『弥彦菊まつり』と『弥彦公園もみじ谷ライトアップ』で紅葉の秋を二度たのしむ/弥彦村


2021年11月06日 12138ビュー
紅葉の秋、新潟の景色は緑色の中性から暖色へと様変わりする季節。

いままでのご時世で県内のお出かけを控えていた方たちも、「今週の土日はどこに訪れよう!」といま迷われているでしょう。

10月下旬から11月中旬までの短いひととき、弥彦村で紅葉シーズンをよりたのしめるイベント『弥彦菊まつり』と『弥彦公園もみじ谷ライトアップ』が開催中。ただ例年よりも気温が高くて弥彦村の紅葉が遅れているよう。ライターの水澤が訪れた11月1日現時点での弥彦村の様子をご参考に、あと10日前後で紅葉が見所となるため観光するタイミングを見つけてほしい。

この時期、弥彦村に訪れるなら何時がいいの?

彌彦神社に​​観月橋、もみじ谷と日本の風情をたのしむポイントが多い弥彦村。山岳部に位置するエリアのため天候の移り変わりが早く、太陽の沈みも早い。

そのため余裕を持って14時には、彌彦神社の駐車場に到着するのがよいでしょう。では早速、彌彦神社で開催される『弥彦菊まつり』へ訪れました!
弥彦菊まつりは菊の出品品目と質、両方ともに全国随時を誇る菊花大展覧会です。

新潟の各地域から集まる菊は、丹精に1年間かけて育てられたものばかり。数多くの菊花が弥彦菊まつりにあわせて出展され、審査が行われてきました。
※菊花大展覧会は越後一宮彌彦神社境内『一の鳥居』からはじまる。
新潟はもともと、「カキノモト」と呼ばれる食用菊の生産が盛んな地域。お家の食卓に紫色の大輪種「延命楽(えんめいらく)」や、黄色の「阿房宮(あぼうきゅう)」が並んでいた方も多いはずです。
幼少期のおぼろげな菊との思い出を振りかえりながらに境内を進むと、彌彦神社の御神木前で行われる大風景花壇の光景が目の前に広がります。
日本各地の名勝や景勝を再現する大風景花壇、2021年度のテーマは『佐渡』です。200名近くの方たちが造園に協力し、佐渡の原風景を表現しています。
とくに花壇に傾斜を設けることで、佐渡島の地形と川の流れをわかりやすく表現したそう。佐渡のシンボルであるトキも背景から顔を覗かせて、佐渡らしさを感じられるのは私だけではないはず。

彌彦神社を彩る 菊!菊!菊!

さて御神木に一礼を終えて、随神門にむかって歩き出します。

シーズンを先どりした今回、新緑の名残がある彌彦神社。ただここ数日で気温が下がっているため、ちいさな芽生えの紅葉を見つけられるひとときでした。
一の鳥居から拝殿までに展示される2,500本近くの菊が彩るさまは圧巻のひとこと。昭和3年から愛好家によって開かれた菊花陳列会、そして現在まで続く菊花大展覧会で培った審査美のもと選ばれた菊は、いわゆる権威を持つものばかり。

「この菊はなぜ特賞に選ばれているのだろう?」と想像を膨らませながら眺めるのもまた一興です。
境内までゆったりと歩き、拝殿に到着する頃あい(16:30)には日の暮れどき。国の登録有形文化財に指定される彌彦神社の拝殿ではハート型の『大懸崖だいけんがい(小菊)』などがお出迎えしてくれます。

参拝客が多い朝方と比べて人混みが少なく、家族連れやカップルで訪れた方たちはソーシャルディスタンスを保ちながら各々がたのしむ。近年の菊花大展覧会らしさのあらわす光景が広がります。
さらに、弥彦菊まつりで最も優れた菊に贈られる『寬仁親王賞(ともひとしんのうしょう)』は拝殿で飾られています。菊の根っこから伝える生命力にあふれた作品で見るものに力を与えてくれそう(個人差あり)

ここまでに3000本近くの菊にふれると、1本の菊であっても紅葉で染めあがる弥彦村の景色とあいまって凛と、また神秘的な輝きだすさまがわかるほど。弥彦菊まつりは何度も訪れても飽きない、秋の越後路の風物詩なのです!
弥彦菊まつり

