にいがたお菓子探訪・創業175年藤月堂のブランデーケーキ復活!/新潟市
2026年02月26日
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こんにちは!甘いモノ大好き♡スイーツコンシェルジュのおくたにです。
”新潟のお菓子”と言えば、皆さまは何を思い浮かべますか?
笹団子?柿の種?プラリネ?ぽっぽ焼き……?
ここ新潟には、お菓子の全国トップメーカー「ブルボン」や「亀田製菓」「岩塚製菓」などをはじめ、たくさんの会社・お店があります。ルマンドや柿の種、ハッピーターンなどは、県外の皆さまも一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?
また、和菓子の世界においても、日本三大銘菓の一つ、越乃雪本舗大和屋の「越乃雪」。江戸期からの門前名物「乙まんじゅう」(新潟最古の酒饅頭)なども有名です。
そして!まだまだ新潟には地元民に愛され、県外の方にも誇れる美味しいお菓子、素敵なお菓子屋さんがあります!!
そこで、「にいがたお菓子探訪」と称し、皆さまにいろいろなお菓子やお店をご紹介していきたいと思います。
ご自宅用、お土産選びの参考にして頂けると嬉しいです。
創業175年「御菓子司 藤月堂」
第一弾の今回は、私が幼少期から親しんできた藤月堂(とうげつどう)のブランデーケーキです。
藤月堂がありますのは、新潟市西区(旧黒埼)大野町。
黒埼茶豆でも有名な、黒埼です。
新潟市街から行くと国道8号線を三条方面に向かって…「新潟ふるさと村」を過ぎてすぐ、新田町の信号から左に入ると大野町の商店街に入ります。
その中程…左手にお店。
なんと!創業は嘉永5年(1852年)。今年の4月に175年目を迎える超老舗のお菓子屋さんです。
1852年…明治初期の頃は、クッキーやケーキなど洋菓子の多くが外国から伝わり、不二家や木村屋も創業し、お菓子文化が花開いた時代。
国民的和菓子「どら焼き」が現在のような形になったのも、明治以降と言われており、藤月堂のどら焼きや中花饅頭、栗饅頭などは、皇室にも献上された逸品なんですよ!
現在もそのレシピは変えておらず、同店の名物の一つになっていますので、ブランデーケーキは知らないけれど、どら焼や中花饅頭は知っている!という方が多いかもしれません。
ドラえもんに登場するような、ふっくらとして重量感があるフォルム。
つぶあんとこしあんの間のような餡はねっとりと口当たりがよく甘すぎない。生地もしっかりしていて、噛めば噛むほどその味わいを感じることができます。
一つですごい満足感!!
バターや脂、ショートニングも入っていないので身体にも優しい!
貴重な当時のレシピ帳。手に取ってみることができます。
復活したブランデーケーキ
さて。どら焼きはもちろんおすすめなのですが!今回、私がどうしても紹介したいのはブランデーケーキなんです!!(前置きが長くなりました)
地元民は手土産や式菓子で頂くことが多く、慣れ親しんだ思い出の味…と、言いますでしょうか。
名前の通り、ブランデーのほろ苦い風味のするそれは、大人の食べ物のような気がして、子供心にドキドキわくわくしながら食べた記憶…。
(アルコールをしっかり飛ばしてあるので子供でも食べられます)
現在5代目の店主、佐藤新さんのお父様(4代目)が最初に作りはじめたとのこと。
当時は日に700~800本も焼かねばならなかったほどの、人気商品だったそうです。
しかし、他の商品にフォーカスを当てるようになったこと、コロナの影響で式菓子の販売を辞めたこともあり、20年程ブランデーケーキの販売を休んでいたというのです。
(そうだったんだ!私…その頃どうしてた?ちょうど結婚して地元離れてた……)
どうりで知らなかったワケだ!!
しかし。コロナ渦を経て、再びブランデーケーキは復活!
この4月を目標に、式菓子の販売も再び力を入れて販売することになり、ブランデーケーキも常時店頭に並ぶようになったのです。
しかも、さらなる改良を加えてもっと美味しくなりました。
レーズンは無農薬有機栽培のものを2種類使用。
ブランデーはしっとりとしたシフォン生地が出来上がる、こだわりのものを使用(どんなブランデーを使用しているのかは企業秘密)
ああ…これがいつでも食べられる!!
ありがとーーツツ。
と言うことで……お店にもお邪魔して、5代目店主のパティシエ佐藤新さんにもお話を伺ってきました!
5代目店主 パティシエ佐藤新さん
藤月堂のお店は創業からずっとこの場所にあり、お店になっている厨房併用住宅は増改築をしつつも、当時と同じ建物で営業しているとのこと。
お菓子屋さんを始めたのが175年前なので、建物自体はもっと前からのものだったと思います。
また、店名については、3代目の時にそれまでの屋号から佐藤の「藤」と、修行先のお店の名前にあった「月」をとり、明治16年から「藤月堂(とうげつどう)」になったそうです。
幼い頃から当然のように“そこ”にあったので気付もしなかったけれど、200年近く前の建物の空気を感じられるってすごいことですよね。
店内の奥にもお邪魔させてもらったのですが、中はお蔵のようになっていました。
酒蔵みたいな…そんな感じ。
で、こちらが店内です。
想像するであろうクラシカルな和の佇まいではない!!
店内いっぱいに並べられた和洋菓子(約30種ほどが並びます)
どちらかというと、可愛く包装された焼菓子の方が圧倒的に多い!!
そして壁を埋め尽くすように貼られた手書きのPOPと沢山の色紙。
著名人のファンも多いことがうかがえるし、なんとも雑多で、人の温かみというか活力というかが溢れる感じ!
可愛くてエモい❤
お菓子だけでなく、POPの一部も新さんが描いているとのこと。
まさに「可愛いはおじさんが作っている!!」ってヤツですね。
5代目パティシエ 佐藤 新さん(61)
元高校球児で甲子園にも出場。
数々の有名大学や球団からのスカウトがありましたが、高校卒業後、和洋菓子店で修行しパティシエの道へ。
――ご実家が和菓子屋さんだったから、野球を辞めてお店を継ごうと思ったのですか?
(新さん) 学生時代、自分が野球を続けていくうえで地元の人たちにたくさんお世話になりました。だから、その人たちに恩返しするためにお菓子を届けたいと思いました。父親の背中にも憧れていました。
野球は地元でもできるでしょう(笑)
できるレベルが違うような気もするのですが(笑)
――では、どうして和菓子ではなく洋菓子の道へ?
(新さん) 野球の練習帰りに、和洋菓子店のシュークリームを食べて感動したんです。家が和菓子屋だったこと…自分の誕生日が元旦(ケーキ屋さんお休み)だったので、デコレーションケーキなどの洋菓子をそれまで食べたことがなかったんです。
だから、自分がケーキを作って元旦にお店を営業すれば、自分と同じように元旦生まれの人たちにケーキを届けることができるかもしれない。営業すれば(お店の)誰かが僕にケーキを作ってくれるかもしれないって思って(笑)
あと、父親がたまに作っていたクリームパンがすごく美味しかったので、洋菓子を学びにその時食べたシュークリームのお店に修行に行こうって。
――洋菓子を学ぶことに対して反対されませんでした?
(新さん) 反対はされなかったのですが、希望したお店は「もう弟子はとらない」と、最初は断られました。
しかし、僕が野球をやっていたことを知ったら雇ってもらえたんですよ!
実はそのときちょうど“朝起き野球のチーム”を作ったばかりだったとかで。
(なるほど!つまり野球選手として…ってこと)
(新さん) だから野球をやっていなかったら入れなかったし、野球を辞めたから入れたんです。リスクはチャンスだって、その時思いました。
地元の人たちが新さんに繋いだ野球、そして野球が新さんをお菓子に繋いでくれたのですね!
なんだか運命みたいなものを感じます!!
新潟からお菓子を通じて日本の大切な文化、幸せ、元気を発信したい!
――これまで、あるいは今後に、他の場所(中心地など)へお店を出そうと思ったことは?
