フォッサマグナの海底火山の噴火によってできた大きな岩礁「弁天岩」

恋する灯台として認定され、橋を渡った先にある厳島神社と赤い欄干の橋と共にインスタ映えスポットとして人気です。自転車とのショットは良い記念になります。

弁天岩

*住所 糸魚川市大字能生

【久比岐自転車道立ち寄りスポット③】自転車でも行ける道の駅「マリンドリーム能生」(サイクルステーション)

久比岐自転車道にはサイクリストが快適に走れるように休憩所として認定された「サイクルステーション」が数箇所あり、サイクルラックの利用や空気入れ・修理工具の貸出ができます。

中でも、道の駅マリンドリーム能生は食事処・コンビニエンスストア・トイレなどが併設しており、休憩がてら気軽に立ち寄れる場所です。

休憩を取り、サイクリング後半出発!

道の駅「マリンドリーム能生」(サイクルステーション)

*住所   糸魚川市能生小泊3596-2
*電話番号 025-566-3456
*利用時間 9:00~18:00(サイクルラックは24時間利用可能)

【久比岐自転車道立ち寄りスポット④】SLも走っていた、旧国鉄・北陸本線の鉄道遺構

久比岐自転車道は、旧国鉄・北陸本線の線路跡地を利用した自転車と歩行者の専用道路であり、トンネルや橋の一部は当時のままのレンガを使用しています。

当時はSLも走っており、ロマンを感じます。

旧国鉄・北陸本線の鉄道遺構

*場所 久比岐自転車道 糸魚川市能生〜上越市有間川

上越市突入!自転車で越えるのは貴重です。
この先、久比岐自転車道は続きますが今回は有間川駅で一旦終了。
有間川駅は久比岐自転車道沿いで、サイクルトレインを利用しやすい駅でもあります。

久比岐自転車道

*区間 糸魚川市中宿〜上越市虫生岩戸
*距離 約32km
※途中、能登半島地震などの影響により、迂回を行う区間があります。ご注意下さい。(2025年5月現在)

再びサイクルトレインを利用して直江津駅へ。
直江津駅からは、上越市立水族博物館 うみがたりやショッピングセンターも近いので散策も楽しめます。

急行券の購入が不要になった「国鉄形観光急行」にも乗れるサイクルトレイン

最後に乗車する列車は「国鉄形観光急行(455系 413系)」

昭和感が懐かしい国鉄形の列車で運行を行う、トキ鉄が誇る人気車両です。

昨年度まで乗車券の他に急行券の購入が必要でしたが今年度から不要になりました。
観光急行もサイクルトレイン利用可能であり、車内が広く自転車を乗せやすいのでお勧めします。
3両編成のうち、ボックス・ロングシート共にどの席でも利用できます。
車内も昭和の雰囲気を体験でき、タイムスリップした感覚になります。
乗車記念カードが貰えたり、絶景区間で速度を落として走行したりと楽しみが多い列車です。

えちごトキめき鉄道 国鉄形観光急行

*運行日  土・日・祝日と一部の平日
*運行区間 日本海ひすいライン 直江津ー市振 急行1号〜4号で運行
      妙高はねうまライン 直江津ー妙高高原 往復1便 普通列車で運行
※運行日・運行時刻などはホームページをお確かめ下さい

糸魚川駅到着後、自転車を返却。無事にサイクリングを終えました。

今回は日本海ひすいラインで実施のサイクルトレインを紹介しましたが、妙高はねうまライン(北新井ー妙高高原)も実施しています。次回は、妙高山麓の景色を楽しみながら挑戦したいです。
上越地域は「上越サイクルフェスタ」も開催されるサイクリストの聖地。
海・山・里を堪能できる上越地域が、サイクルトレインと共にサイクリストの聖地として賑わいますように。

