新潟の夜を楽しむ!観光客にもおすすめ!地元で愛される名店3選【古町エリア】/新潟市


2025年12月04日 2997ビュー
昼間に新潟の観光地を観て遊んで……さて。夜はどうしようかな?
せっかく来たのだから、夜も新潟らしい場所で美味しいご飯を食べたり、お酒を飲んでみたりしたいですよね。
 
新潟市には夜も楽しく、美味しいお料理やお酒を堪能できるお店がたくさんあります。
 
特に「古町(ふるまち)」は、東京の新橋、京都の祇園に並ぶ「花街(かがい)」が古くにあり、現在も多くの、風情溢れる料亭・割烹、飲食店が軒を連ね、夜の新潟を彩っています。
 
その中から、今回おすすめしたいお店が「季節料理 喜ぐち」「魚と地酒とワインりべら 新潟古町」「割烹 やひこ」。
 
実際に足を運び、お客様と同じように体験をした様子を交えながら、皆さまにご紹介していきたいと思います。

季節料理 喜ぐち(きぐち)

創業60年の居酒屋さん。
新潟ガストロノミーアワード2023では特別賞受賞。
 
2025年の今年。
喜ぐちを愛するお客様たちが発起人となり、60周年記念パーティーが盛大に行われました。
それだけ地元の方々に支持されている!!
新潟を代表する大衆居酒屋の一つと言っても過言ではありません。
新潟居酒屋界のレジェンド的存在!?(地元民の私の勝手なイメージ)

場所は古町通10番町

「喜ぐち」があるのは古町通10番町。
 
そもそも「古町(ふるまち)」というのは、古町通を中心とした呼び名です。
海と河に囲まれ、河川舟運と海運双方の拠点港として古くから繁栄した湊町でした。
「通り」「広小路」「小路」によって構成され、この町割りに、新たに加えられた「新道(しんみち)」に沿って古町花街などは形成されました。現在も随所にその姿が見られますので、古町を歩く時はちょっとだけ目を向けてみると楽しいかもしれません。
 
JR新潟駅からですと万代橋を渡って…古町通り(ふるまちモール7番)を入ってひたすら真っ直ぐ。
アーケードを抜けると、たくさんの飲食店が立ち並ぶ8番町があって…国道を越え、喧騒から一歩進んだその先に喜ぐちはあります。

著名人も多く訪れる大人気の大衆居酒屋

暖簾を潜った店内は……お座敷のお席。
まるで実家の広い客の間にテーブルがあって、そこにワイワイ集まる感じ?!
このざわめきや誰かの気配もまた、居心地がいいと感じるベクトルなのだと思います。
 
そして、やはり気になるのが、壁一面に所狭しと飾られている「色紙」。
だれもが知っている有名人のものが沢山……。
地元民だけでなく、多くの著名人にも、人気のお店ということがよく分かりますよね。
 
現在は、二代目の木口文敏さんと奥様、お母様を中心に切り盛りしています。
なんと木口さんは東京や軽井沢、海外で何年もフレンチの修行をした後に、新潟でフランス料理のお店を開いていたこともありました。現在は喜ぐちの目の前にジェラート専門店「FKm(エフケーメゾン)」も営んでおります。
そして今から25年ほど前に先代の後を継いでからは、
「これまでの味を変えず、守ることを決めている」と言います。
 
また、何故これほどまで地元の方のみならず、多くの人に愛され続けられるのか?という私の質問に対し、
「60年を振り返って思うのは、背伸びしたお店ではないけれど、季節や新潟の食材を意識して、向き合うところはきちんと向き合っている部分があるからなのではないか…」とお話しくださいました。
 
そのお料理なのですが、品数がすごく豊富。
常連さんのおすすめ情報によると、バイ貝、餃子、タンメン、釜めし、タレカツ丼などなど。でも、皆さん最終的には「どれを食べてもおいしい」に落ち着きます。
 
木口さんもまた「時間が過ぎていく中で、お客様が食べたいものと、ウチが作りたい料理の幅が一致している感じ…」とのこと。
なんか双方の「繋がり」みたいなものを感じちゃいました!

実際に飲んで食べてみた!

