知ってる? 水原の椿餅/阿賀野市
2022年03月17日
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道明寺? ういろう?
椿餅といえば全国的には道明寺粉を使った中に餡子の入ったお菓子を思い浮かべる人も多いはず。あるいは、ピンクじゃない「道明寺粉の桜餅」みたいな感じでしょうか。確かに吉祥寺のスーパーで売っていた大手パンメーカーの椿餅はそんな雰囲気でした。
ところが水原の椿餅は一味も二味も違うんです。名古屋のういろう風の外観なんですよ。
今回は、そんな椿餅を水原の街中にある菓子司最上屋さんに買い求めに行きつつ、同じ商店街で、このほど直営店をオープンした老舗染め物店、越後亀紺屋 藤岡染工場「かめこんや」さんを訪問。水原の商店街をぶらぶらしてきました。
ところが水原の椿餅は一味も二味も違うんです。名古屋のういろう風の外観なんですよ。
今回は、そんな椿餅を水原の街中にある菓子司最上屋さんに買い求めに行きつつ、同じ商店街で、このほど直営店をオープンした老舗染め物店、越後亀紺屋 藤岡染工場「かめこんや」さんを訪問。水原の商店街をぶらぶらしてきました。
とりあえず、天気が良かったので代官所をちらりと覗き見。
代官所についてはこちらの記事を参照のこと。
代官所についてはこちらの記事を参照のこと。
越後亀紺屋 藤岡染工場「かめこんや」さんへ
まずは、藤岡染工場さんにお邪魔しました。江戸時代に創業し、260年以上の歴史を数える老舗です。歴史ある水原にぴったりの染め物屋さんですが、昨年12月に工場併設の直営店「かめこんや」をオープン。手ぬぐいを中心に若者から年配まで幅広い層が訪れる水原の注目スポットになりました。
お店の外観は手の空いた職人さんたちが外壁を塗るなどハンドメイドで仕上げたそうです。
お店の外観は手の空いた職人さんたちが外壁を塗るなどハンドメイドで仕上げたそうです。
店内は染め物製品がたくさん。水原観光の際にはぜひ立ち寄りたいお店です。
色とりどりの手ぬぐいは1枚税込1,100円くらいのものが多いようです。そのほかにも様々な商品があり見ているだけでも楽しいです。
また、長岡造形大学の学生さんがデザインした新潟をモチーフにした商品も気になりました。いわゆる染め物らしい伝統的な色使いやデザインに若いデザイナーの感性が合わさって、すごく良いなあ、と思いました。
色とりどりの手ぬぐいは1枚税込1,100円くらいのものが多いようです。そのほかにも様々な商品があり見ているだけでも楽しいです。
また、長岡造形大学の学生さんがデザインした新潟をモチーフにした商品も気になりました。いわゆる染め物らしい伝統的な色使いやデザインに若いデザイナーの感性が合わさって、すごく良いなあ、と思いました。
そして、お店に入って目につくのは、かつて職人たちが使っていた道具の数々。
「まずは、ここに染め物屋があること知ってほしい。実際に作っているところを感じ取っていただけるような雰囲気を意識しました」と同店の野﨑あゆみさん。
「まずは、ここに染め物屋があること知ってほしい。実際に作っているところを感じ取っていただけるような雰囲気を意識しました」と同店の野﨑あゆみさん。
季節に合わせた春物の手ぬぐいをディスプレイするテーブルは、手ぬぐいの染め台を加工したものだそうで、国内でもこれだけ大きい物は珍しいとか。
そのほか、これまでにこちらで請け負ってきた仕事が窺えるような展示品も戦後のものを中心にいくつかあり興味深いです。さまざまな仕事を通じて近隣地域で信頼を得ていたことが窺えます。
そのほか、これまでにこちらで請け負ってきた仕事が窺えるような展示品も戦後のものを中心にいくつかあり興味深いです。さまざまな仕事を通じて近隣地域で信頼を得ていたことが窺えます。
こちらの商品は直営のネットショップのほか県内の観光施設などでも取り扱っていますが、ぜひ、足を運んで、実際に目で楽しんでほしいです。これからの時期だと瓢湖のあやめ祭りもありますし。
越後亀紺屋 藤岡染工場 かめこんや
住所:新潟県阿賀野市中央町2-11-6
営業時間:9時から18時まで。日・祝は18時まで。
定休日:不定休
TEL:0250-62-2175
いよいよ最上屋さんへ
藤岡染工場さんのすぐそこ、同じ商店街にある御菓子司 最上屋さんへ。
こちらも100年以上の歴史を誇るお菓子屋さんで、店主の6代目・島原宏資さんの代までは伝統的な和菓子を扱ってきましたが、7代目は洋菓子職人とのことで、現在はケーキなど洋菓子でも人気を博している様子。取材日はひな祭りシーズンということもあり、ケーキを買い求めるお客さんもたくさんいました。
こちらも100年以上の歴史を誇るお菓子屋さんで、店主の6代目・島原宏資さんの代までは伝統的な和菓子を扱ってきましたが、7代目は洋菓子職人とのことで、現在はケーキなど洋菓子でも人気を博している様子。取材日はひな祭りシーズンということもあり、ケーキを買い求めるお客さんもたくさんいました。
そして、カウンターのガラスケースの中に見つけました。これが椿餅。見た目からしてめちゃくちゃシンプルですね。