弥彦菊まつり

住所:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2

期間:2021年11月1日(月)~11月24日(水)

開催時間:期間中常時

交通アクセス:
●JR弥彦線「弥彦駅」より徒歩で15分
●北陸自動車道「三条燕IC」より車で25分

駐車場:
●普通車:2000台/1台500円
●大型車:20台/1台2000円
※期間中は弥彦公園脇に臨時有料駐車場を設けます。公園内の紅葉もあわせてお楽しみください。
※無料駐車場も有ります。

『弥彦公園もみじ谷ライトアップ』で紅葉が色めきたつ

弥彦菊まつりを満喫して、一息を入れおわる18:00。日が暮れて、弥彦村の夜空がくっきりとみえるひとときになっているでしょう。10月29日から紅葉終了までの11月24日、弥彦公園もみじ谷ではライトアップが行われています
※お子さまと訪れる際は真っ暗な歩道を進むため十分にお気をつけください。
彌彦神社から訪れるようでしたら『湯神社温泉・源泉地』をこえて屋台を横目にトンネルを抜けるともみじ谷はすぐそこ。目印は真っ赤な楓やイチョウの木が立ち並ぶエリアです。
※提供:弥彦観光協会
まず見所である朱色に塗られた『観月橋』へ。観月橋の中央部分には展望スペースがあり、月と一緒に紅葉を眺めることができます。しかも11月は19日前後に満月となるそう。

谷一面に植えられた400本もののもみじの木によって真っ赤に染まったもみじ谷、そして満月によって幻想的な世界へと誘ってくれるはず。
「弥彦公園もみじ谷は、いつも混んでいて行きづらい……」

そう思っている方も少なくありません。今年から実は、コロナ禍での密を避けてもらいながら紅葉をたのしんでもらうべく、観月橋限定から公園全体にエリアを広げてライトアップを行っています。だから公園の道中であっても、日中とは異なる風情がより感じられます。

あたらしい観賞スポット『逆さ紅葉池』

※提供:弥彦観光協会

ライトアップするエリアが拡大されたことで注目度が高まるスポットがあります。それは水蓮芭園エリアの『ひょうたん池』です。
※提供:弥彦観光協会

夏の花である水蓮芭が群生する池で、この時期は紅葉が水面に反射して逆さまに映るさまを『逆さ紅葉池』と呼ぶそう。

これまでは知る人が知る隠れスポットで、広域に照らすライトアップが逆さま紅葉池を際立たさせることに一役買っているようです。
他にも、私自身毎年足を訪れていても気づかなかった観光スポットが増えている弥彦公園もみじ谷とライトアップ。

夜道が不安な方でも、一人で夜景を撮影しにまた知人と弥彦村の紅葉を見に訪れている方も多数出逢いますのでご安心ください。昼と夜、二つの表情をみせる弥彦村に秋を堪能しに訪れてみてはどうでしょうか!

私もまた弥彦村には紅葉のピークを迎える11日前後に訪れようと思う。
弥彦公園もみじ谷ライトアップ

弥彦公園もみじ谷ライトアップ

住所:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦667-1

交通アクセス:
●JR弥彦線「弥彦駅」より徒歩で1分
●北陸自動車道「三条燕IC」より車で25分
※10月下旬~11月中旬は混雑が予想されるため、公共交通機関をご利用ください。

駐車場:
●普通車:2000台
※11/1~24は公園周辺駐車場は有料(普通車500円)となります。

営業時間:
●終日開放
●紅葉ライトアップ期間・時間
期間:10月下旬~紅葉終了まで
時間:17:00~21:30
ユニバーサルデザイン対応
車いす対応有、貸出車椅子可、障害者用トイレ有
弥彦観光協会で車椅子を貸出しております。

この記事を書いた人
水澤 陽介(みずさわ ようすけ)

新潟県生まれ、東京、沖縄を経て地元新潟にUターン。2021年2月、三条市の中央商店街に本屋「SANJO PUBLISHING」を立ち上げ、“まちを編集する本屋さん”をモットーにまちの魅力を集め、届けています。 まちを編集する本屋「SANJO PUBLISHING」(https://note.com/ncl_sanjo