発酵の歴史が息づく沼垂エリア「峰村醸造」の味噌蔵を見学して直売所のグルメを食べて、味噌の魅力を再発見!/新潟市


2024年05月15日 2555ビュー
こんにちは!ライターの竹内ありすです。

日本の食卓に欠かせない「味噌」。栄養価が高く、特に新潟では「新潟5大ラーメン」のうちの一つ「濃厚味噌ラーメン」としても親しまれる食材です。
今回は、そんな味噌の魅力が再発見でき、普段の生活にもっと味噌を取り入れたくなるようなスポット「峰村醸造」を訪れました。
新潟駅からも徒歩20分とアクセスしやすく、近くには合わせて訪れたいスポットも充実。さらに予約をすることで味噌蔵の見学や味噌の仕込み体験もできるので、お出かけにとってもおすすめです!

いざ峰村醸造直売所へ!

新潟駅から徒歩20分(タクシーで5分)、新潟市中央区の沼垂エリアにやってきました。
高架化工事が着々と進む栗ノ木バイパスを目の前に、立派な蔵が目印のこちらが峰村醸造です!
蔵の中に入ってみると、開放感とあたたかみのある空間。峰村醸造で作っている味噌をはじめ、いろいろな食品が並ぶ直売所となっています。
魅力的なポップにも惹かれ、さっそくお買い物したいところですが、そもそも峰村醸造の味噌について詳しく知りたい。……今回は味噌蔵を見学できるということで、案内していただきました!

味噌をもっと好きになれる味噌蔵見学

直売所となっている蔵を出て、奥にある味噌蔵の建物へ進みます。

ここから先は頭カバーと靴カバーをして、仕込みの妨げにならないように。
のれんの先にさっそく見えてきたのが、ずらりと並んだ大きな樽!ここで味噌を仕込むのです。
横にするとこんなサイズ感でした。案内してくださった峰村醸造の小林さんも背が高いのですが、すっぽり入ってしまいそうな直径です。

1つの樽で仕込める味噌は4トン。一人で4トンの味噌を消費するには220年かかるそうですよ!
年間で約700トンの味噌を製造する峰村醸造。味噌づくりの始まりは明治38年(1905年)、今から120年も前のことでした。(創業者の峰村仲蔵さんの名前にある「仲」が、味噌蔵ののれんや製品のロゴに刻まれています)
当時、ここ沼垂エリアには川や堀が流れ、水運が栄えていました。味噌、酒、醤油といった醸造業が軒を連ね、その数はなんと40余り。製造された食品は北前船で全国各地へと運ばれていきました。発酵食品が作れないような寒い地域には特に重宝されていたそうです。

さて、味噌を仕込んでいる場所がこちら。
大豆を煮たり蒸したりし、同じ建物で製造する米麹を合わせて水と塩を加え、発酵させます。

この日は仕込みをしていなかったのですが、それでも味噌の香りがすごい!近くでベルトコンベアを使って材料を混ぜていく様子を見たらきっとそのスケールに圧倒されることでしょう。
小林さんによると、味噌を仕込んでいるときは建物の外、栗の木バイパスの道路にもその香りが漂うのだそうです。
峰村醸造の味噌づくりの特徴は、「半煮半蒸(はんにはんむし)」の製法です。大豆を煮るとあっさり、蒸すと濃厚に仕上がるとのことで、大豆のうまみを生かしつつも飽きのこない、程よい味わいになる半煮半蒸を取り入れているのだそう。
峰村醸造では豆や米の種類や仕込みにかかる時間を変え、7種の味噌を作っています。
中には、創業当初に行っていた蒸し大豆の製法で仕上げた濃厚な味わいの「復刻仕込」も!
さて、味噌づくりに大切な工程である「発酵」はこちらで。重厚感のある木の扉が歴史を物語っているようです。

「同じ材料で作っていても、発酵させる環境によって味噌の味は変わります」と、小林さん。発酵する場所も、峰村醸造の味噌の味を作る大事な材料なのです。

2か月から4か月かけて発酵させ、味噌は完成します。一樽4トンと一度に大量に仕込む味噌は、発酵ムラが出ないよう途中で全体を混ぜ合わせる作業も必要。
機械を使って全体をなじませます。こちらの機械、昭和30年代から現役なのだそう!

味噌の香りに癒されながら実際に製造する工程を目にすると、味噌を食べたくなってきました。
(画像提供:峰村醸造)
(画像提供:峰村醸造)

峰村醸造では味噌蔵見学のほかにも、予約制で味噌づくりの体験も行っています。

漬物からスイーツまで、味噌グルメが集まる直売所

味噌蔵を見学したあとは、直売所に戻ってお買い物!
見上げると、味噌を仕込む様子の写真が大きなパネルで展示されています。
訪れた日は「春の感謝祭」として2.3キロと大容量の味噌を販売していて、開店時間からたくさんのお客さんが味噌を手に取っていました。
味噌はもちろん、峰村醸造で作る味噌や米麹を生かしたさまざまな食品が所狭しと並んでいます!
漬物に甘酒、忙しい日の食卓に重宝する冷凍のお惣菜。
味噌汁づくりにもぴったりな出汁。
味噌を保存したり計量したりするのに便利なグッズ。
お土産やギフトにぴったりなセット販売も!
中でも特に気になったのが、スイーツです!
カップの絵柄も可愛らしい「味噌ソフトクリーム」は味噌と乳製品の相性を研究して開発された一品で、味噌と生乳のまろやかさが口いっぱいに広がります。ちょっぴり塩気もあって、あと引く味わい。これはくせになります!
味噌のコクがたまらない「味噌バウムクーヘン」。外側に大粒の砂糖がまぶしてあって、食感も楽しいです!
金〜日曜日と祝日限定で店頭に並ぶ「味噌生どら焼き」。味噌の入った白あんと生クリームの相性がたまりません!

……味噌を使ったスイーツは甘さとしょっぱさがどちらも楽しめるので、いくらでも食べすすめてしまいそうです。
スイーツをたっぷり楽しんだこの日の夕食のおかずには、「味噌蔵の味噌モツ煮」を。
調理済みのものが冷凍で販売されているので、自宅では水を加えて鍋で加熱するだけで簡単に食べられる手軽さがありがたいです!彩りに小ねぎをちらしていただきました。

ごはんも日本酒も進む、味噌とモツのうまみが溶け込んだ素敵な一品でした!

週末に楽しめる「くらざしきスイーツ」もオープン!

味噌を使ったスイーツが味わえるのは、直売所だけではありません。
4月20日に直売所のすぐ隣の蔵座敷でスイーツ店がオープンしたのです!その名も「くらざしきスイーツ」。
プリンとチーズケーキの専門店で、味噌味をはじめ発酵の技術を生かした和風の味わいが楽しめるそうです。

くらざしきスイーツ

営業時間:土・日・祝日 10:00〜14:00
TEL:025-333-8467

発酵の歴史が息づく沼垂エリアを楽しもう

かつて水運が栄え、味噌づくりなどの醸造業がひしめき合っていた沼垂エリア。時代とともに沼垂エリアで醸造業を営む人は減ってしまいましたが、今でも発酵の歴史と未来を感じられるスポットが点在しています。
峰村醸造の小林さんは、「味噌をもっと身近に感じていただき、日々の生活にたくさん使ってもらいたいです。扱っているスイーツの種類も増えているので、若い方にも楽しんでもらいたいですね。周辺スポットも含めたくさんの人に訪れていただいて、この地域がさらに活性化していったら嬉しいです」と話します。
峰村醸造 直売所

峰村醸造 直売所

住所:新潟県新潟市中央区明石2-3-44
営業時間:10:00~17:00
営業日:年中無休(年末年始除く)
駐車場:あり
TEL:(直売所)025-250-5280
   (事務所)025-247-9321

★味噌蔵見学(要予約・有料)
見学時間:毎週金曜日11:00より20分程度、各回10名程度
申込み:ホームページまたは店頭にて
料金:1名500円(お土産付き)、小学生以下は無料
※開催時間の15分前までにレジにて受付支払いが必要

★味噌仕込み体験(要予約・有料)
開催日程:不定期(ホームページのカレンダーをご確認ください)
申込み:ホームページの応募フォームより
定員:各回10~20樽
参加費:3,980円(税込)/1樽4キロ

峰村醸造を訪れたら、合わせてめぐりたい周辺スポットもご紹介します。

沼垂ビール

こだわりのクラフトビールを製造販売。併設されたビアパブでゆったりとビールを味わえます。

沼垂テラス商店街

市場として使われていた長屋を生かし、飲食店や雑貨店など個性的あふれるお店が並ぶ商店街。イベントも定期的に開催されています。

みなさんもぜひ、発酵の歴史が息づく峰村醸造や周辺スポットへ、足を運んでみてはいかがでしょうか?

峰村醸造と周辺スポット

この記事を書いた人
竹内ありす

1995年新潟市生まれ。放送局での番組制作を経て、フリーランスのライター・ディレクターへ。 昭和歌謡と喫茶店、新潟の日本酒が大好き!もの・こと・人にまつわる、魅力あるストーリーをお伝えします。
Twitter→ https://twitter.com/atelier_aliswan