名前の由来は、かつて椿の葉で包んでいたから、とか椿油を使っていたから、など諸説あるそうですが、いわゆる全国的に知られている同名の和菓子とはまったく関係なく名付けられたお菓子なんでしょうね。
名前の由来は、かつて椿の葉で包んでいたから、とか椿油を使っていたから、など諸説あるそうですが、いわゆる全国的に知られている同名の和菓子とはまったく関係なく名付けられたお菓子なんでしょうね。
その歴史は一説には中世までそのルーツを遡ることができるらしい水原の椿餅ですが、江戸時代の越後土産物番付に名前が出てくることから、その時代にはすでに銘菓として認知されていたのは間違いないようです。
見た目と同様に、その素材もシンプルで小麦粉と上新粉、それに砂糖だけ。最上屋さんではスタンダードな「白」(1本税込75円)と、新潟のB級グルメとして認知度が上がってきた蒸気パン(ぽっぽ焼)のように黒糖を使った「黒」(1本税込85円)を販売していました。
島原さん曰く、「元祖は松月堂さん(=松月堂菓子店。すでに廃業)だと思いますね。うちはじっちゃんの頃にはすでにやっていました」だそう。
見た目と同様に、その素材もシンプルで小麦粉と上新粉、それに砂糖だけ。最上屋さんではスタンダードな「白」(1本税込75円)と、新潟のB級グルメとして認知度が上がってきた蒸気パン(ぽっぽ焼)のように黒糖を使った「黒」(1本税込85円)を販売していました。
島原さん曰く、「元祖は松月堂さん(=松月堂菓子店。すでに廃業)だと思いますね。うちはじっちゃんの頃にはすでにやっていました」だそう。
食べてみると、見た目通りのふんわりもちもちとした食感と素朴な甘さが口に広がります。確かにういろうによく似ていますが、もっと上品で洗練された印象です。白も黒も美味しいですが、個人的には黒が好みかもしれません。この食感と黒糖のほどよいコクがよく合います。
ただ、1本でもなかなかボリュームがあって、2本でお腹いっぱいになりますね。これで1本ワンコインで買えちゃうんだから安いものです。お土産ももちろんですが、軽食的に楽しむのもありかも。とても食べやすいですし。
最上屋さんでは、毎朝拵えて店頭に並べるそうで、幅広い世代に人気があるもよう。最近はSNSなどを通じて若い人も買いに来るとか。
確かに分かる気がします。シンプルで癖のない甘みはどんな時代を越えて愛されていくんでしょうね。苦手な人はあんまりいないんじゃないかと思います。
ただ、1本でもなかなかボリュームがあって、2本でお腹いっぱいになりますね。これで1本ワンコインで買えちゃうんだから安いものです。お土産ももちろんですが、軽食的に楽しむのもありかも。とても食べやすいですし。
最上屋さんでは、毎朝拵えて店頭に並べるそうで、幅広い世代に人気があるもよう。最近はSNSなどを通じて若い人も買いに来るとか。
確かに分かる気がします。シンプルで癖のない甘みはどんな時代を越えて愛されていくんでしょうね。苦手な人はあんまりいないんじゃないかと思います。
御菓子司 最上屋
住所:新潟県阿賀野市中央町2-11-11
営業時間:9時から18時30分まで
定休日:毎週第2・第4水曜
TEL:0250-62-2206
最後に
水原といえば、今でこそ白鳥の飛来地である瓢湖のイメージかもしれません。ですが、有史以来、交通や文化、軍事の要衝として発展してきた地域で、新潟の歴史を語る上でも欠かせない地域でもあります。
冒頭で紹介した水原代官所の跡地は、戦国時代の上杉家の家臣、水原氏の居城でした。関ケ原の戦いのあと、上杉家の転封によって城跡に幕府直轄の代官所ができ、戊辰戦争によって会津藩の管理下に置かれました。
そして、戊辰戦争を経て明治2年には、この天朝山に越後府が置かれ、短期間ながら新潟は「水原県」となりました。そのため水原は県政発祥の地とも言われています。
中世から近代にかけて時代に翻弄され続けた地域とも言えそうです。
今回紹介した最上屋さんが受け継ぐ椿餅も、江戸時代から続く藤岡染工場さんもそんな水原の歴史と共に続いてきたと思うと感慨深いものがありますね。
そうした歴史を偲びつつ、水原のまちを楽しむのも素敵だと思います。
冒頭で紹介した水原代官所の跡地は、戦国時代の上杉家の家臣、水原氏の居城でした。関ケ原の戦いのあと、上杉家の転封によって城跡に幕府直轄の代官所ができ、戊辰戦争によって会津藩の管理下に置かれました。
そして、戊辰戦争を経て明治2年には、この天朝山に越後府が置かれ、短期間ながら新潟は「水原県」となりました。そのため水原は県政発祥の地とも言われています。
中世から近代にかけて時代に翻弄され続けた地域とも言えそうです。
今回紹介した最上屋さんが受け継ぐ椿餅も、江戸時代から続く藤岡染工場さんもそんな水原の歴史と共に続いてきたと思うと感慨深いものがありますね。
そうした歴史を偲びつつ、水原のまちを楽しむのも素敵だと思います。
今回のスポット
この記事を書いた人
新潟市秋葉区在住。サラリーマンの傍らkindleストアで電子書籍にて地元・新潟を舞台にしたエンタメ小説を発表。インディーズながら一部で熱烈な人気を集め、どっちが本業か分からなくなりつつある中年男。