では、せっかくなので私も喜ぐちのお料理を頂きます!
タンメン、釜めしについてはこちらの記事を参考にして下さい。
あ、その前に乾杯ですね!まずは喉の渇きを潤す為にシュワシュワ系いっちゃいますか。
ビール…と、麒麟山サワー。これは新潟の地酒「麒麟山」が提案している日本酒ハイボール。日本酒がちょっと苦手かもって方も飲み易いと思います。
カンパーイ❤
 
お通しに出てきたのが「くじら汁」。
さっそく、新潟の郷土料理の一つがきちゃいました♪
新潟は古くから西日本で獲れた鯨が北前船で運ばれてきたことから、鯨を食べる食文化があるんです。
他にも県民が好きな、新潟らしいお料理をいきます!!
 
「バイ貝」は……酒蒸しと刺しを。
日本海で獲れたバイ貝は、身が締まってコリコリして、うま味がありながらもしつこくなくてお酒のアテには最高。
地元消費が多く、関東などにはあまり出回らないと聞きます(関東で食べたことがないから分からないけど)
そして、新潟の海と言えばやはり「甘えび」。
「南蛮エビ刺し」。
これは「ホッコクアカエビ」「甘エビ」のことですね。
新潟では赤い身と形が南蛮に似ていることからこう呼ばれています。
県民のほとんどは南蛮エビって呼ぶかも?!
 
甘くてとろけちゃう口当たり。
ここは日本酒いっちゃいます。
選んだのは「鶴の友」
 
日本酒は新潟の地酒が常時12種。
越後杜氏、鶴齢、八海山、麒麟山、久保田、〆張鶴、鶴の友、越乃寒梅…など。
新潟らしい淡麗辛口の、飲み飽きせず疲れないお酒をおすすめしているそうです。
メニューには2合と明記してありますが、1合からでもOK。
どれを飲んでいいのか分からない~って時は、お気軽に聞いてみて下さい。
 
そして、くじら汁同様、新潟を代表する郷土料理といえば「のっぺ」。
里芋、にんじん、しいたけ、ぎんなんなどの野菜を煮たもので、お盆やお正月などのハレの日だけでなく一年中よく食べられます。
温かくして食べる時もあれば、冷たくして食べる時もあります。温かい派と冷たい派…いるかも?笑
 
居酒屋さんで「鶏から」を注文する方って多いと思うんだけど、新潟の鶏からはカレー味の半身揚げがメジャーです。
喜ぐちの鶏からもそれで、でも小さめにしてあるので女子でも食べやすい❤
カレー味が染み付いたパリッとした皮と、ジューシーな肉!!!
 
 
お店のおすすめ「鶏もつ煮」も頂きました。
もつ煮っていうと、豚もつで味噌味が多い気がするけど、喜ぐちのは鶏もつ。しかもラーメンスープを使用して煮込まれているそうです。
だからスープが白い。
確かに和風でない感じ。
かといってめちゃくちゃ中華ってわけでもない。
初めて出会うもつ煮。
だけど、これがまた美味しい!身もぷりっぷりです。
 
 
お次は大人気の餃子。
過去に口コミグルメサイトで美味しい新潟の餃子ランキングでNO.1になったこともあるんです。
名だたる中華店やラーメン店をおさえて居酒屋さんの餃子がNO.1ってすごくない?
というのも、先代がラーメン店もやっていた故の、確たる技術と根拠があるからなのでしょう。
 
最初からタレがかかっているスタイル。
これも他ではあまり見ない気がする。
中はというと……なんと肉、肉、肉……。
それだけにジューシーなんだけどあっさりしていて素朴な味。
餃子とくればビールかな?
 
では、そろそろシメを……
タンメンといきたいところですが、ここはあえてシンプルに「ラーメン」。
平打ちぢれ麺。
普通に食事として食べても良し。
あと、焼きそばも。
あ、なんか懐かしいおうちの焼きそばって感じ。
 
それから、私がシメのシメとしてどうしても食べたかったのがジェラートです。
 
前述したFKm(エフケーメゾン)のジェラートやスイーツが、ここでも食べることができるんです。
飲んだ後のアイスとかって大好き(笑)
 
使用している果物も、ほとんど県産のもの!
新潟は果物も美味しいのです。
そもそも木口さんがジェラートを始めたのは、新潟の旬の果物を食べて、その美味しさを知って欲しいと思ったのも理由の一つ。
王道のミルク系のジェラートもあります。
秋だから…ここは、
巨峰のジェラート梨と紅茶のジェラートをチョイス。
巨峰は皮まで入っているし、紅茶(アールグレイ)の香りもすごいあって、梨のつぶつぶ食感?
食材をダイレクトで感じるジェラートでした。
うーん…他の味も食べたい。制覇したい…。
 
たくさーーーんあるメニューの、ほんの一部しかご紹介できませんでしたが、さすがにこれ以上お腹に入らないので(笑)
 
ご馳走様でした♡
店を出て、振り返って看板の明りを見ると「あぁ、また来よう」って、しみじみと温かい気分のままに。
そしてまた、飲食店が煌びやかに立ち並ぶ本町通りを抜けて歩く帰路。
 
お料理やお酒が美味しいのはそうなんだけど、一番は、やはりお店の雰囲気…というか、ご主人や奥様、お母様にまた会いたくなる…ってゆーのかな?
だから、喜ぐちが沢山の人から愛されて、拠りどころになって、いつまでも守りたい古町の風景の一部……にまでなっているような気がします。
 
木口さんもまた「古町は新潟らしさを感じることが出来る。少し離れているけど、それでも海の風や雰囲気を感じる。季節があり、海、川、山の食材がある。いつ来ても「食」を楽しむことができる」とのこと。
 
ここで是非、飾らない新潟らしさ、温かさ…古町の原風景を覗いてみてください。
季節料理 喜ぐち

季節料理 喜ぐち

住所:新潟市中央区古町通10-1720
電話番号:025-224-9075
営業時間:月~木17:30~深2:00(L.O深1:30)
金・土曜17:30~深3:00(L.O深2:00)
祝日17:30~深1:00(L.O12:30)
定休日:日曜、他不定休あり

FKm(エフケーメゾン)

FKm(エフケーメゾン)

住所:新潟市中央区古町通10番町1671
電話番号:025-201-8280
営業時間:12:00~18:00
定休日:月曜、他不定休

魚と地酒とワイン りべら 新潟古町

2022年オープン。
ミシュランガイド新潟2020でビブグルマンを獲得した駅南の人気イタリアンレストラン「LA CUCINA LIBERA(ラ クチーナ リベラ)」のオーナーシェフ古関さんが手掛ける、和食料理店です。

場所は古町通9番町

「りべら」があるのは古町通9番町。
古町の中心、古町通から一本西側の通り「西新道」沿いにあります。
古町モール7のアーケードを抜けてから、向かって左に一本入った通りをまっすぐ行くと分かりすいかな?
 
この通りがまた素敵なんです。
石畳の、趣ある風景。
一気に別世界に迷い込んだかのよう。
この風景を楽しみながらお店へ向かう……。
写真も映えます。
通りの奥、右手に見えてくるのがりべらです。
古民家をリノベーションした建物とその店内が、これまた素敵!!
1階はカウンターとテーブル席が3つ。
2階は個室が1つと半個室が4つ。
 
どのお席も椅子席なので足は楽だし、古き良き建築様式の中に新しさもあるから、それほど肩肘張らずに寛ぐことができる感じ。
若い方から年配の方まで幅広年齢層でおすすめできちゃう。

地酒とワインどっちも楽しめる!

りべらの良いところは、やはり、なんと言っても新潟の美味しい地酒とワイン、どちらも楽しめるところではないでしょうか。
あ、世界の美味しいワインもあります。
 
新潟は酒どころと言われ「日本酒」が美味しいってイメージの方が強いと思うのですが、実は!ワインも凄いのです!!
 
その歴史も古く、1890年に「日本ワインの父」とも称される川上善兵衛氏がワイン造りの為のブドウ栽培を始め、1893年にワイナリーを設立。
現在日本の赤用ブドウ品種の中で、最も醸造量の多いマスカット・ベーリーAも新潟で生まれました。
醸造所の数、新潟市民のワイン消費金額、数量、共に全国上位なんですよ。
 
しかし、やはり気になるのは、イタリアンレストランから古町で和食料理店をオープンさせたこと。
私も当時は「え?和食なの?」ってちょっと驚きました。
 
その理由をオーナーの古関さんにお伺いしました。
 
「ここは2022年のコロナ渦にオープンしました。駅南のお店(リベラ)をやっていて、海外や東京に行けない中、もう一度新潟を見直そうと思ったんです。新潟の四季、食材、酒蔵に向き合って取り組んでみようって。
リベラではイタリアにロマンを感じて生産者の想いを大切にしてきました。でも、ワイナリーと酒蔵って一緒ですよね。造り手のお話(想い)を聞くことができるのに、やらないのはもったいない。やってみたいって思いました」
 
――でも、イタリア料理と日本酒のマリアージュなども、リベラのお店でやっていましたよね?
 
「チャレンジしたこともあったんですが、イタリア料理がコンセプトなので、コンセプトがぶれるな、と思いました。それであれば和食をやろうって」
 
――ちなみに、どうして古町にお店を?
 
「実は20代半ば頃、古町で働いていたんです。その時、古町のお客様や周りのお店の人たちがすごく優しくて、いつも声をかけてくれました。町に育ててもらった……というのでしょうか。だから、大好きな古町に恩返ししたいと思って古町に店を出しました」
 
(町が人を育て、そして人が町を育てる……)
でもきっとそれは、古関さんだけではないような気がしました。
ここにいる多くの人たちが、そうやって人と町を育み、今の古町の姿があるのかな!?

おすすめのアラカルトを注文してみた

素敵なお話の後。
こちらでも実際にお料理とお酒を頂きたいと思います。
どの食材も地元のモノにこだわっていますが、お店の名前「魚と地酒とワイン…」の通り、特に魚は佐渡から汽船止めで送られてきたものを使用しています。
タイミングがよければ、届いたばかりの新鮮な魚をお店で食べることができますよ!
 
お店で腕を振るうのは、料理長の井上さん。
私……優柔不断だからその時の新鮮なお魚でおすすめをリクエストしちゃいました。
コース料理(2名~要予約)もあります。
 
まずはお通しから。
・ナスのひき肉あんかけ
・かきのもと
・里芋の唐揚げ(五泉産帛乙女)
 
どれも新潟を代表する食材!!
三種の神器だ(笑)
 
ナス王国新潟のナス…特に秋ナスはヤバい。
そして新潟名物「かきのもと」。
江戸時代から新潟で食べられている食用菊です。
この時期(10月~)の新潟は、どこへ行っても「かきのもと」出てくると思う…たぶん。
私は県内のかきのもとの8割を生産しているという南区出身なので、この紫色の食べ物は食卓の一部みたいなもの(笑)
 
そして新潟の里芋も美味しくて、特に五泉の帛乙女(きぬおとめ)は大好き♡
郷土料理「のっぺ」の主役でもあるしね。
唐揚げにしてもホクホクなめらか食感がいい!我が家も子どもが好きだからよく作ります。
 
あ、なんかお通しだけですでに熱くなってしまいましたが…
 
今日は良いヒラマサが入ったということで、炙り丼にしてくださいました。
秋口が美味しいんですよね?
白身だけどしっかり脂があって、でもくどくなくて、口当たりもとろっとしてる。
これは新鮮でないと!!!
 
 
「かますと旬菜の天ぷら盛合わせ」
かますも、この時期は脂がのっているといいます。(取材時10月中旬)
 
「真いかの肝ソースがけ」
佐渡の真いか(スルメイカ)は全国的にも美味しいと有名なんじゃないかな?
もう、これは日本酒とまらないヤツ。
 
「長岡産牛のたたき」
お肉料理もご用意してもらいました。
お肉もね、県産のものを使用。
 
 
「当店裏名物!もつ煮込み」「旬じゃがポテトフライ」も追加。

地酒はコアなラインナップ?!

美味しいお料理と一緒に楽しむお酒も選ばなくては!!
日本酒はその時のものを10種類以上取り揃えているそうです。
そのラインナップを見ると……
ちょっと白ワインに似ているような、個性的な造りや味わいのものがありました。
例えば玉川のイットキーや笹祝のBAMBOOSHOOTS(バンブーシュート)。
女性や日本酒が少し苦手だなって方も飲み易いと思います。
 
八恵久比岐「空」「さわがに」も、なかなか他では見かけないチョイスだぞ。
日本酒大好きっ子としては、これらのお酒一つ一つ全部語りたいところ!!!
ですが…いつまで経っても乾杯に辿り着かないので今日はコレにします。
越銘醸の壱醸「雷」純米熟成ひやおろし。季節のお酒を頂きます♪
そしてやはり、ワインも頂かなくては!!
今日あった新潟ワインが…
栃尾ワイン
フェルミエ
胎内ワイン
 
これらも一つ一つ語り出すとながーーーーっくなりますので割愛。
 
栃尾のそれは和食との相性が良い感じだと言うし、胎内は疲れない感じかなぁ(ワイン慣れしていない私は個人的にコレ好きかも)
フェルミエは数ある新潟のワイナリーの中でも、特に人気があるような気がします。
こちらは全てボトルでの提供です。
和食とワインのマリアージュも最高♡
 
あ、ノンアルビールも地ビールだ!
気になったのでこちらも(笑)
黒ビールみないな…キャラメルっぽい感じでした。
 
ではでは、カンパーイ❤
日本酒は、グラスから1合単位で注文することができますので、是非ともいろいろ飲み比べてみてお料理とのペアリングを楽しんでみてください。
飲み放題メニューもあります。
 
また、器や酒器にもこだわっているりべらでは、お猪口も好きなものを選ぶことができます。新潟の工芸品、秋葉ガラスや燕三条のステンレスもあります。
器が違うとまたお酒の味わいが変わるので、そのあたりもぜひ体感してみてはいかがでしょうか?
お一人様でもふらっとお立ち寄りできますが、こちらも人気店ですので、ご予約をおすすめします。
また、ご予約であれば14時からの昼飲みもできます。
例えば、夕方や夜の時間に帰るまでの間、りべらで軽く一杯飲んでから……なんていうのもありですよね!
 
駅南のイタリアンレストランLA CUCINA LIBERAでは、新潟の食材をふんだんに使用したイタリア料理をお楽しみ頂けます。
店舗情報

店舗情報

「魚と地酒とワイン りべら 新潟古町」
住所:新潟市中央区古町通九番町1475‐4
電話番号:025-201-9111
営業日:月~土、祝日、祝前日
営業時間: 17:00~22:00 (料理L.O. 21:00 ドリンクL.O. 21:00)
日曜日、他不定休。
予約があれば14時から営業。
※喫煙可


「LA CUCINA LIBERA」
住所:新潟市中央区米山2-2-5 1F
電話番号:025-369-4876
営業時間:11:30~13:30、18:00~21:00
不定休、要予約

割烹やひこ

創業1938年(昭和13年)の、格式ある老舗料亭。
芸妓さんを呼んで楽しむことができるお店の一つです。

古町花街で芸妓さんのおもてなしを受けてみよう!

前述した通り、古町には花街(お座敷で芸妓の諸芸を楽しめる店がある街)があります。
古町花街は200年の歴史があり、かつては京都の祇園、東京の新橋と並び称され、現在も日本有数の現役花街です。料亭や割烹を通じて、芸妓さんのおもてなしを予約することができます。
となれば!一度はその伝統と文化に触れてみたいもの。
 
でも、格式ある料亭で芸妓さんのおもてなしを受けるって、敷居が高いのでは?と思ってしまいますよね?なにかお作法があるのかも??
 
しかし今は、女性だけのお酒の席(世に言う女子会)でも、よく芸妓さんが利用されているんですよ!
一見さん(初めてのお客様)はお断り……なんてこともないですので、新潟に観光に来たお客様にも、気軽に利用されています。
今回は芸妓さんを利用する方法や実際の様子を交えてご紹介したいと思います。

お店の予約と一緒に芸妓さんの手配ができます

芸妓さんを呼ぶには、まずお店(料亭や割烹)の予約が必要です。
その時に「芸妓さんを呼んで欲しい」とお伝えください。
お店を通して、芸妓さんの手配が簡単にできるのです。
 
その時に、芸妓さんの人数や時間、振袖さん(若手)か留袖さん(ベテラン)か?など要望をお伝えください。
分らないことがあれば、何でも聞いて大丈夫です。
ちなみに、花代(芸妓さんの料金)の目安は、2時間税込27,720円(2025年10月現在)
他、予約方法についてなどは下記のサイトを参考にしてください。
※サイト内のお店以外にも芸妓さんを呼ぶことができますが、料金が変わってきますのでその場合はお問い合わせください。
私もお店へ直接電話をして芸妓さんをお願いしてみました。
とても人気がありますので、お早目の予約をおすすめします。
 
それではレッツゴーです♪

場所は東堀通9番町

「割烹やひこ」があるのは東堀通9番町。
 
古町の中心、古町通から一本東側の通り「東新道」沿いにあります。
古町モール7のアーケードを抜けたら一本右の通り。
東新道は別名「鍋茶屋通り」と呼ばれますが、それは創業江戸末期(1846年)の料亭「鍋茶屋」があるから。地元の人はそう呼ぶことの方が多いかな!?
先に紹介した西新道と同様に、戦前に建てられた歴史的建造物が多く残っていて、こちらも風情溢れる景観を望むことができます。
 
「割烹やひこ」のお店も歴史的建造物の一つ。元々は町屋だったところで、100年以上の歴史があるのだとか!
なんか、もう「入る」だけで価値ある!!

スタンド割烹スタイルで、さらに気軽に老舗料亭を楽しめる!

「やひこ」をおすすめする理由の一つが、芸妓さんを呼べるお店の中では唯一?!「スタンド割烹」と呼ぶスタイルがあること。
どういうスタイルなのかというと……
通常、芸妓さんを呼べるような格式ある料亭や割烹では、宴会(コース)料理はお座敷に上がらないと食べることができません。お部屋代などもかかります。
しかし、同店ではカウンター(スタンド)と小上がりを用意。そこでも宴会料理を食べることができるのです。
カウンター5席。
小上がり3~2席。
 
もちろん、そこに芸妓さんを呼ぶこともできるんですよ!!
カウンターで一人、芸妓さんのおもてなしを受けることもOK。
会社帰りや二次会でふらっと寄り、当日その場で芸妓さんをお願いすることもOK(空いていれば来てくれます)
しかも1時間から利用することができます(その場合花代は税込13,860円)
 
さらに!お料理にしても、ワンドリンクが付いた晩酌コース(2500円)や、その日のおすすめの一品料理もご用意しています。
 
いや、正直……ぶっちゃけ「え?本当にいいの!?」と、思ってしまう。
古町の、数ある料亭や割烹の中で、ここまでやってくれているのってそうありません。いや、もしかしたら「やひこ」だけ?かも、しれません。
 
(え……私、今度カウンターで一人飲みしてみようかな)

芸妓さんのおもてなしを受けながらお料理とお酒を頂きました!

というわけで、私も実際に芸妓さんのおもてなしを受けながらお料理とお酒を頂いてきました。
そうそう、こういった場所に来る場合、服装なんかもどうしたらいいか迷いますよね。
必ずしもフォーマルでなければいけない、という決まりはありません。カジュアル過ぎない格好であれば大丈夫です。
芸妓さんと一緒に過ごす際の、特別な「お作法」や「ごあいさつ」のようなものもありません!
あ、お酒はおすすめしても大丈夫ですが(飲めない方もいらっしゃいます)、お料理をおすすめすることはご遠慮下さいね。
 
と、その前に……お席やお料理やお酒の説明も少し。
 
今回は2階のお座敷(個室)をご用意して頂きました。
その場合は、席料・奉仕料(サービス料)が別途必要になります。
お料理は、ご予算でその日の仕入や季節に合わせて作って頂けます。
 
晩酌コースに続き、びっくりするくらいお手頃なコースもあるんですよ!
 
・「角田コース」4,500円…お料理5品+お食事(飲み物別途)
・「やひこコース」5,000円…お料理6品+お食事(飲み物別途)
 
一応、これでも40歳をとうに越えているので、時々はそれなりの場所で食事をする機会だってあるわけで……その経験上、マジで、これでこの価格はない!!
私が驚くと、
「にいさん(大将)はとても職人気質で、こういうお店だからといって特に高く頂こうという気がない――」って。
 
ひえぇぇ!でも、本当にいいのかな?なんか、すごい申し訳ない気もするんだけど、4500円の角田コースにしちゃっていい?
気になりますよね???
 
そしてお酒!!
ビールや焼酎、サワー、ワインやソフトドリンク。
新潟の地酒では、常時定番であるのが麒麟山酒造の伝統辛口…通称「伝辛(でんから)」←新潟の人、大抵こう言います(笑)。と、樋木酒造の鶴の友…こちらも「鶴友(つるとも)」って言う(笑)
ほか、お店の方がその時のものを、8種類ほど買い付けているそうです。
季節のものもありましたし、ちょっと珍しいものもありました。
聞けば、新潟らしい「淡麗辛口」のものを意識しているとのこと。
 
では、とりあえず伝辛からいきますか!!!

乾杯♫
・お通し
やはりこの時期は「かきのもと」!こちらでも登場です❤
 
・先付
「季節の前菜盛合わせ」
どこから突っ込んでいいのか分からないくらいすごい。
渋皮煮鴨ローストにいたるまで、全部手作り。
ぎんなんむかごの素揚げ、秋刀魚茄子シャインマスカットの白和え……本当に季節をいっぱい感じますね。
他に「たまご焼き」も人気の一品。年末におせち料理の販売はしていないのですが、このたまご焼きだけは販売しているそうです。

・お刺身
アオリイカ、バイ貝、南蛮エビ、えご、ふなべた。
どれもこれも、新潟の海の恵み。
特にふなべた(標準和名はタマガンゾウビラメ)は新潟の下越地方でよく食べられます。他の地域はあまり食べないんじゃないかな?
えご(いご)練りは、いご草という海藻を冷やし固めた新潟の郷土料理。

・煮物

 
「のっぺ」も再び❤
 
どこでどの「のっぺ」を食べても飽きずに満足する新潟県民(笑)
 
 
・焼き物
「ぎんだら味噌焼き」。
味噌もお店で調合したものを使用。
 
・揚げ物
えのき、舞茸、ピーマン、アマダイ。個人的には舞茸の天ぷらって神と思う(笑)
新潟はきのこ類もとっても美味しいです。
 
・お食事
「俵握り」「きゅうりのからし漬け」。
魚沼こしひかりの特別栽培米を羽釜で炊いて。
塩をまぶし、こだわりの海苔で巻いただけのシンプルなそれは、米の美味しさをそのまま伝えてくれます。
生まれた時から県産のこしひかりで育ったけど、思わず「あ、ご飯ってこんなに美味しいんだ」って感動しちゃった。
テイクアウトしたい、と仰るお客様も多いようです。
 
・水菓子
新潟の秋の果物「梨」と「柿」。
 
もう一回言っちゃうけど、こんなに素晴らしいお料理の数々が4,500円……って。
 
で、お料理とお酒を堪能しつつ――芸妓さん!!
今日は振袖さんのふみ嘉さんが来てくれました。
お酒を注いでもらったり……
注いでみちゃったり……
「あねさま」「あにさま」と呼んでもらえるのも、大人になった気がしてテンション上がっちゃう(笑)
 
楽しいお話はもちろん、新潟ならではのお座敷遊びや舞いもその時々で披露して頂けます。
今日は、座ったまま誰でも簡単に出来る「行司拳(ぎょうじけん)」というお座敷遊びを教えてもらいました。
「よいよい♫」可愛い拍子で盛り上がりました。
「緊張せずに気軽に来てほしい。そこが古町の良さ」だと、ふみ嘉さんも言います。
 
新潟古町のおいしいもの、伝統と文化を、割烹やひこで気軽に体験してみてはいかがでしょうか?
割烹 やひこ

割烹 やひこ

住所:〒951-8065 新潟市東堀通9番町1396番地
TEL.025-222-6208/FAX.025-222-6177
営業時間:17:00~22:30
休 日:日曜日・祝日
お昼の会合等のご利用はご予約にて承ります。
収容人数30人
宴会人数16人
カウンター有り
小上がり 2~3席
個室 2室
※現金、クレジットのみ

この記事を書いた人
おくちゃん

WEBライター/日本酒ナビゲーター/スイーツコンシェルジュ 新潟市南区出身。
美味しいもの大好き!
油ものとお腹周りがキツくなってきたアラフォー・2児の母。