えちごトキめき鉄道 サイクルトレイン

*実施期間 4月下旬〜11月下旬
*実施区間 日本海ひすいライン 直江津ー市振間(筒石駅を除く全駅利用可能)
      妙高はねうまライン 北新井ー妙高高原間(直江津ー北新井間は利用出来ません)
*対象列車 朝夕を除く日中時間帯の列車(具体的な対象列車はホームページをご確認下さい)
*料金   乗車券類の他に積込み料金として、手回り品きっぷ290円が必要

*問い合わせ先 えちごトキめき鉄道 経営戦略室 025-546-5520(平日8:30~17:30)

*サイクルトレインの利用にあたっての案内や注意点などは、ホームページを十分お確かめ下さい

【開業10周年記念 特別企画】平井社長に聞く、地元密着のローカル線「えちごトキめき鉄道」を利用したくなる鉄道利用促進の取り組みとは?

2025年3月に開業10周年を迎えた「えちごトキめき鉄道」

利用したくなる地域密着のローカル線として、どのような鉄道利用促進の取り組みが行われているのでしょうか。

実は私も鉄道業界で駅員として10年間勤務経験があり、気になる内容です。
鉄道会社の社長にインタビューを行う貴重な機会に緊張する中でしたが、様々な取り組みを伺いました。
 
平井社長は2024年6月に就任。
国土交通省出身で北陸信越運輸局長を務め、佐渡市の観光交通政策アドバイザーも現在務めています。
①観光でトキ鉄沿線に訪れるお客様に向けた、鉄道利用促進の取り組みを教えて下さい!
「えちごトキめきリゾート 雪月花」の予約サイトの多言語化を行い、海外からの旅行客向けの旅行商品としての利用促進の強化を進めています。
また、直江津港からは世界文化遺産に登録された佐渡島へ航路で繋がっています。佐渡・上越地域を周遊していただき、雪月花と佐渡・上越地域の魅力を世界中の方に知っていただきたく思います。
②沿線に住む地域の方々に向けた、鉄道利用促進の取り組みを教えて下さい!
「鉄道利用=お酒を飲める」
この利点を活かして、ホームでビアガーデンを行ったり、D51レールパークのイベントでお酒を提供したりと、地域の方々に鉄道を利用していただくきっかけを作れるように考えています。
また、上越地域には鉄道・バス会社など各交通事業者が揃っていますので、それぞれの強みを活かして連携を行い、公共交通の利用促進を進めています。
③トキ鉄ファン・鉄道ファンに向けた、鉄道利用促進の取り組みを教えて下さい!
同じく開業10周年を迎えた、しなの鉄道など他の鉄道事業者との連携強化を進めています。
今年5月にはイベント列車として、しなの鉄道の車両・SR1系が開業以来初めて直江津駅まで運行を行い、話題を呼びました。
今後は沿線の交流とトキ鉄や鉄道ファンの方も楽しんでいただける、イベント列車の行き来などもあるかもしれません。ご期待下さい。
④最後に読者へ向けたメッセージをお願い致します!
直江津は新潟県鉄道発祥の地であり、鉄道の歴史も深い場所です。
妙高の山々・日本海の壮大な景色まで、様々な魅力が溢れるトキ鉄沿線。
今後も駅や沿線の賑わいを作り出し、「地域の方々をはじめ、観光で訪れたお客様やトキ鉄ファンの方に楽しんで利用していただける鉄道」を社員一同作ってまいります。
ぜひ、皆様のご利用をお待ちしております。
気付けば、1時間半も取り組みやトキ鉄の魅力を社長と語り、私自身も更にトキ鉄ファンになりました。

皆様もトキ鉄ファンになる事間違いなし!魅力満載の地域密着のローカル線・トキ鉄の鉄道旅にお出掛け下さい。
(一部写真提供 えちごトキめき鉄道)

今回伺った場所

この記事を書いた人
GATA_TETSU

長岡市出身、新潟市在住。
首都圏の某ターミナル駅で駅係員として、10年間勤務をした経験を持つ、元鉄道マン。
新潟へUターン後は、趣味の鉄道と元鉄道マンの経歴を活かし、SNSなどで新潟&公共交通の魅力を発信中!
https://twitter.com/GATA_TETSU_0401