(新さん) どこかに行くということは考えたことないです。周りの人、地域の人に支えられてきたので、その人たちに喜んでもらえなければ他に行ってもダメ。
目の前の人を幸せにすることが世界を幸せにすることだと考えています。
もっというと「家族」が美味しいと言ってくれることにこだわりたい。美味しくて身体に優しいお菓子をこれからも作っていきたい。規模も大きくならないし、効率も良くならないかもしれないけれど…それは大手さんにやってもらって。
これから式菓子にも力を入れていくのですが、お祝いや法事など、みんなが集まる席で、お菓子を通じて日本の大切な文化を伝えたいです。そこに自分のお菓子があったら嬉しいなって。
ここ(新潟)から、美味しいお菓子、幸せ、元気を発信していきたいです。
また、藤月堂の未来担当(コンサルティング)をしている、おぐま経営研究所の小熊憲之さんは、ご友人でもある新さんについて、
「……商品を作るにあたり、原価ってネックになるところだと思うのですが、(新さんは)美味しいものを作ろうとするこだわりがすごい。一緒に働く人も大変なんですよ(笑)。今は、売り方に注目されることも多くなってきているけど、ここは販促もしないしお店も古いままで……お菓子に全振りしている人です。でも、新潟を、日本をハッピーにしたいと本気に思っている人。だからハッピーなお菓子ができるし、一緒に仕事をすると自分もハッピーになれるんですよ」と言います。
素材選びだけでなく、保管方法、温度管理も徹底。
厨房には、今も和菓子の製造の際には使用しているという量りも発見。
これもエモい❤
新さんがこれまでに書き溜めたレシピメモ。頭の中には3000種にも及ぶレシピがあるのだとか!
一緒に働く人も大変……といいますが、それでも新さんのお菓子作りに対する姿勢や人柄に惹かれて、藤月堂で働きたいという人が多いそうです。
これまで新さんとご両親の三人で切り盛りしていたお店は、今では従業員も増え、8名体制でお店を支えることができるようになりました。
「人が一番大事」と、新さんもいいます。
これまで新さんとご両親の三人で切り盛りしていたお店は、今では従業員も増え、8名体制でお店を支えることができるようになりました。
「人が一番大事」と、新さんもいいます。
どら焼きは市内ウオロクでも買える!他におすすめのお菓子は?
そんなハッピーな藤月堂のお菓子!ブランデーケーキは店舗のみの販売になっていますが、どら焼きは市内ウオロク7店舗(2026年1月現在)で購入することができます。
(デッキィ401、神道寺、女池、鳥屋野南、大学前、白根大通、小針南)
贈答用の5個入り箱セットも、ウオロクで発注することができます。
ネット販売は行っていません。
また、店舗で買えるブランデーケーキも、念のため電話で確認してからの方が確実です。2日前までの予約注文もすることができますよ。
教えて頂いた新さんおすすめのブランデーケーキの味変は、ホイップクリーム&いちご添え。
自宅で試してみたのですが、ブランデー香る甘すぎない大人のショートケーキのようになりました!!
他の焼き菓子も一つ一つがしっかり作り込まれていて、どれを食べても満足感がすごい!
昔ながらの正方形のフィナンシェ…通称「フリアン」は、特級バターをふんだんに使用していて、数ある焼菓子の中で焼立てが一番おいしいとスタッフの一押し!
レモンケーキ、チーズマドレーヌは安定の人気商品です。
個人的にアップルパイもかなり好みでした!
全部、伝えきれない……(ごめんなさい)
近くには桜の名所や白根グレープガーデンがあるよ!
地元民としては、藤月堂まで来たのでしたら、そのまま大野の商店街を道なりに進み、突き当りの信号を左に行くと、桜の名所「鷲ノ木遊歩道公園」がありますので、そちらにも行ってみて欲しいです。
さらにそのままずっと道なりに行くと、いちご狩りでも大人気「白根グレープガーデン」があります。
これからの春の季節は、グレープガーデンでいちご狩りをして…桜を観て…お土産に藤月堂でブランデーケーキを買って、ふるさと村でもお買い物して……ってコースはいかがでしょうか?
あ、近くに新潟名物鶏の半身揚げで有名な「若とり」もありますので、そこでお食事するのもおすすめです!
そうそう!ブランデーケーキって、日本発祥のお菓子なんですよね!ブランデーを使っているから外国からきたお菓子……では、ないんです。
でも、ブランデーが使用されているので、外国の方へのお土産にも喜ばれるかもしれませんね!!
藤月堂のブランデーケーキよ――世界へはばたけ!!
御菓子司 藤月堂
住所:〒950-1111 新潟市西区大野町3311-第1
電話番号:025-377-2005
営業時間:月・火、木~土曜日9:00~18:30
日曜日9:00~18:00
定休日:水曜日(イベント時営業、要確認)