新潟ラーメン伝道師が推薦!新潟駅&新潟空港周辺で食べられるご当地ラーメン③燕背脂
2025年12月09日
いいね
13ビュー
背脂たっぷりのスープにうどんのような極太麺。全国の数多く存在するご当地ラーメンの中でも、そのビジュアルのインパクトは唯一無二です。全国的には「燕三条系ラーメン」と呼ばれることもありますが、発祥は燕市。洋食器をはじめとする金物産業において全国的にも知られる「職人のまち」です。
蛇足ですが、あのノーベル賞受賞式晩さん会には、燕市の洋食器メーカー「山崎金属工業」のカトラリーが使用されています。世界にも認められた燕の職人たちの胃袋を支え続けているのが、燕背脂ラーメンなんです。
蛇足ですが、あのノーベル賞受賞式晩さん会には、燕市の洋食器メーカー「山崎金属工業」のカトラリーが使用されています。世界にも認められた燕の職人たちの胃袋を支え続けているのが、燕背脂ラーメンなんです。
元祖は燕市の「杭州飯店」。戦後の高度経済成長期に忙しく働く職人たちにおいしい出前のラーメンを届けるため、一般的な中華そばを改良したことが起源だそうです。スープが冷めないように表面にびっしり振りかけた背脂がコクを加え、伸びないように太くした麺がモチモチ感を生み、そのスタイルが燕市内で広まりました。
玉ネギや岩のりなどトッピングにもオリジナリティーがあり、麺・具・スープすべてに個性が光るスタイル。誕生から半世紀以上がたち、今では県内はもとより関東を中心に全国で燕背脂ラーメンを提供するお店が増えています。
これまた蛇足ですが、燕市に隣接する三条市のタクシー会社では、独自の試験に合格したドライバーがおすすめの背脂ラーメンの店を巡る「燕背脂ラーメンタクシー」を運行しています。
これまた蛇足ですが、燕市に隣接する三条市のタクシー会社では、独自の試験に合格したドライバーがおすすめの背脂ラーメンの店を巡る「燕背脂ラーメンタクシー」を運行しています。
燕市発祥の背脂ラーメン。もちろん県都新潟市にも提供店が多く、東区の「滋魂」もそのひとつ。新潟空港から車で約5分、新潟駅からは約15分と好立地。
店主の安東さんは、燕背脂ラーメンの名店で県内外に多数の店舗を展開する「ラーメン潤」グループの本店「酒麺亭潤 燕総本店」で長く店長を務めた人。2010年に独立して地元の新潟市に店を構えました。
「JUN izm」を看板に掲げ、燕市で長年親しまれている味に独自のアレンジを加えたラーメンを提供しています。
看板メニューの「中華そば」(950円)。麺が見えないほど浮かぶ背脂に生玉ネギや岩のりなど、燕背脂ラーメンの王道的ビジュアルです。
「新潟市の人はこってりスープが好きなので、燕の味よりも動物系の割合を増やしています」と安東さん。燕背脂ラーメンはそのビジュアルからこってりしたイメージを抱きますが、ダシは煮干しがメインの淡麗系。そこに背脂を合わせているので、思いのほかくどくはありません。
ザルを使って丼の上に振りかける背脂。あまり知られていませんが品質には厳しいランク付けがあり、滋魂では最高級の「A脂」のみを使用。べと付きや臭みはなく、豚本来の甘みのみを楽しめます。
背脂の増量は「中脂・大脂」まで無料。丼が背脂で真っ白になる「鬼脂」(100円)もありますが、初めての人はまずノーマルをオーダーしましょう。
背脂の増量は「中脂・大脂」まで無料。丼が背脂で真っ白になる「鬼脂」(100円)もありますが、初めての人はまずノーマルをオーダーしましょう。
燕背脂ラーメンのもうひとつの特徴が極太麺。伸びにくいように加水率を上げているため、はじけるようなモチモチの食感です。
滋魂の麺は修行元の「ラーメン潤」から仕入れていて、やや丸い形状。背脂をまとったのど越しは抜群で、すするたびに煮干しがフワリと香ります。
長ネギではなくシャキシャキ食感の生玉ネギを合わせるのも燕背脂ラーメンの特徴ですが、滋魂のウリは岩のり。人気の岩のり中華(1,200円)は、岩のりが丼の半分以上を埋めるほどたっぷり。
鮮度のいい岩のりを使用しているため、ラーメンが運ばれた時点で磯の香りがくすぐり、煮干しの香るスープと絡めると魚介感がさらに高まります。
鮮度のいい岩のりを使用しているため、ラーメンが運ばれた時点で磯の香りがくすぐり、煮干しの香るスープと絡めると魚介感がさらに高まります。
岩のりのシャキシャキ感は麺と一緒に食べると、食感のコントラストが際立ちます。たっぷりあるので、ライス(200円)とのマリアージュもぜひ。スープを吸わせた岩のりをライスにのせて一口…想像しただけで、おなかが鳴りそうですよね!
「岩のりや背脂を別皿で注文されるお客さまもおられます。自分の好きなスタイルで味わってください」と安東さん。その心遣いに感謝しつつ、燕背脂ラーメンを自分流に楽しみましょう。
「岩のりや背脂を別皿で注文されるお客さまもおられます。自分の好きなスタイルで味わってください」と安東さん。その心遣いに感謝しつつ、燕背脂ラーメンを自分流に楽しみましょう。
滋魂
住所/新潟市東区松崎1-1-28
TEL/025-272-9260
営業時間/11時~14時50分、17時~20時50分※スープなくなり次第終了
定休日/水曜、ほか不定休
席数/24席
駐車場/7台
この記事を書いた人
糸魚川市出身、新潟市在住。タウン誌編集部時代から新潟ラーメンの取材を続け、20年で食べたラーメンは5,000杯超。新潟を日本一のラーメン王国にするべく活動中。一般社団法人新潟拉麺協同組合の広報担当。好きな言葉は「大盛り無料」。
SNS:https://www.instagram.com/katayama_takahiro/