子どもやペット連れに人気!暮らすように泊まる「ツギハギの家」/糸魚川市


2024年05月27日 669ビュー
(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

旅行に出かける理由の一つに「家族と過ごす旅」があります。

「日々の忙しさから離れて、家族とゆっくり過ごしたい。」

それは理想ですが、小さい子どもがいると現実はそう甘くありません。

長い移動時間。
子どもが飽きる観光地巡り。
宿での周りへの気遣い。
食べ物の好き嫌い問題。

温泉にゆっくり浸かるなんてもってのほか!

子どもが寝る頃には、大人もへとへと。

そんなファミリー層には、昨今「ウェルカムベビー・キッズの宿」もたくさんあります。

でも、本音はちょっと物足りない…。 そんな方におすすめの宿が、今回ご紹介する一棟貸し宿「ツギハギの家」です。

温泉宿泊施設のとなりにある一棟貸し宿

「ツギハギの家」は温泉宿泊施設「長者温泉ゆとり館」のとなりにある一棟貸し宿。

長者温泉ゆとり館の運営を行う株式会社tsugihagi blueが2023年6月にオープンさせました。

チェックインや宿の案内は長者温泉ゆとり館で。 鍵を受け取ったら、歩いて10秒ほどで「ツギハギの家」が見えてきます。

子どもや犬も安心。広い土間リビング。

(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

重厚な扉を開けると、そこにはパアッと広がる土間リビング。

靴を脱がずに外と行き来できる広い空間は、小さな子どもや犬を連れての旅行にぴったり。

本来あったであろう壁を抜き広い空間になっていることで、土間をうろうろする子どもや犬を見守りながらコーヒータイムを楽しむこともできます。
(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

ソファに座り目線を上に上げると、古民家の立派な梁が顔を出し、家の造りをじっくりと感じられる空間になっています。

土間にした部分の床板は、ツギハギのように壁板に。 オーナーさんと職人さんのこだわりが、そこかしこから感じられます。
(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

「ツギハギの家」の一つの楽しみは、土間に置かれた薪ストーブ。
自分たちで薪をくべて楽しむことができます。

薪ストーブの使い方がしっかり書いてあるのはもちろん、おとなりの「長者温泉ゆとり館」にはスタッフが常駐。わからないことがあればいつでも聞きに行くことができるので安心ですね。

この集落に「暮らす」場所を作りたい

運営を行う株式会社tsugihagi blue代表の屋村靖子さんに「ツギハギの家」オープンまでの経緯をお聞きしました。

「私たちがゆとり館を引き継いだときから、この家のことは気になっていたんです。この辺りは空き家があっても崩れてしまっているものも多いなか、この家は崩れていないし、ゆとり館からとても近いので。

集落の人たちからも、この空き家の話をよく聞いていて、何かに活用できないかなと思っていたんです。」

その後、管理を任されている方の紹介で、15年間空き家だったこの家を屋村さんが使えることになりました。
改修前の様子(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

「実ははじめは飲食店営業を取ろうと思って、各所に相談していたんです。でも飲食店営業を行うには排水設備の課題があって。結果、飲食店の話は保留になりました。」

その頃、屋村さん自身の中にもある想いが芽生えていました。

「私たちの自宅はここから車で10分くらいで着く、海沿いの集落にあります。同じエリアとはいえ、海と山とでは生活が全く違います。ゆとり館のある集落にも暮らしの拠点がほしいねと夫と話していたんです。」
冬になれば、雪が降るエリア。海沿いにある自宅周辺と山にあるゆとり館周辺では積雪量も変わります。

「家を出るときは大したことなくても、ゆとり館まで来るとたくさん積もっていることもありました。そんなときは大体ゆとり館周辺に住む人たちが先に除雪を済ませてくれていて。申し訳ないなと思っていました。」

近くにいないとできないこと、暮らしてみないとわからないことの多さにだんだんと気付いたのです。
一棟貸し宿にしたもう一つの理由は、お客様の過ごし方の変化でした。

「最近はゆとり館のお客様もリピーターが増えてきたんです。私たちが大事にしている『小さな集落に暮らすように泊まる』というコンセプトを理解してくれる方が多くなりました。そういったお客様の反応を見ていて、もう少し集落の人と顔見知りになったり、暮らしている実感が持てるような場所もほしいなと思ったんです。」

そういった複数の要因があって、「ツギハギの家」は屋村さん一家の暮らしの場所であり、空いた期間は人に貸し出す「一棟貸し宿」というスタイルになりました。

暮らして生まれた「関わる余白」

オープンしてから約1年、そして屋村さん一家がこの集落に暮らし始めて約1年。どんな変化があったのでしょうか。

「今まで関わりのなかった集落の方とも交流が増えましたね。ゆとり館は市の施設なので、直接運営に関わっていない住民の方は、今まで少し遠慮していたのかなと思います。ツギハギの家は私たちの単独事業なので、家を直しているときは、いろんな人が見にきて話をしてくれて。

薪用の木材を譲ってくれたり、屋根を一緒に直してくれたり。ツギハギの家ができたことで、集落の人にとっても関わる余白が生まれたのかなと思います。私たちの活動に関心を持ってくれたり、時には厳しいことを言ってくれたりもする。すごくありがたいです。」
また、お客様にとってもうれしい変化がありました。

「私たちと集落の方との距離が近付いたからか、お客様と集落の方との距離も近くなりましたね。誰か知らない人が集落内を歩いていても『ツギハギの家に泊まりに来ている人』という認識があるから、気軽に声をかけてくれる人もいます。」

子どもとペットと、心置きなく過ごす。

(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

そんな「ツギハギの家」は小さな子どものいるファミリー層のお客様も多い。

ご自身も4歳の子どもがいる屋村さんは、ファミリー層を受け入れるスタンスについてこう語ってくれました。

「お父さんお母さんには、ぼーっとしててほしいですね。子連れ旅行って、移動時間が大変じゃないですか。宿に辿り着くころには疲れ切っている、そういう光景をたくさん見てきました。『あぁ、ちょっとの時間でも休ませてあげたい。』って思うんですよね。」

(画像提供:株式会社tsugihagi blue)

「この連休もゆとり館のお客様も含めて、ファミリー層が多かったんです。その子どもたちがあっという間に仲良くなって。子どもって6.7人集まれば、その中でうまく解決しながら遊べるんですよね。だから親は親でその隙に部屋で休めたりして。

そこは私たちスタッフもいるし、何よりうちの子が一番騒いでいるから気を遣わなくていいですよ。そういう姿が宿の理想なので、受け入れる私たちにとってもすごくいい時間でした。」
「小さな集落に暮らすように泊まる」

屋村さん自身がこの集落で暮らしているからこそ作れる空間、それが「ツギハギの家」。

「1番大事なのは、ここで暮らしていること。それだけなんです。」

バタバタとした日常にちょっと疲れたら、「ツギハギの家」で小さな集落のあたたかさに触れてみるのはいかがでしょう。
ツギハギの家(長者温泉ゆとり館)

ツギハギの家(長者温泉ゆとり館)

住所:新潟県糸魚川市木浦18778
電話:025-566-3485(長者温泉ゆとり館)
メール:yutorikan.onsen@gmail.com
利用形態:一棟貸し(12名まで宿泊可能)
利用料金:利用料10,000円、清掃料7,000円、宿泊料4,000円(1名につき)、犬・猫2,000円(1匹につき)
※大人・子ども同一料金
※ゆとり館入湯料は別料金

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer