新潟ラーメン伝道師が推薦!新潟駅&新潟空港周辺で食べられるご当地ラーメン①新潟あっさり醤油
2025年12月05日
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丼の底が見えるほど透き通った黄金色のスープに極細麺が泳ぐ。個性豊かな新潟五大ラーメンの中で、「新潟あっさり醤油」は最もスタンダードなビジュアルです。発祥のお店は定かではありませんが、そのルーツは新潟市の「新潟島」と呼ばれるエリアです。信濃川と日本海の間に島のように浮かんでいることからその名がついたと言われ、北前船の寄港地として、また開港五港都市のひとつとして繁栄した歴史を物語るまち並みや建物が数多く残るエリアです。
新潟島には、昭和30年代までお堀が張り巡らされていて(東堀や西堀という地名が今でも残っています)、その堀沿いに屋台が立ち並んでいました。そこで誕生したのが、「新潟あっさり醤油ラーメン」だと言われています。
新潟島には、昭和30年代までお堀が張り巡らされていて(東堀や西堀という地名が今でも残っています)、その堀沿いに屋台が立ち並んでいました。そこで誕生したのが、「新潟あっさり醤油ラーメン」だと言われています。
屋台では十分な火力を得られず、仕込みの時間も多くはかけられません。そのため短時間で仕上がる淡麗ダシが生まれました。席数も限られているので、すぐにゆであがる極細麺を使うお店が多かったそうです。お堀が埋め立てられ、屋台の多くはお店を構えるようになりましたが、提供するラーメンは当時の趣を残しています。
新潟島には「古町」という繁華街があり、あっさりスープとスルスルと食べられる極細麺は、古町で飲んだあとの締めの一杯としても親しまれています。
新潟島には「古町」という繁華街があり、あっさりスープとスルスルと食べられる極細麺は、古町で飲んだあとの締めの一杯としても親しまれています。
今回ご紹介する「麺や来味」は新潟空港から車で5分ほど、新潟バイパス海老ヶ瀬インターからも近く、アクセスは抜群です。
木のぬくもりのあふれる店内はカウンター席のほかにボックス席や広い小上がりもあり、小さいお子さま連れも安心して利用できます。
ご主人の布川さんは2代目で、初代が「中華そば来味」を古町エリアの南浜町や中央区紫竹で営んでいました。東区に同店をオープンして20年ほどで、「中華そば」(850円)は当時の味を引き継いだ一杯。白い丼に黄金色のスープがたっぷり。細い麺の上には豚バラチャーシューやメンマなど、トラディショナルな具材が浮かびます。
油の少ないスープは後味スッキリで、煮干しやカツオ節など和風だしの豊かな香りの余韻がたまりません。「昔は1本のスープで作っていましたが、香りを立たせて他のラーメンと差別化するためにダブルスープにしています」と、布川さん。
和風だしと動物系の淡麗だしを注文が入ってから手鍋で合わせて、香りを引き立たせています。このこだわりが年配からお子さままで幅広い層に愛される理由です。
和風だしと動物系の淡麗だしを注文が入ってから手鍋で合わせて、香りを引き立たせています。このこだわりが年配からお子さままで幅広い層に愛される理由です。
麺は自家製の細ストレート。2種類の小麦粉を独自にブレンドしていて、麺を勢いよくすすると小麦の風味を楽しめます。
またお店のレジ付近では布川さんが監修したお土産ラーメンも販売中。乾麺と濃縮スープの組み合わせなので、ラーメン好きへのプレゼントにいかがでしょう?
「みんなが好きなメニューを提供したい」。布川さんがお店作りをするうえで大切にしていることだそうです。その思いから提供するメニュー数は30種類をゆうに超え、季節限定も5品以上を同時に出すことも。それだけのメニューをこなすため、日々仕込むスープは驚きの4種類。一般的には多くて2種類のため、その仕込みは職人歴の長いレジェンドの成せる技です。
中華そばのほか、お客さまの支持を集めているのは「淡麗醤油らぁ麺」(950円)。黒みがかったスープの秘密は、新潟県産の醤油「郷土の実り」。独特の甘みと香りが特徴で、やさしいダシにキリッとした塩味を加えています。
提供前にフライパンで表面を焼くなど、満足度を上げるこだわりにも注目です。
「パスタ店のような幅広いメニュー構成をイメージしています」と布川さんが言うように「麺や来味」の人気を博している理由はメニューの多さではなく、味の幅の広さ。
今回紹介した中華そば以外に背脂たっぷりの「ちゃっちゃ麺」やつけ麺、担々麺、みそラーメン、そして二郎系の「来二郎」までそろっています。さらにつけ麺は麺が2玉まで増量無料、汁なし系は追い麺か追い飯が付くという太っ腹ぶり。
とことんお客さまのことを考え抜くレジェンドが作る一杯。あなたの好きなラーメンがきっと見つかりますよ。
とことんお客さまのことを考え抜くレジェンドが作る一杯。あなたの好きなラーメンがきっと見つかりますよ。
麺や来味
住所/新潟市東区大形本町5-6-6
TEL/025-272-4198
営業時間/11時~15時(14時45分LO)、17時30分~21時(20時45分LO)※材料なくなり次第終了
定休日/月曜夜、火曜ほか不定休
席数/35席
駐車場/26台
この記事を書いた人
糸魚川市出身、新潟市在住。タウン誌編集部時代から新潟ラーメンの取材を続け、20年で食べたラーメンは5,000杯超。新潟を日本一のラーメン王国にするべく活動中。一般社団法人新潟拉麺協同組合の広報担当。好きな言葉は「大盛り無料」。
SNS:https://www.instagram.com/katayama_takahiro/